国際会計基準審議会とは?経済用語について説明

国際会計基準審議会の概要
項目	内容
設立目的	世界共通の会計基準を確立し、企業の財務情報を国際的に比較可能にする
設立時期	2001年（平成13年）4月
所在地	ロンドン
構成員	国際会計基準委員会財団の評議員会から選任された9か国14人
主な活動	国際会計基準および国際財務報告基準の作成
IFRSの適用状況	2023年2月時点で251社が適用済み、適用の決定をしている企業は9社

1. 国際会計基準審議会の概要

国際会計基準審議会（IASB）とは？

国際会計基準審議会（IASB）は、国際会計基準委員会財団（IFRS財団）に設立された独立民間非営利の基準設定機関です。2001年（平成13年）4月に国際会計基準委員会（IASC）を組織改正する形で設立されました。所在地はロンドンです。IASBは、公益に資するよう、一般目的財務諸表において透明性があり比較可能な情報を提供する、高品質かつ国際的な会計基準の単一のセットの開発を使命とし、国際会計基準および国際財務報告基準の作成をおこなっています。審議会が発行する書物は規定すべてを含めて版権が存在し、国際財務報告基準を冊子版（£60）、ダウンロードCD-ROM版（£80）で販売しています。

IASBは、国際会計基準委員会財団の評議員会から選任された9か国14人のメンバーで構成されます。会長はスコットランドの英国勅許会計士であるProfessor Sir David Tweedie、副会長はイングランドの英国勅許会計士であるThomas E Jonesと日本の米国公認会計士であるTakao Mizukamiが務めます。

国際会計基準評議会（IASC Foundation）が、国際会計基準審議会（IASB）、基準諮問会議（SAC）、解釈指針委員会（IFRIC）の構成員を任命し、活動監視、資金調達、予算承認、定款変更を行います。

国際会計基準審議会（IASB）は、会計基準の設定を行う機関です。5年を任期とする常勤12名、非常勤2名14名から構成されます。解釈指針委員会（IFRIC）は、IFRSを適用するに際しての解釈指針を発行する機関です。3年を任期とする12名から構成され、議決権のない議長1名を選任、2か月毎に公開会議を実施します。

IASBの構成
役職	氏名	国籍
会長	Professor Sir David Tweedie	スコットランド
副会長	Thomas E Jones	イングランド
副会長	Takao Mizukami	日本

IFRSの目的

IFRSの目的は、世界共通の会計基準を確立することで、企業の財務情報を国際的に比較可能にすることです。これにより、投資家は、国境を越えて企業の投資判断を行う際に、より正確な情報に基づいて意思決定を行うことができます。また、企業にとっても、海外市場への進出や資金調達を容易にすることができます。

IFRSは、企業の財務情報を透明性があり、比較可能なものにすることを目指しています。そのため、IFRSは、原則主義に基づいて作成されており、企業は、自社の状況に合わせてIFRSを解釈し、適用する必要があります。

IFRSは、世界中の企業が共通の会計基準を採用することで、企業間の比較可能性を高め、投資家の意思決定を支援することを目的としています。

IFRSは、企業の財務情報の質を高め、投資家の信頼性を向上させることで、世界経済の安定に貢献することを目指しています。

IFRSの目的
目的	説明
国際的な比較可能性	企業の財務情報を国際的に比較可能にする
透明性	企業の財務情報を透明性のあるものにする
信頼性	企業の財務情報の信頼性を向上させる
投資判断の支援	投資家の意思決定を支援する

IFRSの適用状況

IFRSは、2005年12月期以降、EU域内の上場企業には、IFRSにもとづく連結財務諸表の作成が義務づけられました。その後、米国会計基準を所掌する米国財務会計基準審議会（FASB）や、日本の会計基準を所掌する企業会計基準委員会（ASBJ）における会計基準の差異は収斂していった。2010年6月にはわが国で初めて、IFRSにもとづく連結財務諸表を含んだ有価証券報告書が提出されました。

日本では、IFRSの適用は任意となっていますが、近年、IFRSを適用する企業が増加しています。2023年2月時点で251社が適用済み、適用の決定をしている企業は9社あります。

IFRSは、世界中で広く採用されており、その影響力はますます大きくなっています。

IFRSは、世界経済のグローバル化に伴い、ますます重要性を増しています。

IFRSの適用状況
地域	適用状況
EU域内	2005年12月期以降、上場企業に義務付け
オーストラリア	導入済み
日本	任意適用
米国	任意適用

まとめ

国際会計基準審議会（IASB）は、世界共通の会計基準を開発し、企業の財務情報を国際的に比較可能にすることを目的として設立されました。IFRSは、世界中の企業が共通の会計基準を採用することで、企業間の比較可能性を高め、投資家の意思決定を支援することを目的としています。

IFRSは、原則主義に基づいて作成されており、企業は、自社の状況に合わせてIFRSを解釈し、適用する必要があります。

IFRSは、世界中で広く採用されており、その影響力はますます大きくなっています。

IFRSは、世界経済のグローバル化に伴い、ますます重要性を増しています。

2. IASBの設立経緯

国際会計基準委員会（IASC）の設立

国際会計基準の必要性は、1970年代に台頭しました。各国が独自に異なる会計基準を整備していたため、資本取引をはじめとする投資がグローバル化するなかで、国際間の企業比較が難しいとされていました。そこで1973年に国際会計基準委員会（IASC）が設立され、国際会計基準の策定に着手しました。

IASCは、主要9か国の会計士団体の合意によりロンドンで発足しました。

IASCは、国際的な会計基準の統一を目指し、様々な基準を策定しました。しかし、IASCの基準は、必ずしもすべての国で受け入れられたわけではありませんでした。

IASC設立の背景
問題点	説明
国際間の企業比較の困難さ	各国が独自に異なる会計基準を整備していたため、国際間の企業比較が困難だった
投資のグローバル化	資本取引をはじめとする投資がグローバル化するなかで、国際的な会計基準の必要性が高まった

IASBへの移行

IASCは、2001年に改組され、IASC財団の一部分としてIASBが設立されました。

IASBは、IASCの機能や人員を強化し、大幅な機構改革を実施する形で設立されました。

IASBは、IASCから国際会計基準を継承し、現在も一部が機能しています。

IASBへの移行
時期	内容
2001年	IASCを改組し、IASBを設立
2010年	IASC財団をIFRS財団に改称

IFRS財団の設立

2010年にIASC財団はIFRS財団に改称されました。

IFRS財団は、独立した民間の非営利組織であり、高品質で理解可能、かつ執行可能な国際的に認められた財務報告基準の開発を目的としています。

IFRS財団は、IASBの活動を支援し、IFRSの普及を促進しています。

まとめ

国際会計基準審議会（IASB）は、国際会計基準委員会（IASC）を母体として設立されました。IASCは、国際的な会計基準の統一を目指し、様々な基準を策定しましたが、必ずしもすべての国で受け入れられたわけではありませんでした。

そこで、IASCは、2001年に改組され、IASC財団の一部分としてIASBが設立されました。IASBは、IASCの機能や人員を強化し、大幅な機構改革を実施する形で設立されました。

2010年にIASC財団はIFRS財団に改称されました。IFRS財団は、独立した民間の非営利組織であり、高品質で理解可能、かつ執行可能な国際的に認められた財務報告基準の開発を目的としています。

IFRS財団は、IASBの活動を支援し、IFRSの普及を促進しています。

3. IASBの構成と組織

IASBのメンバー

IASBは、通常は14名のメンバーで構成されます。IASBのメンバーは、評議員会により任命されます。3名までは非常勤メンバーでもよく、評議員会が制定する独立性に関する適切なガイドラインを遵守しなければなりません。残りのメンバーは常勤メンバーでなければなりません。

IASBのメンバー資格の主たる要件は、専門的能力及び最近の関連性のある専門的経験です。評議員会は、IASBのメンバーの選出を、本定款の付属文書に示している「IASBメンバーの要件」に合せて、グループとしてのIASBが高品質でグローバルな会計基準の開発に貢献できるようにするため、IASBが、当該グループの中で、テクニカルな専門性並びに多様な国際ビジネス及び市場の経験を有する人々（監査人、作成者、利用者、学識者及び市場又は金融規制当局者を含む）の最善の利用可能な組合せで構成されるように行う。

IASBのメンバーは、すべての事項で公益のために行動することを確約することが要求されます。いかなる個人も、評議員とIASBメンバーの両方を兼務してはなりません。

IASBのメンバーは、世界中の様々な地域や職業的背景を持つ人々で構成されています。

IASBメンバーの要件
要件	説明
専門的能力	財務会計及び財務報告についての証明された専門的能力
分析能力	意思決定過程において、問題点の分析能力
コミュニケーション技術	効果的な口頭及び書面によるコミュニケーションの技術
慎重な意思決定	多岐にわたる意見を検討し、十分合理的で支持し得る意思決定に達する能力
財務報告を取り巻く環境の認識	IASBが活動するグローバルな経済環境について理解
対等の精神で協働する能力	互いの見解及び第三者の見解に敬意を払い、協力できる能力
誠実性、客観性及び規律性	誠実性、客観性、規律性を持ち、困難な作業量に対応する能力
IFRS財団のミッション及び公益に対する確約	高品質で、比較可能かつ透明性の高いIFRS基準を設定するというIFRS財団の目的の達成を確約

IASBの組織

IASBは、評議員会、モニタリング・ボード、解釈指針委員会（IFRIC）、IFRS諮問会議（諮問会議）などの組織で構成されています。

評議員会は、IASBのメンバーを任命し、その勤務契約を締結し、業績評価基準を定めます。

モニタリング・ボードは、評議員会と規制当局との間の公式な連携を提供します。

解釈指針委員会（IFRIC）は、IFRSを適用するに際しての解釈指針を発行する機関です。

IASBの組織
組織	役割
評議員会	IASBのメンバーを任命、勤務契約を締結、業績評価基準を定める
モニタリング・ボード	評議員会と規制当局との間の公式な連携を提供
解釈指針委員会（IFRIC）	IFRSを適用するに際しての解釈指針を発行
IFRS諮問会議（諮問会議）	IASBに幅広い戦略的助言を提供

IASBの運営

IASBは、自らが決定する日時及び場所で会議を開催します。IASBの会議は一般公開されますが、一定の議論（通常は、選出、任命及びその他の人事案件に限る）については、IASBの判断で非公開とすることができます。

IASBの各メンバーは1票の議決権を有します。テクニカル事項及びその他の事項の両方について、代理投票は認められず、またIASBメンバーには会議に出席する代理人を任命する権利も与えられません。

公開草案又はIFRS会計基準書（IAS®基準書又は解釈指針委員会のIFRIC®解釈指針を含む）の公表には、IASBのメンバーのうち8名（総員13名以下の場合）又は9名（総員14名の場合）の承認を必要とする。

IASBは、IFRS会計基準書（IFRIC解釈指針を除く）及び公開草案（それぞれ反対意見も含む）の作成及び公表、並びに解釈指針委員会が作成したIFRIC解釈指針の承認及び公表等、IASBのすべてのテクニカル事項についての全責任を負う。

まとめ

IASBは、世界中の様々な地域や職業的背景を持つ人々で構成された、独立した民間非営利の基準設定機関です。

IASBは、評議員会、モニタリング・ボード、解釈指針委員会（IFRIC）、IFRS諮問会議（諮問会議）などの組織で構成されています。

IASBは、自らが決定する日時及び場所で会議を開催し、公開草案又はIFRS会計基準書（IAS®基準書又は解釈指針委員会のIFRIC®解釈指針を含む）の公表には、IASBのメンバーのうち8名（総員13名以下の場合）又は9名（総員14名の場合）の承認を必要とする。

4. IASBの役割と目的

IFRS基準の開発

IASBは、公益に資するよう、明確に記述された原則に基づく、高品質で理解可能、かつ執行可能な国際的に認められる一般目的財務報告のための基準（「IFRS基準」と呼ぶ）を開発することを目的としています。

IASBは、会計基準のセット（「IFRS会計基準」と呼ぶ）の開発の責任を負い、ISSBはサステナビリティ開示基準のセット（「IFRSサステナビリティ開示基準」と呼ぶ）の開発の責任を負います。

これらのIFRS基準の補完的なセットは、財務諸表及びサステナビリティ開示において、投資者及び世界の資本市場の他の参加者が経済的意思決定を行ううえで有用な、高品質で透明性があり比較可能な情報を提供することを意図しています。

IFRS基準の適用から生じる情報は、投資者及び他の資本市場参加者のニーズを満たすように設計されますが、他の関係者も当該情報を有用と考える可能性があります。

IFRS基準の開発
基準	説明
IFRS会計基準	一般目的財務報告のための基準
IFRSサステナビリティ開示基準	サステナビリティ開示のための基準

IFRS基準の普及

IASBは、IFRS基準の利用と厳格な適用を促進することを目的としています。

IASBは、各国の会計基準とIFRS基準とのコンバージェンスを通じて、IFRS基準の採用を推進し促進することを目的としています。

IASBは、IFRS基準の普及を促進するために、様々な活動を行っています。

IFRS基準の普及
方法	説明
コンバージェンス	各国の会計基準とIFRS基準との差異を小さくする
リエゾン関係	各国の会計基準設定主体との連携を強化
教育プログラム	IFRS基準に関する教育プログラムを開発

IFRS基準の維持管理

IASBは、IFRS基準を維持管理するために、定期的に基準の改訂を行っています。

IASBは、IFRS基準の維持管理のために、定期的に基準の改訂を行っています。

IFRS基準の維持管理
方法	説明
基準の改訂	定期的に基準の改訂を行う
デュー・プロセス	公開草案を公表し、パブリック・コメントを募集
フィールド・テスト	実務的な運用可能性を検証

まとめ

IASBは、世界共通の会計基準を開発し、企業の財務情報を国際的に比較可能にすることを目的としています。

IASBは、IFRS基準の利用と厳格な適用を促進し、各国の会計基準とIFRS基準とのコンバージェンスを通じて、IFRS基準の採用を推進し促進することを目的としています。

IASBは、IFRS基準を維持管理するために、定期的に基準の改訂を行っています。

IASBは、世界経済のグローバル化に伴い、ますます重要性を増しています。

5. IASBの影響力と世界的な活動

IFRSの普及状況

IFRSは、世界中で広く採用されており、その影響力はますます大きくなっています。

2005年にEU域内の上場企業に適用が義務化されて以降、オーストラリアをはじめ多くの先進国で導入されました。

日本では、IFRSの適用は任意となっていますが、近年、IFRSを適用する企業が増加しています。

IFRSは、世界経済のグローバル化に伴い、ますます重要性を増しています。

IFRSの普及状況
地域	適用状況
EU域内	2005年12月期以降、上場企業に義務付け
オーストラリア	導入済み
日本	任意適用
米国	任意適用

IASBの国際的な協力

IASBは、世界中の会計基準設定主体と協力して、IFRS基準の開発と普及を促進しています。

IASBの国際的な協力
組織	説明
FASF	米国財務会計基準審議会
ASBJ	企業会計基準委員会
EFRAG	欧州財務報告諮問グループ
IOSCO	証券監督者国際機構

IASBの活動

IASBは、IFRS基準の開発、普及、維持管理など、様々な活動を行っています。

IASBの活動
活動	説明
IFRS基準の開発	高品質で理解可能な国際会計基準を開発
IFRS基準の普及	世界中の企業にIFRS基準を普及させる
IFRS基準の維持管理	IFRS基準を最新の状態に保つ
国際的な意見発信	国際的な会計基準に関する意見を発信

まとめ

IFRSは、世界中で広く採用されており、その影響力はますます大きくなっています。

IASBは、世界中の会計基準設定主体と協力して、IFRS基準の開発と普及を促進しています。

IASBは、IFRS基準の開発、普及、維持管理など、様々な活動を行っています。

IASBは、世界経済のグローバル化に伴い、ますます重要性を増しています。

6. IASBの将来展望と課題

IFRSの将来展望

IFRSは、世界共通の会計基準として、今後もますます普及していくことが予想されます。

IFRSの将来展望
展望	説明
世界共通の会計基準	世界共通の会計基準として、今後もますます普及していくことが予想される
グローバル化の進展	世界経済のグローバル化に伴い、IFRSの重要性はますます高まる
投資判断の精度向上	投資家は、より正確な情報に基づいて意思決定を行うことができるようになる
資金調達の容易化	企業は、海外市場への進出や資金調達を容易にすることができるようになる

IASBの課題

IASBは、IFRS基準の開発、普及、維持管理など、様々な課題に直面しています。

IASBの課題
課題	説明
基準の複雑化	IFRS基準は、複雑化し、理解が難しくなっている
基準の適用における差異	企業によってIFRS基準の解釈や適用が異なる場合がある
国際的な調和	各国の会計基準との調和が難しい
サステナビリティ開示	サステナビリティ開示に関する基準の開発
デジタル化	デジタル化に対応した会計基準の開発

今後の取り組み

IASBは、これらの課題に対処するために、様々な取り組みを行っています。

今後の取り組み
取り組み	説明
基準の簡素化	IFRS基準を簡素化し、理解しやすくする
ガイダンスの充実	IFRS基準の解釈や適用に関するガイダンスを充実させる
国際的な協力	世界中の会計基準設定主体との協力を強化
教育プログラムの充実	IFRS基準に関する教育プログラムを充実させる
デジタル化への対応	デジタル化に対応した会計基準を開発する