1. アカオビシマハゼの生態とは
1-1. 生息地と分布
アカオビシマハゼは、汽水域に生息するハゼの一種で、シマハゼと呼ばれる仲間です。日本国内では、北海道から九州、隠岐、壱岐、対馬まで広く分布しています。国外では、中国、朝鮮半島、台湾、香港などに分布し、船舶のバラスト水を介してアメリカカリフォルニア州、オーストラリアのニューサウスウェールズ州とビクトリア州、地中海に移入されています。
アカオビシマハゼは、河川の河口域に多く生息し、アカオビシマハゼに比べて塩分の高い場所に多く見られます。内湾を好み、タイドプール、岩礁、泥底の石やカキ殻の下や間に単独で見られます。
アカオビシマハゼは、水質汚染に強く、東京湾奥の様々な場所に生息していると考えられています。
地域 | 分布状況 |
---|---|
日本国内 | 北海道~九州、隠岐、壱岐、対馬 |
国外 | 中国、朝鮮半島、台湾、香港など |
移入地域 | アメリカカリフォルニア州、オーストラリア、地中海 |
1-2. 食性と繁殖
アカオビシマハゼは、雑食性で、小型の水生生物や藻類を食します。小型の甲殻類、魚類、ゴカイ類などの底生動物も食べます。
繁殖期は春から夏で、石の下やカキ殻の中に産卵します。オスは産卵後も巣にとどまり、ふ化するまで卵を保護します。
項目 | 内容 |
---|---|
食性 | 雑食性(小型水生生物、藻類、底生動物) |
繁殖期 | 春~夏 |
産卵場所 | 石の下、カキ殻の中 |
保護 | オスが卵を保護 |
1-3. アカオビシマハゼとシモフリシマハゼの違い
アカオビシマハゼは、シモフリシマハゼによく似ていますが、いくつかの特徴で区別できます。
アカオビシマハゼは、臀鰭に赤色縦帯と白色縦帯があるのに対し、シモフリシマハゼには赤色縦帯がありません。
また、アカオビシマハゼは、胸鰭の最上軟条が遊離しているのに対し、シモフリシマハゼは遊離していません。
さらに、アカオビシマハゼは、婚姻色の出たオスでは頭部一面に小さな白点が散在し、シモフリシマハゼと異なり腹面にも散在しません。
特徴 | アカオビシマハゼ | シモフリシマハゼ |
---|---|---|
臀鰭 | 赤色縦帯と白色縦帯あり | 赤色縦帯なし |
胸鰭 | 最上軟条が遊離 | 最上軟条が遊離していない |
婚姻色 | オスは頭部一面に白点 | オスは腹部に白点なし |
1-4. まとめ
アカオビシマハゼは、汽水域に生息するハゼの一種で、日本各地に広く分布しています。
塩分濃度の高い場所を好み、小型の水生生物や藻類を食し、春から夏にかけて産卵します。
シモフリシマハゼとよく似ていますが、臀鰭の赤色縦帯や胸鰭の最上軟条の遊離などで区別できます。
2. アカオビシマハゼの見た目と特徴
2-1. 体の模様と特徴
アカオビシマハゼは、体側に2本の黒色縦帯があり、この縞模様が和名の由来となっています。
また、尻鰭には赤い帯が入っているのが特徴です。
体長は5~10cm程度で、シモフリシマハゼに比べて頭頂部の感覚菅開孔が大きく、両眼間隔幅はやや狭いです。
婚姻色の出たオスは、体色が黒くなり、体側の黒色縦帯は不明瞭になります。
特徴 | 説明 |
---|---|
体側 | 2本の黒色縦帯 |
尻鰭 | 赤い帯 |
体長 | 5~10cm |
頭部 | 感覚菅開孔が大きく、両眼間隔幅が狭い |
婚姻色 | オスは体色が黒くなり、縦帯が不明瞭になる |
2-2. 体色の変化
アカオビシマハゼは、興奮したり、警戒したりするとすぐに体色が黒く変化します。
そのため、捕まえた瞬間は、チチブなどと間違えてしまうこともあります。
この体色の変化は、アカオビシマハゼの防衛本能によるものと考えられています。
状況 | 体色の変化 |
---|---|
興奮 | 黒く変化 |
警戒 | 黒く変化 |
2-3. アカオビシマハゼの生態と行動
アカオビシマハゼは、縄張り意識が高く、気性が荒い魚です。
そのため、同種や他の魚と一緒に飼育すると喧嘩したり、自分より体の小さい魚であれば捕食される可能性があります。
飼育する際は、注意が必要です。
特徴 | 説明 |
---|---|
縄張り意識 | 高い |
気性 | 荒い |
混泳 | 注意が必要 |
2-4. まとめ
アカオビシマハゼは、体側に2本の黒色縦帯と尻鰭の赤い帯が特徴です。
興奮したり、警戒したりすると体色が黒く変化します。
縄張り意識が高く、気性が荒いので、飼育する際は注意が必要です。
3. アカオビシマハゼの飼育環境について
3-1. 水槽の選び方
アカオビシマハゼは、小型の魚なので、30cm以上の水槽で飼育できます。
ただし、縄張り意識が高いため、複数飼育する場合は、水槽の大きさに余裕を持たせる必要があります。
また、アカオビシマハゼは、水質悪化に強い魚ですが、できるだけきれいな海水で飼育してあげたいものです。
水槽サイズ | 推奨 |
---|---|
30cm以上 | 推奨 |
複数飼育 | 水槽の大きさに余裕を持たせる |
3-2. 水温と水質
アカオビシマハゼは、温帯性の魚なので、水温は15~25℃が適温です。
水質は、海水魚用の塩を使用し、比重は1.020~1.025に調整します。
水換えは、週に1回程度、1/3程度の水を交換します。
項目 | 推奨値 |
---|---|
水温 | 15~25℃ |
比重 | 1.020~1.025 |
水換え | 週に1回、1/3程度 |
3-3. レイアウト
アカオビシマハゼは、隠れ家となる場所を好みます。
水槽内に、岩や流木、サンゴなどを配置して、隠れ家を作ってあげましょう。
また、アカオビシマハゼは、活発に泳ぎ回る魚なので、水槽内に十分な遊泳スペースを確保してあげましょう。
アイテム | 目的 |
---|---|
岩、流木、サンゴ | 隠れ家 |
遊泳スペース | 十分なスペース |
3-4. まとめ
アカオビシマハゼを飼育する際は、30cm以上の水槽を選び、水温は15~25℃、比重は1.020~1.025に調整します。
水換えは、週に1回程度、1/3程度の水を交換します。
水槽内に、岩や流木、サンゴなどを配置して、隠れ家を作ってあげましょう。
4. アカオビシマハゼの適した餌と給餌方法
4-1. 餌の種類
アカオビシマハゼは、雑食性なので、様々な餌を食べます。
市販の海水魚用フレークフードやペレットフード、冷凍エビ、冷凍ミジンコなどを与えることができます。
アカオビシマハゼは、動物食性が強いので、冷凍エビや冷凍ミジンコなどを好んで食べます。
餌の種類 | 説明 |
---|---|
海水魚用フレークフード | 市販 |
海水魚用ペレットフード | 市販 |
冷凍エビ | 動物食性 |
冷凍ミジンコ | 動物食性 |
4-2. 給餌方法
アカオビシマハゼは、1日に2~3回、少量ずつ餌を与えます。
餌の量は、アカオビシマハゼが5分以内に食べきれる量を目安にします。
食べ残しは、水質悪化の原因となるので、こまめに掃除しましょう。
回数 | 1日に2~3回 |
---|---|
量 | 5分以内に食べきれる量 |
注意点 | 食べ残しは水質悪化の原因 |
4-3. 餌付け
アカオビシマハゼは、新しい餌に慣れるまでに時間がかかることがあります。
最初は、アカオビシマハゼが好む餌を少量ずつ与え、徐々に新しい餌に切り替えていきます。
餌付けには、根気と時間が必要です。
ポイント | 説明 |
---|---|
新しい餌 | 徐々に切り替える |
時間 | 根気と時間 |
4-4. まとめ
アカオビシマハゼは、雑食性で、様々な餌を食べます。
1日に2~3回、少量ずつ餌を与え、食べ残しはこまめに掃除しましょう。
新しい餌に慣れるまでに時間がかかる場合があるので、根気と時間をかけて餌付けを行いましょう。
5. アカオビシマハゼの繁殖と管理
5-1. 繁殖
アカオビシマハゼは、水槽内でも繁殖させることができます。
繁殖させるには、水温を25℃程度に上げ、水質を安定させる必要があります。
また、産卵場所となる、石やカキ殻などを水槽内に設置する必要があります。
条件 | 内容 |
---|---|
水温 | 25℃程度 |
水質 | 安定 |
産卵場所 | 石、カキ殻 |
5-2. 管理
アカオビシマハゼは、飼育しやすい魚ですが、病気にかかることもあります。
病気の予防には、水質管理が重要です。
水温や比重、水質を常にチェックし、異常があればすぐに対応しましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
水温 | チェック |
比重 | チェック |
水質 | チェック |
5-3. 混泳
アカオビシマハゼは、縄張り意識が高く、気性が荒いので、混泳には注意が必要です。
自分より体の小さい魚や、同種との混泳は避けるべきです。
混泳させる場合は、十分な大きさの水槽を選び、隠れ家となる場所を多く設置する必要があります。
混泳 | 注意 |
---|---|
同種 | 避ける |
小型魚 | 避ける |
水槽サイズ | 十分な大きさ |
隠れ家 | 多く設置 |
5-4. まとめ
アカオビシマハゼは、水槽内でも繁殖させることができます。
繁殖させるには、水温を25℃程度に上げ、水質を安定させ、産卵場所となる石やカキ殻などを設置する必要があります。
アカオビシマハゼは、飼育しやすい魚ですが、病気にかかることもあります。
病気の予防には、水質管理が重要です。
6. アカオビシマハゼの注意点とよくある問題
6-1. 注意点
アカオビシマハゼは、縄張り意識が高く、気性が荒いので、同種や他の魚と一緒に飼育する際は注意が必要です。
特に、自分より体の小さい魚は捕食される可能性があります。
また、アカオビシマハゼは、水質悪化に強い魚ですが、できるだけきれいな海水で飼育してあげましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
混泳 | 同種や小型魚との混泳は避ける |
水質 | きれいな海水で飼育 |
6-2. よくある問題
アカオビシマハゼを飼育する際に、よくある問題として、病気や水質悪化があります。
病気の予防には、水質管理が重要です。
水温や比重、水質を常にチェックし、異常があればすぐに対応しましょう。
問題 | 対策 |
---|---|
病気 | 水質管理 |
水質悪化 | 水温、比重、水質チェック |
6-3. アカオビシマハゼの飼育のポイント
アカオビシマハゼを飼育する際は、以下のポイントに注意しましょう。
・30cm以上の水槽を選ぶ
・水温は15~25℃に保つ
・比重は1.020~1.025に調整する
ポイント | 内容 |
---|---|
水槽サイズ | 30cm以上 |
水温 | 15~25℃ |
比重 | 1.020~1.025 |
6-4. まとめ
アカオビシマハゼは、飼育しやすい魚ですが、注意すべき点もいくつかあります。
同種や他の魚との混泳には注意し、水質管理をしっかり行いましょう。
飼育のポイントをしっかり守れば、アカオビシマハゼを健康に飼育することができます。
参考文献
・アカオビシマハゼ アカオビシマハゼの概要 – Weblio 辞書
・アカオビシマハゼの飼育方法~丈夫で飼いやすいが混泳は要 …
・アカオビシマハゼ | 【株式会社アクアガイド】環境調査や移動 …
・四万十川の魚 4 アカオビシマハゼ – 公益財団法人 四万十川財団
・新潟市水族館 マリンピア日本海 生物図鑑 ≫ 「アカオビシマ …
・この魚はアカオビシマハゼかな?シマ模様が薄く分かりづらい …
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