項目 | 内容 |
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棘皮動物の特徴と分類 | 棘皮動物とは何か、分類について説明 |
ウニの外見と体の構造 | ウニの体の構造、殻、棘、管足、水管について説明 |
ウニの生息環境と分布 | ウニの生息場所、分布について説明 |
ウニの食性と摂食方法 | ウニの食性、摂食方法、食害について説明 |
ウニの繁殖と生活史 | ウニの繁殖方法、幼生、寿命について説明 |
ウニと人間の関係と利用 | ウニの食用、毒、磯焼け、研究材料としての利用について説明 |
1. 棘皮動物の特徴と分類
棘皮動物とは?
棘皮動物とは、棘皮動物門(学名: phylum Echinodermata)に属する動物の総称です。ウニ、ヒトデ、クモヒトデ、ナマコ、ウミユリなどが棘皮動物に属します。棘皮動物という名称は、echinoderm というギリシア語由来のラテン語を直訳したもので、echinoderm とは echinos(ハリネズミ)のような derma(皮)を持つものという意味です。その名が示す通り、元来ウニを対象としてつけられた名称ですが、ヒトデ、ナマコ、ウミユリなど、棘をもたないがウニと類縁関係にある動物も棘皮動物に含まれます。
成体は全て五放射相称、三胚葉性、海にのみ生息し、自由生活です。雌雄異体が多く、消化管は口から肛門につながるが、一部の種では肛門が退化しています。中心軸に対して5つの対称面がある構造である。例えば星形は、中心軸に対して左右対称になる線を5本引くことができる。そのような構造を五放射相称と呼ぶ。
体内では非常に広大な真体腔(中胚葉に裏打ちされた体腔)を持っている。血管系の退化傾向が激しく(心臓はない)、また独立した排出系も見られない。血管系の代わりに水管系という構造がある。水管系は体外から海水を取り込んで体内を流すというものである。これは幼生の体腔から発達したもので、体内に伸びて各部から管足という管を体外に伸ばす。これは運動や摂食に関わると同時に、その表面でガス交換や排出も行っている。
棘皮動物のもう一つの特徴は、体壁に骨片が埋もれており、ウニでは互いに繋がることで棘を形成している。骨片は体表に露出するが、かなりの部分が皮膚の下にあり、内骨格を構成する。一見柔らかそうに見えるナマコでは、それらは細かな骨片として皮膚内に分散している。
特徴 | 説明 |
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五放射相称 | 中心軸に対して5つの対称面がある構造 |
三胚葉性 | 外胚葉、中胚葉、内胚葉の3つの胚葉からなる |
海産 | 海にのみ生息する |
自由生活 | 海底を自由に動き回る |
底生性 | 海底に生息する |
雌雄異体 | 雌雄が別々の個体である |
消化管 | 口から肛門につながる |
真体腔 | 中胚葉に裏打ちされた体腔を持つ |
水管系 | 体外から海水を取り込み、体内を流す構造 |
骨片 | 体壁に埋もれた骨片を持つ |
頭部 | 頭部が存在せず、感覚器や中枢神経も分化していない |
棘皮動物の分類
棘皮動物は、ウミユリ類、ヒトデ類、シャリンヒトデ類、クモヒトデ類、ウニ類、ナマコ類の6つのグループに分けられます。現生する棘皮動物はこれら6綱のみですが、その他多くの絶滅した綱が知られています。化石は古生代初期から継続的に発見され、その量は動物化石としては多い方に属する。ウミユリを主成分とする石灰岩もあるほどです。
棘皮動物に含まれる各群について様々な分子系統学的研究がなされているが、ウミユリ類が最も早く分岐したという点以外には、各グループ間の類縁関係について一致した結果は得られていない。これは、棘皮動物の進化の過程で、多くの収斂や逆転が起こったためと考えられる。
棘皮動物とその他の動物群の関係では、新口動物であること、発生等の証拠から祖先が左右対称動物であることなどが推察されるが、はっきりしたことはわかっていない。
棘皮動物は、動物界全体から見ても特異な構造を持つ。体は五放射相称で、その軸を上下方向に据えたものが多く、そのため進行方向を決めるような前後の体軸は存在しない。例外はナマコで、口が前であり、明確な腹背があるものも多いが、これも五放射相称から二次的に導かれたことは明確である。また、頭部が存在せず、そこに存在するような分化した感覚器や中枢神経の分化も見られない。
綱 | 代表的な種 |
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ウミユリ綱 | ウミユリ、ウミシダ |
ヒトデ綱 | ヒトデ、シャリンヒトデ |
クモヒトデ綱 | クモヒトデ |
ウニ綱 | ウニ |
ナマコ綱 | ナマコ |
棘皮動物の仲間たち
ヒトデ類は約1500種。体の下側にある口を中心にして、5本またはそれ以上の放射相称の脚・腕をもつ、星型をした棘皮動物である。たいていは、5の倍数からなる放射相称の脚をもつ。「脚・腕」に見える部分も胴の一部であり、その中にも消化器・生殖器が入り込んでいる。伏せた状態で海底を這い、全身運動とともに、「足・腕」下面にある歩帯溝に並んだ管足で運動する。表面を覆う皮膚は頑丈で、皮下には筋肉や結合組織で結ばれた骨盤が外骨格を形成する。消化管は盤の中央に開いた口から背中頂点の肛門まで結ばれ、胃は体外に放出して巨大な餌を包み込んで消化できる。
シャリンヒトデ類は1986年に発見された棘皮動物のグループで、2008年現在では3種確認されている。直径1cm弱の円盤状をした体の周囲に縁棘と呼ばれる細かい脚が多数、同心円状に並んでいる。他の綱にみられる放射状の水管系がなく、外側環状水管に連結した管足が露出する。消化管は退化的で、最初に発見されたウミヒナギクは胃を持たない。ヒトデ綱ニチリンヒトデ目の1科として分類される場合もある。
ウミユリ類は約650種。形状が植物のユリに似ていると考えられたことから名付けられた。固着性のウミユリは、主に深海の海底に棲息する。節により構成される茎(柄)があり、柄の端には大きく膨らんだ萼がある。萼の周りには羽状の腕が多く配置されており、萼の中央には口がある。消化管は体内で反転し、肛門も上向きに開く。通常は海底に直立し、水流に向かい合う形で広げた多くの腕を用いて、水中に含まれる微細な有機物片を捕まえ、萼中央にある口まで運び込み、餌とする。一部の種では固着生活を送るが、現生種の9割を占めるウミシダ目は、成体になると柄を切り離し、必要に応じて海中を遊泳する。残る有柄ウミユリ類でも、全身で匍匐移動する種もいる。
ウニ類は約870種、五放射相称の球状~扁平な殻をもち、その周囲が棘で覆われている。脚部を持たないが、棘と管足を用いて海底を移動する。棘は防御・移動のための運動器官のみならず、感覚器官の役割も持つ。体の下側にある口には5本の鋭い歯をもち、これを用いて海草などを食べる。消化管は体内で螺旋構造となり、頂点付近に肛門を開く。水管系の入口となる多孔板や生殖巣は上に開く。
仲間 | 特徴 |
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ヒトデ | 星型、5本以上の腕を持つ |
シャリンヒトデ | 円盤状、縁棘と呼ばれる細かい脚を持つ |
ウミユリ | ユリに似ている、固着性 |
ウニ | 球状~扁平な殻、棘で覆われている |
ナマコ | 円筒状、側転する |
クモヒトデ | 円盤状、細長い腕を持つ |
まとめ
棘皮動物は、ウニ、ヒトデ、ナマコ、ウミユリなど、私たちにとって馴染み深い生物も含まれています。棘皮動物は、五放射相称という独特の体形を持ち、心臓や脳などの器官を持たないなど、他の動物とは異なる特徴を持っています。
棘皮動物は、ウミユリ類、ヒトデ類、シャリンヒトデ類、クモヒトデ類、ウニ類、ナマコ類の6つのグループに分けられます。それぞれのグループは、形態や生態、生息環境などが異なり、多様性に富んでいます。
棘皮動物は、古生代初期から存在し、長い進化の歴史を持つグループです。その進化の過程で、多くの収斂や逆転が起こったため、各グループ間の類縁関係は複雑で、まだ完全には解明されていません。
棘皮動物は、海中生態系において重要な役割を果たしています。ウニは海藻を食べることで、海藻の過剰な繁茂を防ぎ、他の生物の生息空間を確保しています。ヒトデは、サンゴ礁の生態系を維持する上で重要な役割を果たしています。ナマコは、海底の有機物を分解することで、海の浄化に貢献しています。
2. ウニの外見と体の構造
ウニの殻
ウニの殻は、炭酸カルシウムでできた硬い骨格であり、ヒトデなどの棘皮動物と同様、同じ形の部分が中心から5つの放射状に並ぶ「五放射相称」という規則的な構造をしています。この5つの同じ形の部分は、「歩帯」と「間歩帯」と呼ばれ交互に並んでいるのが特徴です。
ウニの殻から生える無数の棘は、外敵から身を守るほかに、移動の時に体を支える補助的な役割を持ちます。棘の生えている根本の筋肉を動かすことによって、振り回すような動作をします。
ウニの棘は身を守るためだけでなく、歩いたり、体を固定するのにも使う。
ウニの殻は、貝の殻とは違って、小さな殻板が多数集まってできたもので、その上を薄い表皮が覆っている。殻の表面には多数の丸いいぼがあり、その一つ一つは棘の基部と凹凸の関節構造をとってつながっている。棘は基部についた筋肉の働きで自由に動くようになっている。殻の表面には棘のほかに長さ1ミリメートルにも満たない叉棘 (さきょく)という三つ叉 (また)ピンセット状のものが多数ある。
部位 | 説明 |
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殻 | 炭酸カルシウムでできた硬い骨格 |
棘 | 外敵から身を守る、移動の補助 |
棘疣 | 棘の基部とつながる小さな突起 |
歩帯 | 管足が並ぶ部分 |
間歩帯 | 管足がない部分 |
孔対 | 管足が殻を通る穴 |
五放射相称 | 中心軸に対して5つの対称面がある構造 |
管足
管足とは、歩帯から出ている、ウニの棘の間から伸びる体液の詰まった細長い管のことを言います。管足は、内部の水圧によって伸び縮みし、ウニの足として移動の際に使われる器官です。
また、管足の先端部分は吸盤のようになっており、餌を食べる時の岩場に張り付くためにも使われています。
管足は殻をつらぬく箇所には、孔対(こうつい)と呼ばれる2対の孔(あな)が開く。ウニ殻は、この孔対が存在する歩帯(ほたい)という部分と、孔対が存在しない部分である間歩帯(かんほたい)という2種類の領域がある。
ウニの棘はこの棘疣に筋肉や結合組織を介して接続している。この筋肉の収縮により、ウニは棘をあらゆる角度に傾けることで、外敵から身を守ったり、移動したりする。棘疣の大きさは棘の大きさをおおよそ反映しているため、殻に大きな棘疣が生えていれば、ウニが生きていた時には大きく頑丈な棘がその上に生えていたことを読み取ることができる。
部位 | 説明 |
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管足 | 体液の詰まった細長い管 |
吸盤 | 管足の先端にある吸盤 |
役割 | 移動、餌の捕獲、体の固定 |
水管
血管の代わりに酸素を運んでいるのが、棘皮動物特有の「水管」と呼ばれる器官で、これによってウニは生命を維持していると考えられています。
水管は、海水を体内に取り込み、消化管などの内臓器官に送り出し、呼吸や循環などの機能を持つ器官です。また、水管の一部は管足とつながっており、運動の補助としての役割も持ちます。
水管系は薄膜からなる袋と管が殻の内側に沿って5対走り、さらに食道の周りを環状に取り囲んでいる。
ウニの体内では非常に広大な真体腔(中胚葉に裏打ちされた体腔)を持っている。血管系の退化傾向が激しく(心臓はない)、また独立した排出系も見られない。
部位 | 説明 |
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水管 | 海水を体内に取り込む器官 |
役割 | 呼吸、循環、運動の補助 |
まとめ
ウニの体は、殻、棘、管足、水管など、独特の構造をしています。殻は、炭酸カルシウムでできた硬い骨格で、五放射相称の構造をしています。棘は、外敵から身を守るだけでなく、移動の際に体を支える補助的な役割も持ちます。
管足は、ウニの棘の間から伸びる体液の詰まった細長い管で、内部の水圧によって伸び縮みし、ウニの足として移動の際に使われます。また、管足の先端部分は吸盤のようになっており、餌を食べる時の岩場に張り付くためにも使われています。
水管は、海水を体内に取り込み、消化管などの内臓器官に送り出し、呼吸や循環などの機能を持つ器官です。棘皮動物は、心臓や血管を持たないため、水管系が重要な役割を果たしています。
ウニの体は、一見単純そうに見えますが、実は複雑な構造をしています。それぞれの器官が、それぞれの役割を果たし、ウニが生きていくために重要な役割を果たしています。
3. ウニの生息環境と分布
ウニの生息環境
ウニは世界中の海に生息している生き物です。私たちがよく食べているのは浅瀬に棲むウニですが、中には水深数千メートルといった深海に棲む種類も存在します。
また、南極でもウニの仲間が確認されていますので、非常に生命力の強い生き物と言えるでしょう。
ちなみに浅瀬と比べて深海に生きるウニは栄養を十分に摂れていないので、食べてもあまり美味しくないと考えられています。
いがぐり形のウニの多くは岩礁地に生息し、種類によって岩の上、転石の下、岩のくぼみの中や岩棚の下など、少しずつ好む場所が違っている。岩に自ら穴を掘ってすむものもいる。砂泥地に生息するのはカシパン類とブンブクチャガマ類で、前者は砂泥をかぶる程度に浅く潜り、後者は砂泥中に深く、種類によっては20センチメートル以上も潜っている。
環境 | 説明 |
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深海 | 水深数千メートル |
浅瀬 | 海岸線から近い場所 |
南極 | 南極海にも生息 |
岩礁 | 岩の表面や隙間 |
砂泥地 | 砂や泥の中に潜る |
海藻場 | 海藻を食べて生活 |
ウニの分布
ウニは、深海の海底(水深7340メートル)から磯に至る世界中の海に生息し、約870種が確認されています。日本近海では約140種が生息しています。
多くの種が全身にトゲを持ち、中には毒を持つものもある。
ウニ類はすべて海産で,汽水や淡水にすむものはない。
太平洋~インド洋海域がもっとも種類が多く,アフリカ,オーストラリア,日本,ハワイへと広がっている。
地域 | 種数 |
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世界 | 約870種 |
日本近海 | 約140種 |
太平洋~インド洋 | 種類が多い |
アフリカ | 生息 |
オーストラリア | 生息 |
日本 | 生息 |
ハワイ | 生息 |
ウニの生息場所
ウニは、岩礁、砂泥地、海藻場など、様々な場所に生息しています。
岩礁に生息するウニは、岩の表面や隙間などに張り付いて生活しています。
砂泥地に生息するウニは、砂や泥の中に潜って生活しています。
海藻場に生息するウニは、海藻を食べて生活しています。
まとめ
ウニは、深海から浅瀬まで、世界中の海に広く分布しています。
生息環境は、岩礁、砂泥地、海藻場など、多岐にわたります。
ウニは、環境に適応した様々な形態や生態を持つため、多様な生息環境に適応することができていると考えられます。
ウニは、海洋生態系において重要な役割を果たしています。
4. ウニの食性と摂食方法
ウニの食性
ウニは基本的には雑食。小さいときは小型海藻、付着珪藻類、生物の破片等を主に食べ、大きくなると、大型の海藻(例えばコンブとか、ワカメ)を食べるようになる。
ウニは、強力な口器を持っていて、かなり硬いものでも噛むことができるんです。
そして、海底の岩礁などに付着する海藻や海草をかじり取って食べます。
ウニの密度が高いと、海底の海藻が食べ尽くされ、「磯やけ」という食害現象を起こしてしまう場合があるんですって。
時期 | 餌 |
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幼生 | 小型海藻、付着珪藻類、生物の破片 |
成体 | 大型の海藻(コンブ、ワカメなど) |
その他 | 小さな動物 |
ウニの摂食方法
ウニは、管足を使って餌を口に運びます。
管足の先端には吸盤がついていて、海藻などを口に運ぶ時に使ったり体を固定したりする」ときなどに使うと考えられています。
ウニの口は「アリストテレスの提灯(ちょうちん)」とも呼ばれ、これは古代ギリシャの哲学者アリストテレスが『動物記』の中で「提灯(ちょうちん)に似ている」と記したことが由来です。
ウニは、口器を使って海藻などを削り取って食べます。
器官 | 役割 |
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管足 | 餌を口に運ぶ |
口器 | 海藻などを削り取る |
アリストテレスの提灯 | ウニの口器の名称 |
ウニの食害
ウニは、海藻を食べることで、海藻の過剰な繁茂を防ぎ、他の生物の生息空間を確保しています。
しかし、ウニの数が多すぎると、海藻が食べ尽くされてしまい、磯焼けと呼ばれる現象が起こることがあります。
磯焼けは、海の生態系に大きな影響を与え、漁業にも悪影響を及ぼすことがあります。
磯焼けを防ぐためには、ウニの数を適切に管理することが重要です。
現象 | 説明 |
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磯焼け | ウニの数が多すぎて海藻が食べ尽くされる現象 |
影響 | 海の生態系への悪影響、漁業への悪影響 |
まとめ
ウニは、海藻や海草を食べる雑食性で、強力な口器を使って餌を食べる。
ウニは、管足を使って餌を口に運び、アリストテレスの提灯と呼ばれる口器で海藻などを削り取って食べます。
ウニは、海藻を食べることで、海藻の過剰な繁茂を防ぎ、他の生物の生息空間を確保しています。
しかし、ウニの数が多すぎると、磯焼けと呼ばれる現象が起こることがあります。磯焼けは、海の生態系に大きな影響を与え、漁業にも悪影響を及ぼすことがあります。
5. ウニの繁殖と生活史
ウニの繁殖
ウニは、雌雄異体で、体外受精を行います。
生殖巣が成熟すると、卵や精子は生殖孔から直接海水中に放出され、受精します。
生殖期は年1回で、時期は種類によって異なり、また同種でも地域的に差が見られる。
卵は等黄卵で、卵割は全割。分割を繰り返し,囊胚期を経て,大きさが約0.5mmの4本の腕をもったプルテウス幼生(ウニのものをとくにエキノプルテウスechinopluteusと呼ぶ)になって浮遊生活し,その後成長して8本の腕をもつ幼生になる。
方法 | 説明 |
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雌雄異体 | 雌雄が別々の個体 |
体外受精 | 海水中で受精 |
生殖期 | 年1回、種類や地域によって異なる |
卵 | 等黄卵 |
卵割 | 全割 |
幼生 | プルテウス幼生 |
ウニの幼生
ウニの幼生は、プルテウス幼生と呼ばれ、プランクトンとして海中を漂いながら成長します。
プルテウス幼生は、数週間海中を漂ったのち、変態して底生生活に入る。
変態後、稚ウニとなり、海底で生活し始める。
稚ウニは、海藻や海草などを食べて成長し、やがて成体になります。
段階 | 説明 |
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プルテウス幼生 | プランクトンとして海中を漂う |
稚ウニ | 海底に定着し、海藻などを食べる |
成体 | 成長したウニ |
ウニの寿命
ウニの寿命は、種類によって異なります。
日本のウニではバフンウニの寿命は7~8年、キタムラサキウニの寿命は14~15年程度といわれている。
北アメリカ太平洋岸に生息している「アメリカオオムラサキウニ」という大型のウニは、100年以上生きるといわれている。
最近の調査研究結果により、寿命は(種と環境によるが)200歳に至ることもあることが判り、生殖能力も100歳を超えても、10歳のウニと変わらないことが判ってきた。
種類 | 寿命 |
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バフンウニ | 7~8年 |
キタムラサキウニ | 14~15年 |
アメリカオオムラサキウニ | 100年以上 |
その他 | 種と環境によって200歳まで生きる場合もある |
まとめ
ウニは、雌雄異体で、体外受精を行います。
受精卵は、プルテウス幼生と呼ばれるプランクトンとして海中を漂いながら成長し、やがて海底に定着して稚ウニになります。
ウニの寿命は、種類によって異なり、中には100年以上生きるものもいます。
ウニは、長い年月をかけて成長し、繁殖を繰り返すことで、海の生態系を維持しています。
6. ウニと人間の関係と利用
ウニの食用
ウニの生殖巣は、生のまま、あるいは塩漬にして食べる。
食用として採捕される種類は地方によって決まっていて、北海道と東北地方北東部ではエゾバフンウニとキタムラサキウニ、奄美 (あまみ)、沖縄地方ではシラヒゲウニ、そのほかの本州、四国、九州の大部分の地域ではバフンウニ、ムラサキウニ、アカウニである。
ウニを食べる習慣は地中海沿岸諸国をはじめ世界各地にあるが、日本の消費量は桁 (けた)はずれに多く、近年は生殖巣重量にして1年に2000トン以上を世界十数か国から輸入している。
食用以外の利用としては、実験的取扱いが容易なため、発生学の研究材料として世界各地の大学や研究機関で広く用いられている。そのほか、さらした殻やパイプウニの棘は装飾品とされる。
地域 | 食用となるウニ |
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北海道・東北 | エゾバフンウニ、キタムラサキウニ |
奄美・沖縄 | シラヒゲウニ |
本州・四国・九州 | バフンウニ、ムラサキウニ、アカウニ |
ウニの食害
東北地方から北海道にかけて分布するエゾバフンウニやキタムラサキウニは,コンブやワカメの有用海藻類を食べて害を与えるが,ウニも重要な水産資源の一つであり,ある程度の害を受けるのはしかたがないと思われる。
ウニは、海藻を食べることで、海藻の過剰な繁茂を防ぎ、他の生物の生息空間を確保しています。
しかし、ウニの数が多すぎると、海藻が食べ尽くされてしまい、磯焼けと呼ばれる現象が起こることがあります。
磯焼けは、海の生態系に大きな影響を与え、漁業にも悪影響を及ぼすことがあります。
現象 | 説明 |
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磯焼け | ウニの数が多すぎて海藻が食べ尽くされる現象 |
影響 | 海の生態系への悪影響、漁業への悪影響 |
ウニの毒
とげに毒を含むものが多く,ガンガゼの細長いとげが皮膚に刺さると非常に痛い。
ラッパウニは叉棘がらっぱ状に開いていて,毒液を分泌する。
イイジマフクロウニなどのフクロウニ類にも強い毒があり,とげにさわると腕が麻痺してしまう。
一般にくぼんだ場所や石の下などに隠れるが,餌をとりにはい出した後は再び元の場所に帰る。
種類 | 毒の特徴 |
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ガンガゼ | 細長い棘、非常に痛い |
ラッパウニ | 叉棘がラッパ状、毒液を分泌 |
イイジマフクロウニ | 棘が鋭く、毒袋を持つ |
シラヒゲウニ | 叉棘に毒袋を持つ |
まとめ
ウニは、食用として、また、発生学の研究材料として、人間にとって重要な役割を果たしています。
ウニは、海藻を食べることで、海藻の過剰な繁茂を防ぎ、他の生物の生息空間を確保しています。
しかし、ウニの数が多すぎると、磯焼けと呼ばれる現象が起こることがあります。磯焼けは、海の生態系に大きな影響を与え、漁業にも悪影響を及ぼすことがあります。
ウニは、毒を持つ種類もいるため、注意が必要です。
参考文献
・棘皮動物の特徴、生殖、呼吸、摂食 – 今日自分を良くする!
・ウニの特徴・生態!体の構造・生息地や寿命など | Slow Surf …
・あなたに伝えたい「ウニの世界」口や足があって、目もあるの …
・第1回 ウニの世界 〜多種多様なウニ殻の魅力|あなたの知ら …
・ウニ(海胆・雲丹)|日本大百科全書・世界大百科事典・日本 …
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・ウニの中身を徹底的に紹介!体の構造についても教えちゃい …
・棘皮動物:トゲトゲしくも美しい!ウニ、ヒトデ、ナマコの …
・棘皮動物
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