分類 | シマリス属 |
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生息地 | 北米大陸、ユーラシア大陸、東アジア |
特徴 | 縞模様、頬袋 |
生態 | 昼行性、単独生活、樹上性と地上性の両方 |
食性 | 雑食性(種子、ナッツ、果実、芽、昆虫など) |
繁殖 | 年1~2回繁殖、1回の出産で4~5子 |
冬眠 | 一部の種は冬眠する |
行動 | 活発、運動量が多い、物をよくかじる |
コミュニケーション | 鳴き声、尻尾の動き |
人間との関係 | ペットとして飼育される、保護活動が行われている |
現状 | 生息地の減少、天敵の増加、外来種の侵入などにより、絶滅が危惧されている |
1. シマリスの分類と特徴
シマリスの分類
シマリスは、哺乳綱ネズミ目リス科シマリス属に分類されるリスの総称です。日本では、その中でも特にアジアに分布し、亜種が日本国内にも生息するシベリアシマリスを指してシマリスと呼ぶことが多いです。シマリス属には24~25種が属しており、アジアのシベリアシマリスを除き、すべての種が北アメリカに分布しています。
シマリス属の大部分が北米大陸に分布し、シベリアシマリス(亜種チョウセンシマリス、エゾシマリス)だけが、ユーラシア大陸から東アジアにかけて分布しています。
頭胴長は12~19センチメートル、尾長は8~11.5センチメートル、体重は70~120グラムです。
分類 | シマリス属 |
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分布 | 北米大陸、ユーラシア大陸、東アジア |
種数 | 24~25種 |
シマリスの特徴
シマリスは、体の背側と顔部分に縞があり、頬袋をもつ小型のリスです。背中と顔に縞があるのは、保護色として、周囲の環境に溶け込み、天敵から身を守るためと考えられています。
頬の内側には頬袋があり、木の実などたくさんの食糧を詰めて巣穴に運ぶことができます。この頬袋は、シマリスが効率的に食料を貯蔵し、移動するために重要な役割を果たしています。
シマリスは、樹上性リスと地上性リス(ジリス)の中間のタイプで、樹上と地上の両方で生活します。木の上も地面の上も行動範囲で、樹洞や地下に巣を作ります。
特徴 | 説明 |
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縞模様 | 体の背側と顔部分に縞がある |
頬袋 | 頬の内側にあり、食料を貯蔵する |
大きさ | 頭胴長12~19cm、尾長8~11.5cm、体重70~120g |
シマリスの生態
シマリスは昼行性で、単独生活を営みます。樹木に登る際も地上を走る際も、動きは機敏であり、運動量は多いです。巣穴の中では周囲に警戒する必要がないため、睡眠時間は1日平均15時間になると言われています。
さまざまな捕食性の爬虫類や鳥類、哺乳類に捕食されます。威嚇や警戒、緊張の際に、尻尾の毛を立てて膨らませて振る動作(モビング)を行うときがあり、これには体を大きく見せ、威嚇する意味もあると考えられています。
冬になると、トウブシマリスは冬眠しますが、北アメリカ西部のシマリスは冬眠せず、巣穴の中の蓄えに頼ります。エゾシマリスは1年の半分近くを地下の巣穴で冬眠して過ごします。
まとめ
シマリスは、北米大陸とユーラシア大陸に分布する、小型のリスです。特徴的な縞模様と頬袋を持ち、樹上と地上の両方で生活する、活発な動物です。
シマリスは、冬眠する種と冬眠しない種がいます。また、捕食者から身を守るために、威嚇や警戒の行動をとります。
シマリスは、生態系の中で重要な役割を果たしており、種子の散布やキノコの胞子の分散に貢献しています。
2. シマリスの生息地と繁殖
シマリスの生息地
シマリスは、北米大陸、ロシア、アジアの北東部に生息しています。住む場所によってシマリスの種類は異なりますが、日本にいるシマリスはシベリアシマリスの亜種であるエゾシマリスという種です。
「エゾ」という名前の通り、エゾシマリスは北海道に生息しています。日本において、野生のシマリスは北海道以外に生息していません。
北海道以外で野生のリスを見ることはできますが、それは二ホンリスでシマリスとは異なります。一部例外的に海外から輸入されたシマリスで、ペットとして飼育されていた個体が捨てられて野生化したという事例はあります。
地域 | 種 |
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北米大陸 | トウブシマリスなど |
ユーラシア大陸 | シベリアシマリス |
東アジア | エゾシマリス、チョウセンシマリス |
シマリスの繁殖
トウブシマリスは、年2回、春の初めと夏の初めに繁殖し、1回の出産で4-5子を生みます。北アメリカ西部のシマリスは年1回繁殖します。子どもは生後6週間ほどで巣穴から出てきて、その後2週間以内に自立します。
シマリスは、繁殖の時期以外は1匹で生活しており、他のシマリスと出会うと片方が追っ払います。
シマリスの繁殖は、環境や食料の状況によって大きく左右されます。
繁殖時期 | 年2回(春と夏) |
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妊娠期間 | 約30日 |
1回の出産数 | 4~5子 |
子育て期間 | 生後6週間で巣穴から出る |
自立 | 生後8週間で自立 |
エゾシマリスの現状
エゾシマリスは生息地となる森林の減少や、天敵が多く生存が厳しいことなどから、数が少なくなり絶滅が危惧されています。
エゾシマリスは、鳥獣保護管理法により、1994年から一切の捕獲および飼育が禁止されています。
近年では、大陸から移入したチョウセンシマリスが本州から北海道にかけて定着し、北海道においては固有種のエゾシマリスと交雑する恐れが出ており、外来生物法で生態系被害防止外来種に指定されています。
まとめ
シマリスは、北米大陸、ロシア、アジアの北東部に分布しています。日本では、北海道にエゾシマリスが生息しています。
エゾシマリスは、生息地の減少や天敵の存在などにより、数が減少し、絶滅が危惧されています。
シマリスは、繁殖期には他のシマリスと出会うと、縄張り意識が強くなり、攻撃的になることがあります。
3. シマリスの食性と摂取量
シマリスの食性
シマリスは雑食性で、主に種子、ナッツ、果実、芽を食べるほか、草、根などの植物、キノコ、昆虫、その他の節足動物、イモムシ、小型のカエル、鳥の卵なども食べます。
食物はほとんど地上で探しますが、ヘーゼルナッツやドングリなどの木の実を得るために木にも登ります。
人間の周囲では、耕作された穀物や野菜、農地や庭の植物も食べるため、害獣とみなされることもあります。
食物 | 例 |
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種子 | ヒマワリの種、カボチャの種 |
ナッツ | クルミ、アーモンド |
果実 | リンゴ、バナナ |
芽 | 木の芽、草の芽 |
昆虫 | コオロギ、バッタ |
その他 | キノコ、草、根、イモムシ、小型のカエル、鳥の卵 |
シマリスの食料貯蔵
秋になると、多くの種が冬のための蓄えとしてこれらの食料を巣穴に集め始めます。巣穴の中の1か所の食糧置き場に食料を集める種は、たいてい春になるまで巣の中で過ごします。
その他の種は、多数の小さな食料貯蔵庫を造ります。
シマリスの木の実を収穫し貯蔵する習性は、苗木の定着に不可欠であり、森の生態系に重要な役割を果たしています。
時期 | 行動 |
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秋 | 冬眠に備えて食料を貯蔵 |
冬 | 貯蔵した食料を食べる |
春 | 貯蔵した食料がなくなるまで巣穴で過ごす |
シマリスの食料摂取量
シマリスは、1日に25~30g程度のエサを食べます。
飼育下では、ペレットを主食とし、種子や野菜を副食として与えます。
シマリスは、新鮮な水を常に飲める状態にしておく必要があります。
飼育下での食事 | 量 |
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ペレット | 主食 |
種子、野菜 | 副食 |
水 | 常に新鮮な水を用意 |
まとめ
シマリスは雑食性で、種子、ナッツ、果実、芽などの植物性食物に加えて、昆虫や小型動物なども食べます。
シマリスは、冬に備えて食料を貯蔵する習性があり、その行動は森の生態系に重要な役割を果たしています。
飼育下では、ペレットを主食とし、種子や野菜を副食として与えます。また、新鮮な水を常に飲めるようにする必要があります。
4. シマリスの行動とコミュニケーション
シマリスの行動
シマリスは、昼行性で、活発に活動します。運動量が多く、ケージ内では、登り木や回し車などを設置して、運動の機会を与えてあげることが重要です。
シマリスは、げっ歯類なので、物をよくかじります。歯の長さを整えるためにも、かじり木などを与える必要があります。
シマリスは、冬眠する種と冬眠しない種がいます。冬眠する種は、秋に食料を貯蔵し、冬眠の準備をします。
行動 | 説明 |
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運動 | 活発で運動量が多い |
かじる | 歯を研ぐため、物をよくかじる |
冬眠 | 一部の種は冬眠する |
巣作り | 樹洞や地下に巣を作る |
シマリスのコミュニケーション
シマリスは、鳴き声や尻尾の動きで、コミュニケーションをとります。
威嚇や警戒、緊張の際に、尻尾の毛を立てて膨らませて振る動作(モビング)を行うことがあります。
シマリスは、自分の縄張りに侵入されないよう攻撃する習性があります。
方法 | 意味 |
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鳴き声 | 警戒、威嚇、求愛など |
尻尾の動き | 警戒、興奮、喜びなど |
体勢 | 威嚇、警戒、求愛など |
シマリスの性格
シマリスは、臆病で繊細な性格を持つ一方、活発で好奇心旺盛な一面も持ち合わせています。
シマリスは、個体によって性格が異なります。
シマリスは、飼い主になつくこともありますが、野生動物の習性が強く、警戒心が強い個体もいます。
性格 | 説明 |
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臆病 | 警戒心が強く、驚かせやすい |
繊細 | ストレスを感じやすい |
活発 | 運動量が多く、好奇心旺盛 |
いたずら好き | 物をよくかじる |
まとめ
シマリスは、活発で好奇心旺盛な動物ですが、臆病で繊細な一面も持ち合わせています。
シマリスは、鳴き声や尻尾の動きで、コミュニケーションをとります。
シマリスは、自分の縄張りに侵入されないよう攻撃する習性があります。
5. シマリスと人間の関係
シマリスの飼育
シマリスは、ペットとして飼育されています。
飼育する際には、適切なケージ、巣箱、床材、給水器、餌などを用意する必要があります。
シマリスは、運動量が多いので、ケージ内には登り木や回し車などを設置して、運動の機会を与えてあげることが重要です。
飼育用品 | 説明 |
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ケージ | 十分な広さと高さが必要 |
巣箱 | 隠れ家や寝床として必要 |
床材 | ケージの底に敷く |
給水器 | 水を飲むためのもの |
餌 | ペレット、種子、野菜など |
エサ入れ | 餌を入れるためのもの |
かじり木 | 歯を研ぐため |
登り木 | 運動のために |
シマリスの飼育上の注意点
シマリスは、冬眠する種と冬眠しない種がいます。冬眠する種は、冬眠させないように、適切な温度管理が必要です。
シマリスは、ストレスを感じやすい動物です。ストレスを与えないように、適切な飼育環境を整えてあげることが重要です。
シマリスは、病気にかかりやすい動物です。病気の早期発見・早期治療に努める必要があります。
注意点 | 説明 |
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冬眠 | 冬眠させないように、適切な温度管理が必要 |
ストレス | ストレスを与えないように、適切な飼育環境を整える |
病気 | 病気の早期発見・早期治療に努める |
シマリスの保護
エゾシマリスは、生息地の減少や天敵の存在などにより、数が減少し、絶滅が危惧されています。
エゾシマリスは、鳥獣保護管理法により、1994年から一切の捕獲および飼育が禁止されています。
近年では、大陸から移入したチョウセンシマリスが本州から北海道にかけて定着し、北海道においては固有種のエゾシマリスと交雑する恐れが出ており、外来生物法で生態系被害防止外来種に指定されています。
活動内容 | 説明 |
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生息地の保全 | 森林伐採などの防止 |
天敵の管理 | 天敵の捕獲や駆除 |
外来種の駆除 | チョウセンシマリスなどの駆除 |
啓発活動 | 市民への啓発活動 |
まとめ
シマリスは、ペットとして飼育されていますが、飼育には注意が必要です。
シマリスは、冬眠する種と冬眠しない種がいます。冬眠する種は、冬眠させないように、適切な温度管理が必要です。
シマリスは、ストレスを感じやすい動物です。ストレスを与えないように、適切な飼育環境を整えてあげることが重要です。
シマリスは、病気にかかりやすい動物です。病気の早期発見・早期治療に努める必要があります。
6. シマリスの保護活動と現状
シマリスの保護活動
エゾシマリスは、生息地の減少や天敵の存在などにより、数が減少し、絶滅が危惧されています。
エゾシマリスは、鳥獣保護管理法により、1994年から一切の捕獲および飼育が禁止されています。
近年では、大陸から移入したチョウセンシマリスが本州から北海道にかけて定着し、北海道においては固有種のエゾシマリスと交雑する恐れが出ており、外来生物法で生態系被害防止外来種に指定されています。
現状 | 説明 |
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生息数 | 減少傾向 |
絶滅危惧種 | 環境省レッドリストで絶滅危惧種に指定 |
保護活動 | 生息地の保全、天敵の管理、外来種の駆除など |
課題 | 生息地の減少、天敵の増加、外来種の侵入など |
シマリスの保護活動の現状
エゾシマリスの保護活動は、生息地の保全、天敵の管理、外来種の駆除などが行われています。
エゾシマリスの保護活動は、政府機関、研究機関、NGOなどが連携して行われています。
エゾシマリスの保護活動は、市民の参加も不可欠です。
主体 | 活動内容 |
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政府機関 | 生息地の保全、天敵の管理、外来種の駆除 |
研究機関 | エゾシマリスの生態調査 |
NGO | 市民への啓発活動、保護活動の支援 |
シマリスの保護活動の課題
エゾシマリスの保護活動は、生息地の減少、天敵の増加、外来種の侵入など、多くの課題に直面しています。
エゾシマリスの保護活動は、長期的な視点で、継続的な取り組みが必要です。
エゾシマリスの保護活動は、市民の理解と協力が不可欠です。
課題 | 説明 |
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生息地の減少 | 開発による森林伐採など |
天敵の増加 | キツネ、テンなどの増加 |
外来種の侵入 | チョウセンシマリスなどの侵入 |
資金不足 | 保護活動に必要な資金が不足 |
人材不足 | 保護活動に従事する人材が不足 |
まとめ
エゾシマリスは、生息地の減少や天敵の存在などにより、数が減少し、絶滅が危惧されています。
エゾシマリスの保護活動は、生息地の保全、天敵の管理、外来種の駆除などが行われています。
エゾシマリスの保護活動は、政府機関、研究機関、NGOなどが連携して行われています。
エゾシマリスの保護活動は、市民の参加も不可欠です。
参考文献
・シマリスってどんな動物?専門獣医師が解説する知らないと …
・シマリス
・シマリスの特徴や性格は?飼育のポイント、餌やグッズ、注意 …
・シマリス – ほ乳類 – 動物 – Yahoo!きっず図鑑
・コミュニケーション行動 (コミュニケーションこうどう)とは …
・初めてシマリスを飼う人へ!専門獣医師が解説する飼育の心得 …
・シマリスはペットに出来る?シマリスの特徴や飼い方など | Petpedia
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