万里の長城とは？世界遺産についての解説

万里の長城の概要
項目	内容
全長	21,196.18km（2012年発表）
現存する人工壁の延長	6,259.6km
建設開始時期	紀元前214年（秦代）
主な建設時期	明代（1368年～1644年）
世界遺産登録	1987年
新・世界の七不思議	2007年

1. 万里の長城の起源と歴史

万里の長城の建設開始

万里の長城は、中華人民共和国に存在する城壁の遺跡であり、ユネスコの世界遺産に登録されています。2007年には新・世界の七不思議の一つに選ばれ、世界的に有名な建造物です。現存する人工壁の延長は6

万里の長城の建設は、中国の歴史と深く関わっています。古代中国では、北方の遊牧民族との衝突が頻繁に起こっていました。遊牧民族は、馬に乗って自由に移動し、農耕民族の村落を襲撃することがありました。そのため、農耕民族は、自分たちの領土を守るために、国境に沿って城壁を築く必要がありました。

春秋時代（紀元前770〜476年）と戦国時代（紀元前475〜221年）には、現在の中国の東部と中部には多くの小国や諸侯が存在していました。これらの諸侯は、国家を守るために国境に沿って独立した城壁を築くことを命じました。最も古いものは、紀元前650年頃に魯国と斉国の間に築かれたものと思われ、後に朱国城の一部となっています。

秦の始皇帝（紀元前247年から221年までの秦国の王）は、他国を征服し、中国を統一しました。始皇帝は、特に秦、趙、燕の三国が築いた中国北部の国境にある城壁を結合し、北からのモンゴルの嫌がらせに対する統一防衛線、最初の真の長城を形成するよう命じたのです。他の国境城は、統一された中国では時代遅れとなり、侵食されたり、解体されたりしてしまいました。

万里の長城の建設時期
時代	主な出来事
春秋時代	各諸侯国が国境に長城を建設
秦代	始皇帝が中国を統一し、長城を連結
前漢	武帝が領土拡大に伴い長城を延長
明代	首都を北京に移し、モンゴルからの侵略を防ぐため長城を強化
清代	長城防衛を放棄

漢代の長城

始皇帝の死後は前漢にその建設は引き継がれましたが、修復と維持のみで延長工事は行われなかった。この状況が変化したのは前漢の第七代皇帝・武帝の時代である。武帝は異民族の積極攻勢に打って出て領土を大きく拡張し、その新領土を守る形で長城を延長していった。

武帝の時代は長城の長さは20000里（7930km）に達した。この漢の長城は全ての長城の中でも最も長く、西は現在の甘粛省西端にある玉門関から東は朝鮮半島北部まで達していた。

しかしこの長城も前漢の末期の混乱ので大打撃を受け、25年に後漢が建国された頃には、かなり荒廃した状態であった。その後の三国時代や五胡十六国時代には北方異民族の力が強くなり侵略が繰り返されたが、当時の王朝にそれを修復する力はなく長城防衛は放置されたままになった。

唐王朝から宋王朝に至るまで長城防衛は放棄され、長城はしばらくの間中国史から姿を消すことになる。

万里の長城の建設目的
時代	目的
春秋時代	各国の領土防衛
秦代	北方の遊牧民族からの侵略を防ぐ
前漢	領土拡大に伴う防衛
明代	モンゴルからの侵略を防ぐ
清代	防衛目的は失われ、威圧感を与える程度に

明代の長城

長城が復活を遂げたのは金の時代であった。金は北方にからの襲撃を恐れて国境の線に沿って長大な空掘を掘り、その内側に掘った土を盛り上げて城を築いた。ここで実質的に長城防衛が復活した。ところが金の勢力が衰えていくと、モンゴル帝国によって長城は難なく突破されてしまった。その後、金に代わって中国を支配したモンゴル人の元は長城を築くことはなかった。

その後、明の時代に長城防衛が復活し、第三代永楽帝により首都が北京に移り、元の再来に備え北方国境全域において長城を建設することとなった。その後、長城での防御が必要となったことから、レンガによる堅固な改築が進められた。西は甘粛省から河西回廊の諸都市を守る形で東へ走り、銀川盆地の北側から黄土高地を通って山海関に達する長大な長城が完成した。その後、長城は一本だけではなく、長城主線の補助として二本目の長城が築かれ守りが固められていった。

明代に整備された長城は、東は朝鮮半島に近い虎山や山海関から西はゴビ砂漠の嘉峪関まで、総延長は8000㎞を超えるといわれています。この頃には切り出した切石や焼成レンガが用いられ、堅牢で華麗な長城が建てられました。写真などでよく目にする長城はほとんどがこの時代のものです。

このように時代の流れと共に、長城は荒廃と改修を繰り返していったのである。

万里の長城の建設場所
時代	主な場所
秦代	現在の甘粛省岷県から遼寧省北部
前漢	現在の甘粛省西端にある玉門関から朝鮮半島北部
明代	現在の甘粛省西部にある嘉峪関から山海関
清代	防衛目的は失われたため、明確な場所はなし

まとめ

万里の長城は、中国の歴史の中で、常に変化し続けてきた建造物です。始皇帝によって築かれた長城は、その後、多くの王朝によって修復、延長、改築が行われてきました。その目的は、常に北方の遊牧民族からの侵略を防ぐためでした。

長城の建設は、中国の政治、軍事、経済、文化に大きな影響を与えてきました。長城は、中国の領土を守るだけでなく、交易や文化交流の場としても機能していました。また、長城の建設には、多くの労働者が従事し、その中には、強制労働者も含まれていました。

万里の長城は、中国の歴史と文化を象徴する建造物であり、世界遺産に登録されているのも納得です。その壮大さと歴史的価値は、世界中の人々を魅了し続けています。

万里の長城は、中国の歴史と文化を深く理解するために欠かせない存在です。

2. 万里の長城の規模と特徴

万里の長城の全長

万里の長城は、その長大さから「宇宙から肉眼で見える唯一の建造物」とも言われ、中華人民共和国の教科書にも掲載されていたが、実際には幅が細い上、周囲の色と区別が付きにくいため、視認することは出来ない。2003年に中国初の有人宇宙船「神舟5号」に搭乗した宇宙飛行士である楊利偉が「万里の長城は見えなかった」と証言したため、中華人民共和国の教科書からこの節は正式に削除された。

2012年6月5日、中華人民共和国国家文物局は、秦代、漢代など他時代を含んで調査したところ、万里の長城の総延長は従来の2倍以上の21

万里の長城は、その長大さから「宇宙から肉眼で見える唯一の建造物」とも言われていましたが、実際には視認することはできません。これは、長城の幅が細く、周囲の色と区別がつきにくいことが原因です。

2003年に中国初の有人宇宙船「神舟5号」に搭乗した宇宙飛行士である楊利偉が「万里の長城は見えなかった」と証言したため、中華人民共和国の教科書からこの節は正式に削除されました。

万里の長城の全長
発表年	全長
2012年	21,196.18km
2009年	8,851.8km
従来	6,352km

万里の長城の構造

万里の長城は、外側の外長城と内側の内長城があり、二重の守りとなる。

長城の材質は、建造当初は版築によって突き固めた土壁であり、乾燥地においては日干しレンガも用いられたが、明の時代にレンガ（磚）が大量生産され安価となると重要拠点は次々とレンガ壁へと改造された。特に防衛上重要だった北京周辺においてこの改造は重点的に行われ、八達嶺長城など現代において観光名所となっている長城のほとんどは煉瓦壁となっている。ただし煉瓦壁といっても煉瓦でできているのは表面部分のみで、壁面内部は土が詰め込まれていた。また、明代には石積みの長城も建設された。

長城の幅や高さも時代が下るにつれて大きくなっていった。明代長城の場合、長城の高さは平均で7.8m、底面の幅は平均6.5m、頂面の幅は平均で5.8mとなっていたが、周囲の地形によってこれには変動があり、峻険な地形においては壁面の高さは低く、平原においては高くなっていた。頂面は平らになっており、多くの場合人が通行できるようになっていた。また頂面の両脇には低い壁が作られ、転落防止用の柵の役割を果たしていた。頂上外側の壁は頂面に詰める兵士たちの防護壁としての役割を持っており、そのため一定の間隔で壁に切り込みが入っていて、銃眼の役割を果たしていた。ただし地形上の制約によって頂面に通路がなく、ただ壁のみが建設されている部分も存在する。頂上には排水溝が刻まれ、また外部の敵に石を落とす落とし口も設けられていた。また兵士は基本的には長城の下におり、戦闘時には長城にのぼって戦闘を行ったため、内側からは長城への登り口も各所に設けられていた。長城の上には200mから300mごとに敵台が設けられ、戦闘時の拠点となるよう設計されている。敵台には望楼が設けられることもある。

長城は膨大な長さになり、そのすべてに兵士を貼りつかせることは不可能であるため、烽火台を長城近辺に建設して急を知らせ、また迅速な情報伝達と兵力の投入を可能とすることで長城の兵力不足を補っていた。この烽火システムは長城外部の見張り台、および長城内部の諸都市や首都と結ぶ烽火システムと連携していた。

万里の長城の構造
時代	主な構造
秦代	土壁、日干しレンガ
漢代	土壁、日干しレンガ、レンガ壁
明代	レンガ壁、石積み
清代	ほとんど建設されず

万里の長城の役割

万里の長城は、外部の騎馬民族の侵攻を防ぐための障壁であるが、平時においては内部と外部には頻繁な交流があったため、いくつかの関所を設けて交易の便を図っていた。関所の内側には関城と呼ばれる城塞が作られ、兵士たちの居住の場となった。関所の外側にはしばしば甕城と呼ばれる半円形の城壁が張り出して設けられ、城門を保護していた。関所は内側の中華世界と外側の遊牧世界との接点であったため、この場所において盛んに交易がおこなわれた。これは互市と呼ばれ、中国からは絹や茶、金・銀が輸出され、遊牧民からは主に馬が輸出されてとくに塞外の遊牧民族にとっては重要な経済活動の一つとなっていた。ただしこの交易においてはしばしば摩擦が発生し、1550年にはこのトラブルからモンゴルのアルタン・ハーンが長城を突破して北京を包囲する、いわゆる庚戌の変が起こっている。

万里の長城は、単なる軍事施設ではなく、交易や文化交流の場としても重要な役割を果たしていました。長城には、いくつかの関所が設けられ、中国と北方の遊牧民族との間で交易が行われていました。

長城は、中国の歴史と文化を象徴する建造物であり、世界遺産に登録されているのも納得です。その壮大さと歴史的価値は、世界中の人々を魅了し続けています。

万里の長城は、中国の歴史と文化を深く理解するために欠かせない存在です。

万里の長城の役割
役割	詳細
防衛	北方の遊牧民族からの侵略を防ぐ
交易	関所を通じて中国と遊牧民族との間で交易が行われた
情報伝達	烽火台を使って敵の侵入を知らせる
文化交流	長城を通じて中国と遊牧民族との間で文化交流が行われた

まとめ

万里の長城は、その長さと構造、そして役割において、世界でも類を見ない建造物です。その長さは、2012年の調査で21

長城は、単なる防御施設ではなく、交易や文化交流の場としても機能していました。また、長城の建設には、多くの労働者が従事し、その中には、強制労働者も含まれていました。

万里の長城は、中国の歴史と文化を深く理解するために欠かせない存在です。

3. 万里の長城の保護と保存活動

万里の長城の保護活動

現在、万里の長城は中華人民共和国政府によって、重要な歴史的文化財として保護されているが、万里の長城はあまりにも長大すぎるために、メンテナンスの手が行き届かず、観光用に整備された一部のほかは、かなりの部分が、明代に建設されて以降整備されることもなく、そのまま崩落するに任せている状態である。

一方で、修復の進んだ北京市周辺の長城は、観光名所として多くの観光客が押し寄せている。特に八達嶺長城は、北京市から60kmというアクセスの良さも相俟って、中国観光の目玉の一つとなっており、世界からも観光客が押し寄せる場所である。

著名人も中華人民共和国を訪問した際に、万里の長城を訪問することは珍しくない。中華人民共和国においても、万里の長城は大観光地のひとつであり、大型連休期間中などには、長城を埋め尽くすほどの観光客が押し寄せる。

観光客向けに整備されていない長城は野長城と呼ばれる。近年は整備されていない野長城としての趣を評価する向きもあるが、ただでさえ崩落が進み危険な野長城にわざわざ登って荒らしたり遭難したりする観光客がみられたため、野長城に登ることが2006年施行の「長城保護条例」で禁止された。

万里の長城の保護活動
活動	内容
国家重点文物保護単位	中国で定められた文化財を保護する制度に指定
長城保護条例	野長城への立ち入りを禁止
修復	観光客の多い北京市周辺などでは、長城の修復が進められている

万里の長城の破壊

しかし、未だに野長城に登ろうとする観光客が後を絶たず、2011年には北京市だけで49件の事故・9人が死亡し、2012年には日本人ツアー客が、野長城の付近の山で遭難して死亡する事故があった（野長城は、険しい山中にあるため、山に入る時点で危険であり、中国の法令に違反しているため、ツアーでも絶対に登ってはいけない）。

また、地元住民が長城のレンガを建築資材用に盗んだり、骨董品として販売するなどし、万里の長城の破壊が進んでいる。また、長城がダム工事により一部沈んだり、道路建設により分断もされている。観光客の多い北京市近郊などでは、心無い観光客による落書きや立ち入り禁止を無視しての遭難が絶えない一方で、潤沢な予算によって続々と長城の復興が進められている。

しかしその他の長城、特に中華人民共和国で、最も貧しい地域の1つである甘粛省や陝西省では、地元住民による建材の略奪の他、現地当局にまともな予算も専門家もいないことから、雑な修復がされる箇所も見られる（ほとんど現存していない秦代、漢代までの物を含めると総延長2万キロを超える）。長城の破壊には50万元以下の罰金または10年以下の禁錮刑の罰則が存在するが、それにもかかわらず万里の長城の破壊は進行しつづけている。

2006年4月に行われた中華人民共和国の学術団体「中国長城学会」の調査によると、万里の長城が有効保存されている地域は、全体の2割以下で、一部現存している地域も3割であり、残り5割以上は姿を消しているとの報告があった。2015年には、明代長城のうち、およそ3割が風化やレンガの略奪などで消滅したとの報道があった。

万里の長城の破壊
原因	例
地元住民によるレンガの盗難	建築資材や骨董品として販売
ダム工事	長城の一部が沈む
道路建設	長城が分断される
観光客による落書き	長城に落書きをする
観光客による立ち入り禁止区域への侵入	遭難事故が発生
鉱山開発	金の採掘のために長城の一部が破壊される

万里の長城の修復

2009年には、内モンゴル自治区において、金の採掘のために、鉱山会社が万里の長城の一部を破壊したとの報道があった。

一方で、探査技術の進歩や開発の進展によって、古い時代の長城が新たに発見されることは珍しいことではない。2009年には、吉林省通化市で、秦・漢時代の長城が新たに発見され、長城の東端が11km東に伸びたとの報道があった。

2009年4月18日、中華人民共和国国家文物局は、万里の長城の総延長を、従来の6

2012年6月5日、中華人民共和国国家文物局は、秦代、漢代など他時代を含んで調査したところ、万里の長城の総延長は従来の2倍以上の21

万里の長城の修復
修復方法	例
伝統的な技術を用いた修復	レンガや石材を用いた修復
現代の技術を用いた修復	コンクリートを用いた修復
発掘調査	古い時代の長城の発見
記録保存	長城の歴史や構造を記録する

まとめ

万里の長城は、中国政府によって重要な歴史的文化財として保護されていますが、その長大さゆえに、メンテナンスの手が行き届いておらず、観光用に整備された一部のほかは、崩落する可能性がある状態で残されています。

一方で、修復の進んだ北京市周辺の長城は、観光名所として多くの観光客が集まりますが、とくにこの八達嶺長城は、北京市内から60kmというアクセスの良さもあり、中国観光の目玉でもあります。

万里の長城の保護は、中国政府だけでなく、世界中の人々の協力が必要です。観光客は、長城を傷つけたり、ゴミを捨てたりしないように注意する必要があります。また、地元住民は、長城のレンガを盗んだり、売ったりしないようにする必要があります。

万里の長城は、中国の歴史と文化を象徴する建造物であり、未来の世代に受け継いでいくべき貴重な遺産です。

4. 万里の長城の世界遺産登録基準

世界遺産登録基準

万里の長城は1987年に世界遺産に登録され、登録箇所は八達嶺長城、山海関、嘉峪関の3か所である。

この世界遺産は世界遺産登録基準のうち、以下の条件を満たし、登録された（以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用である）。

登録基準（i）宇宙からも確認できるほどに広大な万里の長城は、自然の地形を利用した偉大な建築物であるという点。

登録基準（ii）中国北方で万里の長城を建設することによって、中国人の居住地が拡大していったということ。

世界遺産登録基準
基準	内容
(i)	傑出した普遍的価値を持つ建造物
(ii)	文化交流や交易を促した建造物
(iii)	歴史的建造物の証
(iv)	軍事建築のユニークな例
(vi)	文化的なシンボル
(vii)	自然と人間の調和
(viii)	建築技術の傑作
(ix)	文化的な交流の証
(x)	文化的な多様性の証

登録基準の詳細

登録基準（iii）保存状態の良い嘉峪関や明の時代の城壁部分などは、万里の長城が長年に渡って建造され続けていたということを証明しているという点。

登録基準（iv）万里の長城は長年に渡って発展した防衛設備が見られる軍事建築のユニークな例であるということ。

登録基準（vi）中国の詩や文学のテーマになるほど、万里の長城は異民族から中国を防衛するという重要なシンボルであったという点。

慕田峪長城は、軍事建築として優れているということだけでなく、北方との異民族との戦いの足跡が見られ、中国においては文化的なシンボルにもなっているという点で評価されています。

登録基準の重要性

万里の長城は、世界遺産登録基準を満たす、歴史的、文化的、建築的な価値を持つ建造物です。

万里の長城は、中国の歴史と文化を深く理解するために欠かせない存在です。

万里の長城は、世界遺産として、未来の世代に受け継いでいくべき貴重な遺産です。

まとめ

万里の長城は、その歴史的、文化的、建築的な価値から、世界遺産に登録されました。

万里の長城は、中国の歴史と文化を深く理解するために欠かせない存在です。

万里の長城は、世界遺産として、未来の世代に受け継いでいくべき貴重な遺産です。

5. 万里の長城の観光スポット

八達嶺長城

万里の長城の中でも、最も有名で多くの観光客を集めているのが八達嶺長城です。北京の北西約70km、車で約1時間半の場所に位置しており、交通の便も良いため、一般的な観光地といえば、この八達嶺長城が思い浮かびます。全長3.7kmある八達嶺長城は、1505年明代に造られ、その壮大さは訪れる者を圧倒します。

入り口を入ると南北にルートが分かれており、北側は「女坂」と呼ばれています。比較的傾斜が緩やかなため、八達嶺長城を訪れた観光客がまず最初に登る箇所として有名です。女坂の最高地点は、標高888mの北八楼で、頂上付近には土産物や記念品を売る店があり、大変賑やかな場所となっています。一方、南側の山からの傾斜がきつい階段がある通称「男坂」もあります。最高点の城楼までは歩くと往復1時間半かかりますが、観光用のロープウェイが設置されているので、楽に観光できます。

八達嶺長城は、明の時代に修築された万里の長城で最も代表的で壮大な部分です。簡単にアクセスでき、歩きやすい状態で、1957年以来、訪れやすい長城としてとても人気があります。他所で経験できない、さまざまなアクティビティーを楽しんで、一生の思い出をこの土地で作ってみませんか。

八達嶺長城は、万里の長城の中でも最も人気のある観光スポットです。北京市内からアクセスも良く、観光客向けの施設も充実しています。

八達嶺長城
特徴	内容
全長	約3.7km
建設時期	明代（1505年）
アクセス	北京市内から約75km
見どころ	壮大な景色、ロープウェイ、博物館

慕田峪長城

万里の長城の中でも特に保存状態が良いと評価されている「慕田峪長城」は、北京市から北へ約70kmの場所に位置しています。555年南北朝時代に建設され、明時代には太祖洪武帝から命を受けた徐達によって改修されました。その結果、居庸関などと並ぶ重要な関所としての役割を果たすようになりました。

慕田峪長城の最大の見どころはその城壁です。全長2kmに渡る城壁は、他の長城では外壁にのみ築かれた狭間が、内と外、両方に設置されています。これは明代の名将戚継光（せきけいこう）によるもので、領内に敵が侵入した際の防御策として考えられました。北京からアクセスも良く、1日で訪れることが可能です。一度は訪れてみましょう。

慕田峪長城は、八達嶺長城に比べて、比較的静かで、自然豊かな環境にあります。

慕田峪長城は、万里の長城の中でも、特に保存状態が良いことで知られています。

慕田峪長城
特徴	内容
全長	約2km
建設時期	南北朝時代（555年）
アクセス	北京市内から約70km
見どころ	保存状態が良い、内と外に狭間がある、ロープウェイ

嘉峪関

甘粛省の嘉峪関市という街から5kmのところにある「嘉峪関(かよくかん)」は、「万里の長城」のなかでも大きな拠点の1つです。万里の長城といえば、緑の豊かな山々の稜線を大きな壁が連なるイメージがありますよね。しかし、嘉峪関は砂漠の中にある長城です。かつて、嘉峪関はシルクロードの拠点でもあり、近くには莫高窟で知られる敦煌があります。

嘉峪関の城は、いくつもの城壁で囲まれており、砦や烽火台などの軍事拠点が残っており、かつての嘉峪関がどれだけの規模の要塞であったのかを知ることができます。沙漠の中にある長城というのも、迫力があって、見ごたえがありますよ！

嘉峪関は、万里の長城の西端にある関所です。

嘉峪関は、その壮大さと歴史的な価値から、多くの観光客に愛されています。

嘉峪関
特徴	内容
全長	不明
建設時期	明代（1540年）
アクセス	甘粛省嘉峪関市から約6km
見どころ	高さ11mの城壁、砦、烽火台

まとめ

万里の長城は、その長大さゆえに北京付近は観光客が多く、修復が進んでいますが、他の地域は整備されていない部分が多いです。整備されていない長城は野長城と呼ばれ、保護のために立ち入りが禁止されています。

これから紹介する場所は世界一に登録されている箇所であり、整備もされているため安心して観光に臨めると思います。

万里の長城は、その壮大さと歴史的価値から、世界中から観光客を引きつける中国の象徴的な観光地です。

万里の長城を訪れる際は、事前にどの部分を訪れるか計画を立てておきましょう。

6. 万里の長城にまつわる伝説とエピソード

万里の長城の建設にまつわる伝説

万里の長城の建設には、多くの伝説やエピソードが残されています。その中でも有名なのが、万里の長城の建設中に、夫を亡くした女性が、夫の亡骸を長城に埋め、夫の魂が長城を守ってくれるようにと願ったという伝説です。

また、万里の長城の建設には、多くの労働者が従事し、その中には、強制労働者も含まれていました。労働者たちは、過酷な労働環境の中で、命を落とす者も少なくありませんでした。

万里の長城は、中国の歴史と文化を深く理解するために欠かせない存在です。

万里の長城の伝説
伝説	内容
夫の亡骸を長城に埋めた女性	夫の魂が長城を守ってくれるようにと願った
長城の建設中に命を落とした労働者	過酷な労働環境での犠牲
長城に自分の名前を刻んだ労働者	恋人を偲んで名前を刻んだ

万里の長城にまつわるエピソード

万里の長城は、その長大さゆえに、多くの歴史的な出来事の舞台となりました。例えば、明の時代には、モンゴル軍が長城を突破して北京を攻撃した事件がありました。

また、万里の長城は、交易や文化交流の場としても機能していました。長城には、いくつかの関所が設けられ、中国と北方の遊牧民族との間で交易が行われていました。

万里の長城は、中国の歴史と文化を深く理解するために欠かせない存在です。

万里の長城にまつわる歴史的な出来事
出来事	内容
モンゴル軍による北京攻撃	明の時代に長城を突破して北京を攻撃
交易	長城の関所を通じて中国と遊牧民族との間で交易が行われた
文化交流	長城を通じて中国と遊牧民族との間で文化交流が行われた