項目 | 内容 |
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正式名称 | 世界を照らす自由 (Liberty Enlightening the World) |
場所 | リバティ島 (Liberty Island) |
高さ | 約93メートル (台座含む) |
重さ | 約225トン |
建設年 | 1886年 |
贈呈者 | フランス |
設計者 | フレデリック・オーギュスト・バルトルディ |
構造設計 | ギュスターヴ・エッフェル |
世界遺産登録年 | 1984年 |
1. 自由の女神像の歴史
自由の女神像の建設背景
自由の女神像は、アメリカ合衆国の独立100周年を記念して、フランスから贈られたものです。1876年、フランスの法学者で政治家のエドゥアール・ド・ラブライエが、南北戦争後の混乱に苦しんでいたアメリカに対し、両国の深い友情の証となりうるモニュメントの寄贈を提案し、寄付の募集を呼びかけました。この提案は、フランス国民に広く支持され、多くの寄付が集まりました。
設計は1874年にラブライエからフレデリック・バルトルディに依頼されました。構造設計にはパリのノートルダム大聖堂の修復に関わったヴィオレ・ル・デュク(1879年没)やエッフェル塔で知られるギュスターヴ・エッフェルが関わりました。像のデザインはウジェーヌ・ドラクロワの絵『民衆を導く自由の女神』とバルトルディの母親をモデルにしたものです。
資金集めのため記念像建造キャンペーンとして、1876年のフィラデルフィア万博にトーチを掲げる右腕の一部、1878年の万国博覧会であるパリ万博に完成頭部が展示され、大きな反響を得ました。宝くじも発行され、約40万ドル相当の寄付金を集めました。
1884年にフランスパリで仮組み完成され、214個に分解してフランス海軍軍用輸送船イゼール号でアメリカに運ばれました。台座部分の建設資金は、『ニューヨーク・ワールド』紙社主ジョーゼフ・ピューリツァーが資金集めのキャンペーンを行い、アメリカ国民の寄付によってまかなわれました。台座部分の設計はアメリカのリチャード・ハントが行いました。
項目 | 内容 |
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発案者 | エドゥアール・ド・ラブライエ |
設計者 | フレデリック・バルトルディ |
構造設計 | ヴィオレ・ル・デュク、ギュスターヴ・エッフェル |
資金 | フランス国民の寄付 |
完成年 | 1884年 |
輸送 | 214個に分解して船でアメリカへ |
台座の資金 | アメリカ国民の寄付 |
自由の女神像の除幕式
1886年10月28日に除幕式が行われました。当日はあいにくの雨であったが、グロバー・クリーブランド大統領をはじめ100万人以上の観衆が集まり、顔にかけられたフランス国旗を製作者のバルトルディが除幕しました。
その後、像が置かれることになったリバティ島(当時はベドロー島と呼ばれていた)の庭園の設計はペイリーパークの設計で知られるランドスケープアーキテクトのロバート・ザイオンが担当しました。
自由の女神像は、1924年にアメリカ合衆国国定記念物、1966年にアメリカ合衆国国家歴史登録財、1984年に世界遺産(文化遺産)に登録されました。
以後も、アメリカだけでなく世界の自由を象徴する建造物として多くの人に知られています。
項目 | 内容 |
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日時 | 1886年10月28日 |
場所 | リバティ島 |
出席者 | グロバー・クリーブランド大統領など |
除幕 | 製作者のバルトルディがフランス国旗を除幕 |
自由の女神像の修復
1984年から1986年にかけて大がかりな修復が行われました。像の内部を支える鉄骨材の腐食した箇所(およそ1800)をステンレス材に交換し、構造上の問題から右腕が傾いていたのを直すため、腕の付け根付近の構造を補強するなどしました。
2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件の際には、自由の女神像もテロの標的となる噂があった。このため2001年9月12日から2004年7月までリバティ島への上陸が禁止されました。
2004年8月、台座部分の内部までの公開が再開されたが、安全上の理由で頭部にある展望台の再開は見送られた。2009年7月4日、頭部の展望台は、独立記念日に合わせて、入場者数の制限付きながらも再開されました。
項目 | 内容 |
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期間 | 1984年~1986年 |
内容 | 鉄骨材の腐食箇所の交換、右腕の補強など |
テロ事件の影響 | 2001年9月12日から2004年7月まで上陸禁止 |
展望台の再開 | 2009年7月4日 |
まとめ
自由の女神像は、フランスとアメリカの友好関係の象徴として、フランス国民の寄付によって建設され、アメリカに贈られました。像はフランスで製作され、アメリカに運ばれて組み立てられました。
1886年の除幕式には、アメリカ大統領も出席し、多くの人々が集まりました。その後、自由の女神像はアメリカを代表する観光スポットとなり、世界遺産にも登録されました。
2001年のアメリカ同時多発テロ事件の影響で、一時的に上陸が禁止されましたが、その後、安全対策を強化して再開されました。
2. 自由の女神像の意義
自由と民主主義の象徴
自由の女神像は、アメリカ合衆国の自由と民主主義の象徴として、世界中に知られています。像は、右手にたいまつを持ち、左手には独立宣言書を抱え、鎖を踏みつけており、自由と民主主義の象徴として世界中の人々に知られています。
自由の女神像は、古代ギリシア風の服を着て、右手で聖火のともったたいまつを持っています。左手にはアメリカの独立記念日である「1776年7月4日」と書かれた銘板を持っていますが、これはアメリカ独立宣言の象徴です。
足元をよく見ると引きちぎられた鎖があって、女神がこれを踏みつけているのに気付くことでしょう。自由を束縛する弾圧、抑圧の象徴である鎖を女神が踏みつけることで、全人類の自由と平等を表しているわけです。
冠には7つの突起がありますがこれは7つの海と7つの大陸に自由が広がるという願いが込められています。このように頭の先から足元まで全身で「自由」を表現している像なのですね。
項目 | 内容 |
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自由 | 右手で掲げるたいまつ、足元の鎖を踏みつける姿 |
民主主義 | 左手に持つ独立宣言書 |
平等 | 足元の鎖を踏みつける姿 |
希望 | 移民たちにとって新たな生活への希望 |
友好 | フランスとアメリカの友好関係の象徴 |
移民の希望の象徴
自由の女神像は、アメリカにやってくる移民たちにとって、新たな生活への希望の象徴でもあります。20世紀初頭、数百万人の移民がエリス島を通じてアメリカに到着しました。その際、彼らが最初に目にするアメリカの光景が自由の女神でした。
この像は、新しい生活と希望を求める人々にとって、歓迎のシンボルとなりました。自由の女神像は、移民たちの自由と希望を表しています。
「世界を照らす自由」であるため、炎の部分は純金で作られています。自由の女神は左手に銘板を持っています。この名盤には独立記念日(1776年7月4日)がローマ字で刻印されています。
フランスとアメリカの友好の象徴
自由の女神像は、フランスとアメリカの友好関係の象徴でもあります。フランスは、アメリカ独立戦争を支援した歴史があり、自由の女神像は、両国の友好関係を記念して贈られました。
自由の女神像は、フランスからアメリカへの友情と連帯の象徴として贈られました。この贈り物は、両国の歴史的なつながりを強化し、自由と民主主義の理想を共有するものとして位置づけられました。
フランスとアメリカは、18世紀のアメリカ独立戦争以来、密接な関係を築いてきました。フランスは独立戦争中、アメリカを支援し、その後も両国は政治的、文化的に強い結びつきを保っていました。
まとめ
自由の女神像は、アメリカ合衆国の自由と民主主義、移民の希望、そしてフランスとアメリカの友好関係を象徴する重要なモニュメントです。
この像は、アメリカの歴史と文化を深く反映しており、世界中の人々にインスピレーションを与え続けています。
自由の女神像は、単なる彫像ではなく、民主主義の理想を体現する重要なモニュメントとされています。
3. 自由の女神像の外観
像の大きさ
自由の女神像は、台座を含めて約93メートルの高さがあります。これは日本の建物に例えると、階高によりますが25階ほどの高さになります。そのため近くで見ると非常に大きく感じると思います。
また、総重量は225トンあります。自由の女神像は、銅でできています。頭までの高さは33.86メートル(111.1フィート)、たいまつまでの高さは46.05メートル(151.1フィート)。台座の高さは47メートル(153フィート)で、台座部分も含めると93メートル(305.1フィート)となっています。
総重量は225トンということですから、かなり巨大な像ですね。ちなみに奈良の大仏は台座も含めると高さ約18メートル。リオデジャネイロのキリスト像(コルコバードのキリスト像)は高さ39.6メートルですから、世界的に見ても大きい像といえるでしょう。
項目 | 内容 |
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高さ | 約93メートル (台座含む) |
重さ | 約225トン |
頭までの高さ | 33.86メートル |
たいまつまでの高さ | 46.05メートル |
台座の高さ | 47メートル |
像のデザイン
自由の女神像は、彫刻家フレデリック=オーギュスト・バルトルディの設計によって作られました。エッフェル塔の設計者であるギュスターヴ・エッフェルも関わったと言われています。像のモデルになったのは、ドラクロワの絵画『民衆を導く自由の女神』とバルトルディの母親だったそうです。
自由の女神像は、右手にたいまつを持ち、左手には独立宣言書を抱え、鎖を踏みつけており、自由と民主主義の象徴として世界中の人々に知られています。
女神の足元にある鎖や足かせが意味しているのは、政治的な抑圧や不自由さ。左足はそれを踏みつけ、一歩前へと踏み出しています。
項目 | 内容 |
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モデル | ドラクロワの絵画『民衆を導く自由の女神』とバルトルディの母親 |
右手 | たいまつ |
左手 | 独立宣言書 |
足元 | 引きちぎられた鎖 |
冠 | 7つの突起 |
像の色
自由の女神像は、銅製ですが、緑青のために緑色になっています。
元々の自由の女神の色は銅色でした。現在の色は緑青(ろくしょう)と言います。銅が酸化することで錆が生成され、皮膜を作って内部の腐食を防いでいます。ニューヨーク湾に佇む自由の女神、大西洋から吹く海風で、酸化スピードが速かったかもしれませんね。
頑丈な自由の女神ですが、風速50マイルの風で女神像は最大7.62 cm、トーチは最大15.24 cm揺れ動くそうです。
まとめ
自由の女神像は、台座を含めて約93メートルの高さがあり、総重量は225トンにも及びます。
像のデザインは、フランスの彫刻家フレデリック・オーギュスト・バルトルディによって手掛けられ、エッフェル塔の設計者であるギュスターヴ・エッフェルが内部の鉄骨構造を設計しました。
銅製の像は、緑青により青銅色になっています。
4. 自由の女神像の世界遺産登録
世界遺産登録の理由
自由の女神像は、1984年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。その理由は、まず第一に、像が自由と民主主義の象徴として世界的に認識されている点が挙げられます。
さらに、芸術と建築が組み合わさったその高度な技術力も評価されました。自由の女神像は、単なる彫像ではなく、民主主義の理想を体現する重要なモニュメントとされています。
また、フランスとアメリカの友好の象徴であり、両国の歴史的な絆を示す証としても、その価値が認められています。
世界遺産登録基準
自由の女神像は、世界遺産登録基準のうち、以下の条件を満たし、登録されました。
(1) 人類の創造的才能を表現する傑作。
(6) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの
基準 | 内容 |
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(i) | 人類の創造的才能を表現する傑作 |
(vi) | 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの |
世界遺産としての価値
自由の女神像は、アメリカ合衆国とフランスの友好の象徴として贈られ、特にアメリカ合衆国の独立100周年を祝って建設されました。
自由の女神像は、自由、民主主義、および人権の象徴として、多くの人々に愛されています。また、移民がアメリカ合衆国に到着する際の象徴的な出迎えとしても機能しています。
その巨大な姿は、ニューヨーク市のシンボルとして、また世界的な観光名所として広く認識されています。
まとめ
自由の女神像は、世界遺産として、その歴史的、文化的、芸術的な価値が認められています。
自由と民主主義の象徴として、世界中の人々に愛され、観光客に人気のスポットとなっています。
自由の女神像は、アメリカの歴史と文化を象徴する重要なモニュメントであり、今後も世界中の人々にインスピレーションを与え続けるでしょう。
5. 自由の女神像の人気スポット
台座
自由の女神像の台座は、展望台になっており、ニューヨークの街並みを一望できます。
台座の中は、世界遺産となった自由の女神像に関する博物館になっています。
展望台へは215段の階段を登らなければなりませんが、階段が利用できない方は新設されたエレベーターを利用できます。
台座が展望台になっていることはあまり知られておらず、意外と人が少ない穴場でおすすめ。ここからの眺めも素晴らしく、ニューヨークの街が綺麗に見えますよ!
項目 | 内容 |
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特徴 | ニューヨークの街並みを一望できる |
アクセス | 階段またはエレベーター |
見どころ | 博物館、展望台 |
料金 | 台座入場チケット |
クラウン(王冠)
自由の女神像のクラウン(王冠)は、展望台になっており、ニューヨークの街並みを一望できます。
クラウン展望台へは300段を超える階段が待ち受けていますが、狭くて急ならせん階段を登り切ると、そこにはここからしか見ることができない貴重な絶景があります。
女神像が左手に持っている銘板も、クラウン展望台からしか見ることができない必見Point。そこには、アメリカ合衆国の独立した日「JULY IV MDCCLXXVI(1776年7月4日)」がローマ数字で刻まれています。
アメリカの歴史を感じながら眺めてみてください。自由の女神の冠にある7つの突起は、7つの大陸と7つの海という意味があり、”自由(Libaty)が世界に広がっていくように”、との願いが込められています。
項目 | 内容 |
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特徴 | 自由の女神像の頭頂部からの景色を一望できる |
アクセス | 階段のみ |
見どころ | ニューヨーク港、マンハッタンの景色、銘板 |
料金 | クラウン入場チケット |
自由の女神博物館
自由の女神像の台座部分の内部には、アメリカ移民の歴史を展示した博物館があります。
博物館では、自由の女神像の歴史や設計、製作過程について詳しく学べます。
展示の中での見どころは、像の頭部やトーチの初期の模型展示などです。
興味深い展示やビデオプレゼンテーションも充実していて、自由の女神像の深い歴史とその背景にあるストーリーについての学びが深められます。
項目 | 内容 |
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場所 | 台座部分の内部 |
展示 | 自由の女神像の歴史、設計、製作過程 |
見どころ | 頭部やトーチの初期の模型展示 |
料金 | 入場無料 (フェリー代に含まれる) |
まとめ
自由の女神像は、台座、クラウン、そして博物館など、見どころが満載です。
それぞれのスポットから異なる景色や歴史を感じることができ、自由の女神像の魅力を存分に味わえます。
特に、クラウン展望台からの景色は、ニューヨークの街並みを一望でき、忘れられない思い出になるでしょう。
6. 自由の女神像の船上見学
船上からの眺め
自由の女神像は、リバティ島に上陸しなくても、船上から眺めることができます。
船上からは、自由の女神像を間近に見ることができ、マンハッタンの景色も同時に楽しむことができます。
船上からの眺めは、リバティ島に上陸した時とはまた違った印象を与えてくれます。
船上見学のメリット
船上見学のメリットは、リバティ島に上陸するよりも時間が短縮できることです。
また、自由の女神像だけでなく、マンハッタンの景色も楽しむことができます。
船上見学は、時間がない人や、体力的に厳しいと感じられる人におすすめです。
項目 | 内容 |
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時間 | 短縮できる |
景色 | 自由の女神像とマンハッタンの景色を同時に楽しめる |
体力 | 体力的に厳しいと感じられる人におすすめ |
船上見学の方法
船上見学は、スタテンアイランドフェリーを利用するのが一般的です。
スタテンアイランドフェリーは、ニューヨーク市とスタテンアイランドを結ぶ無料のフェリーです。
フェリーは、自由の女神像の近くを通過するため、船上から自由の女神像を眺めることができます。
方法 | 内容 |
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スタテンアイランドフェリー | 無料のフェリーで自由の女神像を眺めることができる |
まとめ
自由の女神像は、船上からも楽しむことができます。
船上見学は、リバティ島に上陸するよりも手軽に自由の女神像を鑑賞できる方法です。
スタテンアイランドフェリーを利用すれば、無料で自由の女神像を眺めることができます。
参考文献
・自由の女神像の特徴をわかりやすく解説!歴史やなぜ作られた …
・アメリカの世界遺産「自由の女神像(ニューヨーク)」とは …
・【自由の女神像はなぜ作られた?】世界遺産登録理由&歴史を …
・自由の女神像はニューヨークにある世界遺産の絶景スポット …
・自由の女神を見に行こう!世界遺産にも登録されたアメリカの …
・【保存版】自由の女神のすべて – マニヴィータ・ニューヨーク
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・アメリカの世界遺産「自由の女神像」 | 世界遺産観光ガイド
・自由の女神像(ジユウノメガミゾウ)とは? 意味や使い方 – コト …
・自由の女神とは?ニューヨーク旅行前に知っておきたい基礎 …
・【ニューヨーク旅学事典8】希望のあかりを灯し続ける「自由の …
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