哺乳類：モルモットについて説明

モルモットのまとめ
項目	内容
起源	南米のテンジクネズミを家畜化
分類	ネズミ目テンジクネズミ科テンジクネズミ属
学名	Cavia porcellus
英名	Guinea pig
別名	テンジクネズミ、ケイビー
原産地	ペルー南部、ボリビア南部、アルゼンチン北部、チリ北部
体長	20～40cm
体重	0.5～1.5kg
寿命	6～8年
性格	温和、臆病、繊細、感受性豊か
行動	夜行性、群れで生活、警戒心が強い
食事	草食性、牧草、野菜、果物
飼育環境	乾燥した場所、17～24℃
飼育用品	ケージ、床材、給水器、フード入れ、隠れ家、グルーミング用品
健康管理	ストレスに注意、ビタミンCを補給、定期的な健康チェック
かかりやすい病気	皮膚病、不正咬合、消化器疾患
人間との関係	食用、実験動物、ペット

1. モルモットの起源と分類

モルモットの起源

モルモットは、南米に生息するテンジクネズミを家畜化した動物です。野生には存在せず、古代インディオが食用として飼育したのが始まりとされています。中世のインカ帝国時代にはヨーロッパに伝わり、主にペットとして飼育されるようになりました。

モルモットの名前の由来は諸説ありますが、19世紀にオランダの商人が長崎に持ち込んだ際に、リスの仲間であるマーモットと間違えて「マルモット」と呼んだことから、それがなまって「モルモット」と呼ばれるようになったという説が有力です。

また、モルモットは体の生理機能が人に似ている点が多いこと、容易に繁殖しやすいこと、性格が温和であることなどから、実験動物としても広く利用されてきました。

モルモットの分類

モルモットは、ネズミ目（げっ歯目）テンジクネズミ科テンジクネズミ属に分類されます。学名はCavia porcellusです。

英名はGuinea pigで、オスはboar、メスはsowと呼ばれます。別名としてテンジクネズミやケイビーと呼ばれることもあります。

モルモットの原産地は、ペルー南部、ボリビア南部、アルゼンチン北部、チリ北部です。アンデスのような山岳地帯や乾燥した高地で、乾燥した地域に生息しています。

モルモットの分類
項目	内容
目	ネズミ目（げっ歯目）
科	テンジクネズミ科
属	テンジクネズミ属
学名	Cavia porcellus
英名	Guinea pig
別名	テンジクネズミ、ケイビー

モルモットの生態

モルモットは夜行性で、昼間は巣の中で休み、夕方頃から活動を始めます。5～10頭の群れで生活し、草食性で植物の葉、茎、根、実や種子などを食べています。

寿命は6～8年とされています。

性格は温和で、臆病で繊細な面もありますが、感受性が豊かで、鳴き声や仕草で意思表示をします。

まとめ

モルモットは、南米原産のテンジクネズミを家畜化した動物であり、古代から食用や実験動物として利用されてきました。

現在では、ペットとして人気が高く、その穏やかな性格と可愛らしい外見から多くの人に愛されています。

モルモットは、ネズミ目テンジクネズミ科テンジクネズミ属に分類され、学名はCavia porcellusです。

夜行性で群れで生活し、草食性で、寿命は6～8年です。性格は温和で臆病ですが、人懐っこい面もあります。

2. モルモットの特徴と外見

モルモットの身体的特徴

モルモットは、ずんぐりとした体型で、頭が大きく、足が短いのが特徴です。

体長は20～40cm、体重は0.5～1.5kgと、一般的にメスよりもオスの方が大きいです。

モルモットは、外観上は尾がないように見えますが、短い尾の骨があります。

指の数は、前肢が4本、後肢が3本です。

モルモットの身体的特徴
項目	内容
体型	ずんぐり、頭部が大きい、足が短い
体長	20～40cm
体重	0.5～1.5kg
尾	短い骨が残っているが、外観上は無い
指	前肢4本、後肢3本

モルモットの歯

モルモットの歯は、前歯と奥歯があり、全部で20本です。

前歯も奥歯も常生歯で、生涯にわたり伸び続けます。

上の奥歯は外側に、下の奥歯は内側に傾いている特徴的な歯列をしています。

モルモットの臭腺

モルモットの臀部と会陰部には皮脂腺が密に存在し、この分泌液は皮膚や毛の表面をコーティングして保湿の役割をしています。

分泌液には独特の臭いがあり、モルモットが臭いと言われる一因になっています。

オスはお尻の上にある臭腺が目立ち、マーキングや個体識別のために使われています。

発情期になると臭腺からの分泌液が増えて、茶褐色の脂っぽいベタベタしたもので汚れ、独特の嫌な臭いを発します。

まとめ

モルモットは、ずんぐりとした体型で、頭が大きく、足が短いのが特徴です。

尾は短い骨が残っているものの、外観上は見えません。

歯は前歯と奥歯があり、生涯にわたり伸び続けます。

臀部と会陰部には皮脂腺があり、独特の臭いを発します。

3. モルモットの生態と行動

モルモットの行動

モルモットは夜行性で、昼間は巣の中で休み、夕方頃から活動を始めます。

5～10頭の群れで生活し、常に外敵に食べられる危険があるため、警戒心が強く、物陰に隠れることが多いです。

休憩中や食事中に、立ったり横になったりしている行動がよく見られます。これは、周囲を警戒するためです。

モルモットのコミュニケーション

モルモットは、仲間同士で仕草と鳴き声で積極的にコミュニケーションをとります。

顔や鼻を近づけ、匂いをかぎ合うような仕草は挨拶です。

鳴き声には、プイプイ（要求や空腹時）、キュルキュル（甘え）、キーキーやキュイキュイ（興奮や怒り）、グルグル（不機嫌）、クルルルル（上機嫌）など、様々な種類があります。

モルモットの鳴き声
鳴き声	意味
プイプイ	要求、空腹時
キュルキュル	甘え
キーキー、キュイキュイ	興奮、怒り
グルグル	不機嫌
クルルルル	上機嫌

モルモットの行動の特徴

モルモットは、ポップコーンジャンプと呼ばれる特有の跳躍をします。

これは、興奮した時に前足と後足を一緒に上下に軽く飛び跳ねるようなジャンプです。

若いモルモットによく見られますが、通常は肩の高さ程度の壁があれば跳び越えることはできません。

まとめ

モルモットは夜行性で、群れで生活し、周囲を警戒しながら行動します。

仲間同士では、仕草や鳴き声でコミュニケーションをとります。

特徴的な行動として、ポップコーンジャンプがあります。

4. モルモットの飼育方法と注意点

モルモットの飼育環境

モルモットは、高温多湿な環境に弱いため、風通しが良く、乾燥した場所を選びましょう。

快適な温度は17～24℃で、限界温度は10～30℃です。

夏場は、エアコンなどで温度管理を行い、冬場は、ヒーターや毛布などで暖かくしてあげましょう。

モルモットの飼育環境
項目	内容
温度	17～24℃
湿度	乾燥した場所
夏場	エアコンなどで温度管理
冬場	ヒーターなどで暖かくする

モルモットの食事

モルモットは草食動物なので、主食は牧草です。

チモシーやイタリアンライグラスなどのイネ科植物がおすすめです。

ビタミンCを体内で合成できないため、モルモット専用のペレットや、ビタミンCが豊富な野菜や果物を与えましょう。

与えてはいけないものには、ニラやネギ類、ニンニク、タマネギ類、ジャガイモの芽や皮、生の豆などがあります。

モルモットの食事
種類	内容
主食	牧草（チモシー、イタリアンライグラスなど）
副食	モルモット用ペレット、ビタミンCが豊富な野菜、果物
与えてはいけないもの	ニラ、ネギ類、ニンニク、タマネギ類、ジャガイモの芽や皮、生の豆など

モルモットの飼育用品

モルモットの飼育には、ケージ、床材、給水器、フード入れ、隠れ家、グルーミング用品などが必須です。

ケージは、広くて高さのあるものがおすすめです。

床材は、牧草や木製のチップなどが使われます。

給水器は、ボトル式がおすすめです。

モルモットの飼育用品
種類	内容
ケージ	広くて高さのあるもの
床材	牧草、木製のチップ
給水器	ボトル式
フード入れ	安定した容器
隠れ家	木製や牧草製のハウス
グルーミング用品	ブラシ、爪切り

まとめ

モルモットは、高温多湿な環境に弱いため、風通しが良く、乾燥した場所を選び、温度管理をしっかり行う必要があります。

主食は牧草で、ビタミンCが豊富なペレットや野菜、果物を与えましょう。

飼育には、ケージ、床材、給水器、フード入れ、隠れ家、グルーミング用品などが必須です。

5. モルモットと人間との関係

モルモットの歴史

モルモットは、紀元前5000年頃に南アメリカのアンデス地方で、食肉用に家畜化されたと考えられています。

インカ帝国時代には、様々な種類のモルモットが開発され、現代の品種群の元となりました。

16世紀にスペイン人が南米に到達した際に、ヨーロッパに持ち込まれ、ペットとして人気が高まりました。

日本には、江戸時代にオランダ商人によって長崎に持ち込まれました。

モルモットと実験動物

モルモットは、かつては病理学の実験動物としてよく用いられていました。

ジフテリアの病原体は、モルモットを用いた研究によって解明されました。

現在では、マウスやラットなど、より小型の齧歯類に取って代わられていますが、アレルギーに関する実験などには欠かせない動物種として存在しています。

モルモットの文化

南アメリカのアンデス地方では、モルモットは「クイ」と呼ばれ、現在でも食肉用として飼育されています。

ペルーでは、年間6500万匹のモルモットが消費されています。

調理法は、揚げ物、焼き物、ローストなど様々です。

モルモットの文化
地域	呼び名	用途
アンデス地方	クイ	食肉
ペルー	クイ	食肉
ペルー	年間消費量	6500万匹

まとめ

モルモットは、古代から食肉用や実験動物として、そしてペットとして、人間と深い関わりを持ってきました。

現在では、世界中でペットとして人気が高く、その穏やかな性格と可愛らしい外見から多くの人に愛されています。

南米では、現在でも食肉として食べられており、文化的に重要な役割を担っています。

6. モルモットの健康管理と疾病予防

モルモットの健康管理

モルモットは、ストレスに弱く、体調を崩しやすい動物です。

そのため、飼育環境を整え、適切な食事を与え、定期的な健康チェックを行うことが大切です。

特に、ビタミンCの不足は、体調不良や病気の原因となるため、注意が必要です。

モルモットがかかりやすい病気

モルモットがかかりやすい病気には、皮膚病、不正咬合、消化器疾患などがあります。

皮膚病は、清潔な環境を保つことで予防できます。

不正咬合は、牧草を十分に食べさせることで予防できます。

消化器疾患は、適切な食事と環境管理によって予防できます。

モルモットがかかりやすい病気
病気	原因	予防
皮膚病	不衛生な環境	清潔な環境を保つ
不正咬合	牧草不足、ケージの金網をかじる	牧草を十分に食べさせる
消化器疾患	環境変化、ストレス、不適切な食事	適切な食事と環境管理