新規求人倍率とは?経済用語について説明

新規求人倍率の指標項目
項目	説明
新規求人倍率	その月にハローワークに新たに届け出られた求人数を、同じくその月に新たに届け出られた求職者数で割った数値
有効求人倍率	前月から繰り越された求人数と求職者数も加味した求人倍率
景気動向指数	景気の状況を把握する際に用いられる経済指標
先行指数	景気の変化を先取りする指標
一致指数	景気の現状を反映する指標
遅行指数	景気の変化に遅れて反応する指標
季節調整値	季節要因による影響を除去した数値

1. 新規求人倍率とは
2. 新規求人倍率の計算方法
3. 新規求人倍率の意義
4. 新規求人倍率の影響
5. 新規求人倍率の動向分析
6. 新規求人倍率と経済政策

1. 新規求人倍率とは

新規求人倍率の定義

新規求人倍率とは、その月にハローワークに新たに届け出られた求人数を、同じくその月に新たに届け出られた求職者数で割った数値のことです。つまり、新規求職者1人に対して、どれだけの求人が存在するかを示す指標です。新規求人倍率は、有効求人倍率と並んで、雇用情勢の動向を把握する上で重要な指標として用いられています。

新規求人倍率は、有効求人倍率と比べて、より直近の雇用状況や景気を反映していると言われています。これは、新規求人倍率が当月の新規求人数と求職者数のみを対象としているのに対し、有効求人倍率は前月から繰り越された求人数と求職者数も加味しているためです。そのため、新規求人倍率は、景気動向の先行きを予測する上で有効な指標として活用されることもあります。

例えば、景気が回復し始めると、企業は雇用を増やす傾向があります。そのため、新規求人数が増加し、新規求人倍率は上昇します。逆に、景気が悪化すると、企業は雇用を抑制する傾向があり、新規求人数が減少するため、新規求人倍率は低下します。このように、新規求人倍率は、景気の動向を敏感に反映する指標として注目されています。

新規求人倍率は、有効求人倍率と同様に、ハローワークに届け出られた求人数と求職者数をもとに算出されます。そのため、民間企業の転職サイトや求人情報誌などに掲載されている求人数は、新規求人倍率の統計には含まれません。また、新規学卒者に関する求人や求職も統計対象外となります。

新規求人倍率と有効求人倍率の比較
項目	新規求人倍率	有効求人倍率
対象期間	当月のみ	当月と前月からの繰り越し分
反映状況	直近の景気や雇用状況	景気とほぼ一致した状況
指標分類	先行指数	一致指数

新規求人倍率と有効求人倍率の違い

新規求人倍率と有効求人倍率は、どちらも求職者に対する求人数の割合を示す指標ですが、算出期間が異なります。新規求人倍率は当月のみの求人数と求職者数を対象とするのに対し、有効求人倍率は前月から繰り越された求人数と求職者数も加味します。

そのため、新規求人倍率は、より直近の景気や雇用状態を反映していると言われています。例えば、景気が回復し始めると、企業は雇用を増やすため、新規求人数が増加し、新規求人倍率は上昇します。一方、有効求人倍率は、すでに求人を掲載している企業と求職活動をしている人の動向を反映するため、景気と一致して動く傾向があります。

新規求人倍率は、景気に先行して動く傾向があるため、先行指数と呼ばれています。一方、有効求人倍率は、景気とほぼ一致して動くため、一致指数と呼ばれています。

労働情勢を把握するには、有効求人倍率だけでなく、新規求人倍率にも着目することが重要です。なぜなら、新規求人倍率は、企業が将来の雇用計画をどのように考えているのかを示す指標だからです。

景気動向指数の分類
分類	説明
先行指数	景気の変化を先取りする指標
一致指数	景気の現状を反映する指標
遅行指数	景気の変化に遅れて反応する指標

新規求人倍率と景気動向指数

景気動向指数とは、景気の状況を把握する際に用いられる経済指標のことです。産業や労働、金融などの経済活動に、重要かつ景気に敏感に反応する景気指標をもとに算出されます。

景気動向指数は、先行指数、一致指数、遅行指数の3種類に分類されます。先行指数は、景気の変化を先取りする指標、一致指数は、景気の現状を反映する指標、遅行指数は、景気の変化に遅れて反応する指標です。

新規求人倍率は、景気の変化を先取りする傾向があるため、先行指数に分類されます。一方、有効求人倍率は、景気とほぼ一致して動くため、一致指数に分類されます。

景気動向指数は、経済政策の効果を評価したり、将来の経済状況を予測したりする上で重要な役割を果たします。そのため、新規求人倍率や有効求人倍率などの経済指標を分析することで、景気の動向を把握し、将来の経済状況を予測することができます。

まとめ

新規求人倍率は、その月に新たに届け出られた求人数を、同じくその月に新たに届け出られた求職者数で割った数値です。新規求人倍率は、有効求人倍率と比べて、より直近の雇用状況や景気を反映していると言われています。

新規求人倍率は、企業が将来の雇用計画をどのように考えているのかを示す指標です。そのため、労働情勢を把握するには、有効求人倍率だけでなく、新規求人倍率にも着目することが重要です。

新規求人倍率は、景気動向指数の一つであり、経済政策の効果を評価したり、将来の経済状況を予測したりする上で重要な役割を果たします。

2. 新規求人倍率の計算方法

新規求人倍率の計算式

新規求人倍率は、以下の式で計算されます。

新規求人倍率 = 新規求人数 ÷ 新規求職者数

例えば、ある月にハローワークに新たに届け出られた求人数が100件、新たに届け出られた求職者数が50人の場合、新規求人倍率は2.0倍となります。

新規求人倍率は、求職者1人に対して、何件の求人が存在するかを示す指標です。

新規求人倍率の計算例

新規求人倍率の計算例として、以下のケースを考えてみましょう。

ケース1：新規求人数が150件、新規求職者数が100人の場合

新規求人倍率 = 150 ÷ 100 = 1.5倍

この場合、求職者1人に対して、1.5件の求人が存在することになります。

新規求人倍率の計算例
ケース	新規求人数	新規求職者数	新規求人倍率
ケース1	150件	100人	1.5倍
ケース2	200件	100人	2.0倍

新規求人倍率の注意点

新規求人倍率は、ハローワークに届け出られた求人数と求職者数をもとに算出されます。そのため、以下の点に注意が必要です。

・民間企業の転職サイトや求人情報誌などに掲載されている求人数は、新規求人倍率の統計には含まれません。

・新規学卒者に関する求人や求職も統計対象外となります。

・季節調整値を用いることで、季節要因による影響を除去することができます。

まとめ

新規求人倍率は、新規求人数を新規求職者数で割って計算されます。

新規求人倍率は、当月のみの求人数と求職者数を対象とするため、より直近の雇用状況や景気を反映しています。

新規求人倍率は、ハローワークに届け出られた求人数と求職者数をもとに算出されるため、民間企業の転職サイトや求人情報誌などに掲載されている求人数は含まれません。

新規求人倍率は、季節調整値を用いることで、季節要因による影響を除去することができます。

3. 新規求人倍率の意義

新規求人倍率の経済指標としての意義

新規求人倍率は、雇用情勢の動向を把握する上で重要な経済指標の一つです。

新規求人倍率は、景気動向の先行きを予測する上で有効な指標として活用されることもあります。

新規求人倍率は、景気の動向を敏感に反映する指標として注目されています。

新規求人倍率の政策評価における意義

新規求人倍率は、政府が実施する経済政策の効果を評価する上で重要な指標の一つです。

例えば、政府が雇用促進政策を実施した場合、新規求人倍率が上昇すれば、政策が効果的に機能していると考えられます。

逆に、新規求人倍率が低下した場合、政策の効果が不十分である可能性が考えられます。

新規求人倍率は、政府が経済政策の効果を評価する上で重要な指標の一つであり、政策の改善や新たな政策の立案に役立ちます。

新規求人倍率の企業戦略における意義

新規求人倍率は、企業が採用戦略を策定する上で重要な指標の一つです。

新規求人倍率が高い場合は、企業は人材獲得競争が激化する可能性が高いため、より魅力的な求人情報を作成したり、採用活動に力を入れたりする必要があります。

逆に、新規求人倍率が低い場合は、企業は人材獲得競争が緩和される可能性が高いため、採用活動に注力する必要性は低くなります。

新規求人倍率は、企業が採用戦略を策定する上で重要な指標の一つであり、採用活動の成功に大きく影響します。

まとめ

新規求人倍率は、雇用情勢の動向を把握する上で重要な経済指標の一つです。

新規求人倍率は、政府が実施する経済政策の効果を評価する上で重要な指標の一つであり、政策の改善や新たな政策の立案に役立ちます。

新規求人倍率は、企業が採用戦略を策定する上で重要な指標の一つであり、採用活動の成功に大きく影響します。

新規求人倍率は、経済指標としてだけでなく、政策評価や企業戦略においても重要な役割を果たします。

4. 新規求人倍率の影響

新規求人倍率と雇用情勢

新規求人倍率は、雇用情勢に大きな影響を与えます。

新規求人倍率が高い場合は、求職者にとって有利な状況となり、就職活動が活発化します。

逆に、新規求人倍率が低い場合は、求職者にとって不利な状況となり、就職活動が難航する可能性があります。

企業にとっても、新規求人倍率は重要な指標です。新規求人倍率が高い場合は、人材獲得競争が激化する可能性が高いため、より魅力的な求人情報を作成したり、採用活動に力を入れたりする必要があります。

新規求人倍率と企業の採用活動

新規求人倍率は、企業の採用活動にも大きな影響を与えます。

例えば、求人情報の充実度を高めたり、採用イベントを開催したり、積極的な採用活動を行うことが重要です。

逆に、新規求人倍率が低い場合は、企業は人材獲得競争が緩和される可能性が高いため、採用活動に注力する必要性は低くなります。

新規求人倍率と経済活動

新規求人倍率は、経済活動にも大きな影響を与えます。

新規求人倍率が高い場合は、企業が積極的に投資や雇用を行っていることを示しており、経済活動が活発化していると考えられます。

逆に、新規求人倍率が低い場合は、企業が投資や雇用を抑制していることを示しており、経済活動が停滞していると考えられます。

新規求人倍率は、経済活動の動向を把握する上で重要な指標の一つです。

まとめ

新規求人倍率は、雇用情勢、企業の採用活動、経済活動に大きな影響を与えます。

新規求人倍率が高い場合は、求職者にとって有利な状況となり、企業は人材獲得競争が激化する可能性が高くなります。

新規求人倍率が低い場合は、求職者にとって不利な状況となり、企業は人材獲得競争が緩和される可能性が高くなります。

新規求人倍率は、経済活動の動向を把握する上で重要な指標の一つです。

5. 新規求人倍率の動向分析

新規求人倍率の推移

新規求人倍率は、近年、大きく変動しています。

2013年頃から、アベノミクスなどの経済政策の影響もあり、新規求人倍率は上昇傾向にありました。

しかし、2020年以降は、新型コロナウイルスの影響で、新規求人倍率は低下傾向にあります。

2020年4～5月には、初めて緊急事態宣言が出された影響で、新規求人倍率は大幅に減少しました。

新規求人倍率の推移（例）
年度	新規求人倍率
2013年	1.47倍
2014年	1.62倍
2015年	1.85倍
2016年	2.01倍
2017年	2.18倍
2018年	2.35倍
2019年	2.41倍
2020年	1.85倍
2021年	2.09倍
2022年	2.26倍

新規求人倍率の地域別分析

新規求人倍率は、地域によって大きく異なります。

2020年6月時点では、鳥取県が26倍と全国平均よりも高い水準でした。

一方、沖縄県は16倍と全国平均よりも低い水準でした。

地域によって、人口分布や産業構造などが異なるため、新規求人倍率にも差が生じます。

都道府県別新規求人倍率（例）
都道府県	新規求人倍率
鳥取県	26倍
島根県	22倍
広島県	22倍
福井県	19倍
沖縄県	16倍
滋賀県	23倍
神奈川県	23倍
青森県	35倍

新規求人倍率の職業別分析

新規求人倍率は、職業によっても大きく異なります。

2020年6月時点では、サービスの職業、保安の職業、輸送・機械運転の職業で、新規求人倍率が大幅に減少しました。

これは、新型コロナウイルスの影響で、これらの職業における求人数が減少したことが主な原因と考えられます。

一方、運搬・清掃・包装等の職業、事務的職業、建設・採掘の職業では、新規求人倍率の減少幅が小さかったです。

職業別新規求人倍率（例）
職業	2019年6月	2020年6月
サービスの職業	2.28倍	-0.56ポイント
保安の職業	1.53倍	-0.31ポイント
輸送・機械運転の職業	1.25倍	-0.0ポイント
運搬・清掃・包装等の職業	1.38倍	-0.13ポイント
事務的職業	1.27倍	-0.15ポイント
建設・採掘の職業	1.68倍	-0.23ポイント