魚：イタチザメについて説明

イタチザメのまとめ
項目	内容
大きさ	平均4～6m、最大8m。メスの方が大きい。
模様	幼魚は横縞模様、成魚は灰褐色。
歯	ハート型で頑丈。ウミガメの甲羅も噛み砕く。
生息域	世界中の熱帯・亜熱帯海域。日本は九州以南。
生息場所	沿岸域から外洋、サンゴ礁、汽水域。
分布	青森県牛滝、小笠原諸島、房総半島～屋久島、琉球列島など。
生態	雑食性で何でも食べる。死骸も食べる。
繁殖	非胎盤型の胎生。母親から栄養をもらう。
寿命	45～50年。
人間との関係	危険なサメとして知られる。漁獲や駆除が行われる。
食性	魚、海鳥、ウミヘビ、海獣、ゴミなど。
摂取量	非常に多くの餌を食べる。
保護	準絶滅危惧種に指定されている。
環境問題	乱獲、混獲、生息環境の悪化などが問題。

1. イタチザメの外見と特徴

イタチザメの大きさ

イタチザメは、サメの中でも大型の部類に属し、平均的な個体で全長4～6m、大きい個体では8m近くになるものもいます。メスのほうがオスよりも大型になりやすく、例外的な大きさの場合はオスは4mほど、メスは5mほどまで達するケースもあるようです。イタチザメよりも大きなサメとしては、ジンベエザメ、ウバザメ、ホホジロザメなどが挙げられます。メガマウス、オンデンザメ、カグラザメなどのサメもイタチザメを大きく上回るような個体もいますが、研究が進んでいないため実際に平均的な大きさはどのぐらいなのかわかっていないため何とも言えないようです。

イタチザメの大きさ
種類	大きさ
平均	4～6m
最大	8m
メス	オスより大きい
例外的な大きさ	オス:4m、メス:5m

イタチザメの模様

イタチザメは特徴的な模様をしているので、他のサメの種類と見分けやすいです。幼魚の頃は、背びれから後ろにかけて、横縞のある模様がしっかりと出ています。成長するにしたがってこの模様は、灰褐色の単色になっていきます。しかし、多くの個体は成魚になっても、縞模様をのこしているものもいるようです。

イタチザメの模様
時期	模様
幼魚	横縞模様
成魚	灰褐色
成魚の一部	縞模様が残っている

イタチザメの歯

イタチザメの歯はハート型の頑丈なもので、細かな鋸歯縁をもっていて、同じ形でならんで生えています。歯は頑丈でかなり強く、ウミガメの硬い甲羅をもかみ砕くほどすぐれています。このすぐれた歯のおかげでイタチザメは、多様な餌があり他のサメに比べて飢えに苦しむ危険性がすくないです。

イタチザメの歯
形状	特徴
形状	ハート型
強度	頑丈
縁	鋸歯縁
能力	ウミガメの甲羅を噛み砕く

まとめ

イタチザメは、他のサメと比べて大型で、特徴的な模様と頑丈な歯を持つことから、容易に見分けることができます。幼魚の頃は、トラのような縞模様が特徴的ですが、成長するにつれて模様は薄れていきます。また、イタチザメの歯は、ウミガメの甲羅を噛み砕くほど強力で、様々な獲物を捕食するのに役立っています。

2. イタチザメの生息地と分布

イタチザメの生息域

イタチザメは世界中の熱帯や温帯の海に生息しており、日本でも九州あたりの海まで生息しています。一方、地球温暖化によるものか、最近では青森県などでも記録があるようです。

イタチザメの生息域
地域	生息
世界	熱帯・亜熱帯海域
日本	九州以南
近年	青森県などでも記録あり

イタチザメの生息場所

イタチザメは、沿岸域から外洋にかけての表層～水深約371mに生息しています。サンゴ礁域や内湾の汽水域にも出現することがあります。

イタチザメの生息場所
場所	水深
沿岸域	表層
外洋	水深約371m
サンゴ礁域	表層
内湾の汽水域	表層

イタチザメの分布

イタチザメは、青森県牛滝、小笠原諸島、房総半島～屋久島の太平洋沿岸、琉球列島、東シナ海、朝鮮半島西岸・南岸、台湾、香港、西沙群島、中沙群島など、世界中の熱帯・亜熱帯海域に広く分布しています。

イタチザメの分布
地域	場所
日本	青森県牛滝、小笠原諸島、房総半島～屋久島、琉球列島
東シナ海	朝鮮半島西岸・南岸、台湾、香港、西沙群島、中沙群島
世界	熱帯・亜熱帯海域

まとめ

イタチザメは、世界中の熱帯・亜熱帯海域に広く分布しており、日本でも沿岸部から外洋にかけて、様々な水深に生息しています。近年では、地球温暖化の影響で生息域が北上している可能性も指摘されています。

3. イタチザメの生態と繁殖

イタチザメの生態

イタチザメは、頂点捕食者の1種で、何でも食べるとの評判です。イタチザメの胃から車のナンバープレートやタイヤが見つかったなんてこともあるようで、口に入るものならほんとになんでも食べるといった側面が見えます。若いイタチザメであれば、小さい魚を主として、クラゲなども食べています。性成熟が近づくころになると食べる物の種類は幅広くなり、獲物の大きさももちろん大きくなります。魚のほかにも海鳥やウミヘビ、海の哺乳類(イルカなど)といった感じで幅広いです。ほかのサメ(メジロザメなど)を食することもあります。また生きたものに限らず、死骸を食することもあります。

イタチザメの食性
餌	例
魚	様々な種類
海鳥	様々な種類
ウミヘビ	様々な種類
海獣	イルカ、クジラなど
その他	ゴミ、死骸など

イタチザメの繁殖

イタチザメは、非胎盤型の胎生で、子宮内で卵黄による初期の発生を終えると母親から体液を通して栄養をもらい成長を続けるが、詳しいことは不明である。産まれるときの大きさは50～90センチメートルで、最多で82尾の子を産む。

イタチザメの繁殖
方法	特徴
繁殖方法	非胎盤型の胎生
栄養	母親から体液を通して栄養をもらう
出産時の大きさ	50～90cm
産仔数	最多82尾

イタチザメの寿命

イタチザメの寿命は、45～50年と推定されています。

イタチザメの寿命
寿命	45～50年

まとめ

イタチザメは、様々な生物を捕食する雑食性のサメで、死骸も食べることから「海のゴミ箱」と呼ばれることもあります。繁殖方法は、非胎盤型の胎生で、母親から栄養をもらって成長し、一度に多くの子供を産みます。寿命は45～50年と推定され、他のサメと比べて長生きする種類です。

4. イタチザメと人間の関係

イタチザメと人間との関係

イタチザメは、人間にとって非常に危険なサメとして知られています。イタチザメは、人間がサメに襲われた致命的な事件の中でも割合が多く、最も危険なサメの１つとされることもあります。彼らは浅い湾などに顔を出すこともあり、そのため人間に出くわす可能性もあります。人がイタチザメに襲われた件数はホホジロザメについで2位となっています。

イタチザメと人間との関係
関係	内容
危険性	ホホジロザメに次いで人間を襲うことが多い
利用	肉、ヒレ、肝臓などが利用される
駆除	漁業被害や危険性から駆除される場合もある

イタチザメと漁業

イタチザメは、様々な形で人間に利用されているサメでもあります。特別おいしいわけではなさそうですが、肉は食用にすることもできます。ヒレや肝臓などは利用価値が高く、ひれはフカヒレに加工されたり、肝臓はビタミンAが豊富なためビタミン油として利用されたりするようです。

イタチザメの駆除

イタチザメは人間が利用するほかにも、漁業において邪魔になることや、危険なことなどから駆除されることも多いサメです。イタチザメは最近は人間の影響もあるのか、今のところ絶滅の危険性はあまりないとはいえ生息数は減少しています。そのため準絶滅危惧種に指定されています。

まとめ

イタチザメは、人間にとって危険なサメである一方で、様々な形で利用されてきました。しかし、乱獲や漁業による混獲、駆除などにより、生息数は減少しており、現在では準絶滅危惧種に指定されています。

5. イタチザメの食性と摂取量

イタチザメの食性

イタチザメは、非常に雑食性の強いサメで、様々なものを食べます。若いイタチザメは、主に小さな魚やクラゲなどを食べますが、成長するにつれて、ウミガメ、海鳥、ウミヘビ、イルカ、クジラなどの大型生物も捕食するようになります。さらに、死んだ動物の死骸や、時にはタイヤやプラスチック片などのゴミまでも食べてしまうことから、「海のゴミ箱」と呼ばれることもあります。