バッサイのアポロ・エピクリオス神殿とは?世界遺産についての解説

バッサイのアポロエピクリオス神殿の概要
項目 内容
場所 ギリシャ南部ペロポネソス半島メッシニア県北東部コティリオン山
建設時期 紀元前450年~紀元前425年
建築様式 ドーリア式、イオニア式、コリント式
主な特徴 世界最古のコリント式柱頭、北向きに建てられている、独特の建築様式
世界遺産登録 1986年
主な見どころ 神殿内部のフリーズ、保存状態の良い神殿、コリント式柱頭
アクセス オリンピアから車で約2~3時間
注意点 夏は暑いため、涼しい季節に訪れるのがおすすめ

1. バッサイのアポロエピクリオス神殿の歴史

要約

バッサイ神殿の建設背景

バッサイのアポロ・エピクリオス神殿は、ギリシャ南部ペロポネソス半島のメッシニア県北東部にあるコティリオン山の中腹、海抜1131mの場所に位置しています。紀元前5世紀半ば、周辺でペストが流行した際に、その病魔から人々を救い出した神・アポロンへの感謝を捧げるために、フィガリアの住民によって建設されました。この神殿は、古代ギリシャの主要なポリスからは地理的に離れており、人里離れた場所に位置していることが功を奏し、長い歴史の中で戦争による破壊やその他の破壊活動を免れ、現在でもとても良い状態で保存されている、非常に文化的価値の高い建造物です。

神殿の建設は、紀元前450年から紀元前425年にかけて行われたと推定されています。建築家イクティノスが設計したとされ、彼は有名なアテネのパルテノン神殿を造った人物でもあります。古代ギリシャの旅行記でバッサイ神殿について言及したのは、パウサニアスただ一人です。パウサニアスは、この神殿を称賛し、その石の美しさと建設の調和によって、テゲアのアテナ・アレア神殿を除く全ての神殿を凌駕すると述べています。

バッサイ神殿は、古代ギリシャ以降は長い間、忘れさられたものの、18世紀に再発見され、保存状態の良いことから学者や芸術家によって研究されてきました。1986年に世界遺産に登録され、現在も修復が続けられています。

バッサイ神殿の建設背景
時期 出来事
紀元前5世紀半ば ペスト流行
紀元前450年~紀元前425年 神殿建設
18世紀 神殿再発見
1986年 世界遺産登録

神殿の構造と特徴

バッサイ神殿は、正面6本に対し側面15本というギリシャの古典様式にもかかわらず、古代ギリシャの建築様式であるドーリア式、イオニア式、コリント式が融合していて、ヘレニズム様式への移行する段階を示しています。特にこの遺跡に残るコリント式の柱頭は、世界最古のもの。神殿は南北方向に揃えられており、その正面入り口は北側にある。これは、ギリシャ神殿の大半が東西方向に揃えているのとは対照的である。このようになった理由としては、いくつかの理由が考えられている。例えば、山の斜面に作ったことによる立地上の制約であるとか、山裾から巡礼者が仰ぎ見る際の視覚的効果を意識したなどである。

神殿内部の柱はドーリア式の柱による周柱式が採られており、天井は失われているため、中心部はいわゆる青空天井になっている。神殿は大理石に彫られたフリーズを除けば、全体的に、アルカディア地方で産出した灰色の石灰岩が用いられている。ほとんどの主要な神殿と同じように、この神殿にも3つの構成要素を持っている。すなわち、プロナオス(pronaos

バッサイの神殿には、パルテノン神殿に見られる湾曲した床などの視覚的な精妙をやや欠いている部分はあるものの、柱はエンタシスを持つ。この神殿はドーリア式、イオニア式、コリント式の3つのギリシャ建築様式が一つになっているという点で、異例なものである。ドーリア式の円柱は外周を取り巻いており、イオニア式はポーチを支えるのに用いられ、コリント式は内部の本殿に用いられるという形で、各様式が異なる部位に用いられた。なお、この神殿に残るコリント式の柱頭は、現存最古のものである。

神殿の構造と特徴
様式 部位
ドーリア式 外周
イオニア式 ポーチ
コリント式 内部本殿
柱頭 世界最古のコリント式柱頭

神殿の発見と研究

考古遺跡としてのバッサイ神殿について最初に言及をしたのは、フランス人建築家ジョアシャン・ボシェで、1765年11月のことであった。彼はザンテに別荘を建てていたところで、その責任者になったのは全くの偶然だった。ただし、彼は二度目の調査に戻って来た時に、暴漢たちによって殺されてしまった。チャールズ・コックレルとハラー・フォン・ハラーシュタインはアイギナで彫像を救い出していたが、彼らがバッサイで更なる成功を目指したのは、1811年のことだった。翌年、コックレルとオットー・マグヌス・フォン・シュタッケルベルクの指揮で発掘が始まり、いくつかの部分が出土した。出土品には、ザンテで大英博物館が落札することになるフリーズも含まれていた。この遺跡については注意深く描かれたスケッチも存在していたが、それは海中に没した。

フリーズの彫刻群はまず1814年にローマで出版され、1820年には大英博物館が公式資料を刊行した。他の性急な訪問が次々の出版をもたらしたが、完全な形で成果が出版された調査は1836年まで実現しなかった。それを実現したのはカール・ブリューロフの指揮下でのロシア人考古学者たちである。その発見の中で最も耳目を惹きつけたと思われるのは、現存最古のコリント式柱頭であったろう。このときに出土した加工品のいくつかは、モスクワのプーシキン美術館で見る事ができる。

1902年に、考古学者Konstantinos Kourouniotis

神殿の発見と研究
人物 役割
ジョアシャン・ボシェ 最初の発見
チャールズ・コックレル 発掘調査、フリーズ発見
ロシア人考古学者 現存最古のコリント式柱頭発見
ギリシャ考古学会 体系的な発掘調査

まとめ

バッサイのアポロ・エピクリオス神殿は、ペストの流行から住民を守ったとされるアポロンへの感謝を捧げるために建設された神殿です。古代ギリシャの主要なポリスからは地理的に離れた場所に位置しているため、戦争や開発から逃れることができ、良好な保存状態を保っています。

神殿は、ドーリア式、イオニア式、コリント式の3つのギリシャ建築様式が融合した独特な建築様式で建てられており、古代ギリシャの建築史において古典様式からヘレニズム様式への移行期を示す建造物として、学術的な価値も高いです。

18世紀に再発見されて以来、多くの学者や芸術家によって研究され、現在も修復が続けられています。

2. ギリシャの世界遺産:バッサイのアポロエピクリオス神殿

要約

世界遺産登録基準

バッサイのアポロ・エピクリオス神殿は、ギリシャの世界遺産の中で最初に登録されたもので、1986年に世界遺産に登録されました。世界遺産登録基準のうち、以下の条件を満たし、登録された。

登録基準(i)バッサイのアポロ・エピクリオス神殿は、ギリシャ古典期の建築にもかかわらず、ドーリア式、イオニア式、コリント式の列柱が見られ、独特の建築様式が見られるという点。

登録基準(ii)バッサイのアポロ・エピクリオス神殿のコリント式の柱頭は、世界最古のコリント式の柱頭で、ギリシャやローマなどで見られるコリント式の建造物のルーツでもあるということ。

登録基準(iii)バッサイのアポロ・エピクリオス神殿は、郊外に位置するため、開発から逃れることができ、農村地帯にかつて存在したギリシャの至聖所を持つ聖域の顕著な例が今でも見られるという点。

世界遺産登録基準
基準 内容
(i) 人類創造の才能の傑出した作品
(ii) 建築様式の重要な発展段階
(iii) 文化の伝統を伝える顕著な例
登録年 1986年

世界遺産としての価値

バッサイのアポロ・エピクリオス神殿は、ギリシャで最初に登録された世界遺産であり、その伝統と斬新さが混在したデザインは、ヘレニズム文化の先駆けとなったともいわれています。

ペロポネソス半島の山間部に位置するバッサイのアポロ・エピクリオス神殿は、開発されることもなく、長い間埋もれていたため、保存状態が良く、当時のギリシャ神殿がそのまま保存されているという点で評価。

そして、神殿内に残る、世界最古のコリント式の柱頭は、地中海世界で見られるギリシャ・ローマのコリント式の建築物ルーツでもあるというのもポイント。

世界遺産としての価値
価値 内容
保存状態 良好
建築様式 独特の融合
柱頭 世界最古のコリント式柱頭
歴史的意義 ヘレニズム文化の先駆け
文化的意義 ギリシャ神殿の保存状態の良い例

観光客への情報

バッサイのアポロ・エピクリオス神殿は、ギリシャ南西部、ペロポネソス半島のオリンピアの遺跡から東南に約40キロのところにあります。オリンピアからは車で約2~3時間ほどかかります。アクセスし易いとはいえない場所にありますので、ツアーに参加されることをおすすめします。

神殿は現在白いテントで覆われており、諸要素からの保護が意識されている。現在保全作業が行われているが、これを監督しているのは、アテネに本拠を置いているアポロ・エピクリオス委員会(the Committee of the Epicurean Apollo)である。

周辺は日陰もほとんどない荒野のような場所で、夏はかなり暑くなります。いちばん近い観光スポット、オリンピアの遺跡からも車で約2~3時間と距離があるので、夏場は避けてなるべく涼しい季節に訪れることをおすすめします。

観光客への情報
項目 内容
アクセス オリンピアから車で約2~3時間
見学 白いテントで覆われている
周辺環境 荒野、夏は暑い
おすすめ時期 涼しい季節

まとめ

バッサイのアポロ・エピクリオス神殿は、ギリシャで最初に登録された世界遺産であり、その伝統と斬新さが混在したデザインは、ヘレニズム文化の先駆けとなったともいわれています。

ペロポネソス半島の山間部に位置するバッサイのアポロ・エピクリオス神殿は、開発されることもなく、長い間埋もれていたため、保存状態が良く、当時のギリシャ神殿がそのまま保存されているという点で評価されています。

そして、神殿内に残る、世界最古のコリント式の柱頭は、地中海世界で見られるギリシャ・ローマのコリント式の建築物ルーツでもあるという点も重要なポイントです。

現在も保全作業が行われており、白いテントで覆われているため、青空に建つ神殿の姿は見られないのでご注意ください。

3. バッサイのアポロエピクリオス神殿の建築様式

要約

建築様式の融合

バッサイのアポロ・エピクリオス神殿は、ドーリア式、イオニア式、コリント式の3つのギリシャ建築様式が一つになっているという点で、異例なものです。

ドーリア式の円柱は外周を取り巻いており、イオニア式はポーチを支えるのに用いられ、コリント式は内部の本殿に用いられるという形で、各様式が異なる部位に用いられた。

この神殿に残るコリント式の柱頭は、現存最古のものである。

建築様式の融合
様式 部位
ドーリア式 外周
イオニア式 ポーチ
コリント式 内部本殿

建築様式の詳細

ドーリア式は、古代ギリシア建築における建築様式(オーダー)のひとつであり、イオニア式、コリント式と並ぶ3つの主要なオーダーに位置づけられる。ドリス式とも呼ばれる。古代ギリシア建築前期のもので、柱頭に鉢形装飾や柱基を持たずしばしば「荘重」と表現される。ドーリア式のオーダーが用いられている代表的建造物としては、アテナイのパルテノン神殿が挙げられる。

イオニア式は、古代ギリシア建築における建築様式(オーダー)のひとつであり、ドーリア式、コリント式と並ぶ3つの主要なオーダーに位置づけられる。イオニア式のオーダーは、紀元前6世紀中葉に、イオニア人が植民した小アジアの南西沿岸及び島嶼からなるイオニア地方で誕生し、紀元前5世紀にはギリシア本土でも用いられるようになった。

コリント式は、古代ギリシア建築における建築様式(オーダー)のひとつであり、ドーリア式、イオニア式と並ぶ3つの主要なオーダーに位置づけられる。溝が彫られた細身の柱身と、アカンサスの葉が象られた装飾的な柱頭を特徴とする。ギリシアに起源を有するが、ギリシア建築において用いられた例はほとんどない。コリント式という名は、古代ギリシアの都市国家(ポリス)のひとつであるコリントスに由来するが、コリント式は一般にアテナイで発達したと考えられている。

建築様式の詳細
様式 特徴
ドーリア式 柱頭に鉢形装飾、柱基を持たない
イオニア式 細身の柱身、渦巻き模様の柱頭
コリント式 細身の柱身、アカンサスの葉が象られた柱頭

建築様式の研究

バッサイのアポロ・エピクリオス神殿は、ドーリア様式、イオニア式、コリント式の3種類の建築様式を用いて作られています。このようなスタイルの神殿は珍しいため、建築技術の観点から研究対象になっているという遺跡なんですよ。

それに加えて通常ギリシャ神殿は正面を東向きにして建てられているのが、アポロ・エピクリオス神殿は北向きに建てられています。さらに本殿に当時あったといわれるアポロ神像に光を当てる開口部は通常西側に作られるものが反対の東側についていたりと、イレギュラーな部分が多いのも特徴的。これは山の斜面に作られたことによる立地上の制約があったことや、景観を考慮されたためと考えられています。

世界遺産のアポロ・エピクリオス神殿は、アテネのパルテノン神殿を手がけたイクティノスによる建築といわれています。随所に巧みな技巧が取り入れられていて、調和のとれた美しさを見せています。建築美を堪能されたい方は要注目ですよ。

建築様式の研究
研究対象 内容
建築技術 3様式の融合、北向きへの配置、開口部の位置
建築美 イクティノスの巧みな技巧、調和のとれた美しさ
保存状態 良好な保存状態、研究の進めやすさ

まとめ

バッサイのアポロ・エピクリオス神殿は、ドーリア式、イオニア式、コリント式の3つのギリシャ建築様式が融合した、非常に珍しい神殿です。

この神殿は、古代ギリシャの建築様式がどのように発展していったのかを知る上で重要な役割を果たしています。

また、神殿の配置や構造は、山の斜面に建てられたという立地条件や、景観を考慮した結果であると考えられています。

建築技術の観点から研究対象になっているという遺跡であり、建築美を堪能したい方におすすめです。

4. アポロエピクリオス神殿の芸術的価値

要約

神殿内部の装飾

外部の装飾は相対的にまばらである。しかし、内部は、アマゾネスと戦うギリシャ人やケンタウロスたちと戦うラピテス族などを描いたイオニア式のフリーズによって飾られている。

このフリーズの前額は、チャールズ・コックレルによって 取り外され、1815年に大英博物館に収蔵された。それらは現在でも、大英博物館内のエルギン・マーブル近くに展示されている。コックレルは、その前額を象った石膏模型で、アシュモリアン博物館の大階段室の壁やトラベラーズ・クラブ(Travellers Club)の壁面を飾り立てた。

特に内部は優美な雰囲気に包まれています。荒々しいケンタウロスたちと戦うラピテス族の姿や、アマゾネス(女戦士)の闘うギリシャ人の姿が描かれており、訪れる人を魅了しています。これらはイオニア式によって描かれています。(現在は大英博物館内に展示されています。)

神殿内部の装飾
装飾 内容
フリーズ アマゾネスと戦うギリシャ人、ケンタウロスと戦うラピテス族
彫刻 現在は大英博物館に保管
様式 イオニア式

神殿の保存状態

バッサイのアポロ・エピクリオス神殿は、ギリシアで最も保存状態のよい神殿のひとつ。古代ギリシャの雰囲気を感じさせてくれる世界遺産「バッサイのアポロ・エピクリオス神殿」をご紹介しましょう。

保存状態がかなりよいので、ギリシャ神殿の謎を推理しながらゆっくりと見学してみてはいかがでしょう?

バッサイのアポロ・エピクリオス神殿は現在も研究が続けられていて、神殿は保護のため白いテントで覆われています。テントの中に入って見学することはできますが、青空に建つ神殿の姿は見られないのでご注意ください。

神殿の保存状態
状態 内容
全体 良好
エンタシスという建築様式を採用
柱頭 現存最古のコリント式柱頭
壁画 一部はイギリス大英博物館に保管
見学 白いテントで覆われているため、青空に建つ神殿の姿は見られない

神殿の芸術的評価

パウサニアスはこの神殿を「石の美しさと建設の調和によって、テゲアのアテナ神殿を除くすべての神殿を凌駕する」と述べています。

世界遺産であるバッサイのアポロ・エピクリオス神殿は、すっきりとしたリドリア式の柱が正面に6本、側面に12~15本と変則的。柱はエンタシスというギリシャ発祥の先が徐々に細くなる建築様式が採用されているので、その優美な曲線をご鑑賞ください。神殿の土台となる床は通常の神殿より若干小さく、入口・本殿・後室の3つの部分に分かれていました。またこの神殿に残るコリント式の柱頭は、現存する最古のものとされています。

ちなみに壁にはイオニア式によって描かれたアマゾネス(女戦士)の戦う姿や、半人半獣のケンタウロスの姿が描かれていました。これらの彫刻は1815年に取り外され、現在イギリス大英博物館で保管・展示されています。

神殿の芸術的評価
評価 内容
パウサニアスの評価 テゲアのアテナ神殿を除くすべての神殿を凌駕する
建築美 リドリア式の柱、エンタシスによる優美な曲線
芸術性 アマゾネスやケンタウロスの彫刻
保存状態 良好な保存状態、当時の芸術を垣間見ることができる

まとめ

バッサイのアポロ・エピクリオス神殿は、内部の装飾も非常に優れており、アマゾネスやケンタウロスなどの彫刻が施されています。

これらの彫刻は、現在は大英博物館に保管されていますが、当時の芸術の素晴らしさを垣間見ることができます。

神殿は、保存状態が良好で、ギリシャ神殿の謎を推理しながらゆっくりと見学することができます。

建築美と芸術性を兼ね備えた、見ごたえのある世界遺産です。

5. バッサイのアポロエピクリオス神殿の神話と関連性

要約

アポロン神

バッサイのアポロ・エピクリオス神殿は、ギリシャ神話に登場する神「アポロ」を讃えるために建設された神殿です。

アポロンは、ゼウスの息子であり、詩歌や音楽などの芸能・芸術の神として名高いですが、羊飼いの守護神にして光明の神でもあり、疫病の矢を放ち男を頓死させる神であるとともに病を払う治療神でもあり、神託を授ける予言の神としての側面も持つなど、付与された性格は多岐に亘ります。

古典期のギリシアにおいては理想の青年像と考えられ、また、ヘーリオス(太陽)と同一視されるようにもなりました。

アポロン神
神格 内容
ゼウス
役割 詩歌、音楽、芸術、羊飼い、光明、疫病、治療、予言
特徴 理想の青年像、太陽神
関連 ペストの流行から住民を守ったとされる
関連 デルフィの神託

神殿の建設と神話

この神殿は、かつて周辺でペストが大流行した際に、その病魔から人々を救い出した神・アポロンへの感謝を捧げるために、フィガリアの住民によって建設されました。

アポロンは、疫病を払う治療神としての側面も持つことから、ペストの流行から住民を守ったとされ、ここに神殿を建造したとされています。

神殿は、アポロン・エピクリオス(「加護を与える神アポロ」)に奉献されたものです。

神殿建設と神話
理由 内容
ペスト流行 住民を守ったアポロンへの感謝
奉献 アポロン・エピクリオス(加護を与える神アポロ)
伝説 ペストの流行から住民を守ったとされる
関連 デルフィの神託

神殿と神託

古代ギリシャにおいては、神託を得られる場所として大切にされたアポロン神殿を中心に広がり、現在でもその神殿の跡を確認することが出来ます。

デルフィの遺跡または、デルフィの考古遺跡(デルフォイの考古遺跡)と呼ばれるこの遺跡は、それ自体は神殿ではありません。

しかしこの場所は、古代ギリシャにおいて多くの要人達が訪れて政治や外交の指針を求めた「アポロンの神託」または「デルフォイの神託」と呼ばれる、神からのお告げ(助言)がなされる非常に重要な場所でした。

神殿と神託
場所 内容
デルフィ アポロン神殿
神託 政治や外交の指針を求めた
重要性 古代ギリシャ世界で重要な場所
関連 アポロン神殿

まとめ

バッサイのアポロ・エピクリオス神殿は、ギリシャ神話における重要な神であるアポロンを祀る神殿です。

神殿の建設は、ペストの流行から住民を守ったアポロンへの感謝の気持ちから生まれたとされています。

アポロンは、疫病を払う治療神としての側面を持つことから、人々にとって重要な存在でした。

神殿は、アポロンへの信仰と、古代ギリシャの人々の生活と密接に関係していることを示しています。

6. 現代に残るバッサイのアポロエピクリオス神殿への影響

要約

観光地としてのバッサイ

バッサイのアポロ・エピクリオス神殿は、現在でも多くの観光客が訪れる人気の観光スポットです。

神殿は、保存状態が良好で、古代ギリシャの雰囲気を感じることができます。

また、神殿周辺は、ほぼ荒野のような状態で、夏は非常に暑いため、涼しい季節に訪れることをおすすめします。

観光地としてのバッサイ
魅力 内容
保存状態 良好
雰囲気 古代ギリシャの雰囲気
見どころ 神殿内部のフリーズ、コリント式柱頭
アクセス オリンピアから車で約2~3時間
注意点 夏は暑い
おすすめ時期 涼しい季節

研究対象としてのバッサイ

バッサイのアポロ・エピクリオス神殿は、ギリシャで最も研究が進められている神殿の一つです。

特に、ドーリア式、イオニア式、コリント式の3つの建築様式が融合している点や、世界最古のコリント式柱頭が残っている点などが注目されています。

神殿の配置や構造は、山の斜面に建てられたという立地条件や、景観を考慮した結果であると考えられています。

研究対象としてのバッサイ
研究対象 内容
建築様式 ドーリア式、イオニア式、コリント式の融合
柱頭 世界最古のコリント式柱頭
配置と構造 山の斜面に建てられたという立地条件、景観を考慮した結果
保存状態 良好な保存状態、研究の進めやすさ

文化遺産としてのバッサイ

バッサイのアポロ・エピクリオス神殿は、ギリシャで最初に登録された世界遺産であり、その伝統と斬新さが混在したデザインは、ヘレニズム文化の先駆けとなったともいわれています。

ペロポネソス半島の山間部に位置するバッサイのアポロ・エピクリオス神殿は、開発されることもなく、長い間埋もれていたため、保存状態が良く、当時のギリシャ神殿がそのまま保存されているという点で評価されています。

そして、神殿内に残る、世界最古のコリント式の柱頭は、地中海世界で見られるギリシャ・ローマのコリント式の建築物ルーツでもあるという点も重要なポイントです。

文化遺産としてのバッサイ
価値 内容
歴史的意義 ヘレニズム文化の先駆け
文化的意義 ギリシャ神殿の保存状態の良い例
建築様式 独特の融合
柱頭 世界最古のコリント式柱頭
保存状態 良好

まとめ

バッサイのアポロ・エピクリオス神殿は、観光地、研究対象、文化遺産として、現代においても重要な役割を果たしています。

神殿は、古代ギリシャの文化や歴史を伝える貴重な遺産であり、多くの人々に感動を与えています。

また、神殿は、建築技術や芸術の研究対象としても注目されており、現代の建築や芸術にも影響を与えています。

バッサイのアポロ・エピクリオス神殿は、これからも多くの人々に愛され、研究され続けることでしょう。

参考文献

バッサイのアポロ・エピクリオス神殿 – 世界遺産を学ぶ

ギリシャの世界遺産「バッサイのアポロ・エピクリオス神殿 …

ヘレニズム文化を先駆けた斬新な様式!世界遺産バッサイの …

バッサイ – Wikipedia

バッサイのアポロ・エピクリオス神殿 | ギリシャ | 世界遺産 …

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