項目 | 内容 |
---|---|
定義 | 企業型DC加入者が退職後6ヶ月以内に手続きをしないと、年金資産が国民年金基金連合会に移管されること |
対象 | 転職・退職後、企業型DCやiDeCoへの移換手続きを行わなかった場合 |
期間 | 退職日の翌月を含む月の翌月から6ヶ月以内 |
デメリット | 資産運用ができない、手数料がかかる、老齢給付金の受給開始が遅れる可能性がある |
メリット | なし |
種類 | 企業型DCから個人型DCへの自動移管、企業型DCから国民年金基金連合会への自動移管 |
分類 | 移管先の機関による分類:個人型DC、確定給付企業年金、企業年金連合会 |
適用例 | 転職や退職後、個人型DCへの移換手続きを忘れてしまった場合など |
成功事例 | なし |
失敗事例 | 資産運用ができない、手数料がかかるなど、多くの損失が発生している |
将来展望 | 働き方の多様化により、自動移管は今後も増加する可能性がある |
課題 | 資産運用ができない、手数料がかかる、国民年金基金連合会への負担が増加する可能性がある |
対策 | 自動移管に関する情報を周知徹底する、手続きを簡素化する、自動移管された資産を運用可能な制度に移換する |
最新情報 | 新たな確定拠出年金制度への自動移換、自動移換者専用コールセンターの設置など |
トレンド | 働き方の多様化による企業型DC加入者資格喪失者の増加、情報提供や手続きの簡素化 |
展望 | 情報提供の強化、手続きの簡素化、運用可能な制度への移換などが期待される |
1. 自動移管の定義とは
自動移管とは何か?
自動移管とは、企業型確定拠出年金(企業型DC)に加入していた人が、会社を退職・転職したにも関わらず、6ヶ月以内に何の手続きも取らなかった場合に、確定拠出年金の個人別管理資産額が国民年金基金連合会に強制的に移管されてしまうことを言います。
自動移管されると、自由にお金を引き出せなくなるばかりか、資産運用もできなくなるのに手数料を取られてしまいます。イメージで言えば、なぜか勝手にお金が減っていくタンス預金です。
会社を離・退職された方は必ず自動移管される前(6ヶ月以内)に正規の移管手続きを行うようにして下さい!もっと言うと、移管手続きの際の事務手続きに1ヶ月程度かかりますので、余裕をもって資格喪失日から5ヶ月以内に手続きを取るようにしてください。
条件 | 内容 |
---|---|
企業型DC加入者 | 企業型DCに加入していたこと |
退職 | 転職または退職 |
手続き未完了 | 6ヶ月以内に移換手続きを行わなかったこと |
脱退一時金請求未完了 | 脱退一時金の請求手続きを行わなかったこと |
除外 | 企業型年金の企業型年金運用指図者 |
自動移管の対象となるケース
自動移管の対象となるのは、企業型DC加入者だった人が転職・退職後6ヶ月以内に正規の移管手続きをとらなかった場合です。(手続き期限日については詳細を後述しています)。
転職先に企業型DCがある方の場合だと、転職先の人事担当者等から説明があるので期限内に手続きを行うことが出来ると思います。
問題となるのは「退職して自営業・専業主婦になった人」「企業型DCのない会社に転職した人」などでしょうか。このような場合、確定拠出年金の手続きは全て「自分で」「期限内に」行わなければなりません。
離・退職時は何かと忙しいとは思いますが、必ず期限内に手続きを行うようにしてくださいね。
退職日 | 資格喪失日 | 手続き期限 |
---|---|---|
3月30日 | 3月31日 | 9月30日 |
3月31日 | 4月1日 | 10月31日 |
自動移管の期間
自動移管されてしまうまでの期間は会社退職後からおおむね6ヶ月ですが、6ヶ月を正確に言うと「企業型DCの加入者資格の喪失日(退職日の翌日)を含む月の翌月から6ヶ月以内」という意味です。(確定拠出年金法83条及び11条)
例えば、3月30日に退職したのであれば3月31日が資格喪失日となり9月30日が手続きの期限になります。一方で、3月31日に退職したのであれば資格喪失日が4月1日となりますので10月31日が手続きの期限です。
これをわかりやすく図に表すと以下のようになります。
まとめ
自動移管は、企業型DCに加入していた人が、退職後6ヶ月以内に手続きをしないと、年金資産が国民年金基金連合会に移管されてしまう制度です。
自動移管の対象となるのは、転職・退職後、企業型DCやiDeCoへの移換手続きを行わなかった場合です。
自動移管の期間は、退職日の翌月を含む月の翌月から6ヶ月以内です。
自動移管は、手続きが複雑で、期限内に手続きを行わないと、資産運用ができなくなり、手数料も取られてしまうため、注意が必要です。
2. 自動移管のメリットとデメリット
自動移管のデメリット
自動移管されてしまうと、いくつかのデメリットがあります。
まず、自動移管された資産は、国民年金基金連合会に移管され、運用されなくなります。そのため、資産が増えることはありません。
さらに、自動移管された資産には、手数料が課せられます。自動移管の際には、国民年金基金連合会に事務手数料として1
また、自動移管後4ヶ月経過後までに移換等の手続きをしていなければ、その後は月額52円の管理手数料が年金資産から徴収され続けていきます。
デメリット | 内容 |
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資産運用不可 | 国民年金基金連合会に移管され、運用されなくなる |
手数料発生 | 自動移管時手数料、月額管理手数料、移換手数料が発生 |
老齢給付金受給開始遅延 | 自動移換中は加入者等期間と見なされないため、受給開始が遅れる可能性がある |
税制上の不利 | 退職所得控除の計算に自動移換期間がカウントされないため、税制優遇効果が低下する |
自動移管のメリット
自動移管には、メリットはありません。
自動移管は、資産運用ができない、手数料がかかるなど、デメリットばかりです。
自動移管は、あくまでも、手続きを怠った場合に発生するものであり、積極的に利用するものではありません。
自動移管の手数料
自動移管に係る手数料は、以下の通りです。
・自動移管時手数料:4
・月額管理手数料:52円
・移換手数料:個人型年金への移換の場合3
手数料 | 金額 |
---|---|
自動移管時手数料 | 4,348円 |
月額管理手数料 | 52円 |
移換手数料 | 個人型年金への移換:3,929円、再就職先の企業型年金への移換:1,100円 |
まとめ
自動移管は、資産運用ができない、手数料がかかるなど、デメリットばかりです。
自動移管は、あくまでも、手続きを怠った場合に発生するものであり、積極的に利用するものではありません。
自動移管の手数料は、自動移管時手数料、月額管理手数料、移換手数料の3種類があります。
自動移管を避けるためには、退職後6ヶ月以内に、年金資産の移換手続きを行う必要があります。
3. 自動移管の種類と分類
自動移管の種類
自動移管には、大きく分けて2つの種類があります。
1つは、企業型DCから個人型DCへの自動移管です。これは、企業型DCに加入していた人が、退職後6ヶ月以内に個人型DCへの移換手続きを行わなかった場合に発生します。
もう1つは、企業型DCから国民年金基金連合会への自動移管です。これは、企業型DCに加入していた人が、退職後6ヶ月以内に個人型DC、確定給付企業年金、企業年金連合会への移換手続きを行わなかった場合に発生します。
種類 | 内容 |
---|---|
企業型DCから個人型DCへの自動移管 | 企業型DCに加入していた人が、退職後6ヶ月以内に個人型DCへの移換手続きを行わなかった場合 |
企業型DCから国民年金基金連合会への自動移管 | 企業型DCに加入していた人が、退職後6ヶ月以内に個人型DC、確定給付企業年金、企業年金連合会への移換手続きを行わなかった場合 |
自動移管の分類
自動移管は、移管先の機関によって分類することもできます。
自動移管先の機関は、主に以下の3つがあります。
・個人型DC
・確定給付企業年金
分類 | 内容 |
---|---|
移管先の機関 | 個人型DC、確定給付企業年金、企業年金連合会 |
自動移管の条件
自動移管が発生する条件は、以下の通りです。
・企業型DCに加入していた人が、退職後6ヶ月以内に、他の企業型年金、個人型年金、確定給付企業年金または企業年金連合会への個人別管理資産の移換を行わず、かつ脱退一時金の請求手続きも行わない場合
・企業型年金の企業型年金運用指図者を除く
まとめ
自動移管は、企業型DCから個人型DC、確定給付企業年金、企業年金連合会への移管に分けられます。
自動移管の条件は、企業型DCに加入していた人が、退職後6ヶ月以内に、他の企業型年金、個人型年金、確定給付企業年金または企業年金連合会への個人別管理資産の移換を行わず、かつ脱退一時金の請求手続きも行わない場合です。
自動移管は、企業型年金の企業型年金運用指図者には適用されません。
4. 自動移管の適用例と成功事例
自動移管の適用例
自動移管は、多くの企業型DC加入者に適用される可能性があります。
例えば、転職や退職後、個人型DCへの移換手続きを忘れてしまった場合、自動移管が発生する可能性があります。
また、転職先が企業型DCを導入していない場合や、確定給付企業年金に加入している場合でも、自動移管が発生する可能性があります。
例 | 内容 |
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転職後、個人型DCへの移換手続きを忘れた場合 | 自動移管が発生する可能性がある |
転職先が企業型DCを導入していない場合 | 自動移管が発生する可能性がある |
確定給付企業年金に加入している場合 | 自動移管が発生する可能性がある |
自動移管の成功事例
自動移管の成功事例は、あまりありません。
自動移管は、あくまでも、手続きを怠った場合に発生するものであり、積極的に利用するものではありません。
自動移管は、資産運用ができない、手数料がかかるなど、デメリットばかりです。
自動移管の失敗事例
自動移管の失敗事例は、数多くあります。
自動移管によって、資産運用ができない、手数料がかかるなど、多くの損失が発生しています。
自動移管を避けるためには、退職後6ヶ月以内に、年金資産の移換手続きを行う必要があります。
失敗事例 | 内容 |
---|---|
資産運用不可 | 資産が増えない |
手数料発生 | 資産が目減りする |
老齢給付金受給開始遅延 | 受給開始が遅れる可能性がある |
税制上の不利 | 税制優遇効果が低下する |
まとめ
自動移管は、多くの企業型DC加入者に適用される可能性があります。
自動移管は、資産運用ができない、手数料がかかるなど、デメリットばかりです。
自動移管を避けるためには、退職後6ヶ月以内に、年金資産の移換手続きを行う必要があります。
5. 自動移管の将来展望と課題
自動移管の将来展望
自動移管は、今後も増加していく可能性があります。
働き方の多様化により、転職やフリーランスに転身する人が増える中、企業型DCの加入者資格を失う人も増加しています。
そのため、自動移管によって、国民年金基金連合会に預けられる資産額も増加していくと考えられます。
自動移管の課題
自動移管の課題は、以下の通りです。
・自動移管によって、資産運用ができない、手数料がかかるなど、多くの損失が発生している。
・自動移管によって、国民年金基金連合会に預けられる資産額が増加し、運用効率が低下する可能性がある。
・自動移管によって、国民年金基金連合会への負担が増加する可能性がある。
課題 | 内容 |
---|---|
資産運用不可 | 資産が増えない |
手数料発生 | 資産が目減りする |
国民年金基金連合会への負担増加 | 運用効率が低下する可能性がある |
国民年金基金連合会への負担増加 | 負担が増加する可能性がある |
自動移管の対策
自動移管の対策としては、以下のことが考えられます。
・自動移管に関する情報を、企業型DC加入者に周知徹底する。
・自動移管の手続きを簡素化する。
・自動移管された資産を、運用可能な制度に移換する。
対策 | 内容 |
---|---|
情報周知 | 自動移管に関する情報を周知徹底する |
手続き簡素化 | 自動移管の手続きを簡素化する |
資産移換 | 自動移管された資産を、運用可能な制度に移換する |
まとめ
自動移管は、今後も増加していく可能性があります。
自動移管は、資産運用ができない、手数料がかかるなど、多くの損失が発生しているため、課題も多くあります。
自動移管の対策としては、自動移管に関する情報を周知徹底したり、手続きを簡素化したりすることが考えられます。
6. 自動移管に関する最新情報とトレンド
自動移管に関する最新情報
自動移管に関する最新情報としては、以下のことが挙げられます。
・2018年5月1日以降、新たに別の確定拠出年金制度(企業型DCもしくはiDeCo)に加入していることが判明した場合、本人の申し出による手続きがなくても、自動的にその新しい確定拠出年金へ移換されるようになっています。
・国民年金基金連合会では、自動移換者専用コールセンター(平日9:00~17:30 03-5958-3736)が設置されています。
情報 | 内容 |
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新たな確定拠出年金制度への自動移換 | 2018年5月1日以降、新たに別の確定拠出年金制度(企業型DCもしくはiDeCo)に加入していることが判明した場合、本人の申し出による手続きがなくても、自動的にその新しい確定拠出年金へ移換されるようになっています。 |
自動移換者専用コールセンター | 国民年金基金連合会では、自動移換者専用コールセンター(平日9:00~17:30 03-5958-3736)が設置されています。 |
自動移管に関するトレンド
自動移管に関するトレンドとしては、以下のことが挙げられます。
・働き方の多様化により、転職やフリーランスに転身する人が増える中、企業型DCの加入者資格を失う人も増加しています。
・自動移管によって、国民年金基金連合会に預けられる資産額も増加していくと考えられます。
・自動移管に関する情報提供や手続きの簡素化が進められています。
トレンド | 内容 |
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働き方の多様化 | 転職やフリーランスに転身する人が増える中、企業型DCの加入者資格を失う人も増加しています。 |
情報提供や手続きの簡素化 | 自動移管に関する情報提供や手続きの簡素化が進められています。 |
自動移管に関する今後の展望
自動移管に関する今後の展望としては、以下のことが考えられます。
・自動移管に関する情報提供がさらに強化され、自動移管による損失を減らすことが期待されます。
・自動移管の手続きがさらに簡素化され、加入者が手続きをしやすい環境が整うことが期待されます。
・自動移管された資産を、運用可能な制度に移換する仕組みが整備されることが期待されます。
展望 | 内容 |
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情報提供の強化 | 自動移管に関する情報提供がさらに強化され、自動移管による損失を減らすことが期待されます。 |
手続きの簡素化 | 自動移管の手続きがさらに簡素化され、加入者が手続きをしやすい環境が整うことが期待されます。 |
運用可能な制度への移換 | 自動移管された資産を、運用可能な制度に移換する仕組みが整備されることが期待されます。 |
まとめ
自動移管に関する最新情報としては、新たな確定拠出年金制度への自動移換や、自動移換者専用コールセンターの設置などが挙げられます。
自動移管に関するトレンドとしては、働き方の多様化による企業型DC加入者資格喪失者の増加や、情報提供や手続きの簡素化などが挙げられます。
自動移管に関する今後の展望としては、情報提供の強化、手続きの簡素化、運用可能な制度への移換などが期待されます。
参考文献
・わかりやすい用語集 解説:自動移管(じどういかん) | 三井 …
・企業型確定拠出年金が「自動移換」されていた!どうすれば …
・デメリットだらけの自動移管・・・。企業型dc加入者で転職 …
・DCにおける資産移換と企業型DC・iDeCo間の資産移換(移管 …
・自動移換されたままだと…|特定運営管理機関 – Jis&T
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