G7とは?経済用語について説明

G7とG20の比較
項目	G7	G20
加盟国数	7か国+EU	20か国・地域+EU
設立目的	世界経済の安定と成長	世界経済の安定と成長、グローバルな課題解決
主な議題	世界経済、地域情勢、地球規模の課題	世界経済、金融、気候変動、開発、エネルギー、貿易、雇用、社会、環境など
特徴	民主主義的な価値観を共有する先進国	先進国と新興国、資源国など多様な国々が参加
影響力	近年は新興国の台頭により低下傾向	世界経済の約8割を占めるため影響力が高い

1. G7とは何か

G7とは何か？

G7とは、Group of Sevenの略称で、アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・イタリア・日本・カナダの7か国と欧州連合（EU）が参加する枠組みや会議のことです。G7は、世界経済の安定と成長を目指して、主要先進国が経済政策や外交政策を協調する国際会議です。G7の会議には、加盟国以外の招待国や国際機関などが参加することもあります。

G7は、1970年代の石油危機を背景に、主要先進国が経済政策やエネルギー政策の協調を行うために設立されました。1971年にアメリカがブレトンウッズ体制を放棄し、為替レートが変動相場制に移行したことで、為替市場の不安定化が顕著になりました。さらに、1973年の第一次石油危機と1979年の第二次石油危機は、エネルギー供給の不安定化やインフレの加速を引き起こし、世界経済に大きな悪影響を与えました。これらの危機に対処するため、主要先進国は経済政策やエネルギー政策の協調を行う国際会議の設立を決定しました。

G7は、1975年にフランスのランブイエで開催された、アメリカ、フランス、イギリス、ドイツ、イタリア、日本の6か国（G6）が参加した会議を起源としています。この会議では、各国の首脳が直接会談し、経済政策やエネルギー政策の協調を目指すことが合意されました。1976年にカナダが加盟し、G7となりました。

1990年代に入ると、冷戦が終結し、ロシアが市場経済への転換を進めていきました。このような国際情勢の変化を受けて、1998年からロシアがG7に招待され、G8となりました。しかし、2014年にロシアがクリミアを併合したことにより、G7諸国はロシアを含めたG8の開催を中断し、再びG7として会議が開催されるようになりました。

G7加盟国
国名	参加時期
アメリカ	1975年
イギリス	1975年
フランス	1975年
ドイツ	1975年
イタリア	1975年
日本	1975年
カナダ	1976年
EU	1977年

G7の議長国

G7議長国とは、サミットの議題を設定したり、スケジュールを調整したりする国のことです。任期は1月～12月の1年間で、フランス・米国・英国・ドイツ・日本・イタリア・カナダの順に各国が持ち回りで務めます。日本は2023年までに計7回議長国としての役割を務めました。

サミットは、基本的に議長国の都市で開催されます。2024年の議長国はイタリアで、G7サミットは同国のプーリアにおいて6月に開催される予定です。

G7サミットでは、開催時期における国際社会の重要な課題について話し合われます。主な課題は以下のとおりです。

・世界経済\n・地域情勢\n・地球規模の課題\n話し合われた成果は、最終的に文書にまとめて公表されます。サミット開催にあたって、事前準備を進めるのが各国のシェルパです。各国首脳の補佐役であるシェルパが、それぞれ緊密に連絡を取り合いつつ準備を進めていきます。

G7議長国の役割
役割	内容
議題設定	サミットで議論するテーマを決める
スケジュール調整	サミットの日程や場所を決める
成果文書作成	サミットでの議論結果をまとめる
国際的な連携	他の国や国際機関との協力関係を構築する

G7の招待国

招待国とは、G7の加盟国以外で会議に参加できる国のことです。たとえば、2023年のG7広島サミットでは、以下の国が招待国として参加しています。

・オーストラリア\n・ブラジル\n・コモロ（アフリカ連合（AU）議長国）\n・クック諸島（太平洋諸島フォーラム（PIF）議長国）\n・インド（G20議長国）\n・インドネシア（ASEAN議長国）\n・韓国\n・ベトナム

また、ウクライナのゼレンスキー大統領が来日したことに伴い、ウクライナ支援について対面で話し合いの場が設けられました。

G7には、加盟国の財務大臣・中央銀行総裁が集う会議、外務大臣が集う会合など、さまざまな種類があります。G7サミット（主要国首脳会議）とは、数ある会議のうちG7加盟国の首脳が集う場のことです。

G7広島サミットの招待国
国名	備考
オーストラリア	G20メンバー
ブラジル	G20メンバー
コモロ	アフリカ連合（AU）議長国
クック諸島	太平洋諸島フォーラム（PIF）議長国
インド	G20議長国
インドネシア	ASEAN議長国
韓国	G20メンバー
ベトナム	ASEANメンバー
ウクライナ	ロシアの侵略を受けている国

まとめ

G7は、世界経済の安定と成長を目指して、主要先進国が経済政策や外交政策を協調する国際会議です。G7は、1970年代の石油危機を背景に設立され、以降、金融市場の安定化や通貨政策、財政政策、貿易政策などの協議を行っています。

また、環境問題、エネルギー問題、開発援助、テロリズム対策などのグローバルな課題への取り組みや地域紛争への対応も重要な役割を担っています。G7は、国際的な協力を通じて、これらの課題の解決を目指し、世界の安定と繁栄に寄与しています。

G7は、世界経済の安定と成長を目指して、主要先進国が経済政策を協調することを目的としています。具体的には、通貨政策、財政政策、貿易政策などに関する協議を行い、国際金融市場の安定化や経済の成長を促す政策を策定しています。

G7は、環境問題、エネルギー問題、開発援助、テロリズム対策など、国際社会が共通で抱える課題に対処するための協力を目指しています。G7諸国は、これらの課題に対して共同で取り組むことで、より効果的な解決策を実現しようとしています。

2. G7の歴史

G7の設立

G7は、1970年代の石油危機と世界経済の不安定化が大きな背景となっています。1971年にアメリカがブレトンウッズ体制を放棄し、為替レートが変動相場制に移行したことで、為替市場の不安定化が顕著になりました。さらに、1973年の第一次石油危機と1979年の第二次石油危機は、エネルギー供給の不安定化やインフレの加速を引き起こし、世界経済に大きな悪影響を与えました。

これらの危機に対処するため、主要先進国は経済政策やエネルギー政策の協調を行う国際会議の設立を決定しました。

G7は、1975年にフランスのランブイエで開催された、アメリカ、フランス、イギリス、ドイツ、イタリア、日本の6か国（G6）が参加した会議を起源としています。この会議では、各国の首脳が直接会談し、経済政策やエネルギー政策の協調を目指すことが合意されました。

1976年にカナダが加盟し、G7となりました。

G7の歴史における主な出来事
年	出来事
1975年	フランスのランブイエで第1回サミット開催（カナダを除く6か国）
1976年	カナダが加盟し、G7となる
1977年	EUが参加
1998年	ロシアが参加し、G8となる
2014年	ロシアがクリミアを併合したため、G8から除外され、再びG7となる

G8への拡大とG7への回帰

1990年代に入ると、冷戦が終結し、ロシアが市場経済への転換を進めていきました。このような国際情勢の変化を受けて、1998年からロシアがG7に招待され、G8となりました。

しかし、2014年にロシアがクリミアを併合したことにより、G7諸国はロシアを含めたG8の開催を中断し、再びG7として会議が開催されるようになりました。

G7は、その歴史の中で多くの重要な取り組みと成果を達成しています。例えば、1979年の第二次石油危機に対処するため、エネルギー政策や石油備蓄の共同管理などの協調が行われました。

G7の主な目的

G7は、地域紛争や人道危機に対する協力体制の強化を目指しています。これにより、紛争地域での安定化や難民問題の解決に向けた取り組みが促進されます。

G7の主な役割の一つは、参加国間で経済政策の協調を行うことです。経済政策には、通貨政策、財政政策、貿易政策などが含まれます。

まとめ

これらの危機に対処するため、主要先進国は経済政策やエネルギー政策の協調を行う国際会議の設立を決定しました。G7は、1975年にフランスのランブイエで開催された、アメリカ、フランス、イギリス、ドイツ、イタリア、日本の6か国（G6）が参加した会議を起源としています。

この会議では、各国の首脳が直接会談し、経済政策やエネルギー政策の協調を目指すことが合意されました。1976年にカナダが加盟し、G7となりました。1990年代に入ると、冷戦が終結し、ロシアが市場経済への転換を進めていきました。

このような国際情勢の変化を受けて、1998年からロシアがG7に招待され、G8となりました。しかし、2014年にロシアがクリミアを併合したことにより、G7諸国はロシアを含めたG8の開催を中断し、再びG7として会議が開催されるようになりました。

3. G7の役割と目的

世界経済の安定

G7は、金融市場の安定化にも重要な役割を果たしています。金融危機や経済不安が起きた際には、G7諸国が連携して市場への信頼を回復し、金融の安定を目指します。

例えば、2008年のリーマン・ショック後には、G7諸国は金融機関への支援や財政刺激策を実施し、金融危機の悪影響を緩和しました。

G7は、環境問題や気候変動、エネルギー問題、開発援助、テロリズム対策など、国際社会が共通で抱えるグローバルな課題に対する対策を協議し、取り組みます。

G7の経済政策
政策分野	内容
通貨政策	金利調整によるインフレ・デフレ抑制
財政政策	歳出・歳入調整による経済成長促進
貿易政策	関税・輸出入規制調整による国際貿易促進
金融市場安定化	金融危機発生時の市場への信頼回復

国際協力

これらの課題は、単一国家では解決が困難であり、国際的な協力が必要とされています。G7は、参加国間で情報共有や政策協議を行い、各国が連携して対策を実施することで、より効果的な解決策を追求しています。

G7が取り組む国際的な課題
課題	内容
環境問題	気候変動対策、環境保護
エネルギー問題	エネルギー政策の協調、再生可能エネルギーの利用促進
開発援助	途上国への支援、貧困削減
テロリズム対策	テロ対策の強化、国際協力
地域紛争	紛争の平和的解決、人道支援

G7の役割

G7の主な役割の一つは、参加国間で経済政策の協調を行うことです。経済政策には、通貨政策、財政政策、貿易政策などが含まれます。

通貨政策においては、中央銀行が金利を調整することで、インフレやデフレを抑制し、経済の安定を目指します。財政政策では、政府が歳出や歳入を調整し、経済成長を促進することを目指します。

貿易政策では、関税や輸出入規制を調整することで、国際貿易の促進や保護主義の防止を目指します。G7は、これらの政策分野での協調を通じて、世界経済の安定と成長を実現しようとしています。

まとめ

G7（先進7か国）は、世界経済の安定と成長を目指し、アメリカ、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、イギリスの7か国が経済政策や外交政策を協調する国際会議です。

1970年代の石油危機を背景に設立され、以降、金融市場の安定化や通貨政策、財政政策、貿易政策などの協議を行っています。

また、環境問題、エネルギー問題、開発援助、テロリズム対策などのグローバルな課題への取り組みや地域紛争への対応も重要な役割を担っています。

G7は、国際的な協力を通じて、これらの課題の解決を目指し、世界の安定と繁栄に寄与しています。

4. G7とG20の違い

G7とG20の構成

G7は、アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・イタリア・日本・カナダの7か国と欧州連合（EU）が参加する枠組みや会議のことです。

G20は、G7の主要7カ国に13の国と地域を加え、2008年に発足した国際会議です。

具体的な13の国と地域は、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、中国、インド、インドネシア、韓国、メキシコ、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、トルコであり、参加国の国内総生産は、全世界の約8割を占めます。

G20の発足理由は、世界の経済危機がより深刻化したためです。2008年に第1回会議がアメリカで行われ、以降国際的に重要な経済・金融に関する問題について話し合われています。

G7とG20の加盟国
グループ	加盟国
G7	アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、日本、カナダ、EU
G20	G7加盟国に加え、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、中国、インド、インドネシア、韓国、メキシコ、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、トルコ、EU