国債とは?経済用語について説明

国債のメリット・デメリット
メリット	デメリット
安全性が高い	利回りが低い
少額から投資できる	すぐに換金できない
元本保証がある	インフレリスクがある
利回りが定期預金より高い	金利リスクがある
国が発行しているので信頼性が高い	信用リスクがある

1. 国債の定義とは

国債とは何か？

国債とは、国が資金を調達するために発行する債券のことです。債券とは、国や企業などが不特定多数の人から資金を借り入れる際に発行する有価証券のことです。国債を購入することは、国にお金を貸すことと同義で、投資家は債務者である国から利子を受け取ることができます。債券自体は、「投資家から一定期間お金を借りたことを証明する借用証書」とも考えることができるでしょう。通常、国家に対する信用力は市町村や企業よりも高くなります。特に先進国は債務不履行に陥る可能性が極めて低いため、満期には元本が返済される場合がほとんどです。

国は資金需要が発生した際に、債券を発行して資金の調達を行うことがあります。投資家は国債を購入することで、発行体である国へ資金を提供し、その見返りとして半年に1回などのペースで、国から利子を受け取ります。償還期限までに国の財政が悪化するなど、債務が履行されない状況に陥らなければ、満期には額面どおりの金額が投資家へ償還される仕組みです。（参考：知る｜個人向け国債｜財務省）

債券価格と金利は逆の動きをするため、金利が上昇すると債券価格は下落し、金利が下がると債券価格は上昇します。例えば、金利2%の債券を保有していると仮定しましょう。市場の金利が上昇して、金利3%の債券が出回るようになった場合、保有している金利2％の債券の魅力は相対的に低下します。そのため、需要が減って価格が下がることになります。一方、市場の金利が下落して、金利1％の債券が出回るようになると、金利2%の債券の魅力は相対的に上昇します。よって、需要が増えて価格が上昇することになります。（参考：債券価格と金利って、どういう関係なの？｜投資の時間｜日本証券業協会）

国債は、政府がインフラ整備などの費用を税収入で賄えなくなった場合に発行する債券です。国債は、個人向け国債から物価連動国債まで、多くの選択肢があります。国債は、安全性や利回りなど、メリットが多数ある反面、すぐに換金できないことや、収益性が低めなことなど、デメリットも存在します。個人向け国債は元本割れのリスクが低いため、安全に運用できることは大きな魅力です。金利が低いことはデメリットですが、堅実な投資から始めてみたいという初心者の方にとっては、比較的投資しやすい金融商品と言えるでしょう。

国債の発行と償還
発行	償還
国が資金調達	満期時に元本返済
投資家から資金調達	利息を支払う
公共事業などに充当	債券市場で売買可能

国債の発行と償還

国債は、国が資金を調達するために発行する債券です。国債を購入することは、国にお金を貸すことになります。国は、国債を発行することで、投資家から資金を調達し、公共事業や社会保障などの費用に充当します。国債には、発行時に償還期限と利率が定められており、投資家は償還期限まで国債を保有することで、利息を受け取ることができます。償還期限が到来すると、国は投資家に元本を返済します。

国債の発行は、政府が資金調達を行うための手続きです。発行時には、国債の金利や満期日などの詳細が定められます。発行された国債は一般に公開され、投資家に販売されます。個人投資家や機関投資家、銀行などが国債を購入します。

国債は一定の期間ごとに利払いを行います。利息は、国債の額面金額に適用される利率（クーポンレート）に基づいて計算されます。利払いは通常、半年ごとに行われます。

国債には満期日があり、その日に元本が返済されます。投資家は自身が保有している国債に関して、満期まで待つ代わりに中途で売却することができる（国債口座を保有している金融機関等で、全部または一部を売却できる）。逆に、発行済み国債を購入することもできる（既発債の購入という）。このような場合、国債の価格は需要と供給の関係によって変動します。価格変動によって利回りも変動するため、投資家は購入・売却時には、市場の状況を見極める必要があります。

国債の利回り計算
計算式	例
利回り = （利息 ÷ 国債の価格） × 100	100万円の国債を100万円で購入した場合、利回りは金利と同じ
	国債の価格が105万円になった場合、利回りは95.24%になる

国債の利回り

国債の利回りとは、投資家が国債に投資することで得られる収益率のことです。国債の利回りは、国債の価格と金利の関係によって決まります。国債の価格は、市場での需要と供給によって変動します。需要が高まると価格は上昇し、供給が多くなると価格は下落します。

国債の金利は、国債の発行時に設定されます。金利は、国債の償還期限や発行国の経済状況などを反映して決まります。金利が高いほど、投資家は国債に投資することでより多くの利息を得ることができます。

国債の利回りは、以下の式で計算されます。\n利回り = （利息 ÷ 国債の価格） × 100\n例えば、100万円の国債を100万円で購入した場合、利回りは金利と同じになります。しかし、国債の価格が105万円になった場合、利回りは95.24%になります。

国債の利回りは、投資家にとって重要な指標です。利回りが高いほど、投資家は国債に投資することでより多くの収益を得ることができます。しかし、利回りが高い国債は、リスクが高い場合もあります。

まとめ

国債は、国が発行する債券であり、投資家から資金を調達するための手段です。国債を購入することで、投資家は国にお金を貸すことになります。国債には、発行時に償還期限と利率が定められており、投資家は償還期限まで国債を保有することで、利息を受け取ることができます。償還期限が到来すると、国は投資家に元本を返済します。

国債は、投資家にとって安全性の高い金融商品とされています。しかし、国債にもリスクは存在します。国債の価格変動や金利変動、インフレリスクなど、投資家はこれらのリスクを理解した上で、国債に投資する必要があります。

2. 国債の種類と特徴

個人向け国債

個人向け国債は、個人が購入しやすいように設計された国債です。1万円から購入することができ、半年に1回利子を受け取ることができます。個人向け国債は、変動10年、固定5年、固定3年の3タイプから選べます。また、発行後1年が経過すると、中途換金も可能です。

個人向け国債のメリットは、国が発行しているため安全性が高いことです。満期になった時の元本の返済や、半年ごとの利子の支払いは、国が責任を持って行います。したがって、日本が財政危機に陥り、他国などからの信認を失わない限り、安心して国債を保有することができます。

個人向け国債は、発行後1年経過すると、額面1万円単位で解約が可能になります。直前2回分の各利子（税引後）相当額が引かれるものの、元本が毀損しないのはメリットといえるでしょう。

個人向け国債は、発行から原則1年経過すれば中途換金が可能です。ただし、発行後1年経過しないと中途換金することはできません。また、中途換金をしてお金が支払われるのは、申込日を含めた概ね3営業日後となっています。そのため換金の手続きをしても、すぐにお金が手元に戻ってくるわけではないため注意が必要です。

個人向け国債
種類	特徴
変動10年	半年ごとに金利が変動
固定5年	購入時に決まった金利が満期まで変わらない
固定3年	購入時に決まった金利が満期まで変わらない

新窓販国債

新窓販国債とは「新型窓口販売方式」により販売される国債のことです。これにより、個人向け国債以外の国債を多くの金融機関で手軽に購入することが可能になっています。

個人向け国債は、変動10年、固定5年、固定3年の3タイプが選べますが、新型窓口販売方式の国債は、固定10年、固定5年、固定2年の国債が選べます。

個人向け国債と同様、国債を初めて購入する場合、国債専用の口座を証券会社や銀行などの金融機関で開設する必要があります。口座を開設する際には、本人確認書類（運転免許証や健康保険証など）やマイナンバー（個人番号）等が必要です。これに加えて、国債を購入する際には購入代金や預金通帳、印鑑なども準備しておきましょう。必要なものは、事前に購入先の金融機関に問い合わせておくと安心です。

新窓販国債は、個人・法人等が購入可能な債券です。そのため、個人向け国債より購入単位が大きいのが特徴で5万円以上、5万円単位で購入することができます。また、国債の種類ごとに、一申込みあたりの購入上限額が額面金額3億円と定められており、販売価格は発行ごとに財務省で決定されます。（参考：新窓販国債についてのよくある質問（Ｑ＆Ａ） : 財務省）

新窓販国債
種類	特徴
固定10年	購入時に決まった金利が満期まで変わらない
固定5年	購入時に決まった金利が満期まで変わらない
固定2年	購入時に決まった金利が満期まで変わらない

その他国債

国債には、個人向け国債や新窓販国債以外にも、さまざまな種類があります。例えば、物価連動国債は、物価の変動に応じて元本が変動する国債です。インフレリスクをヘッジしたい投資家にとって魅力的な商品です。

また、復興応援国債は、東日本大震災からの復興を支援するために発行された国債です。復興応援国債は、変動10年型の個人向け国債をベースに、当初3年間は、低金利0.05％で、復興事業資金に賛同してくれる方を募っていました。

国債は、発行目的や利息の支払いタイミングなどによって、さまざまな種類に分けられます。国債を購入する際は、各種類の違いを事前に確認することが大切です。

その他国債
種類	特徴
物価連動国債	物価の変動に応じて元本が変動
復興応援国債	東日本大震災からの復興を支援するために発行された国債
	当初3年間は低金利、4年目以降は個人向け変動利付国債と同じ金利

まとめ

国債は、発行目的や利息の支払い方法によって、さまざまな種類に分けられます。代表的なものとして、個人向け国債、新窓販国債、物価連動国債、復興応援国債などがあります。

個人向け国債は、個人投資家向けに発行された国債で、1万円から購入できます。元本保証と最低金利保証があり、安全性が高い点が特徴です。

新窓販国債は、個人向け国債以外の国債を、個人投資家も購入できるようになった国債です。個人向け国債よりも購入単位が大きいです。

物価連動国債は、物価の変動に応じて元本が変動する国債です。インフレリスクをヘッジしたい投資家にとって魅力的な商品です。復興応援国債は、東日本大震災からの復興を支援するために発行された国債です。

3. 国債の投資メリット

安全性

国債は、国が発行している債券であり、その特性から非常に高い安全性を持つ金融商品です。さらに、定期預金よりも高い利益が期待できるため、銀行預金に満足できない人にも適しています。

国債は「リスクを最小限に抑えたい堅実な人」や、「安定性を重視しつつ少しでも有利に運用したい人」にとって適した金融商品といえます。

国債の安全性
特徴	説明
国が発行	国が破綻しない限り元本は保証される
元本保証	満期時に元本が返済される
信用力が高い	政府の信用力を裏付けとしている

少額投資

個人向け国債は、個人が購入しやすいように工夫された国債のことです。1万円から購入することができ、半年に1回利子を受け取ることができます。

個人向け国債は、変動10年、固定5年、固定3年の3タイプから選べます。また、発行後1年が経過すると、中途換金も可能です。

個人向け国債は、個人が購入しやすいように工夫された国債のことです。1万円から購入することができ、半年に1回利子を受け取ることができます。

個人向け国債は、変動10年、固定5年、固定3年の3タイプから選べます。また、発行後1年が経過すると、中途換金も可能です。

国債の少額投資
特徴	説明
最低購入金額	1万円から購入可能
購入単位	1万円単位で購入可能
	購入金額に上限はない

利回り

国債は、通常定期預金よりも高いため魅力的です。定期預金は預金期間が長ければ高い利回りが得られますが、金利の変動によって変化する可能性があり、国債よりも不確定要素があります。個人向け国債の金利は最低でも0.05％が保証されているため、個人は安心して購入できます。

そのため、同じ額のお金を預金口座に預けるよりも、長期的に見て国債に投資することで資産形成ができるでしょう。

国債の利回り
特徴	説明
定期預金より高い	個人向け国債は最低でも0.05%の金利が保証されている
	銀行の定期預金は0.002%程度

まとめ

国債は、安全性、少額投資が可能、利回りなど、いろいろな利点があります。

国債は「リスクを最小限に抑えたい堅実な人」や、「安定性を重視しつつ少しでも有利に運用したい人」にとって適した金融商品といえます。

国債は、安全性、少額投資が可能、利回りなど、いろいろな利点があります。

4. 国債のリスク要因

金利リスク

金利リスクとは、市場金利の上昇によって国債の価値が下落する可能性のことです。これは、市場金利が高くなると、他の場所でより良いリターンを得ることができるのに、債券を保有する機会費用に影響するためです。

例えば、金利2%の債券を保有していると仮定しましょう。市場の金利が上昇して、金利3%の債券が出回るようになった場合、保有している金利2％の債券の魅力は相対的に低下します。そのため、需要が減って価格が下がることになります。

金利リスクは、債券の価格変動に影響を与える重要な要因の一つです。金利が上昇すると、債券の価格は下落します。これは、債券の利回りが市場金利と逆の動きをするためです。

金利リスクを回避するためには、債券の満期までの期間を短くしたり、金利変動に強い債券を購入したりするなどの方法があります。

金利リスク
リスク	説明
金利上昇	市場金利の上昇によって国債の価値が下落する
	金利が上昇すると、他の投資商品の方が魅力的になるため、国債の需要が減少し、価格が下落する
	金利が上昇すると、債券の価格は下落する
	金利が上昇すると、債券の利回りは低下する

インフレリスク

インフレリスクとは、インフレ率の上昇が債券の価値を下落させる可能性のことです。インフレ率が債券のクーポンレートを上回ると、実質的な損失が発生します。インデックス・リンク債は、インフレリスクの影響を受けにくい債券です。

例えば、金利2%の債券を保有していると仮定しましょう。インフレ率が3%になった場合、債券の利息収入は2%ですが、物価は3%上昇するため、実質的には1%の損失が発生します。

インフレリスクは、債券の価値を目減りさせる可能性があるため、投資家はインフレリスクを考慮した上で、債券に投資する必要があります。

インフレリスクを回避するためには、インフレ連動債などのインフレリスクに強い債券を購入したり、株式などのインフレに強い資産に投資したりするなどの方法があります。

インフレリスク
リスク	説明
インフレ率上昇	インフレ率が債券のクーポンレートを上回ると、実質的な損失が発生する
	インフレ率が上昇すると、物価が上昇し、債券の価値が下落する
	インフレ率が上昇すると、債券の利回りは低下する
	インフレ率が上昇すると、債券の購買力が低下する

信用リスク

信用リスクとは、債券の発行体が債務不履行に陥る可能性のことです。債券の発行体が債務不履行に陥ると、投資家は元本や利息を受け取ることができなくなります。

信用リスクは、債券の発行体の財務状況や経済状況によって異なります。財務状況が悪化している企業や、経済状況が不安定な国の債券は、信用リスクが高いと言えます。

信用リスクを回避するためには、信用力の高い債券の発行体を選んだり、債券の格付けを確認したりするなどの方法があります。

信用リスクは、債券投資における重要なリスクの一つです。投資家は、信用リスクを理解した上で、債券に投資する必要があります。

信用リスク
リスク	説明
国が破綻	国が破綻すると、国債の価値が下落する
	国が破綻すると、国債の償還が困難になる
	国が破綻すると、投資家は元本や利息を受け取ることができなくなる

まとめ

国債は、比較的安全性の高い金融商品とされていますが、銀行の預金保険制度のように、国が破たんした場合に一定の元本の保護や利子の支払いを保証する制度はありません。

国債には、金利リスク、インフレリスク、信用リスクなど、さまざまなリスクが存在します。

金利リスクは、市場金利の上昇によって国債の価値が下落する可能性のことです。インフレリスクは、インフレ率の上昇が債券の価値を下落させる可能性のことです。信用リスクは、債券の発行体が債務不履行に陥る可能性のことです。

投資家は、これらのリスクを理解した上で、国債に投資する必要があります。

5. 国債取引の仕組み

国債の発行

国債は、国が資金を調達するために発行する債券です。国債を購入することは、国にお金を貸すことになります。国は、国債を発行することで、投資家から資金を調達し、公共事業や社会保障などの費用に充当します。

国債の発行
段階	説明
発行	国が資金を調達するために発行する
販売	一般に公開され、投資家に販売される
購入	個人投資家や機関投資家、銀行などが購入する
利払い	一定の期間ごとに利息を支払う
償還	満期日に元本が返済される