魚:イカナゴについて説明

イカナゴに関する項目一覧
項目 内容
イカナゴの特徴 生態、呼び名、類似魚
イカナゴの栄養価 含まれる栄養素、重要性、メリット
イカナゴの美味しい食べ方 稚魚の食べ方、成魚の食べ方、アレンジ料理
イカナゴの産地と獲れる時期 主な産地、漁獲時期、漁獲量の現状
イカナゴ料理の人気メニュー くぎ煮、釜揚げ、佃煮
イカナゴの新しい食べ方 カルパッチョ、パスタ、炊き込みご飯

1. イカナゴの特徴とは

要約

イカナゴの生態

イカナゴは、スズキ目・ワニギス亜目・イカナゴ科に属する魚類で、イワシなどと並んで、沿岸における食物連鎖の底辺付近を支える重要な魚種です。かつての学名はAmmodytes personatus でしたが、2015年の研究で A. personatus は日本には分布しないことが分かり、イカナゴの学名はシノニムであるとされていた Ammodytes japonicus となりました。イカナゴは北半球の寒帯域から温帯域を中心に熱帯域まで、沿岸部に5属18種が分布し、沿岸の粒径0.5 mmから2.0 mm程度までの砂泥底に棲息し、主にプランクトンを食べています。産卵期は冬(12月)から翌年春(5月)で、寒冷な水域ほど遅い傾向が見られ、水深10 mから30 m付近の砂底に、粘着質の卵を産卵します。北方系の魚であるため、温暖な水域では、夏季に砂に潜って夏眠を行います。

日本産イカナゴは移動性が小さく、各地に固有の系統群が存在しています。1歳で体長10 cm程度まで成長し、成熟します。3年から4年で20 cm程度まで成長しますが、瀬戸内海や伊勢湾では大きくても15 cm程度です。

イカナゴの生態
項目 内容
学名 Ammodytes japonicus
分布 北半球の寒帯域から温帯域を中心に熱帯域まで
生息場所 沿岸の砂泥底
食性 プランクトン
産卵期 冬(12月)から翌年春(5月)
夏眠 温暖な水域では夏季に砂に潜る
成長 1歳で体長10 cm程度、3年から4年で20 cm程度

イカナゴの呼び名

イカナゴには様々な地方名があり、稚魚は東日本で「コウナゴ、コオナゴ(小女子)」、西日本で「シンコ(新子)」と呼ばれます。毎日新聞ではイカナゴについて取り扱った記事で、東京本社版は「コウナゴ」、大阪本社版は「コウナゴ(イカナゴ)」「イカナゴ」と表記した例があります。成長した個体は北海道で「オオナゴ(大女子)」、東北で「メロウド(女郎人)」、西日本では「フルセ (古背)」、「カマスゴ(加末須古)」、「カナギ(金釘)」などと呼ばれます。

イカナゴとよく似た魚

「イカナゴ」と「キビナゴ」は名前が似ていますが、これらは種類が全く異なります。イカナゴがスズキ目イカナゴ科の魚なのに対して、キビナゴはニシン目ニシン科に分類され、いわしの仲間です。キビナゴは、大きさ10cmほどの成魚を刺身や天ぷらなどにして食べます。傷みやすいため全国的にはほとんど出回りませんが、水揚げされる地域では人気のある魚です。

イカナゴとよく似た魚
魚種 特徴
キビナゴ ニシン目ニシン科、いわしの仲間、刺身や天ぷらで食べる

まとめ

イカナゴは、日本各地で親しまれている魚ですが、地域によって呼び方が異なるなど、奥深い一面があります。生態や生息域、成長過程によって様々な呼び名を持つこと、そして、キビナゴとは異なる魚種であることを理解することで、イカナゴへの理解が深まります。

2. イカナゴの栄養価について

要約

イカナゴに含まれる栄養素

イカナゴは、骨ごと食べる魚なので、カルシウムをたくさん摂取できます。骨の生成に必要なリンも豊富に含んでおり、それらの吸収を助ける働きがあるビタミンDも豊富です。また、鉄分を多く含んでいますので、貧血気味の方にはおススメの魚です。

イカナゴに含まれる栄養素
栄養素 効果
カルシウム 骨や歯を丈夫にする
リン 骨の生成を助ける
ビタミンD カルシウムの吸収を助ける
鉄分 貧血予防

イカナゴの栄養価の重要性

現代人の食生活では、カルシウムや鉄分などのミネラルが不足しがちな傾向があります。イカナゴは、これらの栄養素を豊富に含んでいるため、健康的な食生活を送る上で重要な役割を果たします。特に、成長期の子どもや妊娠・授乳期の女性、高齢者は、カルシウムや鉄分の摂取が重要になります。

イカナゴを食べるメリット

イカナゴを食べることで、骨粗鬆症や貧血の予防、免疫力向上、代謝促進などの効果が期待できます。また、イカナゴは低カロリーで高タンパク質なので、ダイエットにも最適です。

まとめ

イカナゴは、カルシウム、リン、ビタミンD、鉄分など、健康維持に欠かせない栄養素を豊富に含んでいます。骨粗鬆症や貧血の予防、免疫力向上、代謝促進など、様々な健康効果が期待できるため、積極的に食生活に取り入れてみましょう。

3. イカナゴの美味しい食べ方

要約

稚魚の食べ方

イカナゴの稚魚は、しらすのように釜揚げにしたり、ちりめんに加工されることも多いですが、最も一般的な食べ方は「くぎ煮」と呼ばれる甘辛い味わいの佃煮です。特に兵庫県の播磨灘や大阪府の大阪湾といった瀬戸内海沿岸東部でよく親しまれています。毎年3月初め頃に、いかなご漁が解禁されて鮮度のよい稚魚が出回ると、すぐにくぎ煮に加工されるので、できたてのくぎ煮がお店でも購入できるようになり、お土産としても人気になっています。

新鮮ないかなごの稚魚がスーパーなどに出回ると、1kg単位で購入して自宅でくぎ煮を調理する人も多く、いかなごのくぎ煮は春の訪れを感じさせてくれる一品となっています。くぎ煮はいかなごの鮮度で味が左右されるので、購入後はなるべく早く調理するのがポイントです。

くぎ煮以外にも、新鮮なイカナゴの稚魚は、そのまま酢の物や、醤油をかけてご飯にのせて食べるのもおすすめです。

稚魚の食べ方
料理名 特徴
くぎ煮 甘辛い味付けの佃煮、兵庫県などで人気
釜揚げ 塩ゆでしてそのまま食べる、新鮮な旨味を楽しめる
ちりめん 乾燥させたもの、ご飯のお供に最適

成魚の食べ方

成魚は、塩漬けして、数ヶ月熟成させて作るいかなご醤油や煮干しといった加工品だけでなく、東北地方では刺身で食べることもあるようです。

成魚は、唐揚げや天ぷら、煮付け、焼き物など、様々な料理に活用できます。特に、脂がのっている魚体は、太めで背中の色が青茶色になっています。

成魚の食べ方
料理名 特徴
唐揚げ カリッと揚げて、頭から尻尾まで食べられる
天ぷら サクサクとした食感が楽しめる
煮付け じっくり煮込んだ、深い味わいが楽しめる
焼き物 香ばしく焼き上げた、シンプルながらも美味しい

イカナゴを使ったアレンジ料理

イカナゴは、どんなお料理とも相性バッチリです。ご飯やパスタ、パンにも相性がいいのでいろんな料理が楽しめます。

例えば、コウナゴ(稚魚)と春菊のかき揚げ、くぎ煮を使った巻き寿司、イカナゴの稚魚と旬の菜の花を使ったパスタ、イカナゴの稚魚と成魚をパンにのせたピザトーストなど、様々なアレンジ料理が楽しめます。

イカナゴを使ったアレンジ料理
料理名 特徴
コウナゴと春菊のかき揚げ 春菊と合わせて揚げることで、違った味わいが楽しめる
くぎ煮を使った巻き寿司 ご飯と相性の良いくぎ煮を使った、見た目も華やかな一品
イカナゴと菜の花のパスタ 春の香りが楽しめるパスタ
イカナゴのピザトースト 意外な組み合わせだが、パンともよく合う

まとめ

イカナゴは、稚魚から成魚まで、様々な食べ方が楽しめる魚です。定番の「くぎ煮」はもちろん、新鮮なイカナゴをそのまま味わうのもおすすめです。様々な料理にアレンジできるので、ぜひ色々な食べ方を試してみてください。

4. イカナゴの産地と獲れる時期

要約

イカナゴの主な産地

イカナゴは全国各地で水揚げされていますが、平成27年度の総漁獲量は29

イカナゴの主な産地
順位 都道府県 漁獲量(トン) 割合
1位 兵庫県 10,792 35%
2位 北海道 7,170 24%
3位 宮城県 3,319 11%

イカナゴの漁獲時期

イカナゴの漁獲時期は、地域によって異なりますが、一般的には2月下旬から3月初旬に解禁されます。特に、兵庫県明石では、この期間に取れる稚魚を「シンコ」と呼び、くぎ煮などにして食べられています。

イカナゴは低水温を好む魚なので、水温が15℃を超える夏には砂に潜って夏眠します。そのため、漁獲できる時期は限られています。

イカナゴの漁獲量の現状

近年、イカナゴの漁獲量は減少傾向にあります。特に、兵庫県では、20年前までは多い年で3万トンを超えていましたが、近年ではわずか147トンという年も。資源を守るため、やむなく禁漁の決定を下す港もあるほどです。

漁獲量の減少は、乱獲や生息環境の悪化、海砂の採取による生育適地の破壊などが原因と考えられています。

まとめ

イカナゴは、兵庫県、北海道、宮城県などが主な産地です。漁獲時期は、地域によって異なりますが、一般的には2月下旬から3月初旬に解禁されます。近年、イカナゴの漁獲量は減少傾向にあり、資源保護の取り組みが重要となっています。

5. イカナゴ料理の人気メニュー

要約

いかなごのくぎ煮

いかなごのくぎ煮は、兵庫県神戸市が発祥の地とされ、瀬戸内海沿岸地域で古くから作られている郷土料理です。甘辛い味付けで、ご飯のお供やおつまみにぴったりです。

いかなごのくぎ煮は、醤油、砂糖、生姜などを加えた煮汁で、生のいかなごの稚魚を甘辛く煮込んだものです。

いかなごのくぎ煮は、漁が解禁されると、鮮魚店では多くの人がいかなごを求めて列を作るほど人気があります。

いかなごのくぎ煮
特徴 内容
発祥地 兵庫県神戸市
味付け 醤油、砂糖、生姜などを加えた甘辛い味付け
用途 ご飯のお供、おつまみ

いかなごの釜揚げ

イカナゴの稚魚を、塩ゆでして、そのまま食べる料理です。

イカナゴの釜揚げは、新鮮なイカナゴの旨味をそのまま味わえるので、ご飯のお供や、お酒のつまみとして人気があります。

いかなごの釜揚げ
特徴 内容
調理方法 塩ゆで
用途 ご飯のお供、お酒のつまみ

いかなごの佃煮

イカナゴの稚魚を、醤油、砂糖、みりんなどで煮込んだ佃煮です。

いかなごの佃煮は、ご飯のお供や、お茶漬けの具材として人気があります。

いかなごの佃煮
特徴 内容
味付け 醤油、砂糖、みりんなどで煮込んだ
用途 ご飯のお供、お茶漬けの具材

まとめ

イカナゴ料理は、くぎ煮、釜揚げ、佃煮など、様々なバリエーションがあります。どれもご飯によく合い、お酒のつまみにも最適です。

6. イカナゴの新しい食べ方

要約

イカナゴのカルパッチョ

新鮮なイカナゴの稚魚を、薄くスライスして、オリーブオイル、レモン汁、塩、胡椒で和えたカルパッチョは、イカナゴの旨味と新鮮さを存分に味わえます。

彩りとして、オレンジやルッコラなどを添えると、見た目も美しく、さらに美味しくなります。

イカナゴのカルパッチョ
材料 内容
イカナゴ 新鮮な稚魚
オリーブオイル 適量
レモン汁 適量
少々
胡椒 少々
その他 オレンジ、ルッコラなど

イカナゴのパスタ

イカナゴの稚魚を、パスタの具材として使うのもおすすめです。

パスタに、オリーブオイル、ニンニク、唐辛子などで炒めたイカナゴと、旬の野菜を組み合わせると、春の香りが楽しめるパスタになります。

イカナゴのパスタ
材料 内容
イカナゴ 稚魚
パスタ 適量
オリーブオイル 適量
ニンニク 1かけ
唐辛子 少々
旬の野菜 適量

イカナゴの炊き込みご飯

イカナゴの稚魚を、炊き込みご飯の具材として使うと、ご飯に旨味が染み渡り、格別な味わいが楽しめます。

だし汁、醤油、みりん、酒などで味付けし、きのこや野菜と一緒に炊き込むと、さらに美味しくなります。

イカナゴの炊き込みご飯
材料 内容
イカナゴ 稚魚
2合
だし汁 適量
醤油 適量
みりん 適量
適量
きのこ 適量
野菜 適量

まとめ

イカナゴは、伝統的な食べ方だけでなく、現代の食卓にも合う新しい食べ方がたくさんあります。カルパッチョやパスタ、炊き込みご飯など、様々なアレンジに挑戦して、イカナゴの美味しさを再発見してみましょう。

参考文献

イカナゴの生態・イカナゴの夏眠(公益社団法人日本水産資源 …

イカナゴ

「いかなご」とはどんな魚?特徴や名前の由来・旬とおいしい …

いかなご – 栄養成分と食品の効用栄養成分と食品の効用

いかなご/イカナゴ/玉筋魚/コウナゴ/シンコなどの画像 …

イカナゴ – カロリー/栄養成分/計算 | カロリーSlism

いかなごレシピ・作り方の人気順|簡単料理の楽天レシピ

いかなごとは?くぎ煮についてや作り方もご紹介 | Delish Kitchen

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イカナゴ | MyWiki

イカナゴ属について&生物一覧ー | 市場魚貝類図鑑

イカナゴ(コウナゴ)|みなとの野菜大辞典

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