項目 | 内容 |
---|---|
名前の由来 | ワライカワセミの英名から |
原産地 | ブラジル |
特徴 | 切れ込みの深い葉、太い幹、気根 |
生育環境 | 高温多湿 |
水やり | 土の表面が乾いたらたっぷりと |
肥料 | 春から初夏に遅効性肥料を少量 |
植え替え | 2~3年に一度、根詰まり時は早めに |
病害虫 | ハダニ、カイガラムシ、根腐れ |
対策 | 殺虫剤、葉水、風通し、水やり控えめ |
1. フィロデンドロンクッカバラとは何か
フィロデンドロンクッカバラの名前の由来
クッカバラは、フィロデンドロン属(Philodendron)に分類される植物の園芸品種のひとつで、正式名称をフィロデンドロン・ザナドゥ(Philodendron xanadu)といいます。フィロデンドロンという名前は、古代ギリシャ語で愛を意味するphiloと、木を意味するdendronを組み合わせたものです。つまり、フィロデンドロンは『愛する木』という意味を持つ植物なのです。クッカバラというのは園芸品種としての流通名で、オーストラリアに生息するワライカワセミという鳥の英名(Laughing kookaburra)にちなんで付けられたようです。この鳥の羽根を広げた姿に葉の形が似ているからクッカバラという名前がつけられたという話もありますが、真偽は定かではありません。なお、クッカバラという名前で多く出回っているのは日本のみのようで、海外ではクッカバラ(kookaburra)という名前で呼ばれることは少ないようです。
フィロデンドロンクッカバラの原産地
フィロデンドロンは南米と西インド諸島を原産地とする、熱帯地域に生きる植物です。そして、クッカバラとして親しまれるフィロデンドロン・ザナドゥは、ブラジル出身の植物。そのため、クッカバラを育てるにあたっては、できるだけ高温多湿を保つと調子よく育てることができます。ただし、クッカバラは非常に強健な植物ですので、あまり気にしすぎなくとも枯れることはありません。栽培に適した環境については、後ほどより詳しくお伝えします。ちなみに、クッカバラの名前の由来であるワライカワセミが住むオーストラリアにも多く輸入されており、園芸家の間で親しまれているようです。
クッカバラを購入する際のポイント
クッカバラに興味が出てきた方は、ぜひ通販サイトや生花店などで探してみましょう。クッカバラは株ごとに表情が異なり、ひとつひとつに個性がある植物。そのため、購入時に好みの株を探すのも楽しみのひとつになるでしょう。ただし、気に入った株を見つけたら、購入する前に以下の点を忘れずにチェックして、株が健康かどうか確かめてみてください。健康な株を手に入れることが、上手に育てるための第一歩です。
健康なクッカバラの葉は、深緑色をしています。葉の色が薄かったり葉が黄色くなっている株は、日照不足や寒さによって弱っている恐れがありますので、避けたほうが無難です。また、葉の色をチェックするのと同時に、葉の表面に虫が付いていないかも確認しておくとよいでしょう。葉の表面に付く虫は、ハダニやカイガラムシなどの害虫である恐れがありますので、こうした虫のついた株も避けるようにしてください。
サトイモ科の植物であるクッカバラは大きな株であるほど、まるでワサビのような太い幹(芋)が発達します。この幹の状態も、株の健康度を図る指標になりますので、購入時には注目してみましょう。根腐れなどの病気を発症している株は、幹が柔らかく腐ったようになる場合がありますので、こうした株は避けてください。また、太い幹に多くの葉が付いていて葉柄の部分が短くがっしりとしている株は、十分な日光を受けて健康に育っている株である場合が多いので、おすすめできます。
植物自体の健康度を確認するのに併せて、鉢が自分の生活スタイルに合っているかどうかもチェックすると、失敗はより少なくなります。小さい鉢は省スペースで置き場所を選びませんが、鉢内が乾くのが早く、頻繁に水やりをすることが難しい生活スタイルの人には向きません。反対に、大きな鉢は置き場所が限られる一方で、鉢内が乾きにくく、水やりの頻度は少なく済みます。また、鉢に受け皿が付属しているかどうかも確認しておくとよいでしょう。もちろん、植物と鉢を別々に購入して、後から自分の生活スタイルに合わせた鉢に植え替えるという方法もあります。
項目 | チェックポイント |
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葉 | 深緑色で、虫が付いていないか |
幹 | 太く、腐っていないか |
鉢 | サイズが適切か、受け皿があるか |
まとめ
クッカバラは、サトイモ科フィロデンドロン属に属する植物で、正式名称はフィロデンドロン・ザナドゥです。名前の由来は、オーストラリアに生息するワライカワセミの英名から来ており、葉の形がワライカワセミの羽根を広げた姿に似ていることから名付けられたと言われています。原産地はブラジルで、高温多湿な環境を好みます。
クッカバラを購入する際は、葉の色や状態、幹の状態、鉢のサイズなどを確認し、健康な株を選びましょう。
2. フィロデンドロンクッカバラの適した環境はどんなものか
温度
クッカバラの置き場所を決める際は、その場所がどれくらいの温度であるのか事前に確認しておくとよいでしょう。クッカバラの置き場所は、可能であれば冬場でも15℃程度を維持できる場所が理想的です。すでにご紹介した通り、クッカバラは熱帯性の植物ですので、温かい環境を好みます。そのため、極端に低い温度の場所では調子を崩しやすく、最悪の場合枯れてしまうこともあるのです。しかし、クッカバラは熱帯性の植物としては耐寒性に優れた一面もあり、最低5℃程度までは冷え込んでも生存する場合があるようです。ただし、これはあくまでもなんとか生存が可能というだけであって、健康に維持できる気温ではないことには注意してください。
光
クッカバラは、直射日光を避けて、なるべく明るいところで育てます。レースのカーテン越しの窓辺など、午前中だけ日が差す明るくあたたかいところが置き場所に適しています。日光が不足すると、葉が薄くなったり、茎が間伸びしたりして、観賞価値が下がってしまうので注意が必要です。
湿度
クッカバラは、高温多湿な環境を好みます。そのため、乾燥しやすい場所では、こまめな水やりや葉水を行う必要があります。特に、冬場は室内の暖房などで空気が乾燥しやすくなるので、注意が必要です。
まとめ
クッカバラは、熱帯性の植物なので、高温多湿な環境を好みます。温度は15℃以上を保ち、直射日光を避け、風通しの良い明るい場所で管理するのがおすすめです。
冬場は、室温が10℃以下にならないように注意し、乾燥を防ぐためにこまめな水やりや葉水を心がけましょう。
3. フィロデンドロンクッカバラの育て方のポイント
水やり
クッカバラの水やりは、季節によって頻度を調整することが大切です。春は暖かくなるにつれて徐々に成長しますので、成長の速度の様子を見つつ、用土が乾いたらすぐに水を与えましょう。最も旺盛に成長する夏場は、用度が乾く前にたっぷりと与えるようにします。秋は気温の低下とともに成長が緩やかになってきますので、様子を見ながら水やりの頻度を減らしていきましょう。冬場は成長が非常に遅くなりますので、それに合わせて水やりの頻度も落とします。冬は用土が乾いてから数日置いて水をやるくらいの低頻度にしてください。寒い時期に水をやりすぎると低温障害が出て株が弱ってしまう場合があるので、十分注意しましょう。
季節 | 頻度 |
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春 | 土が乾いたらすぐに |
夏 | 土が乾く前に |
秋 | 土が乾いてから数日後 |
冬 | 土が乾いてから数日後 |
肥料
クッカバラはそれほど多くの肥料を必要としないため、管理のしやすい観葉植物です。購入してきたクッカバラの用土にはすでに適度な肥料が施されている場合が多いので、基本的には肥料を与えなくても問題ありません。しかし、適切に肥料を与えることでより充実した株に育て上げることができますので、栽培に慣れてきたら肥料を与えてみてもよいでしょう。肥料を与えるのに適した時期は春から初夏にかけての、これから成長が旺盛になる直前の時期です。その時期にすでに元気よく成長を始めているようであれば、遅効性の肥料をやや少なめに与えておきます。クッカバラは過剰な肥料分を与えると肥料焼けを起こす場合がありますので、肥料のあげすぎに注意し、秋から冬の施肥は控えるようにしましょう。
植え替え
クッカバラは比較的成長が早く、育っていく姿を楽しめる観葉植物。しかし、成長が早い分根もよく発達し、しばしば根詰まりを起こしてしまうので注意しましょう。根詰まりとは鉢内に根が成長できるスペースがなくなってしまったときに起こるトラブルで、根詰まりを起こすと鉢内の水の通りが悪くなってしまいます。放置していると下葉が落ちるようになったり、水の通りが悪くなった箇所の根が枯れてしまったりする事態につながってしまうのです。水やりの際、与えた水がスムーズに用土に吸収されなくなったり、鉢底の穴から余分な水がしっかり出てこなくなったりしたら、根詰まりの恐れがあります。根詰まりが発生した場合、春から夏にかけてであれば、すぐに植え替えをするとよいでしょう。秋から冬の場合、置き場所に15℃以上の気温が確保できるならば植え替えをし、そうでない場合は春を待って植え替えをします。
ここでは、クッカバラの植え替えについて、ポイントを解説していきます。どれくらいの頻度で植え替えすべきか、用土はどうするか、時期はいつがよいかなどを、詳しく見ていきましょう。植え替えをすることで、根が育つための新しいスペースを与えることができ、株がさらに大きく成長することが期待できます。しかし、自然界では同じ場所で成長し続ける植物にとって、栽培下での植え替えはストレスのかかることでもあります。そのため、植え替えはあまり高頻度になりすぎないようにしなければなりません。クッカバラは、株に対しての鉢の大きさが十分であれば、2〜3年に一度ほど植え替えをしてあげれば問題ありません。ただし、根詰まりを起こしてしまった場合はより大きな鉢に早めに植え替えてあげるのがおすすめです。
植物は、成長期以外の時期に植え替えると、なかなか根付かずに調子を崩してしまうことがあります。そのため、植え替えはできるだけ15℃以上の気温が確保できる春から夏にかけて行いましょう。クッカバラは大変丈夫な植物ですので、用土もあまり気を使わずに選ぶことができます。市販の観葉植物のための培養土を用いてもよいですし、ハイドロカルチャー用の用土を用いるなどしても大丈夫です。ただし、肥料分が豊富に含まれている用土では肥料やけを起こす場合がありますので、そうした用土は避けた方が無難でしょう。
サイン | 対処法 |
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鉢底から根が出ている | 一回り大きな鉢に植え替え |
成長が遅く、元気がない | 一回り大きな鉢に植え替え |
葉の色が悪くなっている | 一回り大きな鉢に植え替え |
まとめ
クッカバラは、水やり、肥料、植え替えなど、適切な管理を行うことで、より健康に育てることができます。
水やりは、季節によって頻度を調整し、土の表面が乾いたらたっぷりと与えるようにしましょう。肥料は、春から初夏にかけて、遅効性の肥料をやや少なめに与えるのがおすすめです。
植え替えは、根詰まりを起こした時や、2~3年に一度を目安に行いましょう。植え替えの時期は、15℃以上の気温が確保できる春から夏にかけてが最適です。
4. フィロデンドロンクッカバラの特徴と姿形
葉の特徴
クッカバラの葉は、深い切れ込みが多数入り、エキゾチックな形状をしています。同じフィロデンドロン属のセロームとよく似ていますが、クッカバラの葉はセロームよりも小さく、厚みがあり硬いのが特徴です。また、クッカバラの葉には、最初から切れ込みが入っているのに対し、セロームの葉は成長するにつれて切れ込みが入っていきます。
特徴 | 説明 |
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切れ込み | 深い切れ込みが多数入り、エキゾチックな形状 |
大きさ | セロームよりも小さい |
厚み | セロームよりも厚みがあり硬い |
色 | 濃い緑色 |
幹の特徴
クッカバラは、成長すると太い幹(芋)が特徴的です。幹は、うねるような形で伸びていき、そのユニークな姿は、クッカバラの魅力の一つです。幹には、葉が落ちた跡が残る葉痕があり、これもまたクッカバラの個性的な特徴です。
気根
クッカバラは、成長するにつれて気根と呼ばれる根を出し、空気中の水分を吸収します。気根は、クッカバラ自身を支える役割を果たし、土に届くと土中の養分を吸収する根に変化します。この気根は、クッカバラの個性的な姿を作り出す重要な要素の一つです。
まとめ
クッカバラは、深い切れ込みが入ったエキゾチックな葉、太くうねるような幹、そして空気中の水分を吸収する気根と、他の観葉植物にはない独特な特徴を持つ植物です。
葉はセロームよりも小さく、厚みがあり硬く、最初から切れ込みが入っています。幹は芋状に太く、葉痕が特徴的です。気根は、クッカバラを支え、土中の養分を吸収する役割を果たします。
5. フィロデンドロンクッカバラの魅力を語る
個性的なルックス
クッカバラの魅力はなんと言っても、他の観葉植物にはない独特のルックスにあるでしょう。葉には深い切れ込みが多数入ってエキゾチックな形状となり、さらに太い幹からまるで足のように伸びる根も相まって、これ以上ないほどのユニークさを醸し出しています。こうした独特な葉や幹は、見せ方や飾り方の工夫次第で様々な雰囲気を演出してくれますので、自分好みのインテリアを作り出したいときにも重宝するでしょう。
育てやすさ
クッカバラは、比較的育てやすい観葉植物として知られています。耐陰性も強く、日当たりの悪い場所でも育てることができます。また、病害虫にも比較的強いので、初心者の方でも安心して育てることができます。
インテリア性の高さ
クッカバラは、その個性的なルックスから、インテリアとしても人気があります。存在感のある葉と幹は、お部屋にアクセントを加えてくれます。また、様々な鉢や飾り方と相性が良いので、自分好みの空間作りを楽しむことができます。
まとめ
クッカバラは、独特なルックス、育てやすさ、インテリア性の高さなど、多くの魅力を持つ観葉植物です。
個性的な葉と幹は、お部屋にアクセントを加え、エキゾチックな雰囲気を演出してくれます。また、比較的育てやすいので、初心者の方にもおすすめです。
6. フィロデンドロンクッカバラの病害虫対策
主な病害虫
クッカバラは、比較的病害虫に強い植物ですが、まれにハダニやカイガラムシが発生することがあります。ハダニは、葉の裏側に潜み、葉の汁を吸う小さな虫です。吸汁された葉は、白くかすれたような斑点になり、放置すると枯れてしまうことがあります。カイガラムシは、葉や茎に付着し、植物の汁を吸う害虫です。吸汁された部分は、黒く変色したり、カビが生えたりすることがあります。
害虫 | 特徴 |
---|---|
ハダニ | 葉の裏側に潜み、葉を白くかすれさせる |
カイガラムシ | 葉や茎に付着し、吸汁する |
根腐れ | 土が常に湿っていることで発生 |
対策方法
ハダニやカイガラムシが発生した場合は、市販の殺虫剤を使用するか、水で洗い流すことで駆除することができます。予防としては、定期的に葉水を行い、乾燥を防ぐことが大切です。また、風通しの良い場所に置くことも、病害虫の発生を防ぐ効果があります。
根腐れ
クッカバラは、水やりを控えめに管理することが大切です。水やりを頻繁に行うと、土が常に湿った状態になり、根腐れを起こす可能性があります。根腐れを起こすと、葉が黄色くなったり、しおれたり、最悪の場合枯れてしまいます。
まとめ
クッカバラは、病害虫に比較的強い植物ですが、ハダニやカイガラムシが発生することがあります。
病害虫の発生を防ぐためには、定期的な葉水、風通しの良い場所への設置、乾燥状態の維持などが重要です。
根腐れを防ぐためには、水やりを控えめにし、土の表面が乾いてから数日後に水を与えるようにしましょう。
参考文献
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・フィロデンドロン・クッカバラの特徴や育て方、増やし方など …
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