魚：オオニベについて説明

オオニベに関する項目
項目	内容
外観と特徴	体長1.5m以上、銀色、鱗が光る、口と胴体がアンバランス
生息地と分布	神奈川県以南の太平洋側、個体数は少ない、宮崎県で養殖が盛ん
生態と繁殖行動	肉食魚、冬に産卵、稚魚はイソメやゴカイを食べる
食性と摂取量	成長が早く、イソメやゴカイからエビやカニ、魚などを食べる
保護活動と課題	個体数減少、種苗放流や養殖、生態解明が課題
人間との関係性	食用魚、釣り対象魚、九州地方で馴染み深い

1. オオニベの外観と特徴

オオニベのサイズと特徴

オオニベはスズキ目スズキ亜目ニベ科オオニベ属に属する魚で、ニベ科の中でも最大級の体長にまで成長する魚です。成熟すると体長にして1.5メートル以上、重量にして30キロ以上の巨体になるため、並みのタックルでは簡単にへし折られてしまいます。

オオニベは全体的に銀色がかった体色をしており、鱗は太陽光に照らされると黒く輝きを放ちます。ニベ科の魚は「イシモチ」の名前で呼ばれますが、顔つきは近縁の「シログチ」に似た形態をしており大型になるにつれて口と胴体の大きさがアンバランスになっていくのが特徴的です。

オオニベは小型の間はイシモチなどの近縁の魚と混同されることが多い魚としても知られています。ただこの魚の形態をよく見るとヒレの形状や長さなどに特徴があるのが見て取れるでしょう。背のヒレは低く、胸のヒレの後方は背のヒレの棘条部後方まで到達していません。パッと見てずんぐりとした体型をしているため、一度並べて確認すれば区別は容易でしょう。

オオニベのサイズと特徴
項目	内容
体長	1.5m以上
体重	30kg以上
体色	銀色
鱗	光に当たると黒く輝く
口と胴体	大型になるにつれてアンバランス
ヒレ	背びれは低く、胸びれは短い
体型	ずんぐりとした体型

オオニベの生態

オオニベは、幼魚のうちにはイソメやゴカイなどを食べ、そこからエビやカニ、さらに大型になると他の魚を貪欲に追い回して捕食します。1.5メートルにまで成長するだけあってかなりの大食として知られ、釣りの際には実にさまざまな餌やルアーでアタリを狙えます。

オオニベの産卵時期は冬です。時期にして12月前後に比較的浅い海域に少数の群れで集まり産卵します。ただ、オオニベの産卵については時期以外の詳細な情報が未解明な状態であり研究者らの続報が期待されています。

大型の魚は驚くほど寿命が長い個体が少なくありませんがオオニベも通説では長い寿命をもつ魚だと言われています。オオニベの近縁にあたる「コルビナ」は50年ほど生き長らえたという記録が残っており、同属のオオニベについても1.5メートルの巨体にまで成長するのに相当の年月を要すると言われています。まさに「海のぬし」と呼べる魚ですね。

オオニベの生態
項目	内容
食性	幼魚はイソメやゴカイ、成長するとエビやカニ、魚
産卵時期	12月頃
産卵場所	浅い海域
寿命	長い、50年以上生きる個体もいる

オオニベの呼び名

オオニベは漢字で「大鮸」と書きます。字の表す通り、大きい鮸（ニベ）という意味です。

宮崎県では、スズキに似ていることから「ミナミスズキ」という別名で呼ばれています。また、高知県では「ヌべ」、「グチ」とも呼ばれます。

オオニベは、英語で「Japanese croaker」と言います。「croaker」はニベ科の魚という意味なので、「日本のニベ」という意味になります。

オオニベの呼び名
地域	呼び名
宮崎県	ミナミスズキ
高知県	ヌべ、グチ
英語	Japanese croaker

まとめ

オオニベは、ニベ科の中でも最大級の魚で、1.5メートルを超える巨体になることもあります。

銀色の体色と、太陽光に当たると黒く輝く鱗が特徴です。

幼魚はイソメやゴカイなどを食べ、成長するにつれてエビやカニ、魚などを食べるようになります。

オオニベは、長い寿命を持つ魚で、50年以上生きる個体もいると言われています。

2. オオニベの生息地と分布

オオニベの生息地

オオニベは、神奈川県以南から九州・四国までの太平洋側に生息しています。生息地が限定されている上に、そもそもの個体数が少ない幻の魚です。

水族館で観察したい場合は、福岡県福岡市の「マリンワールド海の中道」の外洋大水槽がおすすめです。

また、釣りのターゲットとして狙う場合は、稚魚の放流などに取り組む宮崎県を訪ねましょう。NHKの「ドキュメント72時間」という番組で取り上げられた石崎浜をはじめ、大淀川河口などが有名なポイントです。コノシロやイシモチ、ヒラメなどがいるエリアには、オオニベもいると言われています。

オオニベの生息地
地域	生息状況
神奈川県以南	生息
九州・四国	生息
太平洋側	生息
インド洋～西部太平洋	生息

オオニベの分布

オオニベは、神奈川県以南から九州・四国までの太平洋側に生息しています。

生息地が限定されている上に、そもそもの個体数が少ない幻の魚です。

水族館で観察したい場合は、福岡県福岡市の「マリンワールド海の中道」の外洋大水槽がおすすめです。

オオニベの分布
地域	生息状況
神奈川県以南	生息
九州・四国	生息
太平洋側	生息
インド洋～西部太平洋	生息

オオニベの生息環境

オオニベは、水深150メートル以浅の砂底で生活しています。

普段は深場にいますが冬は産卵のために接岸するため、冬の時期に狙うと良いようです。

宮崎県では種苗放流を行っているので他の地域よりも個体が多く人気の高い地域のようです。(宮崎県では食用のための養殖も行っています)

オオニベの生息環境
項目	内容
水深	150メートル以浅
底質	砂底
生息場所	深場、冬は産卵のために接岸

まとめ

オオニベは、神奈川県以南から九州・四国までの太平洋側に生息しています。

生息地は限定されている上に、個体数が少ないため、幻の魚と呼ばれています。

水族館では、福岡県福岡市の「マリンワールド海の中道」の外洋大水槽で観察することができます。

釣りのターゲットとして狙う場合は、宮崎県がおすすめです。

3. オオニベの生態と繁殖行動

オオニベの生態

オオニベは、スズキ目ニベ科オオニベ属の肉食魚です。大きな個体は体長1.5m、体重30kg程度まで成長し、同じニベ科のイシモチなどを餌にしてしまいます。

体はスズキに似た銀色の鱗で覆われており、尖った小さい頭と短い胸びれ、W字のように中央部が突き出た尾びれと、震わせて音を出すことができる浮き袋が特徴です。

オオニベは冬に産卵期を迎え、群れで岸に接近しては卵を生みます。高知県の土佐湾で10〜12月頃に稚魚が出現することが確認されていますが、産卵及びその後の稚魚の生態についてはまだ解明されていない点の多い魚です。

オオニベの生態
項目	内容
分類	スズキ目スズキ亜目ニベ科オオニベ属
体長	最大1.5m
体重	最大30kg
食性	肉食、イシモチなどを捕食
特徴	銀色の鱗、尖った頭、短い胸びれ、W字型の尾びれ

オオニベの繁殖行動

オオニベは、冬に産卵期を迎え、群れで岸に接近しては卵を生みます。

高知県の土佐湾で10〜12月頃に稚魚が出現することが確認されていますが、産卵及びその後の稚魚の生態についてはまだ解明されていない点の多い魚です。

幼魚のオオニベはイソメやゴカイからエビやカニへと主食が変遷し、成長するにつれて小魚を食べるようになることが分かっています。

オオニベの繁殖行動
項目	内容
産卵時期	冬
産卵場所	岸に接近した浅い海域
稚魚の餌	イソメ、ゴカイ
成長に伴う餌	エビ、カニ、小魚