項目 | 内容 |
---|---|
形態 | 全長25cm、側扁した体、吻が尖る、口が伸びる、背鰭9棘10軟条、臀鰭3棘7軟条、体色は銀白色で褐色の雲状紋が現れる |
生態 | 沿岸の浅海に生息、海底付近を遊泳、驚くと砂泥に潜る、雑食性、口を突き出して砂泥ごと餌を吸い込む |
分布 | 本州中部以南、西太平洋およびインド洋海域、奄美大島以南には分布しない |
漁獲と利用 | 釣り、定置網、刺し網、地引き網などで漁獲、流通価値は低く、漁獲地周辺で消費される、煮付けや塩焼きなどで食べられる |
伝承と文化 | 地方名が多く、ゴンベイ、アブラッタイ、タナゴなどと呼ばれる、名前の由来はイサキに似た黒い魚から |
保護と環境への影響 | 絶滅危惧種ではないが、乱獲や環境変化の影響を受けやすい、沿岸の生態系において重要な役割を果たす |
1. クロサギの生態とは
クロサギの形態
クロサギは、スズキ目クロサギ科クロサギ属に分類される魚で、全長25cmほどに成長します。体は側扁し、広葉樹の葉のような体形をしています。目は比較的大きく、目の前に吻が尖ります。顎は小さく、細かい歯が並びますが、餌をあさるときに筒のように前下方に突き出すことができます。通常は筒状部を頬の内側・口の上側へ折り畳んでいますが、伸ばすときには下側はあまり動かず、細長い前上顎骨柄状突起で支えられた上の口が伸び、結果として前下方に突き出す仕組みになっています。背鰭は1基で9棘10軟条、臀鰭は3棘7軟条で、どちらも前の棘条が長い。尾鰭はV字形に深く二叉し、体高と同じくらいまで広がります。体色は背面が淡褐色、側面から腹部にかけては銀白色ですが、興奮すると背中や体側に不規則な褐色の雲状紋が現れます。背鰭は先端が黒く縁取られ、腹鰭と尻鰭前半部は黄色を帯びます。
ダイミョウサギは背鰭が10棘9軟条であること、体高が高いこと等でクロサギと区別できますが、外見も生態もよく似ており、漁獲や利用の際にはまず区別されません。
特徴 | 説明 |
---|---|
全長 | 約25cm |
体形 | 側扁し、広葉樹の葉のような形 |
吻 | 尖っている |
口 | 小さく、前下方に突き出せる |
背鰭 | 1基で9棘10軟条 |
臀鰭 | 3棘7軟条 |
体色 | 背面は淡褐色、側面から腹部は銀白色、興奮すると褐色の雲状紋が現れる |
背鰭 | 先端が黒く縁取られる |
腹鰭と尻鰭 | 前半部は黄色を帯びる |
クロサギの生態
クロサギは沿岸の浅海に生息し、海底付近を遊泳します。驚くと砂泥に潜って隠れることがあります。食性は雑食性で、多毛類や小形甲殻類などの底生生物を捕食しますが、藻類も食べます。摂餌の際は口を前に突き出して周囲の砂泥ごと餌を吸い込み、後から砂泥を吐き出すという独特な方法を用います。
産卵期は夏で、夏から秋にかけては全長1-5cmほどの稚魚が内湾の波打ち際付近で観察されます。河口の汽水域にも出現しますが淡水域までは遡上しません。これらの稚魚は数尾ほどの小さな群れを作り、スーッと直線的に泳いではピタッと止まるという特徴的な泳ぎを繰り返します。クロダイやキチヌの稚魚も同様の泳ぎ方をするが、クロサギやダイミョウサギの稚魚は褐色の雲状紋と背鰭の黒い縁取りで区別できます。2歳・全長14cmから繁殖に加わり始め、8歳で全長20cm前後に達します。成長はメスの方がやや早いです。
特徴 | 説明 |
---|---|
生息域 | 沿岸の浅海 |
行動 | 海底付近を遊泳、驚くと砂泥に潜る |
食性 | 雑食性、多毛類、小形甲殻類、藻類などを食べる |
摂餌方法 | 口を突き出して周囲の砂泥ごと餌を吸い込み、後から砂泥を吐き出す |
繁殖 | 産卵期は夏、稚魚は内湾の波打ち際付近で観察される |
行動 | 単独またはペアで生活、昼行性 |
クロサギの行動
クロサギは、単独もしくはペアで生活をしています。また、昼行性です。
まとめ
クロサギは、全長25cmほどに成長するスズキ目クロサギ科クロサギ属の魚です。体は側扁し、広葉樹の葉のような体形をしています。特徴的なのは、餌を食べる際に口を前下方に突き出すことができる点です。
クロサギは沿岸の浅海に生息し、海底付近を遊泳します。驚くと砂泥に潜って隠れることがあります。食性は雑食性で、多毛類や小形甲殻類などの底生生物を捕食しますが、藻類も食べます。
産卵期は夏で、夏から秋にかけては全長1-5cmほどの稚魚が内湾の波打ち際付近で観察されます。クロサギは、単独もしくはペアで生活をしています。また、昼行性です。
2. クロサギの分布地域
クロサギの生息域
クロサギは、本州・四国・九州・朝鮮半島南部の周辺沿岸海域に分布しています。奄美大島以南の南西諸島には分布しません。類似種のミナミクロサギが南西諸島以南に分布しており、種子島・屋久島産はクロサギかミナミクロサギか不明とされています。
地域 | 分布状況 |
---|---|
本州 | 中部以南 |
四国 | 全域 |
九州 | 全域 |
朝鮮半島 | 南部 |
奄美大島以南 | 分布しない |
種子島・屋久島 | クロサギかミナミクロサギか不明 |
クロサギの生息環境
クロサギは、沿岸の浅海に生息し、海底付近を遊泳します。驚くと砂泥に潜って隠れることがあります。
環境 | 説明 |
---|---|
生息域 | 沿岸の浅海 |
行動 | 海底付近を遊泳、驚くと砂泥に潜る |
まとめ
クロサギは、本州・四国・九州・朝鮮半島南部の周辺沿岸海域に分布しています。奄美大島以南の南西諸島には分布しません。
クロサギは、沿岸の浅海に生息し、海底付近を遊泳します。驚くと砂泥に潜って隠れることがあります。
3. クロサギの食性と摂取量
クロサギの食性
クロサギは雑食性で、多毛類や小形甲殻類などの底生生物を捕食しますが、藻類も食べます。
餌 | 説明 |
---|---|
多毛類 | 海底に生息する環形動物 |
小形甲殻類 | エビやカニなどの甲殻類 |
藻類 | 海藻など |
クロサギの摂餌方法
摂餌の際は口を前に突き出して周囲の砂泥ごと餌を吸い込み、後から砂泥を吐き出すという独特な方法を用います。
方法 | 説明 |
---|---|
口を突き出す | 周囲の砂泥ごと餌を吸い込む |
砂泥を吐き出す | 餌だけを飲み込む |
まとめ
クロサギは雑食性で、多毛類や小形甲殻類などの底生生物を捕食しますが、藻類も食べます。
摂餌の際は口を前に突き出して周囲の砂泥ごと餌を吸い込み、後から砂泥を吐き出すという独特な方法を用います。
4. クロサギの漁獲と利用
クロサギの漁獲方法
クロサギは、釣り、定置網、刺し網、地引き網等の各種沿岸漁業で漁獲されます。
漁法 | 説明 |
---|---|
釣り | 釣り糸を用いて釣る |
定置網 | 網を固定して魚を捕獲する |
刺し網 | 網を仕掛け、魚を捕獲する |
地引き網 | 網を引きずって魚を捕獲する |
クロサギの利用
クロサギは普通種ですが、流通するほどの価値は付かず、殆どは漁獲地周辺で消費されます。
身は白身で、脂肪が少なく柔らかい。煮付けや塩焼き等で食べられる。
利用方法 | 説明 |
---|---|
流通 | 流通価値は低く、漁獲地周辺で消費される |
料理 | 煮付け、塩焼きなど |
まとめ
クロサギは、釣り、定置網、刺し網、地引き網等の各種沿岸漁業で漁獲されます。
クロサギは普通種ですが、流通するほどの価値は付かず、殆どは漁獲地周辺で消費されます。
身は白身で、脂肪が少なく柔らかい。煮付けや塩焼き等で食べられる。
5. クロサギと関連する伝承や文化
クロサギの地方名
クロサギは、地方によって様々な呼び名で呼ばれています。ゴンベイ(新潟)、アブラッタイ(静岡)、タナゴ(浜名湖・和歌山)、スミヤキ(三重)、ムギメシウオ、ムギメシ(和歌山県南紀)、アマギ(高知)、バケラ(愛媛)、マケラ(宮崎)、アメ、アメイオ、アモ、シジュゴ(鹿児島)、マキなど、地域によって様々な呼び名があります。
地域 | 地方名 |
---|---|
新潟 | ゴンベイ |
静岡 | アブラッタイ |
浜名湖・和歌山 | タナゴ |
三重 | スミヤキ |
和歌山県南紀 | ムギメシウオ、ムギメシ |
高知 | アマギ |
愛媛 | バケラ |
宮崎 | マケラ |
鹿児島 | アメ、アメイオ、アモ、シジュゴ |
その他 | マキなど |
クロサギの名前の由来
クロサギの名前の由来は、「イサキに似た黒い魚」からきていると言われています。
由来 | 説明 |
---|---|
イサキに似た黒い魚 | クロサギの名前の由来 |
まとめ
クロサギは、地方によって様々な呼び名で呼ばれています。ゴンベイ(新潟)、アブラッタイ(静岡)、タナゴ(浜名湖・和歌山)、スミヤキ(三重)、ムギメシウオ、ムギメシ(和歌山県南紀)、アマギ(高知)、バケラ(愛媛)、マケラ(宮崎)、アメ、アメイオ、アモ、シジュゴ(鹿児島)、マキなど、地域によって様々な呼び名があります。
クロサギの名前の由来は、「イサキに似た黒い魚」からきていると言われています。
6. クロサギの保護と環境への影響
クロサギの保護状況
クロサギは、現在、絶滅危惧種に指定されていません。しかし、乱獲や環境変化の影響を受けやすい魚種であるため、適切な資源管理が必要です。
状況 | 説明 |
---|---|
絶滅危惧種 | 指定されていない |
保護の必要性 | 乱獲や環境変化の影響を受けやすいので、適切な資源管理が必要 |
クロサギの環境への影響
クロサギは、沿岸の生態系において重要な役割を果たしています。しかし、乱獲や環境汚染によって生息数が減少すると、生態系バランスが崩れる可能性があります。
影響 | 説明 |
---|---|
生態系バランス | 乱獲や環境汚染によって生息数が減少すると、生態系バランスが崩れる可能性がある |
役割 | 沿岸の生態系において重要な役割を果たす |
まとめ
クロサギは、現在、絶滅危惧種に指定されていません。しかし、乱獲や環境変化の影響を受けやすい魚種であるため、適切な資源管理が必要です。
クロサギは、沿岸の生態系において重要な役割を果たしています。しかし、乱獲や環境汚染によって生息数が減少すると、生態系バランスが崩れる可能性があります。
参考文献
・クロサギとは – 生態や形態の特徴解説 – Zukan(図鑑)
・「クロサギ」とは?その生態や釣り方を解説!おすすめの食べ …
・水族館魚図鑑-クロサギ(Gerres equulus) – 動物園&水族館に …
・【黒鷺(クロサギ)の生態!】生息地やカワウとの違いについて等 …
・クロサギの特徴、分布、生態、写真をご紹介します。|目に …
・釣り人のみぞ知る美味しい魚?クロサギを調理・実食 | ヌ …
・新潟市水族館 マリンピア日本海 生物図鑑 ≫ 「クロサギ」
・乱獲とは?問題点や解決策をわかりやすく解説 – サメブログ by …
コメント