麗江旧市街とは？世界遺産についての解説

麗江旧市街の概要
項目	内容
位置	中国雲南省麗江市
標高	約2400m
民族	ナシ族
歴史	宋代の末期に建設
世界遺産登録	1997年
主な観光スポット	麗江古城、黒龍潭公園、玉龍雪山
建築様式	木造建築、瓦葺き屋根、水路、橋
文化	トンパ文化、ナシ族の伝統的な生活様式
食文化	ナシ族料理、雲南料理
今後の展望	観光開発と伝統文化のバランス、ナシ族の文化継承、環境保護

1. 麗江旧市街の歴史

麗江旧市街の誕生とナシ族

中国雲南省の西北部、標高2400メートルに位置する麗江は、宋代の末期、1126年に少数民族のナシ族によって建設された町です。ナシ族は、8世紀頃に青海省付近から南下してきた民族で、唐の時代に六詔のひとつ蒙舎詔に編入されました。麗江は、チベット族や他の少数民族、漢民族との関係を良好に保ち、約800年もの間、戦乱と無縁でいることができました。そのことも、旧市街の景観を現在まで保ち続けることができた理由のひとつです。

ナシ族は、独自の文化を育んできました。象形文字のトンパ文字やナシ古楽、舞踊で民族の文化を伝え、自然崇拝のトンパ教を信仰していました。麗江旧市街は、雲南各地の民族文化やチベットの影響を受け、13世紀の宋の末期から元の初期に独自の景観として建造され、明の時代になってから現在見られているような規模の街並みが完成しました。

1996年に起きた地震で、街並みは大きな被害を受け、南宋時代の木氏土司による城が崩壊しましたが、多くの木造建築は崩壊することがありませんでした。そのため従来の木造建物はそのまま残して、かつてと変わらない美しい街並みへと修復されました。

麗江古城は、雲南省とチベットを結ぶ重要な商業の集散地として栄えてきました。茶馬古道の要衝として発展し、今も古い街並みが残っています。

麗江旧市街の歴史年表
年代	出来事
8世紀頃	ナシ族が青海省付近から南下
12世紀	ナシ族が麗江旧市街を建設
13世紀	宋の末期から元の初期に独自の景観として建造
明の時代	現在見られるような規模の街並みが完成
1996年	地震発生
1997年	世界文化遺産に登録

世界遺産登録

麗江古城は、1997年に世界文化遺産に登録されました。登録された理由は、この地で発展した独特の伝統文化と風光明媚な自然環境の重要性が認められたからです。

麗江古城は、ナシ族の伝統的な生活様式や文化、建築様式、自然環境などが評価され、世界遺産に登録されました。

麗江古城は、中国で初めて世界文化遺産に登録された場所です。

世界遺産登録後、麗江古城は観光客に人気となり、経済発展にも貢献しました。

世界遺産登録基準
基準	内容
(ii)	文化交流の中心地としての役割
(iv)	伝統的な建築様式と都市構造
(v)	自然との調和のとれた都市構造

麗江古城の変遷

麗江古城は、かつてはナシ族の伝統的な生活様式が色濃く残る場所でしたが、近年は観光客の増加に伴い、街並みは大きく変化しています。

観光客向けの土産物屋やレストランなどが建ち並び、伝統的な街並みが失われつつあるという声も聞かれます。

しかし、一方で、観光客の増加によって経済が活性化し、ナシ族の生活水準も向上しているという側面もあります。

麗江古城の未来は、伝統文化の保護と観光開発のバランスが課題となっています。

麗江古城の人口構成
民族	割合
ナシ族	67%
その他	33%

まとめ

麗江旧市街は、ナシ族の歴史と文化が息づく、貴重な場所です。

800年以上もの歴史を持つ麗江旧市街は、ナシ族の伝統的な生活様式や文化、建築様式、自然環境などが評価され、世界文化遺産に登録されました。

近年は観光客の増加に伴い、街並みは変化していますが、ナシ族の伝統文化を守りながら、観光開発を進めていくことが重要です。

麗江旧市街を訪れる際には、ナシ族の歴史と文化に触れ、その魅力を体感してみてください。

2. 麗江旧市街の観光スポット

麗江古城

麗江古城は、麗江旧市街の中心部にある、世界遺産に登録されているエリアです。

古城内には、ナシ族の伝統的な家屋が密集しており、石畳の道や水路が張り巡らされています。

古城の中心部には、四方街と呼ばれる広場があり、多くの観光客で賑わっています。

古城内には、木府と呼ばれる旧領主の政庁や、トンパ文字が書かれた壁画など、歴史的な建造物も数多く残っています。

麗江古城の見どころ
スポット	説明
四方街	古城の中心部にある広場
木府	旧領主の政庁
トンパ文字の壁画	ナシ族の文化を伝える壁画
石畳の道	古城内を散策するのに最適
水路	街の景観を美しく彩る
伝統的な家屋	ナシ族の生活様式を垣間見れる
土産物屋	伝統工芸品や地元の特産品が買える
レストラン	ナシ族料理や雲南料理が楽しめる

黒龍潭公園

黒龍潭公園は、麗江古城のすぐ北にある公園です。

公園内には、黒龍潭と呼ばれる池があり、玉龍雪山を映し出す美しい景色が楽しめます。

黒龍潭公園には、五鳳楼や五孔橋など、歴史的な建造物もいくつかあります。

黒龍潭公園は、麗江古城を訪れた際に立ち寄りたい観光スポットです。

黒龍潭公園の見どころ
スポット	説明
黒龍潭	玉龍雪山を映し出す美しい池
五鳳楼	歴史的な楼閣
五孔橋	池にかかる橋
月台	池のほとりの休憩所
雪山	黒龍潭に映る雪山の姿は絶景

玉龍雪山

玉龍雪山は、麗江市の北部にそびえる、標高5596メートルの山です。

玉龍雪山は、麗江のシンボル的な存在であり、多くの観光客が訪れます。

玉龍雪山には、氷河公園や藍月谷など、様々な観光スポットがあります。

玉龍雪山は、登山やハイキングを楽しむこともできます。

玉龍雪山の見どころ
スポット	説明
氷河公園	標高4506mにある氷河
藍月谷	青い湖水と緑豊かな森
登山	標高5596mの頂上を目指す
ハイキング	山麓の自然を満喫する

まとめ

麗江旧市街には、麗江古城や黒龍潭公園、玉龍雪山など、魅力的な観光スポットがたくさんあります。

麗江古城は、ナシ族の伝統的な街並みを体感できる場所です。

黒龍潭公園は、美しい景色と歴史的な建造物を楽しめる場所です。

玉龍雪山は、雄大な自然を満喫できる場所です。

3. 麗江旧市街の建築様式

伝統的な建築様式

麗江旧市街の建築物は、ほとんどが木造で、瓦葺きの屋根が特徴です。

街の建物の多くは、二階建てで、窓格子や格子戸に繊細な彫刻が施されています。

麗江旧市街の建築様式には、「三坊一照壁」や「四合五天井」など、独特なものが多く見られます。

「三坊一照壁」は、主屋の向かいに壁を配置した形式で、「四合五天井」は、中庭を囲むように4つの建物を配置した形式です。

麗江旧市街の建築様式
様式	説明
木造建築	街の建物のほとんどが木造
瓦葺き屋根	伝統的な瓦葺きの屋根が特徴
三坊一照壁	主屋の向かいに壁を配置した形式
四合五天井	中庭を囲むように4つの建物を配置した形式
窓格子	繊細な彫刻が施されている
格子戸	伝統的なデザインの戸

水路と橋

麗江旧市街には、玉龍雪山の雪解け水が流れる水路が張り巡らされています。

水路には、石のアーチ橋や石板の橋、木板の橋など、様々な橋が架けられています。

水路は、街の景観を美しく彩り、生活の一部となっています。

麗江旧市街は、水路と橋が織りなす美しい景観が魅力です。

麗江旧市街の水路と橋
種類	説明
水路	玉龍雪山の雪解け水が流れる
石のアーチ橋	伝統的なアーチ橋
石板の橋	石板でできた橋
木板の橋	木板でできた橋

地震からの復興

1996年に起きた地震で、麗江旧市街は大きな被害を受けました。

しかし、地震後、伝統的な街並みを復元する取り組みが行われ、現在も美しい街並みが保たれています。

地震からの復興は、麗江旧市街の建築様式を維持する上で重要な役割を果たしました。

地震からの復興は、麗江旧市街の伝統文化を守り、未来へ継承していくための重要な取り組みでした。

地震からの復興
時期	出来事
1996年	地震発生
地震後	伝統的な街並みを復元する取り組みが行われる
現在	美しい街並みが保たれている

まとめ

麗江旧市街の建築様式は、ナシ族の伝統的な文化と自然環境が融合したものです。

木造建築、瓦葺きの屋根、水路、橋など、独特な建築様式が魅力です。

地震からの復興は、麗江旧市街の伝統的な街並みを維持する上で重要な役割を果たしました。

麗江旧市街の建築様式は、歴史と文化を感じることができる貴重なものです。

4. 麗江旧市街の文化

トンパ文化

麗江旧市街には、ナシ族の固有の宗教であるトンパ教が深く根付いています。

トンパ教は、自然崇拝を基本とする宗教で、万物に精霊が宿るとされています。

トンパ教の祭司であるトンバは、様々な儀礼を執り行い、その経典には「シュ」という神が登場します。

シュは、自然界の主宰者であり、あらゆる場所にシュが宿っているとされています。

トンパ教の主な神
神	説明
シュ	自然界の主宰者
トンバ・シャラ	トンパ教の開祖
シャチュ	トンバ・シャラが遣わせた大鵬
イグオカ	善神
イグティナ	悪神

トンパ文字

トンパ文字は、ナシ族が独自に開発した象形文字です。

トンパ文字は、トンパ教の経典や日常生活で使用されてきました。

トンパ文字は、現在もナシ族の人々によって使用されています。

トンパ文字は、ナシ族の文化を象徴する重要なものです。

トンパ文字の特徴
特徴	説明
象形文字	絵文字のような文字
現在も使用されている	生きた象形文字
経典や日常生活で使用	ナシ族の文化を伝える重要な文字

ナシ族の生活

麗江旧市街には、ナシ族の人々が伝統的な生活様式を守りながら暮らしています。

ナシ族は、農業や手工業、商業など、様々な分野で活躍しています。

ナシ族は、独自の文化や伝統を大切に守りながら、現代社会にも適応しています。

ナシ族の生活は、麗江旧市街の文化を形作る重要な要素です。

ナシ族の生活様式
分野	内容
農業	伝統的な農耕
手工業	金銀細工、毛皮加工など
商業	茶馬古道などでの交易
文化	トンパ文化、ナシ古楽、舞踊など

まとめ

麗江旧市街は、トンパ文化が色濃く残る場所です。

トンパ教やトンパ文字は、ナシ族の文化を象徴する重要なものです。

ナシ族の人々は、伝統的な生活様式を守りながら、現代社会にも適応しています。

麗江旧市街を訪れる際には、ナシ族の文化に触れ、その魅力を体感してみてください。

5. 麗江旧市街の食文化

ナシ族料理

麗江旧市街では、ナシ族の伝統的な料理を味わうことができます。

ナシ族料理は、自然の恵みを活かした、素朴で滋味深い料理です。

代表的な料理には、鶏豆涼粉や麗江ババなどがあります。

鶏豆涼粉は、鶏豆のデンプンから作った麺料理で、麗江ババは、様々な具材を包んだ揚げパイです。

ナシ族料理
料理	説明
鶏豆涼粉	鶏豆のデンプンから作った麺料理
麗江ババ	様々な具材を包んだ揚げパイ
八大碗	ナシ族の満漢全席

雲南料理

麗江旧市街では、雲南省の郷土料理も楽しむことができます。

雲南料理は、辛味や酸味、苦味など、様々な味が特徴です。

代表的な料理には、過橋米線やキノコ鍋などがあります。

過橋米線は、米粉で作った麺を、熱々のスープに入れて食べる料理です。

雲南料理
料理	説明
過橋米線	米粉で作った麺を熱々のスープに入れて食べる料理
キノコ鍋	様々な種類のキノコを使った鍋料理

飲食店

麗江旧市街には、様々な飲食店が軒を連ねています。

観光客向けのレストランから、地元の人々が集まる食堂まで、様々なお店があります。

麗江旧市街で食事をする際には、ナシ族料理や雲南料理に挑戦してみてください。

麗江旧市街には、美味しい料理を提供するお店がたくさんあります。

麗江旧市街の飲食店
種類	説明
観光客向けのレストラン	様々な料理を提供
地元の人々が集まる食堂	ナシ族料理や雲南料理が楽しめる

まとめ

麗江旧市街は、食文化も豊かな場所です。

ナシ族料理や雲南料理など、様々な料理を楽しむことができます。

麗江旧市街で食事をする際には、地元の食材を使った料理を味わってみてください。

麗江旧市街の食文化は、旅の思い出をさらに豊かなものにしてくれるでしょう。

6. 麗江旧市街の今後の展望

観光開発と伝統文化のバランス

麗江旧市街は、観光客に人気ですが、観光開発と伝統文化のバランスが課題となっています。

観光客の増加によって、街並みは変化し、伝統的な文化が失われつつあるという声も聞かれます。

麗江旧市街の未来は、伝統文化を守りながら、観光開発を進めていくことが重要です。

観光客と地元住民が共存できるような、持続可能な観光を目指していく必要があります。

観光開発と伝統文化のバランス
課題	対策
観光客の増加による街並みの変化	伝統的な街並みを維持する
伝統文化の消失	ナシ族の文化継承を促進する
環境問題	環境保護に配慮した観光開発を進める

ナシ族の文化継承

ナシ族は、伝統文化を次世代に継承していくために、様々な取り組みを行っています。

トンパ文字やナシ古楽、舞踊などの伝統文化を学ぶ機会を提供したり、伝統的な生活様式を体験できるイベントを開催したりしています。

ナシ族の文化継承は、麗江旧市街の未来にとって重要な課題です。

ナシ族の文化継承は、麗江旧市街の独自性を守り、魅力を高めるために不可欠です。

ナシ族の文化継承
取り組み	説明
伝統文化を学ぶ機会の提供	トンパ文字やナシ古楽、舞踊などの講座
伝統的な生活様式を体験できるイベント	民族衣装を着て体験できるイベント
文化交流	ナシ族と観光客の交流イベント