普通国債とは?経済用語について説明

普通国債の種類
種類 発行主体 購入対象 金利 償還期限 リスク
普通国債 個人・法人 固定・変動 1年以上 金利変動リスク、信用リスク
個人向け国債 個人 固定・変動 3年・5年・10年 金利変動リスク
新窓販国債 個人・法人 固定 2年・5年・10年 金利変動リスク
財政投融資特別会計国債 個人・法人 固定 1年以上 金利変動リスク、信用リスク

1. 普通国債とは

要約

普通国債の定義

普通国債とは、国が資金を調達するために発行する債券のことです。国が発行するため、相対的に安全性が高く、元本割れのリスクがほとんどありません。国債を購入することで、投資家は国にお金を貸し、その見返りとして利息を受け取ります。具体的には、国債には償還期限があり、一定期間後に元本が返済されます。たとえば、10年国債であれば、10年後に元本が返済されることになります。国債の利率は固定されている場合もあれば、変動する場合もあります。

国債は、個人投資家だけでなく、金融機関や年金基金などの大口投資家にも広く利用されています。また、国債とは対照的に、企業が資金を調達するために発行する債券は「社債」と呼ばれます。社債は企業の信用度に依存するため、国債よりもリスクが高いとされています。

国債は、政府が発行する債券の一種で、政府が資金を調達するために発行されます。国債の購入者は、購入額に一定の利息が上乗せされて返済される仕組みです。政府が発行する債券には他にも地方債や企業債がありますが、国債は政府が発行するため、安定した投資先として高い信頼性があります。

普通国債の最大の特徴は、満期を迎えると元本の償還と利息の支払いが保証されていることです。つまり、返済のリスクが非常に低い投資対象といえます。また、利率が比較的低く設定されているのも特徴の1つです。これは、政府が普通国債を発行することで安定した資金調達を確保したいと考えているためです。加えて、普通国債は貯蓄の手段としても利用されており、満期まで保有すれば確実に元本と利息を受け取ることができます。

普通国債の定義
定義 説明
普通国債 国が資金を調達するために発行する債券
社債 企業が資金を調達するために発行する債券
地方債 地方自治体が資金を調達するために発行する債券

普通国債の歴史

そもそも国債が世界で形成され始めたのは16世紀のオランダです。当時フランスとの戦争を控えており巨額の資金が必要だったため、国王は州議会であれば半永久的な機関であり信用力も高いと考え、ネーデルランド連邦ホランド州で国債を発行して資金を集めました。

その後世界金融の中心であるイギリスが国債の導入を行い、世界各国で国債が広まりました。日本での国債発行は、1871年の廃藩置県とともに地方債から国債へ切り替えられた時が大きなきっかけです。

1947年には国債発行額が税収を上回ってしまったため、戦後インフレが発生しました。そのため赤字国債の発行と日本銀行の赤字国債引き受けを禁止し均衡財政主義を取ることになりました。

1990年にはバブル景気の税収が大幅に増減したため、一旦発行数が0となりましたが、1994年には再開されています。2023年となった現在の国債は、アベノミクスによる量的金融緩和により世界各国と比較しても低金利であるため、投資対象としては人気が低下しているものの、元本割れのリスクがないため、安心できる投資先と言えるでしょう。

普通国債の歴史
時期 出来事
16世紀 オランダで初めて発行
1871年 日本での国債発行開始
1947年 赤字国債の発行と日本銀行の赤字国債引き受けを禁止
1990年 バブル景気により国債発行が一時停止
1994年 国債発行が再開
2023年現在 アベノミクスによる量的金融緩和により低金利

普通国債の種類

国債は、普通国債財政投融資特別会計国債(財投債)の2つに分けられます。国債の中身は異なるものの、普通国債と財投債は一体として発行され、金融商品としては全く同じものです。

ただし、財投債は財政融資資金の貸付回収金より償還金や利払いを行うため、将来の租税を償還財源としている普通国債とは異なる点があります。

普通国債は、政府の歳出を賄うために発行される国債のことで、建設国債・特例国債・復興債・借換債の4種類に分かれます。

建設国債とは、財政法第4条第1項のただし書きに基づいて発行される国債で、公共事業費・出資金及び貸付金の財源として発行されます。公共事業費以外の歳出に充てる資金を調達するために、特別法を制定して国会の議決を経た金額の範囲で発行される国債です。復興債は、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法に基づき、東日本大震災の復興財源として発行している国債のことです。各年度の予算で国会の議決を経た金額の範囲内で発行され、復興債の償還には復興特別税の収入等が充てられています。借換債とは、過去に発行した国債の元本や利子を償還するために発行する国債のことで、借換債を発行しないと国債を償還できないのでデフォルトになってしまします。

普通国債の種類
種類 説明
普通国債 政府の歳出を賄うために発行される国債
財政投融資特別会計国債 財政融資資金の運用財源に充てる国債

まとめ

普通国債は、国が資金を調達するために発行する債券であり、投資家にとって比較的リスクの低い投資商品です。

普通国債は、政府の歳出を賄うために発行される国債のことで、建設国債・特例国債・復興債・借換債の4種類に分かれます。

普通国債は、16世紀のオランダで初めて発行され、その後世界各国に広まりました。日本でも、1871年の廃藩置県とともに地方債から国債へ切り替えられました。

現在の日本国債は、アベノミクスによる量的金融緩和により世界各国と比較しても低金利であるため、投資対象としては人気が低下しているものの、元本割れのリスクがないため、安心できる投資先と言えるでしょう。

2. 普通国債の特徴

要約

普通国債の発行と償還

普通国債は、政府が発行した国債を投資家が購入し、利子と借入金を支払われる流れとなります。発行している国債は年々増加しています。

発行される国債は個人向け国債と通常国債に分けられます。通常国債は債券市場で売買することができるため、株式や投資信託のように値下がりすると元本割れのリスクが伴います。

そのため投資家は個人向け国債や新窓販国債を購入することが多いです。個人向け国債は元本割れのリスクが0であるものの、さまざまな制約が付いているため、途中解約できない期間が存在する他、解約した場合は中途解約利率が適用になり、当初設定されたものよりも低い利率となってしまう点です。

個人向け国債は1万円から購入することができ、上限金額は設けられていません。満期が来る前に売却することもできる新窓販国債は、最低購入価格が5万円からとなっており、上限は3億円までと設定されています。

普通国債の発行と償還
種類 発行主体 購入対象 金利 償還期限 リスク
普通国債 個人・法人 固定・変動 1年以上 金利変動リスク、信用リスク
個人向け国債 個人 固定・変動 3年・5年・10年 金利変動リスク
新窓販国債 個人・法人 固定 2年・5年・10年 金利変動リスク
財政投融資特別会計国債 個人・法人 固定 1年以上 金利変動リスク、信用リスク

普通国債の金利

個人向け国債は0.05%の最低金利保証がついているため、償還期限まで保有していたとしても元本割れのリスクはありません。

新窓販国債は、「固定2年」「固定5年」「固定10年」に分かれており、それぞれ利回りが異なります。

国債は、金利変動に伴う収益の増減があります。2006年8月の10年国債の金利は2%だったものの、2023年6月現在では0.4%まで低下しています。

金利が低下すると得られる利益も減るため、想定より収益が得られない可能性も高いです。とはいえ世界各国と比べて日本の国債金利が低いため、今後上昇することも考えられます。

普通国債の金利
種類 金利タイプ 最低金利保証 利回り
個人向け国債 固定・変動 0.05% 変動
新窓販国債 固定 なし 固定

普通国債の購入方法

国債は金融機関や証券会社で購入することができ、満期を迎えると償還金を受け取れます。

ゆうちょ銀行や郵便局が支払い場所となっている場合、振替預入でも可能です。

もちろん償還金期限に関係なく、新たな国債へ再投資することも可能です。ただし新窓販国債は上限が定められているため注意が必要です。

個人向け国債であれば元本割れのリスクがないものの、金利市場の影響を受けやすい点は理解しておくべきです。

普通国債の購入方法
購入方法 説明
金融機関 証券会社、銀行などで購入
郵便局 ゆうちょ銀行で振替預入
再投資 償還期限前に新たな国債へ再投資可能

まとめ

普通国債は、国が発行する債券であり、投資家にとって比較的リスクの低い投資商品です。

普通国債は、個人向け国債と通常国債に分けられます。個人向け国債は元本割れのリスクが0であるものの、さまざまな制約が付いているため、途中解約できない期間が存在する他、解約した場合は中途解約利率が適用になり、当初設定されたものよりも低い利率となってしまう点です。

普通国債は、金融機関や証券会社で購入することができ、満期を迎えると償還金を受け取れます。

普通国債は、金利変動に伴う収益の増減があります。2006年8月の10年国債の金利は2%だったものの、2023年6月現在では0.4%まで低下しています。

3. 普通国債のメリットとデメリット

要約

普通国債のメリット

普通国債のメリットは、預金より利回りが高いことです。そのため、長期的に見ると、同じお金を預金口座に預け入れしているよりも、国債に投資したほうが資産形成ができます。

普通国債は、少額から投資できるのもメリットです。

普通国債は、格付けが高い国に投資をすれば、デフォルトリスクなどのリスクは比較的低いです。

お金を預けている銀行が破綻した場合、1

普通国債のメリット
メリット 説明
利回りが高い 預金よりも高い利回りが期待できる
少額から投資可能 1万円から投資可能
リスクが低い 元本割れのリスクが低い

普通国債のデメリット

普通国債のデメリットのひとつが、すぐに換金できないことです。個人向け国債では途中解約が認められています。また、新窓販国債では市場での売却ができます。しかし、いずれも預金口座からお金を引き出すのに比べて、換金までに時間がかかります。

普通国債には、購入期間が設けられています。そのため、国債に投資したくても、すぐに購入できない場合もあります。

普通国債は、比較的リスクの低い投資商品です。一般的に、リスクの低い投資商品は、利回りが低くなっており、国債投資も同様です。

国債に投資する際には、リスクと利回りのことをよく考えてから投資しましょう。

普通国債のデメリット
デメリット 説明
換金が難しい すぐに換金できない
購入期間が限定的 常に購入できるわけではない
利回りが低い 他の投資商品と比べて利回りが低い

普通国債の投資戦略

普通国債は、金利変動に伴う収益の増減があります。2006年8月の10年国債の金利は2%だったものの、2023年6月現在では0.4%まで低下しています。

金利が低下すると得られる利益も減るため、想定より収益が得られない可能性も高いです。とはいえ世界各国と比べて日本の国債金利が低いため、今後上昇することも考えられます。

金利は世界各国と差額が生じると為替にも影響が出ることが多いです。現在アメリカの10年国債の金利は3.6%、イギリスの10年国債の金利は4.1%です。世界を見ても日本の金利が低いため円安になり物価高が生じているため、今後日本の金利の動向にも注目していたほうが良いでしょう。

国債へ投資するメリットは以下の3つが挙げられます。国債のリスク管理を行うには専門家に相談しておくことがおすすめです。

まとめ

普通国債は、預金より利回りが高い、少額から投資できる、投資リスクは比較的低いというメリットがあります。

普通国債は、すぐに換金できない、購入期間が設けられている、他の投資よりも利回りが低いというデメリットがあります。

普通国債は、金利変動リスクと信用リスク(デフォルトリスク)があります。

普通国債に投資する際は、リスクと利回りのことをよく考えてから投資しましょう。

4. 普通国債と他の債券との違い

要約

普通国債と社債の違い

国債は、国が発行する債券であり、社債は、企業が発行する債券です。

国債は、国が発行するため、社債よりも信用度が高く、リスクが低いとされています。

社債は、企業の信用度に依存するため、国債よりもリスクが高いとされています。

国債と社債は、どちらも債券の一種ですが、発行主体が異なるため、リスクや利回りが異なります。

普通国債と社債の違い
項目 普通国債 社債
発行主体 企業
信用度 高い 発行企業の信用度に依存
リスク 低い 高い
利回り 低い 高い

普通国債と地方債の違い

国債は、国が発行する債券であり、地方債は、地方自治体が発行する債券です。

国債は、国が発行するため、地方債よりも信用度が高く、リスクが低いとされています。

地方債は、地方自治体の財政状況に依存するため、国債よりもリスクが高いとされています。

国債と地方債は、どちらも債券の一種ですが、発行主体が異なるため、リスクや利回りが異なります。

普通国債と地方債の違い
項目 普通国債 地方債
発行主体 地方自治体
信用度 高い 発行自治体の財政状況に依存
リスク 低い 高い
利回り 低い 高い

普通国債と外国債の違い

国債は、日本国が発行する債券であり、外国債は、外国の国が発行する債券です。

国債は、日本国が発行するため、外国債よりも信用度が高く、リスクが低いとされています。

外国債は、外国の国の政治・経済状況に依存するため、国債よりもリスクが高いとされています。

国債と外国債は、どちらも債券の一種ですが、発行主体が異なるため、リスクや利回りが異なります。

普通国債と外国債の違い
項目 普通国債 外国債
発行主体 日本国 外国
信用度 高い 発行国の政治・経済状況に依存
リスク 低い 高い
利回り 低い 高い

まとめ

普通国債は、国が発行する債券であり、社債、地方債、外国債と比べて、信用度が高く、リスクが低いとされています。

国債は、政府が発行するため、安定した投資先として高い信頼性があります。

社債は、企業の信用度に依存するため、国債よりもリスクが高いとされています。

地方債は、地方自治体の財政状況に依存するため、国債よりもリスクが高いとされています。外国債は、外国の国の政治・経済状況に依存するため、国債よりもリスクが高いとされています。

5. 普通国債の市場動向

要約

普通国債の金利動向

普通国債の金利は、市場の需給関係や経済状況によって変動します。

近年、世界的に低金利傾向が続いており、日本の国債金利も低水準となっています。

ただし、金利は将来上昇する可能性も考えられます。

金利が上昇すると、国債の価格は下落する傾向があります。

普通国債の金利動向
時期 金利
2006年8月 2%
2023年6月現在 0.4%

普通国債の価格動向

普通国債の価格は、金利動向や経済状況によって変動します。

金利が上昇すると、国債の価格は下落する傾向があります。

金利が下落すると、国債の価格は上昇する傾向があります。

国債の価格は、債券市場で取引されるため、市場の需給関係によっても変動します。

普通国債の価格動向
金利 価格
上昇 下落
下落 上昇

普通国債の市場規模

日本の国債市場は、世界で最も規模が大きい市場の一つです。

国債市場は、政府の財政政策や金融政策に大きな影響を与えています。

国債市場の動向は、経済指標や金融政策の発表によって大きく左右されます。

国債市場は、投資家にとって重要な情報源となっています。

まとめ

普通国債の金利は、市場の需給関係や経済状況によって変動します。

普通国債の価格は、金利動向や経済状況によって変動します。

日本の国債市場は、世界で最も規模が大きい市場の一つです。

国債市場の動向は、経済指標や金融政策の発表によって大きく左右されます。

6. 普通国債の投資戦略

要約

普通国債投資の目的

普通国債投資の目的は、投資家のニーズによって異なります。

安全性を重視する投資家であれば、元本割れのリスクが低い普通国債は魅力的な投資対象となります。

利回りよりも安定性を重視する投資家にとっても、普通国債は有効な投資手段となります。

長期的な資産形成を目的とする投資家にとっても、普通国債は有効な投資手段となります。

普通国債投資の目的
目的 説明
安全性重視 元本割れのリスクが低い
安定性重視 利回りよりも安定性を重視
長期的な資産形成 長期的に資産を増やしたい

普通国債投資のリスク管理

普通国債投資のリスクは、金利変動リスクと信用リスク(デフォルトリスク)があります。

金利変動リスクを管理するためには、金利動向を注視し、必要に応じて投資戦略を調整する必要があります。

信用リスク(デフォルトリスク)を管理するためには、格付けの高い国債に投資する必要があります。

投資する前に、リスクとリターンを十分に理解することが重要です。

普通国債投資のリスク管理
リスク 対策
金利変動リスク 金利動向を注視し、必要に応じて投資戦略を調整
信用リスク 格付けの高い国債に投資

普通国債投資の注意点

普通国債は、すぐに換金できないため、短期的な資金運用には適していません。

普通国債は、金利が低いため、高い利回りを期待することはできません。

普通国債は、購入期間が設けられているため、すぐに購入できない場合があります。

普通国債に投資する際は、リスクと利回りを十分に理解した上で、長期的な視点で投資を行うことが重要です。

普通国債投資の注意点
注意点 説明
換金 すぐに換金できない
利回り 高い利回りを期待できない
購入期間 常に購入できるわけではない

まとめ

普通国債は、投資家のニーズによって、安全性を重視する投資、安定性を重視する投資、長期的な資産形成など、さまざまな目的で活用できます。

普通国債投資のリスクは、金利変動リスクと信用リスク(デフォルトリスク)があります。

普通国債は、すぐに換金できない、金利が低い、購入期間が設けられているという注意点があります。

普通国債に投資する際は、リスクと利回りを十分に理解した上で、長期的な視点で投資を行うことが重要です。

参考文献

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国債とは : 財務省

国債とは?仕組みや種類、利回り、メリット、購入の流れなど …

普通国債とは|債券用語集|iFinance

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