公募・売り出し価格とは?経済用語について説明

公募・売り出し価格に関する用語解説
用語 説明
公募価格 新規株式公開時、投資家が購入する価格
売出価格 既存株式を市場に売却する際の価格
IPO 新規株式公開。未上場企業が初めて株式を公開して上場すること
抽選公募 新規株式発行時に、応募者多数の場合は抽選で購入者を決定する公募方法
割当増資 既存株主に新しい株式を割り当てることで資金調達を行う方法
ブックビルディング方式 投資家の需要を事前に調査し、その結果に基づいて公募価格を決定する方法
競争入札方式 投資家が希望する価格を競って入札し、その結果に基づいて公募価格を決定する方法

1. 公募価格とは

要約

公募価格の定義

公募価格とは、新規に株式を公開する「IPO」や「公募」のときに、投資家が株式を購入する際の価格を指しています。募集価格と呼ぶこともあります。IPOや公募などは事前に購入者を募って株式を販売しますが、このときの販売価格を「公募価格」といいます。株式市場で売買されている「株価」とは異なる価格です。

また、売出しのときは「売出価格」といい、公募価格や売出価格を総称して「発行価格」や「公開価格」と呼ぶこともあります。

公募価格の種類
種類 説明
公募価格 新規株式公開時、投資家が購入する価格
売出価格 既存株式を市場に売却する際の価格
発行価格 公募価格と売出価格の総称
公開価格 新規株式公開時の価格

公募価格の決め方

公募価格の決め方は「ブックビルディング方式」と「競争入札方式」があります。現在は、一般的に「ブックビルディング方式」が用いられています。

ブックビルディング方式とは、簡単に説明すると投資家の需要を調べたうえで価格を決める方式となります。簡単に流れを紹介すると、以下のようになります。\n・仮条件の価格を投資家に提示する\n・投資家は提示された価格の範囲内で希望購入価格を申告する\n・正式な公募価格が決定する

仮条件の価格は「1

ちなみに競争入札方式は、投資家が希望価格を入札していき、その結果に基づき公募価格が決定されるものです。ブックビルディング方式とは違い、上限価格を設けないので価格が高騰しやすい傾向にあります。ブックビルディング方式が導入される以前は利用されていましたが、導入後は使われていない方式となります。

公募価格の決定方法
方法 説明
ブックビルディング方式 投資家の需要を事前に調査し、その結果に基づいて公募価格を決定する方法
競争入札方式 投資家が希望する価格を競って入札し、その結果に基づいて公募価格を決定する方法

公募価格で購入するメリット・デメリット

公募価格で購入するメリットやデメリットを紹介します。

・固定価格で買える\n・初値が公募価格を上回る\n・公募価格割れ

株を買うとき、通常なら株式市場を通して買うことになります。その場合、株価は常に変動しているので、買いたいときにすぐ買えなかったり、想定外の価格で買ってしまうケースもあります。ですが、公募価格の場合は、その固定された価格で株を買うことができます。市場外で申込と購入を行うので、株式市場で買うよりも安定した環境で株式を取得することができます。

IPO株は人気があるため、初値が公募価格を上回るケースも多いです。そのため、公募価格でIPO株を買うことができれば、大きな利益を得られる可能性があります。但し、IPO株は簡単に買えないというデメリットもあります。IPO株を公募価格で買うには抽選に当選する必要があるのですが、人気が高い銘柄ほど倍率は高くなります。つまり、当選確率が低くなってしまい、簡単には買えないという状態になってしまいます。公募価格で購入するデメリットとして公募価格割れがあります。公募価格割れとは、初値が公募価格を下回ることをいいます。つまり、公募価格で買った場合に損失を抱えてしまうことになります。IPOの場合は初値が公募価格を上回ることも多いですが、これは絶対はではなく下回ることもあります。また、公募増資などが行われると「株式の希薄化」などによって、売り圧力が強まりやすくなります。そのため、初値が公募価格を下回ってスタートすることもあります。

公募価格で購入するメリット・デメリット
項目 メリット デメリット
価格 固定価格で購入できる 公募価格割れの可能性がある
入手難易度 安定した環境で株式を取得できる 人気銘柄は当選確率が低い
利益 初値が公募価格を上回る可能性がある 初値が公募価格を下回る可能性もある

まとめ

公募価格は、新規に株式を公開する際に投資家が購入する価格であり、IPOや公募において重要な役割を果たします。

公募価格は、ブックビルディング方式や競争入札方式などによって決定され、市場の需要と供給を反映した価格となります。

公募価格で購入することで、固定価格で株式を取得できるメリットがありますが、初値が公募価格を下回る「公募価格割れ」のリスクもあります。

投資家は、公募価格の決定プロセスやメリット・デメリットを理解した上で、投資判断を行う必要があります。

2. 売り出し価格の意味

要約

売り出し価格の定義

売り出し価格とは、企業が既存株を市場に売却する際に設定される価格です。

企業が資金調達のために新規株式を発行する際に設定される「公募価格」とは異なり、売り出し価格は、既に発行されている株式を既存株主が市場に売却する際に設定される価格です。

売り出し価格の決定要因

売り出し価格は、いくつかの要因によって決定されます。

①市場需要と供給\n②企業の業績\n③市場環境\n④法律と規制

新株の需要と供給が売り出し価格に影響を与えます。需要が高ければ価格は上がり、需要が低ければ価格は下がります。また、企業が売り出し価格を引き上げることで需要を制御することもあります。

企業の業績や将来の見通しも売り出し価格に影響を与えます。業績がよく将来性が高い企業ほど、売り出し価格は高く設定される傾向があります。株式市場全体の状況も売り出し価格に影響を与えます。景気の動向や金利の変動、競合他社の株価動向などが考慮されます。売り出し価格は、金融取引に関する法律や規制によって制約されることがあります。企業はこれらの法律や規制に則って売り出し価格を決定しなければなりません。

売り出し価格の決定要因
要因 説明
市場需要と供給 需要が高ければ価格は上がり、需要が低ければ価格は下がる
企業の業績 業績がよく将来性が高い企業ほど、価格は高く設定される傾向がある
市場環境 景気の動向や金利の変動、競合他社の株価動向などが考慮される
法律と規制 金融取引に関する法律や規制によって制約されることがある

売り出し価格と公募価格の違い

売り出し価格は、公募価格と比べて、企業の資金調達には直接関係しません。

公募価格は、企業が新規株式を発行して資金調達を行う際に設定される価格です。一方、売り出し価格は、既存株主が保有する株式を市場に売却する際に設定される価格であり、企業の資金調達には直接関係しません。

まとめ

売り出し価格は、企業が既存株を市場に売却する際に設定される価格であり、市場の需要と供給、企業の業績、市場環境、法律と規制などの要因によって決定されます。

売り出し価格は、企業の資金調達には直接関係せず、既存株主が保有する株式を市場に売却する際に設定される価格です。

投資家は、売り出し価格が適正な価格かどうかを判断するために、これらの決定要因を理解しておく必要があります。

3. IPOとは何か

要約

IPOの定義

IPOとは、Initial Public Offeringの略で、日本語では新規株式公開といいます。

未上場企業が、初めて株式を公開して証券取引所に上場することを指します。

IPOの目的

IPOには、企業にとって様々なメリットがあります。

・資金調達\n・知名度向上\n・信用力向上\n・経営の透明性向上\n・従業員へのインセンティブ

IPOによって、企業は市場から資金を調達することができます。また、IPOによって企業の知名度や信用力が向上し、新たな顧客や取引先を獲得できる可能性があります。

さらに、IPOによって経営の透明性も向上し、従業員へのインセンティブとしても機能します。

IPOの目的
目的 説明
資金調達 市場から資金を調達する
知名度向上 企業の知名度や信用力を向上させる
信用力向上 新たな顧客や取引先を獲得する
経営の透明性向上 経営の透明性を高める
従業員へのインセンティブ 従業員へのインセンティブとして機能する

IPOの手順

IPOを行うには、いくつかの手順を踏む必要があります。

1. 上場準備\n2. 証券取引所への申請\n3. 上場審査\n4. 公募・売出\n5. 上場

上場準備には、企業の財務状況や経営体制などを整備する必要があります。その後、証券取引所への申請を行い、上場審査を受けます。

審査に合格すると、公募・売出を行い、一般投資家に株式を販売します。そして、最後に証券取引所に上場します。

IPOの手順
手順 説明
上場準備 企業の財務状況や経営体制などを整備する
証券取引所への申請 証券取引所への上場を申請する
上場審査 証券取引所による審査を受ける
公募・売出 一般投資家に株式を販売する
上場 証券取引所に上場する

まとめ

IPOは、未上場企業が初めて株式を公開して証券取引所に上場することを指し、資金調達や知名度向上などの目的があります。

IPOを行うには、上場準備、証券取引所への申請、上場審査、公募・売出、上場という手順を踏む必要があります。

投資家は、IPOによって新たな投資機会を得ることができますが、リスクも伴うため、十分な情報収集とリスク管理が必要です。

4. 抽選公募と割当増資の違い

要約

抽選公募の定義

抽選公募とは、新規に株式を発行する際に、応募者多数の場合は抽選によって購入者を決定する公募方法です。

IPOや公募において、人気のある銘柄は応募者が殺到することが多く、抽選によって購入者を決定する必要があります。

割当増資の定義

割当増資とは、既存株主に新しい株式を割り当てることで、資金調達を行う方法です。

既存株主に対して、一定の比率で新しい株式を割り当てるため、抽選は行われません。

抽選公募と割当増資の違い

抽選公募と割当増資は、資金調達方法としては似ていますが、いくつかの違いがあります。

・対象者\n・購入方法\n・資金調達目的

抽選公募は、不特定多数の投資家を対象とし、抽選によって購入者を決定します。一方、割当増資は、既存株主を対象とし、一定の比率で新しい株式を割り当てます。

抽選公募は、新規株式を発行して資金調達を行う方法です。一方、割当増資は、既存株主の持株比率を維持するために、新しい株式を発行するケースが多いです。

抽選公募と割当増資の違い
項目 抽選公募 割当増資
対象者 不特定多数の投資家 既存株主
購入方法 抽選 割り当て
資金調達目的 新規株式を発行して資金調達 既存株主の持株比率を維持するため

まとめ

抽選公募は、新規株式を発行する際に、応募者多数の場合は抽選によって購入者を決定する公募方法です。

割当増資は、既存株主に新しい株式を割り当てることで、資金調達を行う方法です。

抽選公募と割当増資は、資金調達方法としては似ていますが、対象者、購入方法、資金調達目的などの違いがあります。

投資家は、それぞれの資金調達方法の特徴を理解した上で、投資判断を行う必要があります。

5. 公募価格の決定方法

要約

公募価格の決定方法

公募価格は、企業の財務状況、業績、市場環境などを考慮して決定されます。

一般的には、主幹事証券会社が、発行会社と協議して公募価格を決定します。

ブックビルディング方式

ブックビルディング方式とは、投資家の需要を事前に調査し、その結果に基づいて公募価格を決定する方法です。

主幹事証券会社は、まず仮条件と呼ばれる価格帯を投資家に提示します。

投資家は、提示された仮条件の範囲内で、希望する購入価格と数量を申告します。

主幹事証券会社は、投資家の需要を分析し、最終的な公募価格を決定します。

ブックビルディング方式
手順 説明
仮条件提示 主幹事証券会社が投資家に価格帯を提示する
需要申告 投資家は希望する購入価格と数量を申告する
公募価格決定 主幹事証券会社が投資家の需要を分析し、最終的な公募価格を決定する

競争入札方式

競争入札方式とは、投資家が希望する価格を競って入札し、その結果に基づいて公募価格を決定する方法です。

この方式は、ブックビルディング方式に比べて、公募価格が高騰しやすい傾向があります。

まとめ

公募価格は、ブックビルディング方式や競争入札方式などによって決定されます。

ブックビルディング方式は、投資家の需要を事前に調査し、その結果に基づいて公募価格を決定する方法です。

競争入札方式は、投資家が希望する価格を競って入札し、その結果に基づいて公募価格を決定する方法です。

投資家は、公募価格の決定方法を理解することで、投資判断を行う際に役立ちます。

6. 売買時の公募価格の重要性

要約

公募価格と初値の関係

公募価格は、上場後の初値に大きな影響を与えます。

公募価格が高すぎると、初値が下がる可能性があります。

逆に、公募価格が低すぎると、初値が上がる可能性があります。

公募価格と投資判断

投資家は、公募価格を参考に、投資判断を行う必要があります。

公募価格が適正かどうか、企業の将来性などを総合的に判断する必要があります。

公募価格とリスク

公募価格で購入した株式は、必ずしも利益を得られるとは限りません。

公募価格割れが発生するリスクもあります。

まとめ

公募価格は、上場後の初値に大きな影響を与え、投資判断において重要な要素となります。

公募価格が適正かどうか、企業の将来性などを総合的に判断する必要があります。

公募価格で購入した株式は、必ずしも利益を得られるとは限りません。公募価格割れが発生するリスクもあります。

投資家は、公募価格の重要性を理解した上で、投資判断を行う必要があります。

参考文献

公募価格とは何か?わかりやすく解説 | ZAi探

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発行価格(公募価格・公開価格)【Ipo用語】 | 株式公開を応援 …

株式公募・売り出し価格について知っておくべきこと | sasa-dango

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