観葉植物:フィロデンドロンについて説明

フィロデンドロンのまとめ
項目 内容
名前の由来 ギリシャ語で「愛する木」
特徴 耐陰性があり、育てやすい
種類 650種類以上あり、葉の形や大きさが様々
育て方 日当たりと温度、水やりに注意
水やり 土の表面が乾いたらたっぷりと
肥料 生育期に緩効性肥料または液体肥料を与える
繁殖方法 挿し木、株分け
害虫 ハダニ、カイガラムシ、アブラムシなど
病気 軟腐病など
風水 家族運、仕事運アップの効果がある
花言葉 華やかな明るさ、壮大な美

1. フィロデンドロンの特徴とは

要約

フィロデンドロンの名前の由来

フィロデンドロンは、ギリシャ語の「phileo(愛する)」と「dendron(木)」を組み合わせた言葉で、「愛する木」という意味を持ちます。これは、フィロデンドロンが他の木に寄り添うようにして成長する習性からきていると考えられています。

フィロデンドロンは、サトイモ科に属する植物で、世界中の亜熱帯地域に自生しています。ツル性の種類や、茎が直立する種類、地面をはう種類など、さまざまな種類があります。

フィロデンドロンの草丈は、種類によって異なり、だいたい10~1000センチくらいです。

フィロデンドロンの花

フィロデンドロンの花は、仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれる種類です。仏炎苞とは、花茎に小さな花と、それを囲むように大きく発達したガクがつく花の種類のこと。たとえばサトイモや水芭蕉などが同じ仏炎苞の種類の花にあたります。フィロデンドロンの内側の小さな花は白色で、外側のガクはグリーンです。

ただし、フィロデンドロンの開花はたった一日で、自生地のような亜熱帯の気候でないとなかなか花を咲かせません。

フィロデンドロンの葉

フィロデンドロンの葉っぱは、明るいグリーン色です。種類によっては薄黄緑色の斑のはいるものもあります。

フィロデンドロンの葉っぱの形は、種類によって実にさまざまで、同じフィロデンドロンとは思えないくらいバラエティに富んでいます。

まとめ

フィロデンドロンは、愛らしい姿と多様な葉の形、そして風水的な効果も期待できることから、観葉植物として人気があります。

ただし、開花は短く、自生地以外ではなかなか見られないのが残念です。

それでも、その美しい葉を楽しむだけでも十分に価値があります。

2. フィロデンドロンの種類と選び方

要約

フィロデンドロンの種類

フィロデンドロンは、世界中の亜熱帯地域を中心に、650種類自生していると言われています。

同じフィロデンドロンに属していても、葉っぱの形がさまざまで同じ種類とわからないくらい多彩です。

また、フィロデンドロンには、茎が立ち木性のものとツル性のものがあります。

人気のあるフィロデンドロン

クッカパラは、草姿が上品なフィロデンドロンです。フィロデンドロンはサトイモ科の植物であり、クッカパラの葉っぱの形は、サトイモに本当によく似ています。次々と葉茎が出てくるので、もっさりしないようにこまめに剪定しましょう。

シルバーメタルの葉っぱの色は、やや淡いグリーンで、シルバーがかって見えます。シルバーメタルの葉っぱはやや大きめ。立ち姿が行儀よいのでインテリアや風水に取り入れやすい種類です。葉っぱが混みあいやすいので剪定をして風通しよくしてあげるとよいでしょう。

セロウムの葉っぱは、つやつやとしていて、まるで手のひらをぱっと広げたような形をしています。なんだか歓迎されているようでうれしくなるフィロデンドロンです。

ホープは、ぎざぎざの葉っぱが印象的なフィロデンドロンです。少し珍しい観葉植物を探しているかたにおすすめのひとつです。フィロデンドロンには「壮大な美」とう花言葉があるのですが、まさにその花言葉を思わせる大振りの草姿です。

人気のあるフィロデンドロン
品種 特徴
クッカパラ 草姿が上品で、サトイモのような葉
シルバーメタル 淡いグリーンの葉で、シルバーがかった色合い
セロウム つやつやとした葉で、手のひらのような形
ホープ ぎざぎざの葉っぱが特徴
ゴエルディファンドン 立ち姿が上品でスッキリとした印象
ソデロイ 照り葉が特徴で、葉脈が浮き出ている
ヒメカズラ ツル性で生育が早く、ツルを伸ばす
その他 様々な葉の形や色合いを楽しむことができる

その他のおすすめ品種

ゴエルディファンドンは、立ち姿がとても上品ですっきりとした印象のフィロデンドロンです。

ソデロイは照り葉が特徴のフィロデンドロン。グリーンの葉っぱに葉脈が浮かび上がり独特の雰囲気を醸し出しています。おしゃれなカフェなどにも似合う外観で、開店祝いにも人気がある種類です。

ヒメカズラは、ツル性のフィロデンドロンです。生育が早くツルをぐんぐんと伸ばします。ツルを壁に伝わせながらインテリアに取り入れるのもよいでしょう。不要なツルは剪定をしてきれいに草姿をキープしましょう。

まとめ

フィロデンドロンは、その種類によって葉の形や大きさが大きく異なります。

そのため、自分の好みや育てたいイメージに合わせて選ぶことができます。

また、珍しい品種もたくさんあるので、コレクションするのもおすすめです。

3. フィロデンドロンの育て方と注意点

要約

置き場所

フィロデンドロンは、日当たりのよい風通しのよい環境を好みます。

ただし、直射日光は葉焼けの原因になるため注意が必要です。

耐陰性があるので室内の明るい場所であれば十分に育ちますが、日差しの入らない暗すぎる場所では生育がよくありません。葉色が悪くなったり徒長したりするため注意してください。

室内の明るく風通しのよい窓際で育てましょう。直射日光が差し込む場合は、レースカーテン越しの柔らかい光にして管理することがポイントです。

温度管理

最低10℃以上をキープして育ててください。フィロデンドロンは熱帯地域原産の植物であり、そのほとんどが寒さに弱いためです。

屋外の明るい日陰でも育てることはできますが、気温の下がる秋には室内へ移動する必要があります。ただし、冬の窓際は屋外と変わらないくらいに冷え込むので、冬は窓から離れた明るい場所に置いて管理しましょう。

10℃以下の寒さに当たり続けると、葉色や艶が悪くなります。次第に葉が茶色く枯れていくので、なるべく暖かい場所で管理することが重要です。

暖房の風が当たると急激な乾燥によって葉が傷むので、暖房の風が当たらないように気を付けてください。

水やり

春夏の生育期には、手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)鉢底から水が流れるくらいに、しっかり水やりしてください。生育期の水切れは、フィロデンドロンの葉先が枯れる原因になるので、特に春夏はこまめに土の乾き具合を確認してください。

また水やり後は、受け皿に溜まった水は小まめに捨てることが重要です。水のやりすぎや受け皿の溜め水は根腐れの原因になります。

気温の下がる秋からは土の渇き具合を見ながら、徐々に水やりを控えましょう。この時期は空気が乾燥するので、水やりと一緒に葉水も与えるとイキイキとした元気な葉を維持しやすいです。

水やりや葉水を気温の下がる時間帯に与えると、フィロデンドロンが傷む恐れがあります。水やりや葉水は室温が十分に上がった時間帯に行ってください。

水やりのポイント
時期 ポイント
春夏 土の表面が乾いたらたっぷりと
土の表面が乾いてから数日後に
土の表面が乾いてから2~3日後に
葉水 こまめに行う
時間帯 室温が上がった時間帯に

まとめ

フィロデンドロンは、日当たりと温度、水やりに気を付けて管理することで、元気に育てることができます。

特に、冬場の寒さには注意が必要です。

適切な環境で管理することで、フィロデンドロンは美しい葉を長く楽しむことができます。

4. フィロデンドロンの水やりと栄養管理

要約

水やり

フィロデンドロンは水を好む植物です。土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをしましょう。

また葉に霧吹きをして与える「葉水」も効果的です。

冬場は生育が鈍るので、水やりの回数を減らしてください。土の表面が乾いて数日経ったくらいが目安になります。

また空気が乾燥しているので、葉水は毎日与えても大丈夫です。

肥料

肥料は生育期の初期である春頃に緩効性肥料を与えましょう。

また生育期間中は、月に1~2回液体肥料を与えるのも効果的です。

肥料の与えすぎは徒長の原因となるので、与えすぎには注意してください。

肥料の種類
種類 特徴
緩効性肥料 2ヶ月に1回程度
液体肥料 1週間~10日に1回程度
有機肥料 コバエが発生しやすい
化成肥料 コバエの発生を抑える効果がある

季節ごとの管理

春から夏はフィロデンドロンの生育期になります。

春になって暖かくなって来たら徐々に水やりを増やしましょう。気温が10℃を上回るようになったら、屋外で管理しても大丈夫です。

夏場は生育が旺盛になるので、グングンと成長する姿が見えます。水切れと直射日光にだけは気を付けてください。

秋になり気温が下がってくると、徐々に生育が鈍くなってきます。水やりを減らし、気温が10℃を下回ったら室内に取り込みましょう。

季節ごとの管理
季節 ポイント
水やりを増やす
水切れに注意
水やりを減らす
水やりを控えめに、葉水を毎日

まとめ

フィロデンドロンは、生育期には十分な水やりと肥料が必要です。

冬場は生育が鈍るので、水やりと肥料を控えましょう。

季節の変化に合わせて、適切な管理をすることが大切です。

5. フィロデンドロンの繁殖方法

要約

挿し木

フィロデンドロンは、挿し木で増やすことができます。

適期は、暖かく湿度の高い5~8月です。

挿し木で増やすためには、株元の葉茎を切ります。白い樹液が流れなくなるまで、水で洗い流してください。

1時間ほど吸水させた後は、挿し木用の土に優しく植えて、土が乾かないように明るい日陰で管理します。

挿し木の方法
種類 手順
直立性 茎を株元から切る、水苔を巻き、土に挿す
ツル性 ツルを15cm程度切り、葉を2~3枚残して土に挿す

株分け

フィロデンドロンは、株元に子株もできます。

生育期の5~10月に、その子株を優しく分けて植え替えて増やすことも可能です。

株分けの方法
手順 ポイント
鉢から抜き、土を落とす 根を切る
株を分ける 葉芽が均等になるように
新しい鉢に植える 半日陰で管理

その他

フィロデンドロンは、種から育てることもできますが、種はほとんど流通していません。

そのため、挿し木や株分けで増やすのが一般的です。

まとめ

フィロデンドロンは、挿し木や株分けで簡単に増やすことができます。

新しいフィロデンドロンを手に入れるだけでなく、既存の株を増やすことで、より多くのフィロデンドロンを楽しむことができます。

挿し木や株分けに挑戦して、フィロデンドロンの世界を広げてみましょう。

6. フィロデンドロンの害虫と病気について

要約

害虫

フィロデンドロンには、ハダニやカイガラムシ、アブラムシ、ナメクジなどの害虫が発生することがあります。

これらの害虫は、フィロデンドロンの葉や茎を吸汁したり、食害したりするため、放置すると枯れてしまうこともあります。

害虫を見つけたら、すぐに駆除しましょう。

フィロデンドロンに発生しやすい害虫
害虫 特徴 対策
ハダニ 葉の裏側に潜み、吸汁する 葉水、殺虫剤
アブラムシ 葉や蕾を吸汁する 殺虫剤
カイガラムシ 葉や茎に寄生し、吸汁する 殺虫剤、ブラシでこすり落とす
ナメクジ 葉を食害する 誘引剤
ダンゴムシ 柔らかい部分を食害する 見つけ次第捕殺
バッタ 葉を食害する 捕殺、防虫ネット

病気

フィロデンドロンは、軟腐病にかかることがあります。

軟腐病は、じめじめした梅雨時期など高温多湿の環境下で発生する病気で、フィロデンドロンの傷口から細菌がはいることで観戦します。

軟腐病になると、フィロデンドロン内の栄養分を運ぶ道がふさがり、葉や茎が腐って枯れてしまいます。

軟腐病を見つけたら、ただちに病気の部分を切り取りましょう。

フィロデンドロンに発生しやすい病気
病気 症状 対策
軟腐病 葉や茎が黒く腐る 病気の部分を切り取る
葉腐病 葉が黒く枯れる 風通しをよくする

予防

害虫や病気の予防には、こまめな観察と適切な管理が大切です。

葉の裏側や茎をよく観察して、害虫や病気の兆候がないか確認しましょう。

また、風通しをよくしたり、乾燥気味に管理したりすることで、害虫や病気の発生を抑えることができます。

まとめ

フィロデンドロンは、害虫や病気にも注意が必要です。

こまめな観察と適切な管理をすることで、健康な状態を保つことができます。

もし、害虫や病気の発生に気づいたら、適切な対処を行いましょう。

参考文献

フィロデンドロンの種類|育て方、特徴は? | 観葉植物ペディア

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