上場投資信託とは?経済用語について説明

上場投資信託のメリット・デメリット
メリット デメリット
分散投資によるリスク軽減 価格変動リスク
低コストでの運用 流動性リスク
取引の柔軟性 指数乖離リスク
手軽に始められる 税金がかかる
様々な投資戦略に対応可能 自動積立ができない場合もある
高い流動性 自分で売買のタイミングを判断する必要がある
信託報酬が安い 投資信託に比べて商品数が少ない
個別株よりもリスクが低い 上場廃止のリスクがある

1. 上場投資信託とは

要約

ETFとは何か?

ETFとは、Exchange Traded Fundsの略称で、日本語では上場投資信託と呼ばれています。これは、証券取引所に上場している投資信託の一種であり、株式と同様に取引時間中にリアルタイムで売買が可能です。ETFは、特定の指数(インデックス)に連動するように設計されており、日経平均株価やS&P500などの指数に連動するETFが一般的です。

投資家は、ETFを購入することで、その指数に含まれるすべての銘柄に分散投資することができます。例えば、日経平均株価に連動するETFを1本買うだけで、日経平均株価を構成する225社の株式を買うのと同じ分散効果が得られます。

ETFは、株式と同様に証券取引所で取引されるため、リアルタイムで価格が変動し、いつでも売買が可能です。投資家は、取引時間中に希望する価格で買い注文や売り注文を出すことができます。

ETFは、個別株や従来の投資信託と比べて多くのメリットがあります。ETFを購入することで、一つの取引で複数の銘柄に分散投資することができます。これにより、個別株に投資するリスクを減らすことができます。また、ETFは株式と同様に取引時間中に売買が可能です。これにより、市場の動向に応じて迅速に投資判断を行うことができます。

ETFの取引時間
ETF 取引時間
上場投資信託 証券取引所が開いている時間
投資信託 申込期間中の9時から15時

ETFの仕組み

ETFの仕組みを理解するためには、現物拠出型ETF現物拠出ではないリンク債型ETFの2種類をおさえておく必要があります。

現物拠出型ETFは、証券会社や機関投資家(指定参加者)が市場で購入した株式の集合体(現物株バスケット)を投信運用会社に拠出するところから始まります。この拠出を受け、運用会社はETFを設定し、その持分を示す受益証券を証券会社や機関投資家に渡します。そして、この受益証券が証券取引所に上場され、一般投資家の手に渡り、ETFが売買されます。

リンク債型ETFとは、その名のとおりリンク債に投資するETFのことを指します。このリンク債とは、特定の指標に価格が連動する形式の債券を指します。リンク債の価格が指標に連動するため、結果としてETFも同じ指標に連動します。

リンク債型ETFは特に、現物拠出が困難な新興国の株価指数などに連動するETFに採用されています。

ETFの価格決定方法
ETF 価格決定方法
上場投資信託 リアルタイムで変動
投資信託 基準価額が1日1回算出

ETFと投資信託の違い

ETFは投資信託の一種ですが、ETFと投資信託には明確な違いがあります。主な違いとしては上場しているか、していないかの違い購入できる場所の違い売買方法の違いの3つです。

ETFは証券取引所に上場していて、投資信託は上場していません。上場しているか、していないかで取引時間が異なってきます。ETFは証券取引所が開いている平日の月曜日から金曜日の8時45分から16時45分で取引可能です。これに対して投資信託は申込期間中の9時から15時までが取引時間になっています。

また、ETFと投資信託は価格の決まり方も異なります。ETFは株式と同じようにリアルタイムで価格が変動し、好きなタイミングで購入可能です。投資信託は基準価額が1日1回算出され価格が決定します。

ETFは上場している点で株式により近い投資商品になっているといえるでしょう。購入できる場所もそれぞれ異なります。ETFが購入できるのは証券会社です。他方、投資信託はファンドごとに購入できる場所が異なり、証券会社だけでなく、銀行、郵便局といった金融機関の窓口でも購入できます。

ETFと投資信託の違い
項目 ETF 投資信託
上場 上場している 上場していない
購入場所 証券会社 証券会社、銀行、郵便局など
売買方法 証券取引所での注文 販売会社を通じて注文

まとめ

ETFは、証券取引所に上場している投資信託であり、株式と同様にリアルタイムで売買が可能です。ETFは、特定の指数に連動するように設計されており、投資家はETFを購入することで、その指数に含まれるすべての銘柄に分散投資することができます。

ETFは、投資信託の一種ですが、上場しているか、していないか、購入できる場所、売買方法といった点で投資信託とは明確な違いがあります。

ETFは、投資信託と比べて、手軽に分散投資ができ、手数料が安く、株式のように成行注文や指値注文ができるといったメリットがあります。

しかし、ETFには、価格変動リスク、流動性リスク、連動する指数から乖離してしまうリスク、税金がかかるといったデメリットも存在します。

2. 上場投資信託のメリット

要約

分散投資によるリスク軽減

ETFの最大のメリットの一つは、分散投資によるリスク軽減です。一つのETFを購入することで、多くの銘柄に分散投資することができます。

ETFは、特定の指数(インデックス)に連動するように設計されているため、特定の市場全体やセクターに投資することができます。これにより、個別株投資に比べてリスクを分散することができます。

ETFは、地域別に投資することも可能です。これにより、特定の国や地域の経済状況に依存しない分散投資が実現します。

例えば、日経平均株価に連動するETFを1本買うだけで、日経平均株価を構成する225社の株式を買うのと同じ分散効果が得られます。

ETFの分散投資
ETF 分散投資
上場投資信託 複数の銘柄に分散投資
投資信託 複数の銘柄に分散投資
個別株 1銘柄に集中投資

低コストでの運用

ETFは、コストの面でも非常に優れています。低コストでの運用が可能であり、長期的な投資において大きなメリットとなります。

ETFは、一般的に運用管理費用(エクスペンスレシオ)が低く設定されています。これにより、投資家は低コストで分散投資を行うことができます。

ETFは、株式と同様に証券取引所で取引されるため、取引手数料も比較的低く抑えられます。また、頻繁な売買を行わない場合、コストをさらに削減することができます。

投資信託は、販売会社から購入する際の購入時手数料や運用している際にかかる信託報酬といったコストがかかります。この点、ETFは販売会社を通さないので販売会社に支払われる信託報酬の一部がかかりません。

ETFの手数料
手数料 ETF 投資信託
信託報酬 低い 高い
販売手数料 なし あり
取引手数料 株式と同じ 投資信託によって異なる

取引の柔軟性

ETFは、株式と同様に証券取引所で取引されるため、非常に柔軟な取引が可能です。これにより、投資家は市場の状況に迅速に対応することができます。

ETFは、取引時間中にリアルタイムで売買が可能です。これにより、投資家は市場の動きを見ながら柔軟に取引を行うことができます。

ETFは、多様な取引戦略に対応可能です。短期トレードから長期投資まで、様々な戦略に柔軟に対応することができます。

ETFは、分散投資によるリスク軽減、低コストでの運用、取引の柔軟性など、多くのメリットを持つ投資手段です。これらの利点を活用することで、効果的な投資戦略を立てることができます。

ETFの取引方法
取引方法 ETF 投資信託
注文方法 成行注文、指値注文 なし
取引時間 リアルタイム 1日1回
信用取引 可能 不可

まとめ

ETFは、分散投資によるリスク軽減、低コストでの運用、取引の柔軟性など、多くのメリットを持つ投資手段です。

ETFは、投資信託と比べて、信託報酬が安く、株式と同様にリアルタイムで売買が可能です。

また、ETFは、個別株に投資するよりもリスクを分散することができます。

ETFは、長期投資や短期投資など、様々な投資戦略に適しています。

3. 上場投資信託の運用方法

要約

ETFの選び方

ETFを選ぶ際には、いくつかの重要なポイントを考慮する必要があります。

まず、投資の目的を明確にすることが重要です。短期的な利益を狙うのか、長期的な資産形成を目指すのかによって、選ぶべきETFは異なります。

ETFには、管理費用(エクスペンスレシオ)や取引手数料がかかります。これらのコストは長期的なリターンに大きな影響を与えるため、慎重に比較することが必要です。

流動性は、ETFの売買がどれだけ容易に行えるかを示す重要な指標です。流動性が高いほど、希望する価格での売買がしやすくなります。

ETFの選び方のポイント
ポイント 内容
投資目的 短期投資、長期投資など
コスト 信託報酬、取引手数料
流動性 売買のしやすさ
リスクとリターン リスク許容度に応じたバランス
過去のパフォーマンス 安定したリターンを提供しているか

リスクとリターンのバランス

ETFを選ぶ際には、リスクとリターンのバランスを考慮することが重要です。自分のリスク許容度に応じて、適切なバランスを見つけることが必要です。

自分のリスク許容度を評価し、それに応じたETFを選ぶことが重要です。高リスク・高リターンを狙うのか、低リスク・安定リターンを求めるのかを明確にしましょう。

過去のパフォーマンスを比較し、安定したリターンを提供しているかを確認します。ただし、過去の実績が将来のリターンを保証するものではないため、慎重に評価することが重要です。

ETFにはさまざまな種類があり、それぞれに特徴とメリットがあります。投資目的、コスト、流動性、リスクとリターンのバランスを考慮して、自分に最適なETFを選ぶことが重要です。

リスク許容度とETF
リスク許容度 ETF
高リスク・高リターン 新興国の株式ETF
低リスク・安定リターン 国債ETF

ETFの購入方法

ETFの購入方法は株式とほとんど同じです。銘柄選び、数量の決定、注文方法の設定によって購入できます。

まずは銘柄を選びます。ETFもさまざまなものがあるので、ご自身に合った銘柄を選びましょう。

そして、どれだけ買うのか数量を設定します。

最後に注文方法の設定です。注文方法は成行注文と指値注文があります。初心者の場合は価格の上限や下限を設定できる指値注文がおすすめです。

ETFの注文方法
注文方法 説明
成行注文 現在の市場価格で売買
指値注文 希望する価格で売買

まとめ

ETFを選ぶ際には、投資目的、コスト、流動性、リスクとリターンのバランスを考慮することが重要です。

ETFの購入方法は、銘柄選び、数量の決定、注文方法の設定の3つのステップで行います。

ETFは、投資信託と比べて、コストがかからないので、長期的な投資にも向いています。

また、リアルタイムで取引できるので短期的な投資にも有効な投資商品です。

4. 上場投資信託のリスク

要約

価格変動リスク

価格変動リスクは、ETFに組み込まれている株式や債券の価格が変動し、場合によっては価格が購入時よりもマイナスになってしまうリスクです。

ETFは株式バスケットを運用しているので一般的な株式よりもリスクを抑えられていますが、株式市場全体が落ち込んでしまうと価格が暴落する恐れがあります。

そのため、株式だけでなく債券のETFを保有するなどしてリスクを抑えることも必要です。債券は株式と逆の値動きをする傾向にあるので、株式と債券を両方保有することでリスクを分散できます。

ETFは、分散投資ができるメリットもありますが、リスクがゼロになるわけではありません。経済情勢などの影響を受けて投資資産の価格が下落すれば、ETFの価値も低下することになります。

価格変動リスク
リスク 説明
価格変動リスク ETFに組み込まれている株式や債券の価格が変動し、場合によっては価格が購入時よりもマイナスになってしまうリスク

流動性リスク

流動性リスクは、市場の需要と供給によって売買が成立しない可能性があるリスクです。また、予想よりも大きく離れた価格で売買が成立してしまう恐れもあり、注意が必要です。

ETFは指値注文ができるのである程度リスクを抑えられますが、市場の変化で設定した金額まで達しないことも考えられます。

この場合は売買が成立しないので価格がマイナスのまま保有し続けなければならず、損失を大きくしてしまう恐れもあるのです。

そのため、損切りができるように売却時の逆指値注文の設定をすることも考えてください。逆指値注文は、価格が一定の金額まで下がったら売るように設定する注文方法で、損失を抑えることができます。

流動性リスク
リスク 説明
流動性リスク 市場の需要と供給によって売買が成立しない可能性があるリスク。また、予想よりも大きく離れた価格で売買が成立してしまう恐れもあり、注意が必要です。

指数乖離リスク

ETFは株式や債券の指数に連動して価格が変動するのが特徴です。しかし、市場が急変すると連動する指数とETFの価格が乖離してしまうリスクがあります。

この場合は価格の変動が読めず、指数に応じた取引ができません。

これを抑えるために重要なのが乖離(かいり)率です。乖離率が低いETFを購入することでリスクを抑えることができます。

ETFは、分散投資ができるメリットもありますが、リスクがゼロになるわけではありません。経済情勢などの影響を受けて投資資産の価格が下落すれば、ETFの価値も低下することになります。

指数乖離リスク
リスク 説明
指数乖離リスク 市場が急変すると連動する指数とETFの価格が乖離してしまうリスク。この場合は価格の変動が読めず、指数に応じた取引ができません。

まとめ

ETFは、分散投資ができるメリットがありますが、価格変動リスク、流動性リスク、連動する指数から乖離してしまうリスク、税金がかかるといったデメリットも存在します。

ETFは、分散投資なので、集中投資よりはリスクが軽減されますが、ゼロではないことを理解しておくようにしましょう。

ETFは、投資信託と比べて、コストがかからないので、長期的な投資にも向いています。

また、リアルタイムで取引できるので短期的な投資にも有効な投資商品です。

5. 上場投資信託の利回り

要約

ETFの利回り

ETFの利回りは、ETFが保有する資産から得られる収益(配当金や利息など)を、ETFの価格で割ったものです。

ETFの利回りは、ETFが連動する指数の動きや、ETFが保有する資産の種類によって異なります。

例えば、日経平均株価に連動するETFの場合、日経平均株価の配当利回りがETFの利回りに反映されます。

ETFの利回りは、過去のデータに基づいて計算されるため、将来の利回りを保証するものではありません。

ETFの利回り計算式
利回り 計算式
ETFの利回り (配当金 + 利息) / ETFの価格

ETFの利回りの計算方法

ETFの利回りは、以下の式で計算されます。

利回り = (配当金 + 利息) / ETFの価格

例えば、ETFの価格が1万円で、年間の配当金が500円の場合、利回りは5%となります。

ETFの利回りは、ETFの種類や市場の状況によって大きく変動します。

ETFの利回りとリスクの関係

ETFの利回りは、リスクと密接に関係しています。

一般的に、高利回りのETFは、高リスクである傾向があります。

例えば、新興国の株式に投資するETFは、高利回りですが、価格変動が大きく、リスクも高いです。

一方、低利回りのETFは、低リスクである傾向があります。例えば、国債に投資するETFは、低利回りですが、価格変動が小さく、リスクも低いです。

ETFの利回りリスク
リスク 説明
高利回り 高リスク
低利回り 低リスク

まとめ

ETFの利回りは、ETFが保有する資産から得られる収益を、ETFの価格で割ったものです。

ETFの利回りは、ETFが連動する指数の動きや、ETFが保有する資産の種類によって異なります。

ETFの利回りは、リスクと密接に関係しています。高利回りのETFは、高リスクである傾向があり、低利回りのETFは、低リスクである傾向があります。

投資家は、自分のリスク許容度に応じて、適切なETFを選びましょう。

6. 上場投資信託の税金の取り扱い

要約

ETFの税金

ETFは、株式と同様に税金がかかります。ETFを譲渡することで利益が出た場合は譲渡益について課税され、分配金があれば分配金に対しても課税されます。

ETFの譲渡益は、他の金融商品と同様に、申告分離課税の対象となります。

申告分離課税とは、他の所得と合算せずに、譲渡益に対してのみ税金が課される制度です。

ETFの譲渡益にかかる税率は、20.315%(所得税15.315% + 住民税5%)です。

ETFの譲渡益税率
税率 内容
ETFの譲渡益 20.315%(所得税15.315% + 住民税5%)

ETFの分配金の税金

ETFの分配金は、雑所得として課税されます。

雑所得とは、給与所得や事業所得など、他の所得に分類されない所得のことです。

ETFの分配金にかかる税率は、20.315%(所得税15.315% + 住民税5%)です。

ただし、一定金額までの運用で税金のかからない新NISAの対象になっているETFもあります。

ETFの分配金税率
税率 内容
ETFの分配金 20.315%(所得税15.315% + 住民税5%)

ETFの税金対策

ETFの税金対策としては、新NISAを活用することが有効です。

新NISAは、年間120万円まで非課税で投資できる制度です。

新NISAの対象となるETFは、証券会社によって異なりますので、事前に確認が必要です。

また、ETFの売買益は、損失と相殺することができます。

ETFの税金対策
対策 説明
新NISA 年間120万円まで非課税で投資できる制度
損失と相殺 ETFの売買益は、損失と相殺することができます。

まとめ

ETFは、株式と同様に税金がかかります。ETFを譲渡することで利益が出た場合は譲渡益について課税され、分配金があれば分配金に対しても課税されます。

ETFの税金対策としては、新NISAを活用することが有効です。

また、ETFの売買益は、損失と相殺することができます。

投資家は、ETFの税金対策を理解し、適切な投資戦略を立てることが重要です。

参考文献

Etfとは? | Etf(上場投資信託)|日興アセットマネジメント

Etfとは?Etf(上場投資信託)のしくみやメリット・デメリット、投資信託との違いを解説 | Next Funds

上場投資信託(上場投信)とは|金融商品ガイド|iFinance

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ETF(上場投資信託)とは? | iFreeETF | 大和アセットマネジメント

Q1 Etf(上場投資信託)とはなんですか? – 松井証券

投資信託とetf(上場投資信託)について知ろう – 三井住友銀行

ETF(上場投資信託)とは?|SBIネオトレード証券

はじめてのETF(上場投資信託)入門。ETFをわかりやすく解説

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