要素 | 説明 |
---|---|
宮殿 | スウェーデン王族の私邸。バロック様式とロココ様式が融合した建築。 |
庭園 | バロック式庭園、ロココ式庭園、イギリス式庭園の3つの様式が混在。 |
宮廷劇場 | 18世紀に建設され、現在も使用されている。 |
中国離宮 | ロココ様式と中華様式が融合した装飾が特徴。 |
世界遺産登録 | 1991年に「ドロットニングホルムの王領地」として登録。 |
1. ドロットニングホルムの歴史とは
16世紀の始まり
ドロットニングホルム宮殿の歴史は、16世紀に当時のスウェーデン王ヨハン3世が、王妃のカタリナ・ヤーゲロニカへのプレゼントとして建てた建物から始まります。ドロットニングホルムはスウェーデン語で「王妃の小島」を意味し、この名前からもわかるように、王妃との深い関係性が見て取れます。しかし、王妃は宮殿の完成を待たずに亡くなり、宮殿自体も1661年に火災により焼失してしまいます。
翌年の1662年にカール10世の王妃であり、カール11世の母后でもあるヘドヴィヒ・エレオノーラによって再建が計画されました。建築家のニコデムス・テッシン親子によって建設が行われ、バロック様式が加えられた形で1686年に完成しました。ちなみに、ニコデムス・テッシン親子は現在のスウェーデン王室の公邸であるストックホルム宮殿の建築家としても知られています。
その後、18世紀のロヴィーサ・ウルリカ王妃の代にもドロットニングホルム宮殿は大きな転機を迎えます。1744年には、皇太子アドルフ・フレドリクとプロイセン女王ロヴィーサ・ウルリカの結婚式がドロットニングホルム宮殿で行われました。その際、当時のスウェーデンのフレドリク1世が結婚祝いとしてドロットニングホルム宮殿をロヴィーサ王妃に与えたことがあります。
ロヴィーサ・ウルリカ王妃は啓蒙主義思想を持ち、芸術などの教養に優れた才女でもありました。宮殿の城主となったロヴィーサ王妃は、宮殿の大規模な改修を行います。まず、宮殿内部の装飾として、繊細な曲線美を多用するフランス発祥のロココ様式を取り入れました。また、劇場の増築や美術品の収集、庭園の整備など、宮殿の文化的発展にも大きく寄与しました。こうしたロヴィーサ王妃の計画により、現在のドロットニングホルム宮殿が完成したとされています。
時期 | 人物 | 出来事 |
---|---|---|
16世紀 | ヨハン3世 | 王妃へのプレゼントとして建設 |
1662年 | ヘドヴィヒ・エレオノーラ | 火災後の再建開始 |
1686年 | ニコデムス・テッシン親子 | バロック様式を取り入れた宮殿完成 |
1744年 | ロヴィーサ・ウルリカ | 結婚祝いに宮殿を贈呈され、改修開始 |
18世紀の黄金時代
1744年にプロイセンの王女、ロビーサ・ウーリカがアドルフ・フレドリック皇太子と結婚された時の祝いとして宮殿を世襲されました。この時代に宮廷劇場も建造され、ドロットニングホルム宮殿の黄金時代です。1777年に国がドロットニングホルム宮殿を購入した事により、グスタブ3世が譲渡され宮殿に居住しました。グスタブ3世時代にバロック宮殿とフランス庭園をとりまいているイギリス庭園が造園されています。
ロヴィーサ・ウルリカ王妃は啓蒙主義思想を持ち、芸術などの教養に優れた才女でもありました。宮殿の城主となったロヴィーサ王妃は、宮殿の大規模な改修を行います。まず、宮殿内部の装飾として、繊細な曲線美を多用するフランス発祥のロココ様式を取り入れました。また、劇場の増築や美術品の収集、庭園の整備など、宮殿の文化的発展にも大きく寄与しました。
1771年に国王となったグスタフ3世もこの宮殿を愛した王族の一人です。彼の死後この宮殿は長い間使われることはありませんでした。貴族より市民や農民の事を大事にする姿勢を貫いた彼は1792年3月16日にストックホルムのオペラ座で、貴族の手によって銃で暗殺されました。この事件はジュゼッペ・ヴェルディ作曲のオペラ「仮面舞踏会」の題材となりました。
グスタフ3世は、子供の頃からドロットニングホルムに滞在することを高く評価していました。1754年8月、彼は両親に次のように語ってくれました。「昨夜ギャラリーを兄弟たちと走った後、リネーウス医師に動物のことを話してほしいといいました。リネーウス医師は食べられてしまった蚊や鳥のことや白鳥やペリカンそしてアシカのことを話してくれました。」数日後グスタブ皇太子は、小生を相当喜ばせた女帝のコイン・キャビネットに行きローマ時代のメダルをご覧になりました。彼はまたフランス語で書いてある書物が好きで図書館で過ごす時間が好きでした。晴れた日の朝には庭園を歩いて中国宮殿まで散策されましたが、グスタブ皇太子は散歩が嫌いで「石のようなアラビアの砂」のような場所での散歩がいかにつまらないかということを表現されておられました。
時期 | 人物 | 出来事 |
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1744年 | ロヴィーサ・ウルリカ | 宮殿を世襲 |
1754年 | ロヴィーサ・ウルリカ | 宮廷劇場建設 |
1777年 | グスタフ3世 | 宮殿を譲渡され居住 |
1780年 | グスタフ3世 | イギリス庭園の造園 |
20世紀以降
1982年には、スウェーデン王カール16世がストックホルムにあった宮殿からドロットニングホルム宮殿に住まいを移しました。正確には、ドロットニングホルム宮殿は王族の私邸であり、公邸としては別に「ストックホルム宮殿」が利用されています。
そして、かつてのスウェーデン王族が織りなした歴史を後世に伝える重要な建造物として、1991年に「ドロットニングホルムの王領地」という名称で世界遺産に登録されました。世界遺産に登録されたのは、王族の居住地を除く王宮と、同じ敷地内にある宮廷劇場と庭園、中国離宮です。
現在では、スウェーデンが有する世界遺産として観光スポットとなっており、スウェーデン王室の居住地区を除く敷地が一般公開されています。ドロットニングホルム宮殿は、その荘厳で凛とした美しさから「北欧のヴェルサイユ宮殿」とも呼ばれています。
その理由は、宮殿の装飾や建築がフランスをはじめとする当時のヨーロッパの文化や建築様式に強い影響を受けているからです。有名なフランスの本家ヴェルサイユ宮殿も建築の際に参考にしたのだとか。宮殿の内部は一般公開されており、17世紀から18世紀にかけて施された品格ある装飾が見どころです。
時期 | 人物 | 出来事 |
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1982年 | カール16世 | ストックホルム宮殿からドロットニングホルム宮殿に移住 |
1991年 | スウェーデン政府 | ドロットニングホルムの王領地として世界遺産登録 |
まとめ
ドロットニングホルム宮殿は、16世紀にスウェーデン王ヨハン3世が王妃のために建てたことから始まり、その後、歴代のスウェーデン王妃たちによって改築が繰り返され、現在の形になりました。
18世紀には、ロヴィーサ・ウルリカ王妃が宮殿を改修し、フランス発祥のロココ様式を取り入れました。また、劇場の増築や美術品の収集、庭園の整備など、宮殿の文化的発展にも大きく寄与しました。
1982年には、スウェーデン王カール16世がストックホルムにあった宮殿からドロットニングホルム宮殿に住まいを移しました。
ドロットニングホルム宮殿は、その荘厳で凛とした美しさから「北欧のヴェルサイユ宮殿」とも呼ばれています。宮殿の装飾や建築は、フランスをはじめとする当時のヨーロッパの文化や建築様式に強い影響を受けています。
2. ドロットニングホルムの建築様式と特徴
バロック様式
ドロットニングホルム宮殿は、イタリアやフランスの建築から影響を受けたバロック様式の宮殿です。薄い黄色の壁がとても華やかな印象で、北欧のベルサイユと表現されるのに納得するほどの、広大な庭園、豪華絢爛な宮殿を誇ります。
バロック様式は、17世紀初頭にイタリアで生まれた建築様式で、対称性や装飾性を重視した華麗な建築様式です。ドロットニングホルム宮殿では、バロック様式の建築様式が、宮殿の外観だけでなく、内装にも見られます。
例えば、宮殿の正面玄関には、大きな柱が立ち並び、その上に彫刻が施されています。また、宮殿内部には、豪華な装飾が施された部屋が数多く存在します。
バロック様式は、当時のヨーロッパ社会の権威や威厳を表す建築様式として、多くの宮殿や教会に採用されました。ドロットニングホルム宮殿も、スウェーデン王室の権威と威厳を表す建築物として、バロック様式が採用されたと考えられます。
特徴 | 説明 |
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対称性 | 左右対称なデザイン |
装飾性 | 彫刻や絵画などの装飾を多く用いる |
壮大さ | 大きな空間や豪華な装飾で威圧感を与える |
遠近法 | 奥行きを感じさせる空間設計 |
ロココ様式
ドロットニングホルム宮殿は、バロック様式の影響を受けた建築様式ですが、18世紀のロヴィーサ・ウルリカ王妃の時代に、フランス発祥のロココ様式を取り入れた改修が行われました。
ロココ様式は、バロック様式よりもさらに装飾性を重視した建築様式で、曲線美や華やかさを特徴としています。ドロットニングホルム宮殿では、ロココ様式の装飾が、宮殿内部の部屋や家具に見られます。
例えば、宮殿の内部には、ロココ様式の家具や彫刻が置かれ、壁には、ロココ様式の絵画が飾られています。また、宮殿の庭園にも、ロココ様式の噴水や彫刻が設置されています。
ロココ様式は、バロック様式よりもさらに華やかで、優雅な印象を与えます。ドロットニングホルム宮殿では、バロック様式とロココ様式が融合した、独特の建築様式を見ることができます。
特徴 | 説明 |
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曲線美 | 曲線を用いた優美なデザイン |
華やかさ | 明るい色使いや装飾で華やかさを演出 |
遊び心 | 軽快で遊び心のあるデザイン |
自然モチーフ | 貝殻や花などの自然モチーフを装飾に用いる |
中国離宮
ドロットニングホルム宮殿の敷地内には、中国離宮(Kina Slott)と呼ばれる個性的な建物があります。
中国離宮は、1753年にアドルフ・フレドリックがロヴィーサ・ウルリカ王妃に誕生日プレゼントとして送った建物です。フランス発祥のロココ様式とアジアンチックな中華様式が混在した装飾が特徴です。
当時ヨーロッパでは中国風のデザインを取り入れた「シノワズリ」と呼ばれる美術様式がブームとなっており、中国離宮はシノワズリとロココ調の装飾が融合した独特な建物なのです。
中国離宮は、ヨーロッパとアジアの文化が融合した建築様式と言えるでしょう。ドロットニングホルム宮殿の敷地内にある中国離宮は、当時のヨーロッパの人々の中国文化への関心の高さを物語っています。
特徴 | 説明 |
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シノワズリ | 中国風のデザインを取り入れた美術様式 |
ロココ調 | フランス発祥の華麗な装飾様式 |
融合 | シノワズリとロココ調の装飾が融合した独特な様式 |
まとめ
ドロットニングホルム宮殿は、バロック様式とロココ様式が融合した、独特の建築様式を見ることができます。
宮殿の内部には、豪華な装飾が施された部屋が数多く存在し、フランス発祥のロココ様式の家具や彫刻が置かれ、壁には、ロココ様式の絵画が飾られています。
また、宮殿の敷地内には、中国離宮(Kina Slott)と呼ばれる個性的な建物があります。中国離宮は、フランス発祥のロココ様式とアジアンチックな中華様式が混在した装飾が特徴です。
ドロットニングホルム宮殿は、ヨーロッパとアジアの文化が融合した建築様式を見ることができる、魅力的な宮殿です。
3. ドロットニングホルムの庭園と美術品
庭園
ドロットニングホルム宮殿の正面に位置するバロック式庭園は華やかな噴水や彫刻がとても幻想的。庭園の奥は、一度入ると出口を見つけるのが難しい迷路のような空間になっています。
広大な敷地を散策していると、とても個性的な建物と出会うことができます。その名も中国離宮(Kina Slott)。
当時ヨーロッパでは中国風のデザインを取り入れた「シノワズリ」と呼ばれる美術様式がブームとなっており、中国離宮はシノワズリとロココ調の装飾が融合した独特な建物なのです。
一度見ると忘れられない個性的な魅力が溢れています。時間があれば、庭園の北に位置するイギリス式庭園の奥まで進んで見ましょう!完璧に設計されたバロック式の庭園と比べて、自然の美しさを追及したイギリス式庭園は、「庭」というよりは「森」と表現したくなるほど、のどかでリラックスできる場所。
庭園 | 特徴 |
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バロック式庭園 | 華やかな噴水や彫刻、迷路のような空間 |
イギリス式庭園 | 自然の美しさを追及したのどかな空間 |
中国離宮 | シノワズリとロココ調の装飾が融合した建物 |
美術品
ドロットニングホルム宮殿は、その荘厳で凛とした美しさから「北欧のヴェルサイユ宮殿」とも呼ばれています。
その理由は、宮殿の装飾や建築がフランスをはじめとする当時のヨーロッパの文化や建築様式に強い影響を受けているからです。
有名なフランスの本家ヴェルサイユ宮殿も建築の際に参考にしたのだとか。宮殿の内部は一般公開されており、17世紀から18世紀にかけて施された品格ある装飾が見どころです。
宮殿内部が一部公開されており、フランスの影響を受けたロココ調の美しい家具や内装を見る事ができます。
美術品 | 説明 |
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ロココ調家具 | フランスの影響を受けた美しい家具 |
内装 | 17世紀から18世紀にかけて施された品格ある装飾 |
中国陶器 | 中国離宮に展示されている陶器 |
漆工芸品 | 中国離宮に展示されている漆工芸品 |
中国離宮
中国離宮は、1753年にアドルフ・フレドリックがロヴィーサ・ウルリカ王妃に誕生日プレゼントとして送った建物です。
フランス発祥のロココ様式とアジアンチックな中華様式が混在した装飾が特徴です。現在でも内部を見学することができ、中国の陶器や漆工芸品などが展示されています。
中国離宮ができた1753年当時、世界初の株式会社としても有名な東インド会社がスウェーデンにも設立されました。そして東インド会社の設立を契機に、スウェーデン国内に中国文化が輸入され、一躍流行となったのです。
当時のスウェーデンでブームだった中華装飾を取り入れた中国離宮は、芸術や文化に精通していたロヴィーサ王妃もプレゼントされた際には大いに喜んだそうです。
まとめ
ドロットニングホルム宮殿の庭園は、フランスのバロック様式、ロココ様式、イギリス様式という3つの様式が1つの敷地内に混在している点が挙げられます。
時代も様式も異なる3つの様式からなる庭園は、各国から文化や芸術を取り入れ発展してきたドロットニングホルム宮殿の歴史的歩みが表れているようです。
ドロットニングホルム宮殿は、その荘厳で凛とした美しさから「北欧のヴェルサイユ宮殿」とも呼ばれています。
宮殿の内部は一般公開されており、17世紀から18世紀にかけて施された品格ある装飾が見どころです。また、中国離宮は、フランス発祥のロココ様式とアジアンチックな中華様式が混在した装飾が特徴です。
4. ドロットニングホルムの世界遺産登録経緯
世界遺産登録
ドロットニングホルム宮殿は、スウェーデン王族の由緒ある私邸であり、公邸としては別に「ストックホルム宮殿」が利用されています。
そして、かつてのスウェーデン王族が織りなした歴史を後世に伝える重要な建造物として、1991年に「ドロットニングホルムの王領地」という名称で世界遺産に登録されました。
世界遺産に登録されたのは、王族の居住地を除く王宮と、同じ敷地内にある宮廷劇場と庭園、中国離宮です。
現在では、スウェーデンが有する世界遺産として観光スポットとなっており、スウェーデン王室の居住地区を除く敷地が一般公開されています。
登録基準
ドロットニングホルムの王領地は、世界遺産登録基準のうち、以下の条件を満たし、登録されました。
(iv) ドロットニングホルムの王領地は、西欧や北欧における王宮の中でもスウェーデンで18世紀に建造された王宮の優れた例であり、ヴェルサイユ宮殿に影響を受けたヨーロッパの建築物の代表的なものであるという点。
ドロットニングホルムは宮殿だけでなく、離宮や庭園、劇場などで構成され、これはヴェルサイユで影響を受け、ヨーロッパで建造された王宮の中でも代表格であるという点で評価されています。
ちなみに、ロヴィーサ・ウルリカは当時のプロイセン王フリードリヒ大王の妹であることから、啓蒙主義に没頭したという経緯もあります。当時のスウェーデン国内では貴族や官僚などが政治を牛耳っていたため、クーデターを企てて失脚するというほどにエネルギッシュな人物だったのですが、野心家過ぎて最終的には親子関係にもヒビが入ってしまいました。
基準 | 説明 |
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(iv) | ヨーロッパの建築物の代表的な例であり、ヴェルサイユ宮殿に影響を受けた |
登録理由
ドロットニングホルム宮殿は、スウェーデン王族の由緒ある私邸であり、公邸としては別に「ストックホルム宮殿」が利用されています。
そして、かつてのスウェーデン王族が織りなした歴史を後世に伝える重要な建造物として、1991年に「ドロットニングホルムの王領地」という名称で世界遺産に登録されました。
世界遺産に登録されたのは、王族の居住地を除く王宮と、同じ敷地内にある宮廷劇場と庭園、中国離宮です。
現在では、スウェーデンが有する世界遺産として観光スポットとなっており、スウェーデン王室の居住地区を除く敷地が一般公開されています。
まとめ
ドロットニングホルム宮殿は、スウェーデン王族の由緒ある私邸であり、公邸としては別に「ストックホルム宮殿」が利用されています。
そして、かつてのスウェーデン王族が織りなした歴史を後世に伝える重要な建造物として、1991年に「ドロットニングホルムの王領地」という名称で世界遺産に登録されました。
世界遺産に登録されたのは、王族の居住地を除く王宮と、同じ敷地内にある宮廷劇場と庭園、中国離宮です。
現在では、スウェーデンが有する世界遺産として観光スポットとなっており、スウェーデン王室の居住地区を除く敷地が一般公開されています。
5. ドロットニングホルムでの観光のポイント
宮殿
ドロットニングホルム宮殿は、その荘厳で凛とした美しさから「北欧のヴェルサイユ宮殿」とも呼ばれています。
その理由は、宮殿の装飾や建築がフランスをはじめとする当時のヨーロッパの文化や建築様式に強い影響を受けているからです。
有名なフランスの本家ヴェルサイユ宮殿も建築の際に参考にしたのだとか。宮殿の内部は一般公開されており、17世紀から18世紀にかけて施された品格ある装飾が見どころです。
宮殿内部が一部公開されており、フランスの影響を受けたロココ調の美しい家具や内装を見る事ができます。
見どころ | 説明 |
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バロック様式とロココ様式の融合 | 華麗な装飾と品格ある雰囲気 |
フランスの影響を受けた内装 | ロココ調の美しい家具や内装 |
カール11世のギャラリー | 当時の様子が描かれた絵画 |
ロヴィーサ・ウルリカ王妃の部屋 | フランス風ロココ様式の装飾 |
庭園
ドロットニングホルム宮殿の正面に位置するバロック式庭園は華やかな噴水や彫刻がとても幻想的。庭園の奥は、一度入ると出口を見つけるのが難しい迷路のような空間になっています。
広大な敷地を散策していると、とても個性的な建物と出会うことができます。その名も中国離宮(Kina Slott)。
当時ヨーロッパでは中国風のデザインを取り入れた「シノワズリ」と呼ばれる美術様式がブームとなっており、中国離宮はシノワズリとロココ調の装飾が融合した独特な建物なのです。
一度見ると忘れられない個性的な魅力が溢れています。時間があれば、庭園の北に位置するイギリス式庭園の奥まで進んで見ましょう!完璧に設計されたバロック式の庭園と比べて、自然の美しさを追及したイギリス式庭園は、「庭」というよりは「森」と表現したくなるほど、のどかでリラックスできる場所。
庭園 | 特徴 |
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バロック式庭園 | 華やかな噴水や彫刻、迷路のような空間 |
イギリス式庭園 | 自然の美しさを追及したのどかな空間 |
中国離宮 | シノワズリとロココ調の装飾が融合した建物 |
宮廷劇場
ロヴィーサ王妃は芸術分野に関心を寄せており、1754年には自らの宮殿の敷地内にドロットニングホルム宮廷劇場を建築します。
1762年には公演時に起きた火災により一部が焼失する事件もありました。その後、白色と青色を基調とした明るい装飾が特徴のグスタフィアン様式を取り入れながら、火災から4年後の1766年に劇場として再建しました。
ただ、更なる悲劇として、宮廷劇場を建築したロヴィーサ王妃の息子であるグスタフ3世が、1792年3月16日にストックホルムのオペラ座の舞踏会の最中に暗殺される事件がありました。
そして暗殺事件が起きたことがきっかけで、1800年には宮廷劇場は100年以上にわたって閉鎖されてしまいました。再び劇場として使用されるようになったのは、時代も20世紀に移り変わった1922年のことです。
見どころ | 説明 |
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18世紀当時の舞台装置 | 当時の雰囲気を味わえる |
オペラやバレエの上演 | 歴史的な劇場での鑑賞 |
グスタフィアン様式 | 白色と青色を基調とした明るい装飾 |
まとめ
ドロットニングホルム宮殿は、スウェーデン王族の由緒ある私邸であり、公邸としては別に「ストックホルム宮殿」が利用されています。
そして、かつてのスウェーデン王族が織りなした歴史を後世に伝える重要な建造物として、1991年に「ドロットニングホルムの王領地」という名称で世界遺産に登録されました。
世界遺産に登録されたのは、王族の居住地を除く王宮と、同じ敷地内にある宮廷劇場と庭園、中国離宮です。
現在では、スウェーデンが有する世界遺産として観光スポットとなっており、スウェーデン王室の居住地区を除く敷地が一般公開されています。
6. ドロットニングホルムへのアクセス方法
電車とバス
ドロットニングホルム宮殿へは、ストックホルム中心部から電車とバスを乗り継いで約40分程で行くことができます。
ストックホルム中央駅からメトロ18号線でBrommaplan駅まで約20分、バスでDrottningholmまで約10分、バス下車徒歩すぐです。
電車とバスを乗り継ぐ方法が一般的ですが、シーズン中に運行されるドロットニングホルムへのクルーズツアーはストックホルム観光の定番です。
クルーズツアーでは、ストックホルムの街並みやメーラレン湖の景色を楽しみながら、ドロットニングホルム宮殿へ向かうことができます。
交通機関 | 所要時間 | ルート |
---|---|---|
メトロ18号線 | 約20分 | ストックホルム中央駅からBrommaplan駅まで |
バス | 約10分 | Brommaplan駅からDrottningholmまで |
徒歩 | 数分 | バス停からドロットニングホルム宮殿まで |
フェリー
ストックホルム市内の港からドロットニングホルムまでフェリーで行くこともできます。
フェリーは、ストックホルム市庁舎近くにある港からドロットニングホルム行きのフェリーが、ストロッマ・ツーリズム社より運行されています。
料金は片道215SEK、往復は315SEKですが、Go ストックホルム・パスがあれば、それを提示するだけで乗船することができます。
ストックホルムからドロットニングホルムまで、運行の時間と時期によってルートが変わりますが、所要時間はおおむね1時間くらい。ドロットニングホルムまで、ちょっとした船旅が楽しめるのでおすすめです。
会社 | 料金 | 所要時間 |
---|---|---|
ストロッマ・ツーリズム社 | 片道215SEK、往復315SEK | 約1時間 |
Go ストックホルム・パス | 無料 | 約1時間 |
観光フェリー
ドロットニングホルム宮殿へは、ストックホルム中心部から電車とバスを乗り継いで約40分程で行くことができます。
ストックホルム中央駅からメトロ18号線でBrommaplan駅まで約20分、バスでDrottningholmまで約10分、バス下車徒歩すぐです。
電車とバスを乗り継ぐ方法が一般的ですが、シーズン中に運行されるドロットニングホルムへのクルーズツアーはストックホルム観光の定番です。
クルーズツアーでは、ストックホルムの街並みやメーラレン湖の景色を楽しみながら、ドロットニングホルム宮殿へ向かうことができます。
特徴 | 説明 |
---|---|
ストックホルムの街並みやメーラレン湖の景色 | 船旅を楽しめる |
定番の観光ルート | ストックホルム観光の定番 |
日本語ガイド | 日本語で説明してくれるツアーもある |
まとめ
ドロットニングホルム宮殿へは、ストックホルム中心部から電車とバスを乗り継いで約40分程で行くことができます。
ストックホルム中央駅からメトロ18号線でBrommaplan駅まで約20分、バスでDrottningholmまで約10分、バス下車徒歩すぐです。
電車とバスを乗り継ぐ方法が一般的ですが、シーズン中に運行されるドロットニングホルムへのクルーズツアーはストックホルム観光の定番です。
クルーズツアーでは、ストックホルムの街並みやメーラレン湖の景色を楽しみながら、ドロットニングホルム宮殿へ向かうことができます。
参考文献
・【スウェーデンの世界遺産】ドロットニングホルムの王領地 …
・ドロットニングホルムの王領地(スウェーデン) | 世界遺産 …
・スウェーデンの世界遺産・王妃の小島「ドロットニングホルム …
・スウェーデンが誇る世界遺産!ドロットニングホルムの王領地 …
・ドロットニングホルム宮殿(ドロットニングホルムキュウデン)と …
・ドロットニングホルム宮殿 – 北欧 在日スウェーデン大使館公認 …
・ドロットニングホルムの庭園(スウェーデン、ドロットニン …
・北欧のベルサイユ!スウェーデンの「ドロットニングホルム …
・【ドロットニングホルム宮殿】スウェーデン王が暮らす世界遺産