分類 | 説明 |
---|---|
ディーラー | 自動車メーカーと特約店契約を結んだ正規販売店。特定のメーカーの車種のみを取り扱う。 |
サブディーラー | メーカーと特約店契約を結んでいない販売店。複数のメーカーの車種を取り扱う。 |
メーカー系ディーラー | 自動車メーカーが直接運営するディーラー。サービス水準が高い。 |
地域系ディーラー | メーカーと特約店契約を結んだ販売店。地域ごとに独自色や個性を打ち出している。 |
販売店 | 特約店契約を結んでいない販売店。ディーラーから車を仕入れて販売する。 |
1. ディーラーの定義とは
ディーラーとは何か?
ディーラーとは、特定の自動車メーカーと特約店契約を結んだ自動車販売会社や販売店のことです。正規販売会社・正規販売店とも呼ばれ、特定のメーカーもしくはブランドの車のみを取り扱うのが特徴です。多くの場合、店舗の外観や内装はブランドごとに共通のデザインとなっているので、ディーラーか否かを見分けることはそう難しくないでしょう。
ディーラーはメーカーから直接新車を仕入れ、自社店舗で販売します。つまり、メーカーにとってはディーラーが顧客というわけです。特約店契約を結ぶことで、販売会社側には他よりも安く仕入れることができたり、メーカーから販売支援を受けられたりするメリットがあります。
メーカー側としては、車の販売、アフターフォローを販売店に一任でき、サービスの品質やブランドイメージを共通化できるのがメリットです。また、同じメーカーに属するディーラーの中に、複数の販売チャンネルがあることも(「トヨペット」「トヨタカローラ」「日産プリンス」「日産サティオ」など)。これはチャンネルごとに専売車種を定めていた時代の名残り。現在はどのチャンネルのディーラーでも、同じ車種を買えるようになっています。
項目 | ディーラー | サブディーラー |
---|---|---|
メーカーとの契約 | 特約店契約あり | 特約店契約なし |
取り扱いメーカー | 特定メーカーのみ | 複数メーカー |
仕入れ先 | メーカーから直接 | ディーラーから |
整備工場 | 自社工場を持つことが多い | 自社工場を持たない場合もある |
サービス品質 | メーカー基準による統一性 | 店舗によってばらつきあり |
価格 | 一般的に高め | 一般的に安め |
保証 | メーカー保証に加え、ディーラー独自の保証あり | メーカー保証のみ、または独自の保証あり |
顧客対応 | メーカー研修を受けたスタッフによる統一的な対応 | スタッフの経験や知識にばらつきあり |
サブディーラーとは?
自動車メーカーのブランド・ロゴを掲げた店舗でも、ディーラーではなく「サブディーラー」の場合があります。サブディーラーとは、メーカーと特約店契約を結んでない自動車販売店のことです。サブディーラーは取り扱うメーカーに制限がないため、複数メーカーの車を販売できます。また、店舗の大きさや設備にも制限がなく、ディーラーと違って整備工場を併設せずに販売のみを行っている店舗も多いです。
国産自動車メーカーの場合、多くは新車販売の大部分をディーラーが担っていますが、スズキやダイハツ、スバルのようにサブディーラーでの販売比率が高いメーカーもあります。なお、新車に対してメーカーが一定期間内または一定走行距離内での故障について費用を負担してくれる「メーカー保証」については、ディーラーでもサブディーラーでも保証内容は同じです。
サービス体制についてはサブディーラーを経営している会社ごとの判断となるので、一概には言うことはできません。
ディーラーで車を買うメリット
新車の品質については、当然ながらディーラーでもサブディーラーでも変わりません。ではディーラーで車を買う意味は?以下のメリットが期待できます。
全国一律のサービスが受けられる\nディーラーは特約店契約の条件として一定の設備、サービス体制が求められます。そのため全国どこのディーラーで車を買っても、アフターフォローや整備などのクオリティはほぼ同じ。これは大きな安心材料となるでしょう。
新型車をいち早く入手できる\nディーラーには優先的に新型車が納められる。受注状況などによっては納車まで時間がかかることもあるが、その場合もディーラーの優先度は高い。人気の新型車をいち早くゲットしたいならディーラーで購入するのが良いだろう。
まとめ
ディーラーは、自動車メーカーと特約店契約を結んだ正規販売店であり、特定のメーカーの車種のみを取り扱います。一方、サブディーラーはメーカーと特約店契約を結んでいない販売店で、複数のメーカーの車種を取り扱えます。
ディーラーはメーカーから直接仕入れ、販売、アフターフォローまでを一貫して行うため、品質やサービスの安定性、信頼性が高いというメリットがあります。また、新型車をいち早く入手できる可能性も高いです。
サブディーラーは、複数のメーカーの車種を比較検討できるというメリットがあります。ただし、サービスや品質、価格については店舗によってばらつきがある点に注意が必要です。
2. ディーラーの種類と業態
メーカー系ディーラー
メーカー系ディーラーとは、その名の通り自動車メーカーが直接運営しているディーラーのことです。直営ということもありサービス水準は極めて高く、海外自動車メーカーに至っては、ほとんどはこのメーカー系ディーラーといえます。
地域系ディーラー
地域系ディーラーは、顧客に対しメーカーの車を正式に販売しているディーラーのことを指します。同じディーラーにはなりますが、整備・車検といったサービス内容や営業方針において、それぞれの個性が出るというのが特徴です。しかし1990年代以降、これらの販売チャネルは統合されつつあります。
たとえば、トヨタのディーラーといえば「ネッツトヨタ」「トヨタカローラ」「トヨペット」がありますが、こういった各ディーラーの違いをなくしていく動きが強まっているのです。そのため「○○の販売店なのに目当ての車がない」となるケースも少なくありません。
そうならないためにも、欲しい車種を取り扱っているディーラーなのかは事前に確認しておくようにしましょう。
ディーラーの仕事内容
ディーラーの仕事は主に「営業職」「メカニック職」「事務職」の3つに分けられます。
ディーラーと聞いて真っ先に思い浮かぶのが「店舗にスーツ姿で立っている接客の人」ではないでしょうか。ディーラーは営業職であり、顧客への販売活動やアドバイスをしたり、契約を結んだりするのが主な仕事内容です。とはいえ、総合コンシェルジュ的なサービスを提供するため、車に関する幅広い知識が求められます。
車を購入してからのアフターサービスで活躍するのがメカニック職です。点検や修理はもちろん、車検などのあらゆる整備を担当します。
さまざまな総務経理をするのが事務職の仕事です。店に入った際、笑顔で出迎えてくれるフロントの人も事務職になります。
職種 | 主な仕事内容 |
---|---|
営業職 | 顧客への販売活動、アドバイス、契約など |
メカニック職 | 点検、修理、車検などの整備 |
事務職 | 総務経理、顧客対応など |
まとめ
ディーラーには、メーカーが直接運営する「メーカー系ディーラー」と、メーカーと特約店契約を結んだ「地域系ディーラー」の2種類があります。
メーカー系ディーラーは、サービス水準が高く、海外メーカーのディーラーはほとんどが直営メーカーです。地域系ディーラーは、店舗ごとに独自色や個性を打ち出している傾向があります。
ディーラーの仕事は、営業職、メカニック職、事務職の3つに分けられます。営業職は顧客への販売活動やアドバイス、契約などを担当します。メカニック職は点検、修理、車検などの整備を担当します。事務職は、総務経理や顧客対応などを行います。
3. ディーラーの利益の仕組み
ディーラーの収益源
ディーラーの主な収益源は、新車販売、中古車販売、整備・修理、車検、保険、用品販売などです。
新車販売は、メーカーから仕入れた新車を顧客に販売することで収益を得ます。中古車販売は、顧客から下取りした中古車を販売したり、オークションなどで仕入れた中古車を販売したりすることで収益を得ます。
整備・修理は、顧客の車の点検、修理、車検などを行うことで収益を得ます。保険は、自動車保険の代理店業務を行うことで収益を得ます。用品販売は、カーナビやドライブレコーダーなどの自動車用品を販売することで収益を得ます。
収益源 | 説明 |
---|---|
新車販売 | メーカーから仕入れた新車を顧客に販売 |
中古車販売 | 顧客から下取りした中古車を販売、またはオークションなどで仕入れた中古車を販売 |
整備・修理 | 顧客の車の点検、修理、車検など |
保険 | 自動車保険の代理店業務 |
用品販売 | カーナビやドライブレコーダーなどの自動車用品を販売 |
ディーラーの利益率
ディーラーの利益率は、販売台数、販売価格、整備・修理の単価、保険の販売手数料などによって異なります。
近年は、自動車の販売台数が減少傾向にあるため、ディーラーの利益率は低下傾向にあります。そのため、ディーラーは、販売台数を増やす、販売価格を上げる、整備・修理の単価を上げる、保険の販売手数料を上げるなどの対策を講じています。
また、ディーラーは、中古車販売、用品販売、保険販売などの収益源を拡大することで、利益率の低下を補おうとしています。
ディーラーの競争環境
ディーラーは、自動車メーカー、販売店、中古車販売店など、さまざまな競合と競争しています。
自動車メーカーは、自社のディーラーに販売目標を設定し、販売台数を増やすように指示しています。販売店は、ディーラーよりも価格が安い場合があり、顧客の選択肢を増やしています。中古車販売店は、ディーラーよりも幅広い車種を取り扱っており、顧客のニーズに対応しています。
ディーラーは、このような競争環境の中で、顧客満足度を高める、販売台数を増やす、収益性を向上させるなどの対策を講じています。
まとめ
ディーラーの利益は、新車販売、中古車販売、整備・修理、車検、保険、用品販売など、さまざまな収益源から得られます。
近年は、自動車の販売台数が減少傾向にあるため、ディーラーの利益率は低下傾向にあります。そのため、ディーラーは、販売台数を増やす、販売価格を上げる、整備・修理の単価を上げる、保険の販売手数料を上げるなどの対策を講じています。
また、ディーラーは、中古車販売、用品販売、保険販売などの収益源を拡大することで、利益率の低下を補おうとしています。
4. ディーラーと市場の関係
ディーラーと市場の需給
ディーラーは、自動車市場の需給に大きな影響を与えています。ディーラーが販売する車の台数は、市場の需要を反映しています。また、ディーラーが提供するサービスの質は、市場の競争状況を反映しています。
ディーラーは、市場の需要を把握し、それに応じた車種やサービスを提供することで、顧客満足度を高め、販売台数を増やすことができます。また、市場の競争状況を把握し、それに応じた価格設定やサービス内容を提供することで、収益性を向上させることができます。
ディーラーと市場のトレンド
ディーラーは、市場のトレンドを把握し、それに応じた商品やサービスを提供することで、顧客のニーズを満たすことができます。
例えば、近年は、環境問題への関心が高まっているため、ディーラーは、ハイブリッド車(HV車)や電気自動車(EV車)などの環境に優しい車の販売に力を入れています。また、顧客のライフスタイルの変化に対応して、カーシェアリングや自動車のサブスクリプションサービスなどの新しいサービスを提供するディーラーも増えています。
ディーラーと市場の規制
ディーラーは、自動車に関する法律や規制に従って、事業を行わなければなりません。
例えば、ディーラーは、自動車の販売、整備、修理などを行う際に、国土交通省の定める基準を満たす必要があります。また、ディーラーは、消費者保護法などの法律に従って、顧客との取引を行わなければなりません。
まとめ
ディーラーは、自動車市場の需給、トレンド、規制に大きな影響を与えられています。
ディーラーは、市場の需要を把握し、それに応じた車種やサービスを提供することで、顧客満足度を高め、販売台数を増やすことができます。また、市場の競争状況を把握し、それに応じた価格設定やサービス内容を提供することで、収益性を向上させることができます。
ディーラーは、市場のトレンドを把握し、それに応じた商品やサービスを提供することで、顧客のニーズを満たすことができます。
5. ディーラーの役割と責任
ディーラーの役割
ディーラーは、自動車メーカーと顧客をつなぐ重要な役割を担っています。ディーラーは、顧客に自動車に関する情報を提供し、顧客が自分に合った車を選べるようにサポートします。また、ディーラーは、顧客が購入した自動車の整備や修理を行うことで、顧客が安心して自動車を利用できるようにサポートします。
ディーラーは、自動車メーカーの販売戦略を遂行する役割も担っています。ディーラーは、メーカーから販売目標を設定され、その目標を達成するために、顧客に自動車を販売する努力をします。また、ディーラーは、メーカーのブランドイメージを維持するために、顧客に質の高いサービスを提供する努力をします。
ディーラーの責任
ディーラーは、顧客に対して、安全な自動車の販売、整備、修理を行う責任があります。また、ディーラーは、顧客に対して、正確な情報提供を行う責任があります。
ディーラーは、顧客の個人情報を適切に管理する責任があります。また、ディーラーは、環境問題に配慮し、環境負荷を低減する責任があります。
責任 | 説明 |
---|---|
安全な自動車の販売、整備、修理 | 顧客に安全な自動車を提供する責任 |
正確な情報提供 | 顧客に正確な情報を提供する責任 |
個人情報の適切な管理 | 顧客の個人情報を適切に管理する責任 |
環境問題への配慮 | 環境負荷を低減する責任 |
ディーラーの倫理
ディーラーは、顧客との信頼関係を築き、顧客に誠実な対応をすることが重要です。また、ディーラーは、公正な取引を行い、顧客に不利益な行為を行わないことが重要です。
ディーラーは、社会貢献を行い、地域社会に貢献することが重要です。
まとめ
ディーラーは、自動車メーカーと顧客をつなぐ重要な役割を担っています。顧客に自動車に関する情報を提供し、顧客が自分に合った車を選べるようにサポートします。また、顧客が購入した自動車の整備や修理を行うことで、顧客が安心して自動車を利用できるようにサポートします。
ディーラーは、顧客に対して、安全な自動車の販売、整備、修理を行う責任があります。また、ディーラーは、顧客に対して、正確な情報提供を行う責任があります。
ディーラーは、顧客の個人情報を適切に管理する責任があります。また、ディーラーは、環境問題に配慮し、環境負荷を低減する責任があります。
6. ディーラーの今後の展望
ディーラーを取り巻く環境変化
ディーラーを取り巻く環境は、近年大きく変化しています。電気自動車(EV車)の普及やカーシェアリング、自動車のサブスクリプションサービスなどの新しいサービスの登場により、従来の自動車販売のあり方が大きく変わってきています。
また、人口減少や少子高齢化、都市部における車離れなどの社会構造の変化も、ディーラーの経営に影響を与えています。
ディーラーの課題
ディーラーは、このような環境変化の中で、さまざまな課題に直面しています。販売台数の減少、収益性の悪化、人材不足、顧客ニーズの変化などが挙げられます。
販売台数の減少は、人口減少や車離れ、EV車の普及などが原因です。収益性の悪化は、販売台数の減少、整備・修理の単価の低下、競争の激化などが原因です。人材不足は、自動車整備士の不足や若者のディーラーへの就職意欲の低下などが原因です。顧客ニーズの変化は、EV車の普及やカーシェアリング、自動車のサブスクリプションサービスなどの新しいサービスの登場などが原因です。
課題 | 説明 |
---|---|
販売台数の減少 | 人口減少、車離れ、EV車の普及などが原因 |
収益性の悪化 | 販売台数の減少、整備・修理の単価の低下、競争の激化などが原因 |
人材不足 | 自動車整備士の不足、若者のディーラーへの就職意欲の低下などが原因 |
顧客ニーズの変化 | EV車の普及、カーシェアリング、自動車のサブスクリプションサービスなどの新しいサービスの登場などが原因 |
ディーラーの対応策
ディーラーは、これらの課題に対処するために、さまざまな対応策を講じています。DX化、顧客体験の向上、人材育成などが挙げられます。
DX化は、オンラインでの情報提供、バーチャルショールームの導入、CRMシステムの導入などによって、顧客満足度を高め、販売台数を増やすことを目指しています。顧客体験の向上は、接客サービスの向上、アフターサービスの充実、顧客とのコミュニケーションの強化などによって、顧客満足度を高め、顧客との長期的な関係を築くことを目指しています。人材育成は、自動車整備士の育成、営業担当者のスキルアップ、顧客対応の向上などによって、人材不足を解消し、顧客満足度を高めることを目指しています。
対応策 | 説明 |
---|---|
DX化 | オンラインでの情報提供、バーチャルショールームの導入、CRMシステムの導入など |
顧客体験の向上 | 接客サービスの向上、アフターサービスの充実、顧客とのコミュニケーションの強化など |
人材育成 | 自動車整備士の育成、営業担当者のスキルアップ、顧客対応の向上など |
まとめ
ディーラーは、電気自動車(EV車)の普及やカーシェアリング、自動車のサブスクリプションサービスなどの新しいサービスの登場、人口減少や少子高齢化、都市部における車離れなどの社会構造の変化など、さまざまな環境変化に直面しています。
ディーラーは、これらの環境変化に対応するために、DX化、顧客体験の向上、人材育成などの対応策を講じています。
ディーラーは、これらの課題を克服し、今後も自動車業界において重要な役割を果たしていくことが期待されています。
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