分類 | 国・地域 |
---|---|
BRICs | ブラジル、ロシア、インド、中国(2011年以降は南アフリカも参加) |
VISTA | ベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチン |
ネクスト11 | イラン、インドネシア、エジプト、韓国、トルコ、ナイジェリア、パキスタン、バングラディシュ、フィリピン、ベトナム、メキシコ |
1. 新興市場とは
新興市場の定義
新興市場とは、比較的新しく設立されたり、成長途上の小規模または中規模の企業が株式を公開する株式市場のことです。これらの市場は、大手企業が取引される主要な証券市場よりもリスクが高いですが、大きな成長の可能性を秘めています。投資家は新しい技術やビジネスモデルを持つ企業に投資することで、将来的に高いリターンを期待できる一方で、失敗のリスクも考慮する必要があります。
新興市場は、経済成長が著しい発展途上国の市場を指す場合もあります。これらの市場は、経済の急成長や都市化の進展、人口増加などにより、今後大きな成長が期待されています。代表的な新興市場には、中国、インド、ブラジル、ロシア、南アフリカなどが挙げられます。
新興市場は、インフラ投資や産業の多様化、労働力の質の向上などにより、持続的な経済成長を実現しています。このような市場は、成熟した先進国市場とは異なり、成長の初期段階にあるため、高い投資リターンが期待されることが多いです。
基準 | 説明 |
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一人あたり所得 | 世界銀行は一人あたり所得を基準に低所得国、低位の中所得国、高位の中所得国、高所得国の4つのカテゴリーで分類している |
資本市場の自由化 | モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナルが開発したMSCI指数では、資本の自由移動や株式市場の自由化などの度合いによって、先進市場、新興市場、フロンティア市場が区分されている |
人間開発指数 | 国連開発計画が提示する人間開発指数(HDI)は、一人あたり所得に加え、平均寿命と教育水準をもとに、人間開発の度合いを指数化している |
新興市場の分類
新興市場は、その特徴や規模によって様々な分類がされています。代表的な分類としては、以下のものがあります。
BRICs:ブラジル、ロシア、インド、中国の4カ国を指します。2000年以降にめざましい経済発展を遂げており、2011年からは南アフリカもこのグループに参加しています。BRICSのGDPは2039年頃には米日独仏英伊の6カ国の合計GDPを上回ると想定されています。
VISTA:ベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチンの5カ国を指します。BRICsに続いて経済発展が大きくなる新興国グループと評価されています。人口増加が著しく、消費の多い中産階級の割合が大きいことが特徴です。
ネクスト11:イラン、インドネシア、エジプト、韓国、トルコ、ナイジェリア、パキスタン、バングラディシュ、フィリピン、ベトナム、メキシコの11カ国を指します。韓国は先進国と同様な評価を国際社会で得ています。しかし韓国以外の国々では国内情勢や通貨の価値が変動しやすいなど懸念材料は残ります。
グループ | 国・地域 |
---|---|
BRICs | ブラジル、ロシア、インド、中国 |
VISTA | ベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチン |
ネクスト11 | イラン、インドネシア、エジプト、韓国、トルコ、ナイジェリア、パキスタン、バングラディシュ、フィリピン、ベトナム、メキシコ |
日本の新興市場
日本における新興市場は、東京証券取引所のグロース市場、名古屋証券取引所のネクスト市場、札幌証券取引所のアンビシャス、福岡証券取引所のQボードなどがあります。
これらの市場は、本則市場に比べて上場基準が緩和されており、規模がまだ大きくなく、業績が赤字であっても上場できる場合があるため、多くの新興企業が株式を公開しています。
証券取引所 | 市場名 |
---|---|
東京証券取引所 | グロース市場 |
名古屋証券取引所 | ネクスト市場 |
札幌証券取引所 | アンビシャス |
福岡証券取引所 | Qボード |
まとめ
新興市場は、成長の可能性を秘めた企業が株式を公開する市場であり、投資家にとって魅力的な投資先となる一方で、リスクも伴います。
新興市場は、経済成長が著しい発展途上国の市場を指す場合もあり、世界経済において重要な役割を果たしています。
新興市場は、BRICs、VISTA、ネクスト11など、様々な分類が存在し、それぞれの市場には独自の特性があります。
日本の新興市場は、グロース市場、ネクスト市場、アンビシャス、Qボードなどがあり、多くの新興企業が上場しています。
2. 新興市場の特徴
成長率の大きさ
新興市場は、先進国に比べて高い経済成長率を維持していることが特徴です。これは、インフラ整備や産業の発展が進んでいるためです。
人口増加も著しく、若年層の人口が多いことが特徴です。これにより、労働力の供給が安定し、消費市場の拡大が期待されます。
都市化が進むことで、インフラ投資や不動産市場の成長が見込まれます。
多くの新興市場では、経済政策の改革が進められており、投資環境の改善が図られています。
要因 | 説明 |
---|---|
経済成長率の高さ | インフラ整備や産業の発展が進んでいるため、先進国に比べて高い経済成長率を維持している |
人口増加 | 若年層の人口が多く、労働力の供給が安定し、消費市場の拡大が期待される |
都市化の進展 | インフラ投資や不動産市場の成長が見込まれる |
経済政策の改革 | 投資環境の改善が図られている |
多様性
新興市場は、国や地域によって経済構造や文化、制度などが大きく異なるため、多様性に富んでいます。
例えば、資源輸出に依存する国、製造業が発展している国、サービス業が中心の国など、様々なタイプが存在します。
新興市場の多様性は、投資家にとって魅力的な投資機会を提供する一方で、リスク管理を複雑にする要因でもあります。
市場の効率性
新興市場は、先進国市場に比べて市場の効率性が低い傾向があります。
これは、透明性の低さ、情報の非対称性の大きさ、監視コストやエンフォースメントコストの大きさといった要因が挙げられます。
新興市場では、政府や政府関係の機関が経済社会活動にかかわるルールを設定するだけでなく、経済活動における主体的なプレーヤーとなっていることも特徴です。
ネットワークにもとづく行動が一般的であることも特徴です。これは、非効率な市場の結果として理解される一方で、当該新興市場経済における社会的伝統と関係しているとの議論もあります。
要因 | 説明 |
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透明性の低さ | 企業情報や経済指標などが正確に開示されていない場合がある |
情報の非対称性 | 投資家と企業間で情報格差が大きい |
監視コストやエンフォースメントコストの大きさ | 市場の監視や不正行為に対する対応が遅れがち |
政府や政府関係機関の積極的な関与 | 国有企業や国家管理企業が経済活動に深く関与している |
まとめ
新興市場は、高い経済成長率と多様性に富んでいることが特徴です。
市場の効率性は低く、政府や政府関係機関が経済活動に深く関与している場合が多いです。
ネットワークにもとづく行動が一般的であり、リスクと不確実性が高いことも特徴です。
3. 新興市場への投資メリット
高い成長率
新興市場は、先進国に比べて高い経済成長率を維持しているため、株式投資は魅力的です。
特に、テクノロジーや消費財、インフラ関連企業への投資が期待されています。
多様な投資機会
新興市場には、株式市場、不動産市場、債券市場、コモディティ市場など、様々な投資機会が存在します。
都市化の進展に伴い、不動産市場の成長が見込まれます。特に、都市部の商業用不動産や住宅市場が注目されています。
新興市場の国債や企業債は、高利回りが期待できるため、リスクを取れる投資家にとって魅力的です。
新興市場は天然資源が豊富であり、コモディティ投資も有望です。特に、エネルギーや金属、農産物への投資が注目されています。
分野 | 説明 |
---|---|
株式市場 | 成長率の高い企業への投資 |
不動産市場 | 都市化の進展による不動産価格の上昇 |
債券市場 | 高利回りの国債や企業債への投資 |
コモディティ市場 | 天然資源の価格上昇による利益 |
その他 | インフラ投資、サービス業への投資など |
コスト削減
新興国では、先進国と比べて人件費が安いです。さらに人口が増加の一途をたどっているので労働力の確保に困ることはなくなります。
また、新興国では天然資源が豊富であることが多く、資源の輸出が貿易の中心となっている国も多いです。輸入分のコストがかからないので日本よりも安く資源を利用できます。
項目 | 説明 |
---|---|
人件費 | 先進国に比べて人件費が安い |
原材料費 | 天然資源が豊富で、輸入コストが低い |
まとめ
新興市場への投資は、高い成長率と多様な投資機会を提供します。
株式市場、不動産市場、債券市場、コモディティ市場など、様々な分野で投資機会が存在します。
人件費や原材料費などのコストを削減できることもメリットです。
4. 新興市場への投資デメリット
政治的不安定性
新興市場は、政治的に不安定な国も多く、政変や政策変更のリスクがあります。
政情不安は、経済活動に悪影響を及ぼし、投資環境を不安定にする可能性があります。
経済の変動
新興市場は、経済成長が不安定な場合があり、景気変動の影響を受けやすいです。
経済成長が鈍化したり、急激なインフレが発生したりする可能性もあります。
為替リスク
新興市場の通貨は変動が激しく、為替リスクが高いです。
投資した通貨が急落すると、投資元本が減ってしまう可能性があります。
まとめ
新興市場への投資には、政治的不安定性、経済の変動、為替リスクなど、様々なリスクが伴います。
これらのリスクは、投資家の損失につながる可能性があるため、十分に理解した上で投資を行う必要があります。
5. 新興市場投資のポイント
分散投資
複数の新興市場や資産クラスに分散して投資することで、リスクを分散することができます。
例えば、株式だけでなく、債券や不動産など、様々な資産に投資することで、リスクを軽減することができます。
情報収集
信頼できる情報源を活用し、最新の市場動向を常に把握することが重要です。
経済指標、政治情勢、企業情報など、様々な情報を収集し、投資判断に役立てましょう。
長期投資
新興市場は、短期的な値動きが大きく、短期投資には適さない場合があります。
長期的な視点で投資を行い、市場の成長を待つことが重要です。
まとめ
新興市場への投資では、分散投資、情報収集、長期投資が重要です。
リスクを理解した上で、慎重に投資戦略を立てることが成功の鍵となります。
6. 新興市場投資の注意点
市場の透明性
新興市場は、先進国市場に比べて情報の透明性が低い場合があります。
企業情報や経済指標などが正確に開示されていない場合があり、投資判断が難しくなる可能性があります。
流動性
新興市場は、先進国市場に比べて流動性が低い場合があります。
売買したい時にすぐに売買できない場合があり、損失が拡大する可能性があります。
規制
新興市場は、先進国市場に比べて規制が緩い場合があります。
投資家の保護が不十分な場合があり、投資リスクが高まる可能性があります。
まとめ
新興市場への投資では、市場の透明性、流動性、規制など、様々な点に注意が必要です。
これらの注意点に留意し、リスクを理解した上で投資を行うことが重要です。
参考文献
・新興市場 | 初心者でもわかりやすい金融用語集 | マネクリ …
・新興市場ってどんな市場?上場基準や投資する際の注意点を …
・投資における新興市場の成長と投資機会の魅力について – sola’s …
・新興市場に対して楽観的になれる理由 – AllianzGI
・新興市場|用語解説|三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社
・新興市場(しんこうしじょう) | 証券用語集 | 東海東京証券株式会社
・新興市場(シンコウシジョウ)とは? 意味や使い方 – コトバンク
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