ブラジリアとは？世界遺産についての解説

ブラジリアの概要
項目	内容
首都	ブラジリア
国	ブラジル
人口	約300万人
面積	5,814平方キロメートル
標高	約1,100メートル
気候	高原性で温暖
言語	ポルトガル語
通貨	レアル
時差	日本との時差は12時間
世界遺産登録年	1987年

1. ブラジリアの歴史と由来

ブラジリアが首都になった背景

ブラジルは、ポルトガルの植民地から独立した頃から（ブラジリア建設以降、現代に至るまでも含め）旧首都であるリオデジャネイロやブラジル最大の都市であるサンパウロといった大都市が存在する大西洋沿岸部に人口や産業が集中している。そのため、内陸の高原部との間で所得などの面で大幅な格差があり、既に19世紀頃からその解消と、その方策としての内陸部遷都が叫ばれていた。

20世紀に入ってからも、何度か内陸遷都が検討されながらも度重なる政変や第二次世界大戦の勃発などで具体的な形にならないままでいたが、1956年に大統領に当選したジュセリーノ・クビチェック（ジュセリーノ・クビシェッキ）は、新首都建設で内陸部の開発とそれによる国土の均衡的発展を企図し、正式に新都市の建設とリオデジャネイロからの遷都を発表した。

インドのチャンディーガルと並び、モダニズムの理念に基づいて計画的に建設された都市で、工事はクビチェックの任期である5年以内に間に合うよう、急ピッチで進められわずか41か月間（約3.5年）で完成。1960年4月21日に供用を開始した。

この新首都の建設によって内陸部の開発が進んだが、その一方で、莫大な建設費はブラジルの国家財政に大きな負担となって残り、1970年代から1980年代にかけてブラジルを襲った経済不振と高インフレの大きな原因の一つとなったとの評価もある。

ブラジリア遷都の背景
問題点	対策
沿岸部への人口集中	内陸部の開発促進
経済格差	首都移転による均衡発展
ポルトガルからの独立	統一民族国家としてのアイデンティティ確立

ブラジリアの都市計画

ブラジル高原の荒涼とした未開の大地（セラード）に建設された計画都市。ブラジル人建築家ルシオ・コスタの設計により建設された計画都市地域は、人造湖であるパラノア湖のほとりに飛行機が翼を広げた形をしており、飛行機の機首の部分に国会議事堂や連邦最高裁判所などの政府機関が並び、翼の部分には高層住宅や各国の大使館がある。

国会議事堂や大聖堂などの主要建造物は、いずれもモダニズムの流れを受けた未来的なデザインで作られている。これらの公共建築の主任建築家は、ニューヨーク市の国際連合本部ビルの設計も担当したブラジル人建築家オスカー・ニーマイヤーである。

ブラジリアは、都市計画家ルシオ・コスタと建築家オスカー・ニーマイヤーによって設計された壮大なプロジェクトの一環で、都市全体が人類最高の芸術的な創造物であるという点。

ブラジリアは、20世紀のユニークな都市計画であり、モダニズム建築の都市原理を表現したものであるということ。

ブラジリアの都市計画
設計	担当者
都市全体	ルシオ・コスタ
主要建造物	オスカー・ニーマイヤー

ブラジリアの地理と気候

ブラジリアの地理と気候
地理	内容
位置	ブラジル高原の中央部
地形	なだらかな起伏に富む
水資源	地下水が豊富
気候	高原性で温暖
気温	年平均19～20℃
降水量	年平均1,500～2,000mm

まとめ

ブラジリアは、ブラジルの中西部にあるブラジル高原の未開の地に築かれた計画都市であり、20世紀に築かれた近代都市の代表でもあります。

1950年代、ジュセリーノ・クビチェック・デ・オリヴェイラ大統領が経済的に遅れていたブラジル中西部に「新都ブラジリア計画」を立ち上げました。これにより1956〜1960年の間に建設され、なんと4年で完成。そして、1960年に当時の首都であったリオ・デ・ジャネイロからブラジリアへと遷都しました。

ブラジリアは、20世紀のユニークな都市計画であり、モダニズム建築の都市原理を表現したものであるということ。

2. ブラジリアの建築物とデザイン

オスカー・ニーマイヤーの建築

ブラジリアの建築物の中でも特に有名なのが、ブラジルを代表する建築家オスカー・ニーマイヤーの作品です。ニーマイヤーは、ニューヨークの国連本部をデザインしたことでも知られており、ブラジリアの建築物には、彼の特徴的な曲線美が随所に生かされています。

ニーマイヤーは、ブラジリアの都市計画に携わったルシオ・コスタと共に、ブラジリアの建築デザインを牽引しました。彼の作品は、モダニズム建築の代表例として、世界中から注目を集めています。

ブラジリアの建築物は、単に美しいだけでなく、機能性も重視されています。例えば、ブラジリア大聖堂は、16本のコンクリート柱によって支えられたドーム状の建造物で、内部には4000人も収容できる広大な空間があります。

また、大統領府であるプラナルト宮は、7000平方メートルという広大な敷地に建ち、地下室を含めた3つのフロアで構成されています。ニーマイヤーは、建築を通して、ブラジルの未来への希望を表現したと言われています。

オスカー・ニーマイヤーの代表作
建築物	特徴
国会議事堂	2つの半円球型が印象的
ブラジリア大聖堂	16本のコンクリート柱が特徴
大統領府	白いスロープが特徴
アルボラーダ宮殿	パラノア湖畔に位置する
ドン・ボスコ教会	青いステンドグラスが美しい
連邦最高裁判所	目隠しの像が有名

ブラジリアの都市デザイン

ブラジリアは、飛行機が翼を広げたような形をしています。これは、都市計画家ルシオ・コスタが考案した「パイロット・プラン」と呼ばれるもので、街の中心部には政府機関が集まる「三権広場」があり、そこから放射状に道路が伸びています。

飛行機の機頭あたりには大統領府や最高裁判所、連邦会議議事堂などが集まる「三権広場」があり、官公庁エリアとなっています。そして、胴体の部分は商業と文化地区になっていて、翼の部分に住宅地やホテルなどが並ぶといった構造に。

街の中心部にある建築物は、1950〜1960年代の前衛的な建築物が多く、まるで未来都市のよう。

そして、居住区は、一つのブロック内に学校や商店、公園、教会が広がっていて、居住区内だけで生活ができるような構造になっているのが特徴。自動車道も立体交差になっているので、信号が少なく、車での移動が基本となっています。

ブラジリアの都市デザイン
デザイン	内容
全体	飛行機が翼を広げた形
中心部	政府機関が集まる三権広場
胴体部分	商業と文化地区
翼部分	住宅地やホテル
道路	立体交差が多く信号が少ない

ブラジリアの建築の特徴

ブラジリアの建築物は、モダニズム建築の特徴である、シンプルで機能的なデザインが特徴です。また、自然光を効果的に取り入れた設計や、開放的な空間作りも特徴です。

ブラジリアの建築物は、コンクリートやガラスなどの素材を多く使用しており、近代的な雰囲気を醸し出しています。また、曲線や斜線などを効果的に用いることで、ダイナミックな印象を与えています。

ブラジリアの建築物は、単に美しいだけでなく、ブラジルの文化や歴史を反映したデザインとなっています。例えば、ブラジリア大聖堂は、キリストのいばらの冠をモチーフにしたデザインで、ブラジルの宗教的な伝統を表現しています。

ブラジリアの建築物は、世界中の建築家に影響を与え、現代建築の発展に大きく貢献しました。

ブラジリア建築の特徴
特徴	内容
デザイン	シンプルで機能的
素材	コンクリートやガラス
空間	開放的で自然光を取り入れる
文化	ブラジルの文化や歴史を反映
影響	世界中の建築家に影響を与えた

まとめ

ブラジリアは、モダニズム建築の傑作が数多く存在する都市として知られています。

オスカー・ニーマイヤーやルシオ・コスタといった巨匠たちの作品は、ブラジリアの街並みを特徴付ける重要な要素となっています。

ブラジリアの建築物は、単に美しいだけでなく、機能性や環境への配慮も考慮されています。

ブラジリアの建築は、現代建築の新たな可能性を示すものであり、世界中の建築家に影響を与え続けています。

3. ブラジリアの世界遺産登録の背景

世界遺産登録の基準

ブラジリアは、1987年に世界遺産に登録されました。

世界遺産登録基準のうち、以下の条件を満たし、登録された（以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用である）。

登録基準（i）ブラジリアは、都市計画家ルシオ・コスタと建築家オスカー・ニーマイヤーによって設計された壮大なプロジェクトの一環で、都市全体が人類最高の芸術的な創造物であるという点。

登録基準（iv）ブラジリアは、20世紀のユニークな都市計画であり、モダニズム建築の都市原理を表現したものであるということ。

世界遺産登録基準
基準	内容
(i)	人間の創造的才能を表す傑作
(iv)	歴史上の重要な段階を物語る建築物

世界遺産登録の意義

都市まるごと世界遺産というのはよくありますが、計画都市そのものが評価されるというのはかなりレアではあります。

そして、ここは合理的な造形理念に基づくモダニズム建築を最大限に施した壮大な作品であるというもポイント。

ブラジリアは、世界遺産に登録されたことで、その建築や都市計画の価値が世界的に認められました。

また、ブラジリアは、世界遺産登録を通じて、その歴史や文化を後世に伝える役割を担っています。

世界遺産登録の影響

ブラジリアは、世界遺産に登録されたことで、観光客の増加が見られました。

また、世界遺産登録は、ブラジリアの都市開発や環境保護にも大きな影響を与えました。

ブラジリアは、世界遺産登録を機に、その歴史や文化をより深く理解するための取り組みが進められています。

ブラジリアは、世界遺産登録を通じて、国際的な知名度を高め、世界中の都市から注目されるようになりました。

まとめ

ブラジリアは、世界遺産登録によって、その建築や都市計画の価値が世界的に認められました。

世界遺産登録は、ブラジリアの観光や都市開発、環境保護に大きな影響を与え、ブラジリアの未来を大きく変えました。

ブラジリアは、世界遺産登録を通じて、その歴史や文化を後世に伝える役割を担い、世界中の都市から注目されるようになりました。

ブラジリアは、世界遺産登録によって、その価値を再認識され、世界中の都市から学びと刺激を与え続ける存在となりました。

4. ブラジリアの文化と人々

ブラジリアの文化

ブラジリアは、計画都市として建設されたため、歴史的な街並みは少ないですが、現代的な文化が発展しています。

ブラジリアには、美術館や劇場、音楽ホールなど、文化施設が充実しており、様々な芸術に触れることができます。

ブラジリアは、ブラジルの政治の中心地であるため、政治に関するイベントや展示会なども多く開催されています。

ブラジリアは、国際的な都市であるため、様々な国の文化に触れることができます。

ブラジリアの文化
文化	内容
芸術	美術館、劇場、音楽ホールなど
政治	政治に関するイベントや展示会
国際性	様々な国の文化に触れることができる

ブラジリアの人々

ブラジリアの人々は、明るくフレンドリーな人が多く、観光客にも親切です。

ブラジリアは、計画都市として建設されたため、人種や民族の構成が比較的均等です。

ブラジリアの人々は、教育レベルが高く、知的で洗練された人が多いと言われています。

ブラジリアの人々は、新しいものや変化に対してオープンな姿勢を持っています。

ブラジリアの人々
特徴	内容
性格	明るくフレンドリー
人種	比較的均等
教育レベル	高い
価値観	新しいものや変化に対してオープン

ブラジリアの生活

ブラジリアは、計画都市として建設されたため、街並みは整然としており、生活しやすい環境です。

ブラジリアは、交通網が整備されており、市内を移動しやすいです。

ブラジリアは、ショッピングセンターやレストランなど、生活に必要な施設が充実しています。

ブラジリアは、治安が比較的安定しており、安心して生活できる街です。

ブラジリアの生活
生活	内容
街並み	整然としている
交通	交通網が整備されている
施設	生活に必要な施設が充実
治安	比較的安定している

まとめ

ブラジリアは、現代的な文化が発展し、人々が暮らしやすい街です。

ブラジリアは、国際的な都市であり、様々な文化に触れることができます。

ブラジリアは、計画都市として建設されたため、街並みは整然としており、生活しやすい環境です。

ブラジリアは、ブラジルの政治の中心地であり、ブラジルの未来を担う重要な都市です。

5. ブラジリアの観光名所と見どころ

国会議事堂

国会議事堂は、ブラジリアのシンボル的な存在であり、オスカー・ニーマイヤーによって設計されました。

2つの半円球型が印象的な建物は、上院と下院の議場をそれぞれ表しています。

内部は見学可能ですが、受付で予約が必要となります。

展示室や休憩所は予約なしで入ることができ、休憩所では無料で国会議事堂のハガキをもらうことができます。

国会議事堂
項目	内容
設計	オスカー・ニーマイヤー
特徴	2つの半円球型
見学	予約制
アクセス	市内バスでEixo Monyumental/Via N1下車徒歩10分

三権広場

三権広場は、ブラジリアの中心部に位置し、国会議事堂、大統領府、最高裁判所が建ち並ぶ広場です。

広場には、ブラジル国旗がはためき、ブラジリア建設に尽力した労働者を讃えた「労働戦士の像」や「目隠し裁判の像」などがあります。

三権広場は、ブラジリアの政治の中心地であり、ブラジルの民主主義の象徴となっています。

三権広場は、ブラジリアの観光客にとって必見のスポットです。

三権広場
項目	内容
位置	ブラジリアの中心部
建物	国会議事堂、大統領府、最高裁判所
像	労働戦士の像、目隠し裁判の像
アクセス	市内バスでPraca dos Tres Poderes下車徒歩5分

ブラジリア大聖堂

ブラジリア大聖堂は、オスカー・ニーマイヤーによって設計された、特徴的なデザインの教会です。

16本のコンクリート柱によって支えられたドーム状の建造物は、キリストのいばらの冠をモチーフにしています。

内部は、一面ステンドグラスで覆われており、光が差し込む幻想的な空間となっています。

ブラジリア大聖堂は、ブラジリアの宗教的な象徴であり、観光客に人気のスポットです。

ブラジリア大聖堂
項目	内容
設計	オスカー・ニーマイヤー
特徴	16本のコンクリート柱、ドーム状
内部	ステンドグラス、天使像
アクセス	市内バスでAvenida República下車徒歩1分