1. 管理美容師とは？その役割と仕事内容を解説
1-1. 美容室経営に欠かせない存在！管理美容師とは？
皆さんは「管理美容師」という言葉を聞いたことはありますか？管理美容師とは、美容室を開業・経営するために必要な国家資格です。美容師法という法律によって、美容室を開業するには必ず1人以上の管理美容師を置くことが定められています。また、管理美容師は美容室の衛生管理や従業員の指導監督など、業務範囲は多岐に渡ります。そのため、美容室を運営していく上で、なくてはならない存在と言えるでしょう。
1-2. 管理美容師の仕事内容
管理美容師の仕事内容には、大きく分けて以下の3つがあります。
1. 美容業務
もちろん管理美容師も、お客様に施術を行う美容師としての業務を行います。カットやカラー、パーマなど技術面においても、他のスタッフの模範となる必要があります。
2. 衛生管理
美容室における衛生管理全般も管理美容師の重要な仕事です。使用する器具やタオルを清潔に保つことはもちろん、店内全体の清掃や消毒、スタッフの衛生管理など、お客様に安心して施術を受けてもらえる環境づくりを行います。
3. 従業員の指導監督
スタッフの技術指導や接客指導など、従業員を監督する立場でもあります。スタッフの育成を通じて、サービス品質の向上やお店の雰囲気作りに貢献します。
2. 管理美容師になるための受験資格
管理美容師になるためには、国家試験に合格して資格を取得する必要があります。受験資格を得るための条件を見ていきましょう。
2-1. 美容師免許の取得
管理美容師になるための第一条件は、美容師免許を取得していることです。美容師免許は国家資格であり、筆記試験と実技試験の両方に合格することで取得できます。
2-2. 実務経験
美容師免許を取得したら、管理美容師になるために必要な実務経験を積みます。実務経験には以下の2つのパターンがあります。
1. 美容師免許取得後、5年以上の実務経験を有する者
高校卒業後に美容学校へ進学し、美容師免許を取得した場合は、5年以上の実務経験が必要となります。
2. 美容師免許取得後、3年以上の実務経験を有し、かつ厚生労働大臣の指定する管理美容師養成施設において6ヶ月以上の課程を修了した者
管理美容師養成施設とは、厚生労働大臣が指定する専門学校や大学のことで、管理美容師になるための専門知識を学ぶことができます。これらの施設を修了することで、実務経験が5年から3年に短縮されます。
3. 管理美容師試験の内容と難易度
管理美容師の資格を取得するためには、筆記試験と実技試験の両方に合格する必要があります。試験は年に1度実施されており、受験者数は例年1,000人前後です。
3-1. 筆記試験
管理美容師試験の筆記試験では、衛生管理や美容師法など、美容室の運営に関する専門的な知識が問われます。
1. 試験科目
筆記試験は、「関係法規・制度」、「公衆衛生・環境衛生」、「美容理論」の3科目です。
2. 試験時間と合格基準
試験時間は各科目45分で、3科目の合計得点が満点の60%以上で合格となります。
3-2. 実技試験
実技試験では、美容師としての技術はもちろん、お客様への接遇や衛生管理などが審査されます。
1. 試験内容
実技試験は、「美容を行う場合の衛生措置」に関する内容で、試験時間は30分です。
2. 合格基準
減点方式で採点され、100点満点中60点以上で合格となります。
3-3. 管理美容師試験の難易度
管理美容師試験の合格率は例年20%前後となっており、決して簡単な試験ではありません。筆記試験は専門的な知識が問われるため、計画的に勉強することが重要です。実技試験は、普段から衛生管理を徹底し、正しい手順を身につけておくことが合格のカギとなります。
4. 管理美容師試験の対策方法と勉強法
合格率が20%前後と難易度の高い管理美容師試験。効率的に勉強を進めて、合格を勝ち取りましょう。
4-1. 筆記試験の対策方法
筆記試験の対策は、過去問題を繰り返し解くことが最も効果的です。過去問題を解くことで、試験の出題傾向や難易度を把握することができます。また、間違えた問題は解説を読み、なぜ間違えたのか理解することが大切です。
4-2. 実技試験の対策方法
実技試験では、衛生管理に関する正しい手順を身につけておくことが重要です。試験内容を確認し、消毒や清掃の手順などを繰り返し練習しましょう。消毒液の濃度や器具の名称など、細かい部分までしっかりと覚えておくことが大切です。
4-3. おすすめの勉強法
1. 参考書や問題集を活用する
管理美容師試験対策の参考書や問題集は数多く出版されているため、自分に合ったものを選びましょう。
2. 通信講座を受講する
独学での勉強が不安な方は、通信講座を受講するのもおすすめです。通信講座では、試験に必要な知識を体系的に学ぶことができるため、効率的に勉強を進めることができます。
3. 管理美容師養成施設に通う
管理美容師養成施設では、試験対策はもちろん、美容室の経営や運営に関する専門的な知識を学ぶことができます。また、実習を通じて実践的なスキルを身につけることも可能です。
5. 管理美容師の資格取得後のキャリアパス
管理美容師の資格を取得すると、さまざまなキャリアパスが広がります。ここでは、代表的なキャリアパスをいくつかご紹介します。
5-1. 美容室の開業
管理美容師の資格を取得すれば、自分自身の美容室を開業することができます。自分の理想とする美容室を作り上げることができるため、やりがいを感じられるでしょう。また、経営者として店舗運営やスタッフのマネジメントなど、幅広い経験を積むことができます。
5-2. 美容室の店長やマネージャー
大手美容室などでは、店長やマネージャーとして店舗運営を任されるケースもあります。店舗の売上管理やスタッフの育成、集客のための企画など、経営に近い立場で働くことができます。
5-3. 美容学校の講師
美容師を目指す学生たちに、技術や知識を教える美容学校の講師という道もあります。次世代の美容師を育成するという、やりがいのある仕事です。
5-4. 美容メーカーやディーラー
美容メーカーやディーラーで、商品の開発や営業などを行うという選択肢もあります。美容師としての経験や知識を活かし、美容業界の発展に貢献することができます。
6. まとめ：管理美容師として活躍するために
管理美容師は、美容室の運営に欠かせない存在です。資格取得後は、さまざまなキャリアパスを選択することができます。管理美容師として活躍するためには、以下のことが重要です。
6-1. 高い技術力
お客様に安心して施術を任せてもらえるよう、常に高い技術力を維持することが大切です。技術向上のための練習を怠らず、最新のトレンドにもアンテナを張っておきましょう。
6-2. 衛生管理の徹底
美容室における衛生管理は、管理美容師の重要な仕事です。お客様に気持ちよく利用してもらうためにも、衛生管理は徹底して行いましょう。
6-3. コミュニケーション能力
お客様やスタッフと円滑にコミュニケーションを取る能力も必要です。お客様の要望をしっかりと聞き取り、スタッフの悩みや相談にも親身になって対応できるコミュニケーション能力を身につけましょう。
6-4. 経営に関する知識
美容室を開業する場合には、経営に関する知識も必要となります。店舗運営や資金繰り、マーケティングなど、経営者としてのスキルを磨くことも大切です。
