構成資産 | 所在地 | 主な見どころ | 登録基準 |
---|---|---|---|
賀茂別雷神社(上賀茂神社) | 京都府京都市北区上賀茂本山339 | 国宝の本殿、権殿 | 登録基準(ii)(iv) |
賀茂御祖神社(下鴨神社) | 京都府京都市左京区下鴨泉川町59 | 東西の両本殿は国宝 | 登録基準(ii)(iv) |
教王護国寺(東寺) | 京都府京都市南区九条町1 | 日本最高の高さを誇る五重塔 | 登録基準(ii)(iv) |
清水寺 | 京都府京都市東山区清水1-294 | 有名な本堂の「清水の舞台」 | 登録基準(ii)(iv) |
醍醐寺 | 京都府京都市伏見区醍醐東大路町22 | 豊臣秀吉が花見をするために自ら設計した「三宝院の庭園」 | 登録基準(ii)(iv) |
仁和寺 | 京都府京都市右京区御室大内33 | 金堂は京都御所・内裏の正殿である紫宸殿を移築したもので、現存する最古の紫宸殿 | 登録基準(ii)(iv) |
平等院 | 京都府宇治市宇治蓮華116 | 池の中島に建てられた美しい鳳凰堂 | 登録基準(ii)(iv) |
高山寺 | 京都府京都市右京区梅ケ畑栂尾町8 | 国宝の「石水院」 | 登録基準(ii)(iv) |
西芳寺(苔寺) | 京都府京都市西京区松尾神ケ谷町56 | 約120種類の苔が広がる庭園 | 登録基準(ii)(iv) |
天龍寺 | 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68 | 日本で初めて「史跡・特別名勝」に指定された庭園 | 登録基準(ii)(iv) |
鹿苑寺(金閣寺) | 京都府京都市北区金閣寺町1 | 一面に金箔が貼られた華やかな舎利殿 | 登録基準(ii)(iv) |
慈照寺(銀閣寺) | 京都府京都市左京区銀閣寺町2 | 東山文化を代表する楼閣庭園建築 | 登録基準(ii)(iv) |
龍安寺 | 京都府京都市右京区龍安寺御陵ノ下町13 | 枯山水庭園の傑作である「石庭」 | 登録基準(ii)(iv) |
本願寺(西本願寺) | 京都市下京区堀川通花屋町下ㇽ本願寺門前町 | 華麗な桃山文化を現代に伝える文化財の宝庫 | 登録基準(ii)(iv) |
二条城 | 京都市中京区二条通堀川西入二条城町541 | 国宝の「二の丸御殿」 | 登録基準(ii)(iv) |
宇治上神社 | 京都府宇治市宇治山田59 | 現存する最古の神社建築 | 登録基準(ii)(iv) |
延暦寺(比叡山延暦寺) | 滋賀県大津市坂本本町4220 | 天台宗の総本山 | 登録基準(ii)(iv) |
1. 京都市の文化財とは
1-1. 京都の歴史と文化遺産
京都は、794年に平安京が築かれると、1000年以上に渡って日本の首都として文化の中心でもあった場所。古都京都の文化財は、京都府京都市と宇治市、滋賀県の大津市にまたがって、17もの遺産から構成されています。合計で198の建造物と12の庭園によって構成され、これらは10〜17世紀に建造されたもの。多くは国宝や重要文化財が含まれ、寺院を含む木造建築や日本・世界中に影響を与えた庭園様式が発展してきました。
794年に桓武天皇が当時の都であった長岡京(現・長岡京市)からこの地へと遷都したことが平安時代の始まりです。京都は南に開け、東、北、西は緑豊かな緑の山に囲まれた盆地であったことから中国の風水に適う地でもあり、唐の都城をベースに築かれました。当時は貴族が政権を握っていたこともあり、ここでは400年に渡って「国風文化」と呼ばれる貴族の文化が花開きます。
平安京の内部は寺院の建築が禁じられたため、正門である羅生門の近くにあった東西の官寺(みやでら、神社と寺院の意味)以外は宗教施設は建設されず、現在の教王護国寺が「東寺」と呼ばれるのはこの名残。そういった背景もあり、寺院や貴族の別荘などは郊外に作られました。当時の平安京から北に位置する、賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)と賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)は、国家鎮護を祈る場として建設。さらに平安京から北東の位置は「鬼門」と呼ばれ、鬼の出入口とされていたために、ここに築かれたのが現在の「延暦寺」です。
平安時代末期になると、武士が台頭してきたこともあり、戦乱も多くなったことから、阿弥陀仏の救いによって浄土へ行けるという「浄土信仰(浄土教)」が広く流行。そういった背景もあり、平安京の南部に位置する宇治では、浄土思想が見られる「平等院」、その鎮守社の「氏神神社」が建設されています。
建造物 | 場所 | 特徴 |
---|---|---|
羅生門 | 平安京の正門 | 平安京の象徴 |
東寺 | 平安京の東 | 真言宗の総本山 |
西寺 | 平安京の西 | 現在は廃寺 |
賀茂別雷神社 | 平安京の北 | 国家鎮護の神社 |
賀茂御祖神社 | 平安京の北 | 国家鎮護の神社 |
延暦寺 | 平安京の北東 | 天台宗の総本山 |
平等院 | 平安京の南 | 浄土思想を表す寺院 |
宇治上神社 | 平安京の南 | 平等院の鎮守社 |
1-2. 鎌倉時代から室町時代
12世紀後半に鎌倉に政権が誕生(現在は1183年、1185年、1192年と解釈が異なります)。鎌倉時代になっても京都の貴族の権威はそのまま残り、武家や貴族、仏教の文化は発展し、柱を水平に繋ぐ長押(なげし)を使用したりする「和様建築」も見られるようになります。当時の代表的な建造物「高山寺」が世界遺産に登録。しかし、その後の戦乱により、京都には鎌倉時代の建築物はほとんど残っていません。
1338年に京都で室町幕府が開かれると、経済が発展していき、公家文化を取り入れた武家によって独自の文化が発展してました。市内から北では、3代の足利義満の山荘(後の金閣寺)など、禅宗を通して中国文化をあわせた「北山文化」が繁栄。15世紀になると、市内から東側には8代の足利義政の山荘(後の銀閣寺)が築かれ、北山文化をさらに洗練させた「東山文化」へと繋がっていきました。
しかし、1467年の応仁の乱によって京都は荒廃し、当時の建造物はほとんどが失われてしまいました。その後「街衆」と呼ばれる裕福な市民が主体となり、建造物は時の権力者である織田信長と豊臣秀吉によって再建され、保護されていきます。
豊臣秀吉が天下を統一すると、京都は御土居(おどい、環状の土塁)によって、洛中と洛外という京都の内側と外側が分けられ、豪華絢爛な桃山文化が栄えます。この時代に再建されたものの中には、秀吉が整備した「醍醐寺」もあり、今でも桜の名所として有名。1591年には、大阪にあった浄土真宗本願寺派の本山が京都に移され、ここは「西本願寺」と呼ばれるようになりました。
文化 | 特徴 |
---|---|
北山文化 | 禅宗を通して中国文化を取り入れた |
東山文化 | 北山文化をさらに洗練させた |
桃山文化 | 豪華絢爛な文化 |
街衆 | 裕福な市民 |
御土居 | 京都の内側と外側を分ける土塁 |
1-3. 江戸時代以降
1600年の関ヶ原の戦い以降、徳川家康が征夷大将軍に任官されると、政治の中枢は江戸に移ったものの、幕府の京都御所の保護と宿泊所として「二条城」が建造。そして、現在の「清水寺」や「仁和寺」は江戸時代になると再建されていきます。
1867年の大政奉還によて、幕府から朝廷へと統治権が返上されるものの、「東京奠都(てんと)」によって東京に天皇が入ったため、政府機能は引き続き東京となります。その頃から京都の社寺は保護されるようになり、1897年には古社寺保存法、1929年には国宝保存法、1950年以降は文化財保護法によって現在も維持されています。
古都京都の文化財が評価されたのは?以下の点。登録基準(ii)京都は8〜17世紀にかけて、宗教と世俗的な建築様式や庭園設計が発展した場所であり、日本伝統文化の形成に貢献してきました。そして、庭園設計は19世紀以降、世界中に大きな影響を与えたという点。登録基準(iv)京都の文化財に見られる建築と庭園設計は、日本の前近代の文化における最高の表現であるということ。の2つ。
つまり、 「京都は途中で首都機能が移ったことがあるものの、8〜17世紀にかけて、その時代の最高傑作でもある建築物や庭園が築かれていき、それらは日本の伝統文化の形成へと繋がり、特に日本庭園は19世紀以降、世界の庭園様式に影響を与えた」 ということですね。
基準 | 内容 |
---|---|
登録基準(ii) | 宗教と世俗的な建築様式や庭園設計が発展 |
登録基準(iv) | 日本の前近代の文化における最高の表現 |
1-4. まとめ
京都は、平安時代から江戸時代にかけて、日本の首都として栄え、文化、経済、政治の中心地として発展してきました。その歴史の中で、多くの寺院や神社、庭園が建設され、日本の伝統文化を育んできました。これらの文化財は、日本の歴史と文化を伝える貴重な遺産であり、世界遺産に登録されることで、その価値が広く認められました。
京都の文化財は、単に建物や庭園だけでなく、そこに込められた歴史や文化、そして人々の暮らしそのものが、世界遺産として評価されています。
京都の文化財は、これからも大切に保護され、未来へと受け継がれていくことでしょう。
京都を訪れる際には、これらの文化財を巡り、日本の歴史と文化に触れてみてください。
2. 宇治市の重要な遺産
2-1. 平等院鳳凰堂
宇治市にある平等院は、平安時代の貴族、藤原道長の別荘を、その息子である関白・藤原頼通が1052年に寺院に改修したものです。当時は末法思想が強く、彼は1053年に西方極楽浄土を表現した浄土式庭園をここに造園し、そこに阿弥陀堂(後の鳳凰堂)を建立しました。
鳳凰堂は、中堂と北翼廊、南翼廊、尾廊の4棟で構成されていて、阿字池の中島に浮かぶように配置されています。かつては阿弥陀堂と呼ばれていただけあって中堂には本尊・阿弥陀如来坐像が置かれていて、これは当時評価の高かった仏師の定朝(じょうちょう)による傑作。
鳳凰堂は、10円硬貨のデザインにも採用されていることから、日本人に広く知られています。また、鳳凰堂の屋根の上にある鳳凰は、一万円札の裏面に描かれていることから、日本を代表する建造物の一つとして認識されています。
平等院は、その美しい建築様式と庭園、そして歴史的な背景から、世界遺産に登録されています。
建物 | 特徴 |
---|---|
鳳凰堂 | 阿字池の中島に浮かぶように配置 |
阿弥陀堂 | 本尊・阿弥陀如来坐像を安置 |
庭園 | 西方極楽浄土を表現した浄土式庭園 |
2-2. 宇治上神社
宇治市にある宇治上神社は、宇治川の東側にある神社で、いつ創建されたかは詳しくは分かっていないものの、近くに平等院が完成すると、ここは鎮守社とされています。
国宝・本堂は平安時代後期に建造され、日本国内でも現存する最古の神社建築とされるもの。ここは檜皮葺きの屋根となっていて、内殿は左殿と中殿、右殿が置かれていて、左殿のほうが比較的古いと考えられています。寝殿造の拝殿も国宝に登録されていて、これは鎌倉時代前期から残る建造物。
宇治上神社は、その歴史的な価値と建築様式から、世界遺産に登録されています。
宇治上神社は、平等院とともに、宇治市の歴史と文化を象徴する重要な遺産です。
建物 | 特徴 |
---|---|
本殿 | 平安時代後期に建造された最古の神社建築 |
拝殿 | 鎌倉時代前期から残る建造物 |
2-3. 宇治の茶文化
宇治は、古くから茶の産地として知られており、宇治茶は日本三大銘茶の一つに数えられています。宇治茶の起源は、鎌倉時代にまで遡るとされています。
宇治茶は、その独特の風味と香りが特徴で、日本国内だけでなく、海外でも高い評価を受けています。宇治市には、多くの茶畑や茶工場があり、茶の栽培から製造、販売まで、茶文化を体験することができます。
宇治茶は、宇治市の歴史と文化を語る上で欠かせない存在です。
宇治を訪れる際には、ぜひ宇治茶を味わってみてください。
2-4. まとめ
宇治市は、平等院鳳凰堂や宇治上神社など、歴史的な建造物が多く残る街です。これらの建造物は、日本の歴史と文化を伝える貴重な遺産であり、世界遺産に登録されることで、その価値が広く認められました。
宇治市は、茶の産地としても有名で、宇治茶は日本三大銘茶の一つに数えられています。宇治茶は、宇治市の歴史と文化を語る上で欠かせない存在です。
宇治市を訪れる際には、これらの歴史的な建造物や茶文化を体験してみてください。
宇治市は、歴史と文化、そして自然が調和した美しい街です。
3. 大津市の歴史と文化
3-1. 延暦寺
比叡山(標高848m)は、滋賀県の大津市と京都府の京都市との県境に位置しています。ここは古くから山岳信仰が盛んな地で、山の東側にある延暦寺は、天台宗の開祖・最澄(767〜822年)が開いた寺院がもとになっていて、現在も天台宗の本山となっています。
最澄の死後「延暦寺」という寺号が許され、ここは京都の鬼門(北東の方角)を護る国家鎮護の道場となりました。日本独自の仏教の開祖など、数多くの僧が学んだことでも有名で、日本の仏教における聖地でもあります。
延暦寺は、その歴史的な価値と宗教的な重要性から、世界遺産に登録されています。
延暦寺は、比叡山という雄大な自然の中に位置し、静寂と厳かな雰囲気に包まれた場所です。
3-2. 琵琶湖
琵琶湖は、日本最大の湖であり、滋賀県のシンボルです。琵琶湖は、古くから人々の生活と深く関わっており、漁業や農業、交通など、様々な面で重要な役割を果たしてきました。
琵琶湖は、豊かな自然に恵まれ、多くの動植物が生息しています。また、湖畔には、美しい景観が広がり、多くの観光客が訪れます。
琵琶湖は、滋賀県の歴史と文化を語る上で欠かせない存在です。
琵琶湖を訪れる際には、湖の景色を眺めたり、湖で遊んだり、湖の恵みを味わったりと、様々な楽しみ方ができます。
3-3. 大津市の歴史
大津市は、古くから交通の要衝として栄えてきました。大津市には、古代から続く歴史的な遺跡や建造物が数多く残っています。
大津市は、琵琶湖のほとりに位置し、豊かな自然に恵まれた街です。大津市には、歴史的な建造物だけでなく、自然豊かな公園やレジャー施設もあり、様々な楽しみ方ができます。
大津市は、歴史と文化、そして自然が調和した魅力的な街です。
大津市を訪れる際には、歴史的な建造物を巡ったり、自然を満喫したり、地元の文化に触れたりしてみてください。
3-4. まとめ
大津市は、延暦寺や琵琶湖など、歴史的な遺産と豊かな自然に恵まれた街です。これらの遺産は、日本の歴史と文化を伝える貴重なものであり、世界遺産に登録されることで、その価値が広く認められました。
大津市は、歴史と文化、そして自然が調和した魅力的な街です。
大津市を訪れる際には、これらの歴史的な遺産や自然を満喫し、地元の文化に触れてみてください。
大津市は、歴史と文化、そして自然が調和した美しい街です。
4. 古都京都の仏教寺院と神社
4-1. 京都の代表的な寺院
京都には、古都京都の文化財に登録されている寺院や神社が数多く存在します。これらの寺院や神社は、それぞれに歴史や文化、そして建築様式が異なり、訪れる人を魅了します。
例えば、金閣寺は、室町幕府3代将軍の足利義満によって建てられた山荘を起源とする禅寺で、金色の舎利殿が有名です。銀閣寺は、室町幕府8代将軍の足利義政が建てた東山山荘がルーツで、東山文化を代表する楼閣庭園建築として有名です。
清水寺は、平安遷都以前からの歴史を持つ数少ない寺の1つで、有名な本堂の「清水の舞台」は山にせり出すように建てられており、四季折々の自然に囲まれながら京都の街を眺められます。
東寺は、平安京を鎮護するための宮寺として796年に羅生門の東西に建立された真言宗の総本山で、寺のシンボルである五重塔は、空海によって創建されたとされます。
寺院 | 特徴 |
---|---|
金閣寺 | 金色の舎利殿が有名 |
銀閣寺 | 東山文化を代表する楼閣庭園建築 |
清水寺 | 有名な本堂の「清水の舞台」 |
東寺 | 真言宗の総本山、五重塔が有名 |
4-2. 京都の代表的な神社
京都には、古都京都の文化財に登録されている神社も数多く存在します。これらの神社は、それぞれに歴史や文化、そして神様を祀る目的が異なり、訪れる人を魅了します。
例えば、上賀茂神社は、飛鳥時代に賀茂氏の氏神を祀る神社が始まりであり、京都最古の歴史を有する一社。乗馬発祥の地とも言われ馬にちなんだ催しも多く、神馬舎では神馬が出迎えてくれることも。
下鴨神社は、上賀茂神社とともに賀茂氏の氏神を祀っています。創建は紀元前90年より前とも言われ、京都で最も古い神社の1つとされています。縁結びのパワースポットとして人気で、お守りを買って帰る人も多いそう。
宇治上神社は、平等院が完成すると、ここは鎮守社とされています。国宝・本堂は平安時代後期に建造され、日本国内でも現存する最古の神社建築とされるもの。
4-3. 京都の寺院と神社の魅力
京都の寺院や神社は、その歴史的な価値だけでなく、建築様式や庭園の美しさ、そして宗教的な雰囲気など、様々な魅力があります。
寺院や神社の建築様式は、時代によって変化しており、平安時代、鎌倉時代、室町時代、江戸時代など、それぞれの時代の特徴を見ることができます。
また、寺院や神社の庭園は、自然と調和した美しい空間であり、心身のリフレッシュに最適です。
京都の寺院や神社を訪れる際には、それぞれの歴史や文化、そして建築様式や庭園の美しさに注目してみてください。
4-4. まとめ
京都には、古都京都の文化財に登録されている寺院や神社が数多く存在します。これらの寺院や神社は、それぞれに歴史や文化、そして建築様式が異なり、訪れる人を魅了します。
京都の寺院や神社は、その歴史的な価値だけでなく、建築様式や庭園の美しさ、そして宗教的な雰囲気など、様々な魅力があります。
京都を訪れる際には、これらの寺院や神社を巡り、日本の歴史と文化に触れてみてください。
京都の寺院や神社は、日本の伝統文化を伝える貴重な遺産であり、世界遺産に登録されることで、その価値が広く認められました。
5. 世界遺産への登録経緯
5-1. 登録基準
古都京都の文化財は、世界遺産登録基準のうち、以下の条件を満たし、登録された(以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用である)。
登録基準(ii)京都は8〜17世紀にかけて、宗教と世俗的な建築様式や庭園設計が発展した場所であり、日本伝統文化の形成に貢献してきました。そして、庭園設計は19世紀以降、世界中に大きな影響を与えたという点。
登録基準(iv)京都の文化財に見られる建築と庭園設計は、日本の前近代の文化における最高の表現であるということ。
つまり、 「京都は途中で首都機能が移ったことがあるものの、8〜17世紀にかけて、その時代の最高傑作でもある建築物や庭園が築かれていき、それらは日本の伝統文化の形成へと繋がり、特に日本庭園は19世紀以降、世界の庭園様式に影響を与えた」 ということですね。
基準 | 内容 |
---|---|
登録基準(ii) | 宗教と世俗的な建築様式や庭園設計が発展 |
登録基準(iv) | 日本の前近代の文化における最高の表現 |
5-2. 登録までの道のり
古都京都の文化財は、1994年に世界遺産に登録されました。登録に至るまでには、長い年月と多くの関係者の努力がありました。
1994年の登録後、マンション建設やオーバーツーリズムなどによる周辺環境や景観の悪化が進行しつつあるため[4][5][6]、京都市を中心に遺産の追加登録計画が立ち上がっている。これと同時に景観保護対策として、都市計画の変更や条例の制定・改正[7][8]、無電柱化[9][10]、森林の整備なども行われている[11]。
1996年9月4日に発足した市民団体「世界遺産の追加登録をすすめる市民ネットワーク」は、五山送り火、南禅寺、京都御苑、桂離宮および修学院離宮を追加登録を文化庁と京都市に申し入れている[12][13]。
また、第22回世界遺産委員会京都会議の開催にあわせて、1998年11月より京都・奈良・鎌倉の各市民団体による「三都市民フォーラム」が追加登録や歴史的景観の保全を訴えシンポジウムを開催している[14][15]。
5-3. 登録後の取り組み
京都市は、古都保存法対象地の嵯峨野・嵐山一帯、東山一帯、郊外の大原・八瀬地区、鞍馬・貴船地区の追加登録を目指しているほか、産業遺産としては琵琶湖疎水[16]、2007年9月16日に設立された民間団体「保津川の世界遺産登録をめざす会」は保津峡を推挙している[17][18][19][20]。
また、2006年7月より知恩院、大徳寺および禅林寺(永観堂)は、追加申請に向けて会合を行なっている[1]。
2008年8月30日、当時の門川大作京都市長は松浦晃一郎ユネスコ事務局長と会談し、妙心寺や南禅寺、東本願寺、桂離宮などを含める約10か所の追加登録を目標とする方針を明らかにしている[21]。
なお、宮内庁が管理している皇室ゆかりの京都御所、桂離宮、修学院離宮、御陵のある月輪陵泉涌寺などは、法整備などで難しい問題もある[注釈 1][22]。
5-4. まとめ
古都京都の文化財は、日本の伝統文化を象徴する貴重な遺産であり、世界遺産に登録されることで、その価値が広く認められました。
登録後も、周辺環境や景観の保全、さらなる追加登録に向けた取り組みが続けられています。
古都京都の文化財は、これからも大切に保護され、未来へと受け継がれていくことでしょう。
京都を訪れる際には、これらの文化財を巡り、日本の歴史と文化に触れてみてください。
6. 京都の文化財を未来に残す取り組み
6-1. 文化財保護の現状
古都京都の文化財は、世界遺産に登録されたことで、その価値が広く認められ、保護の重要性が認識されました。しかし、近年では、観光客の増加や都市開発による影響など、様々な課題に直面しています。
京都市では、これらの課題に対処するため、様々な取り組みを行っています。例えば、都市計画の見直し、景観条例の制定、無電柱化、森林の整備などです。
また、市民団体も、世界遺産の保全や追加登録に向けて、積極的に活動しています。
古都京都の文化財は、歴史と文化を伝える貴重な遺産であり、これからも大切に保護していく必要があります。
取り組み | 内容 |
---|---|
都市計画の見直し | 観光客増加に対応 |
景観条例の制定 | 景観保全 |
無電柱化 | 景観向上 |
森林の整備 | 自然環境保全 |
6-2. 未来への継承
古都京都の文化財は、単に建物や庭園だけでなく、そこに込められた歴史や文化、そして人々の暮らしそのものが、世界遺産として評価されています。
これらの文化財を未来に残すためには、歴史や文化を理解し、大切にする意識を持つことが重要です。
また、次世代にこれらの文化財を継承していくためには、教育や啓発活動も重要です。
古都京都の文化財は、私たちにとって貴重な財産です。これらの文化財を未来へと繋いでいくために、一人ひとりができることを考えていきましょう。
6-3. 世界遺産としての役割
古都京都の文化財は、世界遺産に登録されたことで、国際的な注目を集め、日本の文化を世界に発信する役割を担っています。
世界遺産は、人類共通の財産であり、未来の世代に継承していくべきものです。
古都京都の文化財は、世界遺産として、その価値を世界に示し、世界の人々に日本の文化を伝える役割を果たしています。
古都京都の文化財は、世界遺産として、その価値を世界に示し、世界の人々に日本の文化を伝える役割を果たしています。
6-4. まとめ
古都京都の文化財は、世界遺産に登録されたことで、その価値が広く認められ、保護の重要性が認識されました。しかし、近年では、観光客の増加や都市開発による影響など、様々な課題に直面しています。
京都市では、これらの課題に対処するため、様々な取り組みを行っています。また、市民団体も、世界遺産の保全や追加登録に向けて、積極的に活動しています。
古都京都の文化財は、歴史と文化を伝える貴重な遺産であり、これからも大切に保護していく必要があります。
古都京都の文化財は、私たちにとって貴重な財産です。これらの文化財を未来へと繋いでいくために、一人ひとりができることを考えていきましょう。
参考文献
・京都府・滋賀県の世界文化遺産「古都京都の文化財(京都市 …
・一覧|世界遺産「古都京都の文化財」17スポット徹底解説 …
・世界遺産(世界文化遺産) 古都京都の文化財 – 京都府ホーム …
・事典 日本の地域遺産 「古都京都の文化財」の解説 – コトバンク
・京都の世界遺産一覧!全17構成資産の場所と地図・アクセス方法 …
・【京都の世界遺産】は実は1つだけ?古都の文化財を徹底解説 …
・古都京都の文化財京都市宇治市大津市 – 日本 世界遺産の旅 …