魚:イシダイについて説明

イシダイのまとめ
項目 内容
分布 北海道以南の日本各地、朝鮮半島南部、台湾、ハワイ
生息環境 浅い海の岩礁域
体色 白地に7本の太い横縞、成長すると灰色がかって縞が不明瞭になる。オスは口の周りが黒くなる
体型 左右から押しつぶされたような円盤型、顎がわずかに前方に突き出る
頑丈なくちばし状の歯で貝殻などを噛み砕く
食性 肉食性、甲殻類、貝類、ウニ類などを食べる
繁殖 春に産卵、分離浮性卵を産む
成長 成長が遅く、成魚になるまで2年ほどかかる。寿命は10~20年
保護活動 乱獲の抑制、生息環境の保全、漁獲量の制限など
人気 釣り人、高級魚として人気
観賞 水族館で飼育され、ショーの主役になることも

1. イシダイの分布地域と生息環境

要約

イシダイの生息域

イシダイは、北海道以南の日本各地、朝鮮半島南部、台湾に分布しています。特に西日本沿岸に多く見られます。また、ハワイ州でも記録されています。イシダイは暖流に面した、浅い海の岩礁域に生息し、成魚は海底の岩陰や洞窟に潜んだり、海底付近を泳ぎ回ったりします。稚魚は波打ち際付近にもやってきて、タイドプールで見られたり、海水浴場で泳ぐ人間の身体を口で突いたりもします。これは同属のイシガキダイでも見られます。また、同じスズキ目で、知性が高いとされるホンソメワケベラと一緒にいる場合もあります。

イシダイは、水温18-24度を好み、極度の高温・低温は好まないとされています。水温により成長に差がつくとも考えられています。7kgを超える個体は九州南部、四国南部、紀伊半島、伊豆半島南部、伊豆諸島、ベヨネース列岩で捕獲又は釣られているが、小笠原諸島、男鹿半島等では見られないことから推測出来ます。

イシダイは、沿岸部の暖流の影響がある、岩礁域で、浅い海に多くいます。成魚は岩の穴や隙間などに潜んでいて、海底付近を泳いで生活をしています。

イシダイの分布域
地域 分布
日本 北海道以南
朝鮮半島 南部
台湾 全域
ハワイ 一部地域

イシダイの生息環境

イシダイは、主に岩礁地帯に生育し、頑丈な顎でサザエなどの巻き貝やフジツボなどを噛み砕いて摂食するのを常とし、上下のそれぞれの顎骨は左右が癒合して嘴のような形になっています。

イシダイは、水深3-135mの岩礁地帯に生息する魚で、北海道以南の浅い海、および南シナ海沿岸などに見られ、特に西日本沿岸には多く見られる魚です。

イシダイの生息環境
環境 特徴
水深 3-135m
水温 18-24度
生息場所 岩礁地帯、海底付近

イシダイの移動

イシダイは、成長と共にその多くは南西日本沿岸域に定着します。主に岩礁に生息し、貝類などの付着生物を食べて成長しますが、大きくなると産卵のために南下します。

ふ化後は、流れ藻に付いて北上し、成長と共にその多くは南西日本沿岸域に定着します。

イシダイの移動
時期 移動
幼魚 流れ藻に付いて北上
成魚 産卵のために南下

まとめ

イシダイは、日本各地に分布する魚ですが、特に西日本沿岸に多く生息しています。暖流の影響を受けた浅い岩礁域を好み、成魚は海底の岩陰や洞窟に潜んだり、海底付近を泳ぎ回ったりします。稚魚は流れ藻について表層を漂い、成長するとともに南西日本沿岸域に定着し、産卵のために南下します。

イシダイは、水温18-24度を好み、極度の高温・低温は好まないとされています。水温により成長に差がつくとも考えられています。

2. イシダイの外見と特徴

要約

イシダイの体色と模様

イシダイは、白地に7本の太い横縞が入る魚ですが、成長段階や個体によっては白色部が金色や灰色を帯びたり、横縞が隣と繋がったりもします。幼魚や若魚ではこの横縞が明瞭で、この時期は特にシマダイ(縞鯛)とも呼ばれます。

ただし成長につれて白・黒が互いに灰色に近くなり、縞が不鮮明になる。特に老成したオスは全身が鈍い銀色光沢を残した灰黒色となり、尾部周辺にぼんやりと縞が残る程度になる。同時に口の周辺が黒くなることから、これを特に「クチグロ」(口黒)、または「ギンワサ」「ギンカゲ」などと呼ぶ。一方、メスは老成しても横縞が残る。

幼魚は通称「シマダイ」、地域によってはサンバソウとも呼ばれています。

イシダイの体色と模様
成長段階 体色と模様
幼魚 白地に7本の太い横縞
成魚 灰色がかって縞が不明瞭になる。オスは口の周りが黒くなる
老成したオス 全身が鈍い銀色光沢を残した灰黒色、尾部周辺にぼんやりと縞が残る
老成したメス 横縞が残る

イシダイの体型と特徴

イシダイは、左右から押しつぶされたような円盤型で、顎がわずかに前方に突き出る体型をしています。鱗は細かい櫛鱗で、ほぼ全身を覆っています。口は上下の顎ごとに歯が融合し、頑丈なくちばしのような形状になっています。

イシダイは、成長が遅い魚で成魚になるまで2年ほどかかります。また寿命は10~20年ととても長く、大きいものでは70センチを超えるモノもいます。

イシダイは、体長が10cm前後までは、岸壁付近で群れているのが散見されますが、この頃あたりかた、イシダイ特有の歯に形、つまりクチバシ状に発達します。

イシダイの体型と特徴
特徴 説明
体型 左右から押しつぶされたような円盤型
わずかに前方に突き出る
細かい櫛鱗で全身を覆う
頑丈なくちばし状の歯が融合している
成長速度 遅い、成魚になるまで2年ほど
寿命 10~20年
最大サイズ 70cmを超えるものもいる

イシダイの歯

イシダイは、頑丈な顎と歯を持ち、貝類やウニなどの硬い殻も噛み砕いて食べます。

イシダイの歯は、何層にも重なった小さな歯が石灰質で固まって、あのイシダイ特有のクチバシのような形の歯になっているのです。

この歯は、古い歯が脱落したり、硬いものを食べて欠けても、その下から新しい歯が出てきます。

イシダイの歯
特徴 説明
構造 何層にも重なった小さな歯が石灰質で固まっている
機能 貝殻などを噛み砕く
再生 古い歯が脱落しても新しい歯が生えてくる

まとめ

イシダイは、白地に7本の太い横縞が入る魚ですが、成長段階や個体によって体色は変化します。幼魚はシマダイと呼ばれ、成長したオスはクチグロと呼ばれます。

イシダイは、左右から押しつぶされたような円盤型で、顎がわずかに前方に突き出る体型をしています。鱗は細かい櫛鱗で、ほぼ全身を覆っています。口は上下の顎ごとに歯が融合し、頑丈なくちばしのような形状になっています。

イシダイは、頑丈な顎と歯を持ち、貝類やウニなどの硬い殻も噛み砕いて食べます。

3. イシダイの食性と餌

要約

イシダイの食性

イシダイは、肉食性で、甲殻類、貝類、ウニ類などのベントスを捕食します。これらの動物の頑丈な殻も、くちばし状の顎で噛み砕いて中身を食べてしまいます。

イシダイは、エビやカニ・貝類やウニなどを食べて生活しています。

イシダイは、好奇心が強く、泳いでいる人間が近づいても比較的逃げない。

イシダイの食性
分類
肉食性 甲殻類、貝類、ウニ類などのベントス

イシダイの餌

イシダイの餌は、サザエ、トコブシ、ウニ、ヤドカリ、カニなど、貝類や甲殻類がよく食い付きます。

イシダイは、主に岩礁地帯に生育し、頑丈な顎でサザエなどの巻き貝やフジツボなどを噛み砕いて摂食するのを常とし、上下のそれぞれの顎骨は左右が癒合して嘴のような形になっています。

「サザエの貝殻も噛み砕く」とも云われるが、釣り上げた個体の胃内容物を調べてもサザエやアワビ等の殻の固い貝が見られることは稀である。胃の内容物で多く見られるのは漁師が「藻エビ」と呼ぶ海藻に隠れ住む小さなエビやカニ、ヤドカリの一種である。

イシダイの餌
特徴
サザエ 貝殻を噛み砕いて食べる
トコブシ 貝殻を噛み砕いて食べる
ウニ 棘皮動物、好んで食べる
ヤドカリ 甲殻類、よく食べる
カニ 甲殻類、よく食べる

イシダイの餌付け

イシダイは、餌付け次第で、動物食性が強い海水魚用の人工飼料であれば食べるようになります。人工飼料をメインに、たまにエビなどの生餌も与えると良いでしょう。

イシダイの餌付け
特徴
人工飼料 動物食性が強い海水魚用の人工飼料であれば食べる
生餌 エビなど、たまに与えると良い

まとめ

イシダイは、肉食性で、甲殻類、貝類、ウニ類などのベントスを捕食します。

イシダイの餌は、サザエ、トコブシ、ウニ、ヤドカリ、カニなど、貝類や甲殻類がよく食い付きます。

イシダイは、餌付け次第で、動物食性が強い海水魚用の人工飼料であれば食べるようになります。

4. イシダイの繁殖と生活サイクル

要約

イシダイの産卵

イシダイの産卵期は春で、分離浮性卵を産みます。孵化した稚魚は流れ藻や流木などに付いて外洋を漂流し、漂着物に付く小動物やプランクトンを捕食しながら成長します。

産卵期は春から初夏にかけてで、産卵する場所は外海に面した岸付近で行われており、その卵の大きさは直径約1mm程の浮性卵で、水温は20度で約36時間後には孵化します。

産卵期は4~7月で、水温20℃前後になると行われます。

イシダイの産卵
時期 特徴
産卵期
分離浮性卵
孵化 流れ藻や流木などに付いて外洋を漂流

イシダイの成長

全長数cm程度から浅海の岩礁に定着し、ベントス食となります。

全長 8 ㎝を超える頃から底生生活に移行する。生後1年で全長 15 ㎝、2年で 20 ㎝を超え、3年で 25 ㎝、4年で 30 ㎝、5年で 35 ㎝、6年で 40 ㎝に達する。

全長 15〜20 ㎝の若魚は、20〜50尾程度の群れで行動することが多い。成長するにつれて単独生活をするようになる。

イシダイの成長
サイズ 年齢
全長8cm 生後1年
全長15cm 生後2年
全長20cm 生後3年
全長25cm 生後4年
全長30cm 生後5年
全長35cm 生後6年
全長40cm 生後7年

イシダイの生活史

イシダイは、成長が遅い魚で成魚になるまで2年ほどかかります。また寿命は10~20年ととても長く、大きいものでは70センチを超えるモノもいます。

イシダイは、体長が10cm前後までは、岸壁付近で群れているのが散見されますが、この頃あたりかた、イシダイ特有の歯に形、つまりクチバシ状に発達します。

稚魚は流れ藻について表層を漂い全長3~4cmくらいに成長すると底生生活へ移行します。

イシダイの生活史
段階 特徴
稚魚 流れ藻に付いて表層を漂う
幼魚 全長3~4cmで底生生活に移行
成魚 岩の穴や隙間などに潜む、海底付近を泳ぎ回る
老成 寿命は10~20年、最大で70cmを超える

まとめ

イシダイは、春に産卵し、分離浮性卵を産みます。孵化した稚魚は流れ藻や流木などに付いて外洋を漂流し、成長するとともに浅海の岩礁に定着し、ベントス食となります。

イシダイは、成長が遅い魚で成魚になるまで2年ほどかかります。また寿命は10~20年ととても長く、大きいものでは70センチを超えるモノもいます。

5. イシダイの保護活動と絶滅の危機

要約

イシダイの乱獲

イシダイは、成長が遅く長命な魚なので、乱獲の影響で大型個体が減っている。

イシダイは、高級魚として扱われ、流通量が少なく、成長が遅いため養殖もそれほど盛んでないため、乱獲の影響を受けています。

イシダイは、高級魚として扱われるため、乱獲され、その数が減っている。

イシダイの乱獲
原因 影響
成長速度 遅い
寿命 長い
漁獲量 増加
需要 高い
養殖 少ない

イシダイの保護活動

イシダイの保護活動は、乱獲の抑制、生息環境の保全、漁獲量の制限などが行われています。

WWFでは、日本人に身近な水産物の現状をまとめた『おさかなハンドブック』を作成したんですが、食卓にお馴染みの魚たちでも赤信号寄りのものが多いんです。マグロやウナギ、サケやエビ、イカやタコも赤信号で、多くを海外からの輸入に頼っています。ですが、魚をまったく食べない保全というのはないと思っていて、なぜなら私たち人間も食物連鎖の上位にいて、海の恵みをいただくこと自体が悪いわけではないからです。まずは漁業や私たちの消費がこうした問題に繋がる背景を知って、魚の再生サイクルを壊さない配慮を大切に、認証を取得した漁業や養殖による水産物を選んだり、赤信号の魚たちは回復するまで消費を減らし、旬の魚介を食べたり。日常でできるそうした意識改革が海を守ることになり、買い物の選択はどんな社会を作るかに影響する大きな力だと思います

イシダイの保護活動
活動 内容
乱獲の抑制 漁獲量の制限、禁漁期間の設定
生息環境の保全 海洋汚染の防止、人工魚礁の設置
漁獲量の制限 漁獲枠の設定、禁漁区の設定

イシダイの絶滅の危機

イシダイは、乱獲や環境破壊によって、絶滅の危機に瀕しています。

地球温暖化や漁業による乱獲、化学物質やプラスチックによる海洋汚染などがこのまま進めば、残り30年もしないうちに、食卓に並ぶ魚介類はほとんどが絶滅してしまうという。

イシダイの絶滅の危機
要因 影響
乱獲 個体数の減少
環境破壊 生息地の減少
気候変動 水温上昇による生息環境の変化
海洋汚染 化学物質やプラスチックによる影響

まとめ

イシダイは、乱獲や環境破壊によって、絶滅の危機に瀕しています。

イシダイの保護活動は、乱獲の抑制、生息環境の保全、漁獲量の制限などが行われています。

私たちも、イシダイの保護活動に協力し、持続可能な漁業を支援していく必要があります。

6. イシダイの人気の理由と観賞方法

要約

イシダイの人気の理由

イシダイは、その豪快なファイトが最大の魅力です。簡単に釣り上げられる魚ではありませんが、釣りに挑戦する方は磯釣りがおすすめです。

イシダイは、高級魚として扱われ、流通量が少なく、成長が遅いため養殖もそれほど盛んでないため、乱獲の影響を受けています。

イシダイは、釣り上げた時の独特の引きの醍醐味から、熱狂的なファンが多く存在します。

イシダイの人気の理由
理由 説明
釣り 強烈な引きが楽しめる
高級魚として珍重される
見た目 特徴的な模様が美しい

イシダイの観賞方法

イシダイは、水族館でも展示されており、イシダイの学習能力が高いという特徴から芸をする姿などを見れることもあります。

イシダイは、水族館などでよく飼育されます。好奇心が強いことを利用し、輪くぐりなどのショーを行う施設もある。

イシダイの観賞方法
場所 特徴
水族館 飼育展示されている、ショーを行う施設もある
家庭 大型水槽が必要、飼育は難しい

イシダイの飼育

イシダイは、水槽内でも成長が早く、小さな稚魚を採集してもいつのまにかてのひらサイズになってしまいます。水槽内では野生ほど大きくはならない、といわれますが、それでも小さくても120cm以上の水槽で飼育するしかありません。幼魚のうちは45~60cm水槽でも飼育できます。しかし必ず大きな水槽が必要になるので、そこは留意しなければなりません。もちろん飼いきれなくなっても海に逃がすようなことはしてはいけません。お店もしくは水族館に引き取ってもらうのがベストでしょう。

イシダイを飼育するならろ過装置もしっかりしたものを使用しなければなりません。イシダイに限りませんが、大きめの魚を飼育すると、排せつの量も多いからです。それを考えるとろ過槽はオーバーフロー方式がベスト。どうしてもオーバーフロー水槽にできないというのであれば、上部ろ過槽と外部ろ過槽を併用して使用するしかありません。外部ろ過槽は単体で使用するとろ過能力が不足するので、魚中心の水槽には向きません。

イシダイの飼育
飼育環境 説明
水槽サイズ 120cm以上
ろ過装置 オーバーフロー方式が推奨
水温 22℃前後が理想
人工飼料、エビなどの生餌

まとめ

イシダイは、その豪快なファイトが最大の魅力で、釣り人の間で人気があります。

イシダイは、水族館でも展示されており、その学習能力の高さからショーの主役を務めることもあります。

イシダイは、飼育も可能ですが、大型魚なので、飼育には十分なスペースと設備が必要です。

参考文献

イシダイ(石鯛)の特徴や生態など、基本情報まとめ【魚図鑑 …

イシダイ | 魚類 | 市場魚貝類図鑑

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