魚:グッピーについて説明

グッピー飼育の基礎知識
項目 内容
歴史と起源 南米原産、1850年発見、戦後日本で人気
種類と特徴 体色、ヒレの形、模様が豊富、オスとメスで見た目が異なる
飼育環境と水槽の設備 水槽サイズ、水質、水温、水流、ろ過フィルター、ヒーター、水温計、ライト、底砂、エアポンプ
餌と栄養補給方法 雑食性、人工飼料、生餌、稚魚にはブラインシュリンプ
繁殖と子供の育て方 卵胎生、稚魚は親魚から隔離、水温管理、栄養補給が重要
病気と予防方法 白点病、カラムナリス病、水カビ病、松かさ病、水質管理、早期発見、早期治療

1. グッピーの歴史と起源

要約

グッピーの発見と命名

グッピーは、1850年頃にイギリスの植物学者であるレクメア・グッピー氏によって、南米北部のトリニダード島で発見されました。この発見を記念して、グッピー氏は発見した魚に自身の名前を冠し、グッピーと命名しました。グッピーはその後、イギリスやドイツで繁殖・研究が進められ、やがて繁殖の中心はシンガポールをはじめとしたアジア諸国に移っていきました。

グッピーは、1859年に新種として記載され、学名がつけられました。その際に、発見者であるグッピー氏から名前が付けられました。グッピーには、「ニシメダカ」という和名がありますがほとんど用いられていない事もあり、当サイトでは「グッピー」の名前を使用しています。

グッピーは、1930年頃から日本で販売され始め、ポピュラーとなったのは戦後のことです。東京オリンピックが開かれた高度経済成長期の1960年代~1970年代、バブル景気に湧いた1990年代の2回にわたって大きなグッピーブームがありました。

グッピーの発見と命名
時期 内容
1850年 レクメア・グッピー氏によって発見
1859年 学名がつけられ、グッピーと命名

グッピーの輸入と国産化

グッピーは、主にイギリスやドイツで繁殖・研究が進みましたが、やがて繁殖の中心はシンガポールをはじめとしたアジア諸国に移っていきました。日本には昭和初期に初めて輸入されました。一説では、アメリカ兵が缶詰などでグッピーを日本に持ち込んでいたとも言われています。

輸入当時は珍しいこともあり非常に高価で、三越や千疋屋といった高級店で販売されていたようです。その後、第二次世界大戦が終了してしばらく経った頃から徐々に一般庶民も購入できるようになっていったようです。

輸入された外国産のグッピーに対し、日本国内で繁殖・飼育された国産グッピーもいます。これは主に美しさを追究する愛好家の手によって作出されてきたもので、品評会も開催されています。

グッピーの輸入と国産化
時期 内容
昭和初期 日本に輸入
戦後 一般庶民に普及
現在 国産グッピーも人気

グッピーの価格

グッピーは外国産と国産で価格が大きく異なります。東南アジアから輸入される外国産のグッピーでは1匹100~200円程度と安いのに対し、国産グッピーだと1ペア1000円程度から高いものだと数万円にもなります。

外国産グッピーは海外で大量に養殖されているのに対し、国産グッピーは愛好家が系統などを重んじてコツコツ生産してることなどから、このような値段の差が生まれています。

もちろん、品種によっても価格は大きく変わりますが、数百円からでも購入できる品種がたくさんいるのもグッピーの魅力です。

グッピーの価格
種類 価格
外国産 1匹100~200円
国産 1ペア1000円~数万円

まとめ

グッピーは、南米原産の熱帯魚で、1850年頃にイギリスの植物学者によって発見されました。その後、世界各地で繁殖・研究が進められ、日本にも昭和初期に輸入されました。

当初は高価でしたが、戦後には一般庶民にも購入できるようになり、現在では多くの品種が作出されています。

外国産と国産では価格が大きく異なり、国産グッピーは特に美しさを追求した品種が多く、高価なものも存在します。

2. グッピーの種類と特徴

要約

グッピーの品種

グッピーは、体色やヒレの形、模様など、様々な品種が存在します。代表的な品種としては、ブルーグラス、ドイツイエロータキシード、ネオンタキシード、オールドファッションなどが挙げられます。

グッピーは愛好家や養魚場などが常に新品種を作ろうと試行錯誤しています。今後新たな品種がどんどん生まれてくることでしょう。

グッピーの品種
品種名 特徴
ブルーグラス 淡いブルーの体色
ドイツイエロータキシード 黒と黄色のコントラスト
ネオンタキシード 鮮やかな青色の体色
オールドファッション 赤と青のモザイク模様

オスとメスの違い

グッピーは、オスとメスで見た目に大きな違いがあります。オスはメスに比べて体が小さく尾ビレが大きく立派、メスは体が大きく腹部が膨らみ尾ビレは小さめです。

オスは尻ビレの近くに交接器官(ゴノポディウム)を持っており、メスはオスに比べて体全体が丸々としています。

オスとメスの違い
性別 特徴
オス 体が小さく、尾ビレが大きい
メス 体が大きく、腹部が膨らむ

グッピーの尾ビレ

グッピーの尾ビレは、品種によって様々な形をしています。代表的な尾ビレの形としては、デルタテール、ハーフムーン、ダブルソード、リボン、スワローなどがあります。

デルタテールは三角形の尾ビレで、ハーフムーンは扇形に近い丸い尾ビレです。ダブルソードはフォークのように鋭く長い二股の尾ビレを持ちます。リボンは背びれや尻びれが長く伸びたタイプで、スワローは尾ビレの一部がランダムに伸びたタイプです。

グッピーの尾ビレ
尾ビレの形 特徴
デルタテール 三角形
ハーフムーン 扇形に近い丸い形
ダブルソード フォークのように二股
リボン 背びれや尻びれが長い
スワロー 尾ビレの一部がランダムに伸びる

まとめ

グッピーは、体色、ヒレの形、模様など、様々な品種が存在し、その組み合わせによって多様なバリエーションがあります。

オスとメスでは見た目に大きな違いがあり、オスはメスに比べて体が小さく尾ビレが大きく立派です。

尾ビレの形は、デルタテール、ハーフムーン、ダブルソード、リボン、スワローなど、様々な種類があります。

3. グッピーの飼育環境と水槽の設備

要約

水槽の選び方

グッピーを飼育する水槽の選び方ですが、少数のグッピーを飼育するだけであれば、水量の小さなキューブ水槽や小型水槽でも飼育は可能です。

ただし、グッピーはオスメスがいてある程度の整った環境があるとどんどん増えていきます。そんな場合でも対応できるよう、可能であれば60cm水槽などから飼育を始めると失敗が少ないと思います。

グッピーの数によって最低限必要な水の量が決まってきます。稚魚が増えることを考えて、水量1〜2リットルあたり1匹くらいを目安にしましょう。

水槽の選び方
飼育数 水槽サイズ
数匹 30cm水槽
10匹程度 60cm水槽
30匹程度 90cm水槽

飼育に必要な設備

グッピーの飼育には、水槽の他に、ろ過フィルター、ヒーター、水温計、ライト、底砂、エアポンプなどの設備が必要です。

ろ過フィルターは、水槽の水を綺麗にするために必要です。ヒーターは、グッピーが快適に過ごせるように水温を一定に保つために必要です。水温計は、水槽の水温を常に確認するために必要です。

ライトは、グッピーの生活リズムを整えたり、水草の育成に必要な器具です。底砂は、水槽の底に敷き、水質の安定化に役立ちます。エアポンプは、水中に酸素を供給するために必要です。

飼育に必要な設備
設備 役割
ろ過フィルター 水質浄化
ヒーター 水温管理
水温計 水温確認
ライト 照明
底砂 水質安定
エアポンプ 酸素供給

水質管理

グッピーは、弱アルカリ性の水質を好みます。pHであれば6.5~8.0を特に好みます。グッピーは、熱帯魚に分類されるので国内での飼育なら、冬にはヒーターが必要になります。

水換えはおおよそ1週間に1度の頻度で4分の1から半分程度の水を換え、1か月に1度は水槽の丸洗いをするのが基本のサイクルです。数十匹の群れを飼育する場合はそれだけ食べかすや排せつ物も多くなりますから、もう少し頻繁に、4~5日に1度水を換えても良いでしょう。

水温は20~25℃の水温が適正温度です。水槽に水を入れ、ヒーターやフィルターをセットしたまま2週間ほどおいておくことで適度な環境ができてきます。

水質管理
項目 内容
水質 弱アルカリ性
水温 20~25℃
水換え 週に1回程度、1/3~1/2交換

まとめ

グッピーの飼育には、水槽のサイズ、水質、水温、水流など、様々な要素を考慮する必要があります。

水槽のサイズは、飼育するグッピーの数によって決まります。水質は弱アルカリ性で、水温は20~25℃が適しています。

水流は弱めにするのが理想的で、エアレーションを使用する場合は、水流を弱めるように調整しましょう。

4. グッピーの餌と栄養補給方法

要約

グッピーの餌の種類

グッピーは雑食性なので、動物性の餌も植物性の餌も食べます。グッピーは水槽の上部に生息しているので、浮上性の餌で口の小さいグッピーでも食べられるような粒の小さい餌かフレーク状の餌であれば問題なく食べてくれます。

グッピー用の餌は、フレークタイプ、粒タイプ、沈下性、浮上性など、様々な種類があります。

グッピー専用の餌でなくても、メダカ用の餌などでも問題なく飼育することができます。

グッピーの餌の種類
餌の種類 特徴
フレークタイプ 食べやすく、水質悪化しにくい
粒タイプ 小型グッピーでも食べやすい
沈下性 水槽の底に沈む
浮上性 水面に浮く

餌の与え方

グッピーに餌を与える頻度は1日に2回がいいと思います。ただ、早く成長させたい場合は1日3回こまめに餌を与えるのがいいと思います。1日に1回しか餌を与えないと死んでしまうわけではありません。

1日1回の餌でも問題なく飼育することができますが、餌を食べられない個体がいたり、餌をあげすぎて食べ残しが増えてしまったりすることがあるので、少量の餌を1日2回与えるのがいいと思います。

グッピーに与える餌の量はグッピーが食べきれる量にして、食べ残しが出ないようにしましょう。餌を与えすぎていると水が白く濁ってしまうことがあります。

餌の与え方
頻度 内容
1日2回 基本
1日3回 成長を促進したい場合
1日1回 問題ないが、食べ残しや栄養不足に注意

栄養補給

グッピーは、成長や繁殖のために、バランスの取れた栄養が必要です。

人工飼料だけでなく、ブラインシュリンプやイトミミズなどの生餌も与えると、より栄養価の高い食事になります。

特に稚魚には、ブラインシュリンプや育成用の専用エサなどを与えると良いでしょう。

栄養補給
餌の種類 効果
ブラインシュリンプ 栄養価が高い
イトミミズ 栄養価が高い
稚魚用餌 成長を促進

まとめ

グッピーは雑食性で、人工飼料や生餌など、様々な餌を食べることができます。

餌の量は、グッピーが食べきれる量を与え、食べ残しが出ないようにしましょう。

グッピーの成長や繁殖を促進するためには、バランスの取れた栄養を摂取させることが重要です。

5. グッピーの繁殖と子供の育て方

要約

グッピーの繁殖方法

グッピーは卵胎生で、メスの体内で卵が孵化し、稚魚の状態で生まれてきます。

繁殖させるには、オスとメスを同じ水槽で飼育すれば、自然と交尾し、稚魚が生まれます。

グッピーの繁殖は容易ですが、稚魚が親魚に食べられてしまうことがあるので、稚魚を隔離する必要があります。

グッピーの繁殖方法
方法 内容
オスとメスを混泳 自然と交尾し、稚魚が生まれる
稚魚を隔離 親魚に食べられないようにする

稚魚の飼育

稚魚は、親魚から隔離して飼育する必要があります。稚魚用の飼育ケースや水槽を用意し、水草などを入れ、隠れ家を作ってあげましょう。

稚魚には、ブラインシュリンプや稚魚用の餌を与えます。

稚魚は、約1ヶ月で親魚と同じ餌を食べられるようになります。

稚魚の飼育
飼育方法 内容
稚魚用ケース 稚魚を隔離する
水草 隠れ家を作る
ブラインシュリンプや稚魚用餌

繁殖のポイント

グッピーの繁殖を成功させるためには、水温を25℃前後、水質を弱アルカリ性に保つことが重要です。

また、栄養価の高い餌を与え、グッピーの健康状態を良好に保つことも大切です。

グッピーは、繁殖力が強く、一度に多くの稚魚を産むため、飼育スペースを確保しておく必要があります。

繁殖のポイント
項目 内容
水温 25℃前後
水質 弱アルカリ性
栄養価の高い餌
飼育スペース 十分なスペースを確保

まとめ

グッピーは、卵胎生で、メスの体内で卵が孵化し、稚魚の状態で生まれてきます。

繁殖は容易ですが、稚魚を親魚から隔離して飼育する必要があります。

稚魚は、ブラインシュリンプや稚魚用の餌を与え、約1ヶ月で親魚と同じ餌を食べられるようになります。

6. グッピーの病気と予防方法

要約

白点病

白点病は、グッピーの体表に白い斑点が現れる病気です。白点虫と呼ばれる寄生虫が原因で、水温が25度以下の時に発生しやすいです。

白点病の治療には、水温を30度以上に上げて薬浴を行います。グリーンFゴールド顆粒などの薬が効果的です。

白点病は感染力が強いので、感染したグッピーを隔離して治療する必要があります。

白点病
症状 内容
白い斑点 体表に白い斑点が現れる
擦り付け行動 水槽に体を擦り付ける
呼吸困難 エラに白点病が発生すると呼吸困難になる

カラムナリス病

カラムナリス病は、カラムナリス菌という細菌が原因で、グッピーのヒレや尻尾が溶けてしまう病気です。

カラムナリス病の治療には、塩浴や薬浴を行います。グリーンFゴールド顆粒などの薬が効果的です。

カラムナリス病は感染力が強いので、感染したグッピーを隔離して治療する必要があります。

カラムナリス病
症状 内容
ヒレの変色 ヒレが白く濁る
ヒレの溶解 ヒレが溶けてボロボロになる
口腐れ 口が溶けてしまう

水カビ病

水カビ病は、水カビ菌がグッピーの体表に付着する病気です。水質悪化やグッピーの体への傷が原因で発生します。

水カビ病の治療には、水温を25度以上に上げて、水カビを綿棒などで優しく取り除き、塩浴や薬浴を行います。

水カビ病は感染力が強いので、感染したグッピーを隔離して治療する必要があります。

水カビ病
症状 内容
綿状のカビ 体に綿状のカビが付着
擦り付け行動 体を水槽に擦り付ける
エラへの感染 エラに水カビが発生すると呼吸困難になる

まとめ

グッピーは、白点病、カラムナリス病、水カビ病など、様々な病気にかかる可能性があります。

これらの病気は、水質悪化やグッピーの体への傷が原因で発生することが多いです。

病気の予防には、水質管理、水温管理、グッピーの健康状態の維持が重要です。

参考文献

グッピーとは – 生態や形態の特徴解説 – Zukan(図鑑)

グッピー|お魚図鑑・熱帯魚の特徴・飼育ポイント|東京アクア …

グッピーの歴史 – はじめてのアクアリウム

5分でわかる!グッピー定番品種の特徴・見分け方<グッピーの …

グッピーの種類、色、値段、飼い方、繁殖方法 | Petpedia

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