項目 | 内容 |
---|---|
分布 | 東アジアの温帯域に広く分布。日本国内では本州中部以南の西日本に多く生息。 |
特徴 | 全長10cmほどの小型魚。体は側扁し、楕円形。体色は青みがかった銀白色。後頭部に黒褐色の斑点がある。 |
生態 | 肉食性で、多毛類や甲殻類などを捕食。夜行性で、夜間に活動することが多い。 |
餌 | 多毛類、甲殻類などの小型の底生生物を捕食。 |
生息環境 | 内湾の砂泥底に生息。水深10~100メートルほどの場所に多く見られる。 |
人間との関係 | 食用魚として利用される。干物や煮干しなどに加工されることが多い。 |
1. オキヒイラギの分布
オキヒイラギの分布域
オキヒイラギは、日本列島、朝鮮半島南部、東シナ海西岸、台湾など、東アジアの温帯域に広く分布しています。日本国内では、本州中部以南の西日本、朝鮮半島南部、東シナ海西岸、台湾まで分布しています。特に、内湾や汽水域に多く生息しており、港や河口などで見かけることができます。ただし、琉球列島では、オキヒイラギは分布しておらず、ヒイラギも沖縄本島だけの記録にとどまっています。
オキヒイラギは、ヒイラギと同様に、内湾の砂泥底に生息し、数十尾ほどの小さな群れを作って泳ぐ姿が見られます。また、河口などの汽水域にもよく進入します。
オキヒイラギは、ヒイラギよりもやや沖合に生息し、底曳き網や定置網などで漁獲されます。ヒイラギは、陸からの投げ釣りなどでも釣れることがありますが、オキヒイラギは、そのような方法ではあまり釣れません。
地域 | 分布状況 |
---|---|
日本 | 本州中部以南の西日本 |
朝鮮半島 | 南部 |
東シナ海 | 西岸 |
台湾 | 分布 |
琉球列島 | 分布せず |
オキヒイラギとヒイラギの分布の違い
オキヒイラギとヒイラギは、どちらもヒイラギ科に属する魚ですが、分布域に違いがあります。ヒイラギは、琉球列島を含む南日本に広く分布していますが、オキヒイラギは、琉球列島には分布していません。
また、ヒイラギは、汽水域にもよく進入しますが、オキヒイラギは、汽水域にはあまり入りません。これは、オキヒイラギの方が、ヒイラギよりも海水に適応しているためと考えられます。
種 | 分布域 |
---|---|
オキヒイラギ | 本州中部以南の西日本、朝鮮半島南部、東シナ海西岸、台湾 |
ヒイラギ | 琉球列島を含む南日本 |
オキヒイラギの生息環境
オキヒイラギは、内湾の砂泥底に生息し、水深10~100メートルほどの場所に多く見られます。特に、水温が15~25℃の環境を好みます。
オキヒイラギは、底生生物を食べるため、餌となる生物が豊富な場所を好みます。そのため、プランクトンや小魚などが豊富な場所や、海底に藻場がある場所などに多く生息しています。
項目 | 内容 |
---|---|
生息場所 | 内湾の砂泥底 |
水深 | 10~100メートル |
水温 | 15~25℃ |
まとめ
オキヒイラギは、東アジアの温帯域に広く分布する魚で、日本国内では、本州中部以南の西日本に多く生息しています。
オキヒイラギは、ヒイラギよりもやや沖合に生息し、底曳き網や定置網などで漁獲されます。
オキヒイラギは、内湾の砂泥底に生息し、水深10~100メートルほどの場所に多く見られます。
2. オキヒイラギの特徴
オキヒイラギの形態
オキヒイラギは、全長10センチメートルほどの小型の魚で、体は強く側扁し、楕円形に近く、広葉樹の葉のような形状をしています。
体色は青みがかった銀白色で、後頭部に黒褐色の斑点があります。また、背鰭の前半部も黒いのが特徴です。
背鰭は8棘条・16軟条、尻鰭は3棘条・14軟条からなります。腹鰭の1棘も含め、棘条はどれも鋭く発達しています。
体表は粘液が多量に分泌され、手で触れるとヌルヌルしています。体の後半部は微小で剥がれやすい鱗に覆われますが、頭部を含む体の前半部には鱗がありません。
項目 | 内容 |
---|---|
全長 | 10センチメートルほど |
体型 | 側扁し、楕円形 |
体色 | 青みがかった銀白色 |
斑点 | 後頭部に黒褐色の斑点 |
鱗 | 体の後半部は微小な鱗で覆われる。前半部には鱗がない。 |
オキヒイラギの生態的特徴
オキヒイラギは、口を比較的小さく唇も薄く、前下方に筒のように突き出すことができます。また、上下の咽頭歯を擦り合わせ、発音します。
食道に発光バクテリアを共生させ、暗所で発光します。
オキヒイラギは、肉食性で、多毛類や甲殻類など小型のベントス(底生生物)を捕食します。採餌の際には、口を筒のように伸ばし、これらの小動物を吸い込みます。
項目 | 内容 |
---|---|
口 | 筒状に突き出すことができる |
発音 | 上下の咽頭歯を擦り合わせて発音する |
発光 | 食道に発光バクテリアを共生させ、暗所で発光する |
食性 | 肉食性で、多毛類や甲殻類などを捕食する |
オキヒイラギとヒイラギの見分け方
オキヒイラギとヒイラギは、よく似ていますが、いくつかの違いがあります。
オキヒイラギは、ヒイラギよりも体高が低く、後頭部が突き出ていません。また、頭部と背鰭の黒斑がなく、体全体に鱗があります。
ヒイラギは、オキヒイラギよりも体高が高く、後頭部が突き出ています。また、頭部と背鰭に黒斑があり、体の前半部には鱗がありません。
種 | 体高 | 後頭部 | 黒斑 | 鱗 |
---|---|---|---|---|
オキヒイラギ | 低い | 突き出ていない | なし | 全体に鱗がある |
ヒイラギ | 高い | 突き出ている | あり | 体の前半部には鱗がない |
まとめ
オキヒイラギは、全長10センチメートルほどの小型の魚で、体は強く側扁し、楕円形に近く、広葉樹の葉のような形状をしています。
体色は青みがかった銀白色で、後頭部に黒褐色の斑点があります。また、背鰭の前半部も黒いのが特徴です。
オキヒイラギは、口を比較的小さく唇も薄く、前下方に筒のように突き出すことができます。また、上下の咽頭歯を擦り合わせ、発音します。
オキヒイラギは、ヒイラギよりも体高が低く、後頭部が突き出ていません。また、頭部と背鰭の黒斑がなく、体全体に鱗があります。
3. オキヒイラギの生態
オキヒイラギの食性
オキヒイラギは、肉食性で、多毛類や甲殻類など小型のベントス(底生生物)を捕食します。
採餌の際には、口を筒のように伸ばし、これらの小動物を吸い込みます。
オキヒイラギは、夜行性で、夜間に活動することが多いです。
オキヒイラギの繁殖
オキヒイラギの産卵期は初夏で、直径0.6~0.7mmの分離浮遊卵を産みます。
卵は、岸近くの藻の多い海域に産み付けられます。
孵化後も内湾の浅場で成長し、潮だまりなどで体長数㎝の仔魚が群れているのが見られることもあります。
産卵期 | 初夏 |
---|---|
卵 | 直径0.6~0.7mmの分離浮遊卵 |
産卵場所 | 岸近くの藻の多い海域 |
オキヒイラギの行動
オキヒイラギは、数十尾ほどの小さな群れで生活しています。
群れで行動することで、捕食者から身を守ったり、餌を見つけやすくなったりする効果があります。
オキヒイラギは、夜行性で、夜間に活動することが多いです。
行動 | 数十尾ほどの群れで行動 |
---|---|
目的 | 捕食者から身を守る、餌を見つけやすくする |
活動時間 | 夜行性で、夜間に活動することが多い |
まとめ
オキヒイラギは、肉食性で、多毛類や甲殻類など小型のベントス(底生生物)を捕食します。
オキヒイラギの産卵期は初夏で、直径0.6~0.7mmの分離浮遊卵を産みます。
オキヒイラギは、数十尾ほどの小さな群れで生活しています。
4. オキヒイラギの餌
オキヒイラギの主な餌
オキヒイラギは、肉食性で、主に多毛類や甲殻類などの小型の底生生物を食べています。
具体的には、ゴカイ、エビ、カニ、貝類などを捕食します。
オキヒイラギは、口を筒のように伸ばして、これらの小動物を吸い込みます。
餌 | 多毛類 | 甲殻類 | 貝類 |
---|
オキヒイラギの餌となる生物
オキヒイラギの餌となる生物は、主に海底に生息する生物です。
そのため、オキヒイラギは、砂泥底や岩礁などの環境に多く生息しています。
オキヒイラギは、夜行性で、夜間に活動することが多いので、夜間に餌となる生物を捕食します。
生息場所 | 海底 |
---|---|
例 | ゴカイ、エビ、カニ、貝類 |
オキヒイラギの餌の探し方
オキヒイラギは、餌となる生物を探し出すために、鋭い嗅覚と視覚を利用しています。
また、オキヒイラギは、群れで行動することで、餌を見つけやすくなっています。
オキヒイラギは、餌となる生物を見つけると、口を筒のように伸ばして、吸い込みます。
まとめ
オキヒイラギは、肉食性で、主に多毛類や甲殻類などの小型の底生生物を食べています。
オキヒイラギは、餌となる生物を探し出すために、鋭い嗅覚と視覚を利用しています。
オキヒイラギは、群れで行動することで、餌を見つけやすくなっています。
5. オキヒイラギの生息環境
オキヒイラギの生息場所
オキヒイラギは、内湾の砂泥底に生息し、水深10~100メートルほどの場所に多く見られます。
特に、水温が15~25℃の環境を好みます。
オキヒイラギは、底生生物を食べるため、餌となる生物が豊富な場所を好みます。
場所 | 内湾の砂泥底 |
---|---|
水深 | 10~100メートル |
水温 | 15~25℃ |
オキヒイラギの生息環境の特徴
オキヒイラギは、水質が比較的きれいである場所を好みます。
また、水深が浅く、日差しが良く当たる場所を好みます。
オキヒイラギは、流れが穏やかな場所を好みます。
項目 | 内容 |
---|---|
水質 | 比較的きれい |
水深 | 浅い |
日差し | 良く当たる |
流れ | 穏やかな |
オキヒイラギの生息環境と人間の影響
オキヒイラギの生息環境は、人間の活動によって影響を受けています。
例えば、水質汚染や埋め立てによって、オキヒイラギの生息地が減少しています。
また、乱獲によって、オキヒイラギの数が減っている可能性もあります。
まとめ
オキヒイラギは、内湾の砂泥底に生息し、水深10~100メートルほどの場所に多く見られます。
オキヒイラギは、水質が比較的きれいである場所を好みます。
オキヒイラギの生息環境は、人間の活動によって影響を受けています。
6. オキヒイラギと人間の関係
オキヒイラギの利用
オキヒイラギは、食用魚として利用されています。
特に、干物(丸干し等)や煮干しなどに加工され、食されることが多いです。
そのほか、唐揚げや煮つけ、塩焼き、酢の物などでも食されます。
用途 | 食用 |
---|---|
加工品 | 干物、煮干し |
料理 | 唐揚げ、煮つけ、塩焼き、酢の物 |
オキヒイラギの地方名
オキヒイラギは、地域によって様々な呼び名で呼ばれています。
例えば、東京では「ギチ」、千葉では「ギラ」、静岡では「ジンダ」、愛知では「ゼンメ」、和歌山では「ギンタ」、大阪では「ネラギ」、兵庫では「ダイチョオ」、淡路島では「ネコクワズ」、鳥取では「エノハ」、岡山では「ギギ」、広島では「ギンギン」、山口では「カガミトリ」、愛媛では「ニイラギ」、高知では「ニロギ」、福岡では「トンバ」、長崎では「ヒイラギ」、熊本では「シイバ」、徳島では「ネコクワズ」、宮崎では「ハナタレエバ」などと呼ばれています。
これらの地方名は、オキヒイラギの見た目や生態、あるいは地域での利用方法などに由来しています。
地域 | 地方名 |
---|---|
東京 | ギチ |
千葉 | ギラ |
静岡 | ジンダ、ネコゴロシ |
愛知 | ゼンメ |
和歌山 | ギンタ |
大阪 | ネラギ |
兵庫 | ダイチョオ |
淡路島 | ネコクワズ |
鳥取 | エノハ |
岡山 | ギギ、ゲッケ |
広島 | ギンギン |
山口 | カガミトリ |
愛媛 | ニイラギ |
高知 | ニロギ |
福岡 | トンバ |
長崎 | ヒイラギ |
熊本 | シイバ |
徳島 | ネコクワズ |
宮崎 | ハナタレエバ |
オキヒイラギの漁獲
オキヒイラギは、底曳き網や定置網などで漁獲されます。
オキヒイラギは、群れで行動するため、一度に多くの個体が漁獲されることがあります。
オキヒイラギは、小型の魚で、可食部が少ないため、食用として利用されることは少ないです。
まとめ
オキヒイラギは、食用魚として利用されています。
オキヒイラギは、地域によって様々な呼び名で呼ばれています。
オキヒイラギは、底曳き網や定置網などで漁獲されます。
参考文献
・ヒイラギはどんな魚?美味しい食べ方や捌く時の注意点を紹介 …
・水族館魚図鑑-ヒイラギ(Nuchequula nuchalis) – 動物園&水族館 …
・オキヒイラギ(おきひいらぎ)とは? 意味や使い方 – コトバンク
・ヒイラギとはどんな魚?生態や毒の有無、料理などについてご …
・つまみに♡オキヒイラギの炙り焼き by フシッチェ 【クック …
・ヒイラギとは – 生態や形態の特徴解説 – Zukan(図鑑)
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