項目 | 内容 |
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特徴 | 尾びれの目玉模様、大型魚、魚食性 |
飼育環境 | 120cm以上水槽、強力なフィルター、水温24~27℃、pH6.5~7.5 |
餌 | 人工飼料、生き餌(メダカ、金魚など) |
繁殖 | 成熟したオスとメスを同じ水槽で飼育、メスは卵を口の中で保護 |
病気 | 水質管理が重要、白点病、尾腐れ病など |
混泳 | ポリプテルス、淡水エイなど、遊泳層が異なる魚種がおすすめ |
1. アイスポットシクリッドの特徴とは
アイスポットシクリッドの名前の由来
アイスポットシクリッドは、その名前の通り、尾びれの付け根に白く縁取られた黒い斑点を持つことが特徴です。この斑点は、まるで目玉のように見えることから、アイスポットシクリッドと呼ばれています。また、この斑点をクジャクの尾羽根に見立てて、ピーコックバスと呼ばれることもあります。
アイスポットシクリッドは、南米のアマゾン川水系などに生息しています。魚食性で、開けた空間の中~上層を回遊したり、物陰に隠れて待ち伏せしたりして、餌となる魚を見つけると高速で追跡します。視覚が鋭く、光る物に強い反応を示すことから、一部の捕食性海水魚と同様の性質を持っていると言われています。
野生では、ほぼ魚専食で、他のスズキ目肉食魚のように無脊椎動物や死餌を食べることは稀です。原産地では食用魚として漁獲されるほか、ゲームフィッシングの対象としても人気があります。
特徴 | 説明 |
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尾びれの斑点 | 目玉模様のように見える |
別名 | ピーコックバス |
アイスポットシクリッドの体の特徴
アイスポットシクリッドは、大型のシクリッドのグループで、種や個体によって異なりますが、成魚は最大で約80cmに達します。口は大きく、口角が眼の後端を越えるほどです。また、口吻と眼がやや離れて位置しているため、頭部と口が大きく見えます。
幼魚は、やや細長く直線的なくさび形の体型で、体側中央を1条の横帯が走ります。成長するにつれて体高が高くなり、特に後頭部から背びれ直前付近で背面が山なりに隆起します。成魚の雄は、この箇所に突出したこぶを形成します。
背びれは1つですが、中央が大きくえぐれており、スズキやブラックバス、ハゼなどの第1、第2に分割された背びれに似た外観をしています。
部位 | 特徴 |
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口 | 大きく、口角が眼の後端を越える |
体型 | 幼魚はくさび形、成魚は体高が高くなる |
背びれ | 中央が大きくえぐれている |
アイスポットシクリッドの色彩
アイスポットシクリッドは、種によって色彩や模様が異なりますが、黄褐色や黄緑を帯びた体色と黒い縞模様を持つものが多く見られます。
アイスポットシクリッドは、同じ種であっても生息する地域によって色彩や模様の特徴が大きく異なるため、コレクション性が高い魚としても知られています。
特徴 | 説明 |
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体色 | 黄褐色や黄緑を帯びた体色 |
模様 | 黒い縞模様 |
地域差 | 生息地によって色彩や模様が異なる |
まとめ
アイスポットシクリッドは、南米原産の肉食性の大型魚で、尾びれの付け根にある目玉模様が特徴です。
大きく、鋭い口を持ち、魚を捕食する姿は迫力満点です。
色彩や模様は多様で、同じ種でも生息地によって異なるため、観賞魚としても人気があります。
2. アイスポットシクリッドの飼育環境の作り方
水槽の選び方
アイスポットシクリッドは、最大で80cmほどに成長する大型魚なので、飼育には最低でも120cm以上の水槽が必要です。
ただし、飼育下では40~50cm程度で成長が止まるか、極端に遅くなるため、比較的小さな水槽でも飼育することは可能です。
しかし、奥行きが45cmでは少し窮屈で、Uターンしにくいため、できれば120cm×60cm×45cm以上の水槽を用意するのが理想です。
混泳を検討している場合は、さらに余裕を持った環境が必要になります。
サイズ | 説明 |
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最低 | 120cm以上 |
理想 | 120cm×60cm×45cm以上 |
混泳の場合 | さらに余裕を持った環境が必要 |
フィルターの選び方
アイスポットシクリッドは、大食漢で飼育水を汚しやすいため、濾過性能の低いフィルターではすぐに濾過不足になってしまいます。
特に混泳を考えている場合は、外部式フィルターが必須です。
水槽の設置場所や資金的に余裕があるのならば、オーバーフロー式が飼育に最も適しています。
種類 | 説明 |
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必須 | 外部式フィルター |
おすすめ | オーバーフロー式 |
水質管理
アイスポットシクリッドに適した水温は24~27℃、pHは6.5~7.5(弱酸性~中性)です。
アイスポットシクリッドは丈夫な魚で、幅広い水質に順応することができますが、水質が極端にアルカリ性に傾ける効果がある貝殻やサンゴ礁の底砂などは使用しないようにしてください。
また、極端に低いpHで飼育を続けていると、アイスポットシクリッドの体表やヒレが白く変色してしまうことがあるため、週に1回は水槽の約4分の1程度の水替えを行うのがおすすめです。
項目 | 数値 |
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水温 | 24~27℃ |
pH | 6.5~7.5 |
水替え | 週に1回、4分の1程度 |
まとめ
アイスポットシクリッドの飼育には、大型水槽と強力な濾過システムが必要です。
水温は24~27℃、pHは6.5~7.5に保ち、週に1回は水替えを行いましょう。
アルカリ性の水質は苦手なので、底砂にはサンゴ砂や貝殻は使用しないようにしましょう。
3. アイスポットシクリッドの餌と給餌方法
餌の種類
アイスポットシクリッドの主食は人工飼料で、副食には生き餌を与えます。
人工飼料は、幼魚から慣らさないと、生涯人工飼料を受け入れない個体もいるため、稚魚のうちから人工飼料に餌付けするようにしましょう。
生き餌は、メダカや金魚などの小型魚、冷凍赤虫、クリルなどがおすすめです。
種類 | 説明 |
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主食 | 人工飼料 |
副食 | 生き餌(メダカ、金魚、冷凍赤虫、クリルなど) |
給餌方法
アイスポットシクリッドは、食欲旺盛で満腹になるまで食べ続けますが、食べ過ぎると消化不良を起こしてしまうため、1日1~2回、2~3分で食べきれる量を与えましょう。
餌を与える頻度は、個体のサイズや活動量によって調整する必要があります。
食べ残しは水質悪化の原因となるため、すぐに取り除きましょう。
頻度 | 1日1~2回 |
---|---|
量 | 2~3分で食べきれる量 |
注意点 | 食べ残しはすぐに取り除く |
餌付けのコツ
アイスポットシクリッドは、動くものしか食べないため、人工飼料に餌付けするには時間がかかります。
稚魚のうちから人工飼料に慣れさせることが重要です。
生き餌と人工飼料を併用して、徐々に人工飼料の割合を増やしていくのがおすすめです。
方法 | 説明 |
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幼魚から | 人工飼料に慣れさせる |
生き餌と併用 | 徐々に人工飼料の割合を増やす |
まとめ
アイスポットシクリッドは、人工飼料と生き餌をバランスよく与える必要があります。
幼魚のうちから人工飼料に餌付けし、食べ過ぎないように注意しましょう。
食べ残しは水質悪化の原因となるため、すぐに取り除きましょう。
4. アイスポットシクリッドの繁殖方法と注意点
繁殖方法
アイスポットシクリッドは、成熟したオスとメスを同じ水槽で飼育すると、自然に繁殖行動に移ることがあります。
繁殖行動は、オスがメスに求愛行動を行い、メスが産卵床に卵を産み付けます。
メスは、産み付けられた卵を口の中で保護し、孵化させるまで約3週間何も食べません。
手順 | 説明 |
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求愛行動 | オスがメスに求愛行動を行う |
産卵 | メスが産卵床に卵を産み付ける |
保護 | メスが卵を口の中で保護する |
注意点
メスが卵を保護している間は、驚かせたり、刺激したりしないように注意が必要です。
水換え時など、水槽内の環境が変化すると、メスは卵を口から吐き出してしまいます。
また、稚魚が孵化した後は、親魚が稚魚を食べてしまうことがあるため、稚魚を隔離する必要があります。
ポイント | 説明 |
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驚かせない | メスが卵を吐き出す可能性がある |
刺激しない | メスが卵を吐き出す可能性がある |
稚魚隔離 | 親魚が稚魚を食べてしまうことがある |
稚魚の飼育
稚魚は、ヨークサックがなくなるまで、特別な餌は必要ありません。
ヨークサックがなくなったら、ブラインシュリンプなどの栄養価の高い餌を与えましょう。
稚魚は、成長するにつれて、アカムシや人工飼料も食べるようになります。
時期 | 餌 |
---|---|
ヨークサックがある間 | 特別な餌は不要 |
ヨークサックがなくなる | ブラインシュリンプなど |
成長後 | アカムシ、人工飼料 |
まとめ
アイスポットシクリッドの繁殖は、比較的容易ですが、メスが卵を保護している間は、驚かせたり、刺激したりしないように注意が必要です。
稚魚が孵化した後は、親魚から隔離して飼育する必要があります。
稚魚には、ブラインシュリンプなどの栄養価の高い餌を与えましょう。
5. アイスポットシクリッドの病気対策と健康管理
病気の予防
アイスポットシクリッドは、丈夫な魚ですが、飼育環境が悪化すると病気にかかりやすくなります。
病気の予防には、水質管理が重要です。
定期的に水換えを行い、水槽を清潔に保ちましょう。
また、餌を与え過ぎると消化不良を起こし、病気の原因となるため、食べ過ぎないように注意しましょう。
ポイント | 説明 |
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水質管理 | 定期的に水換えを行う |
水槽清掃 | 水槽を清潔に保つ |
餌の量 | 食べ過ぎないように注意する |
病気の症状
アイスポットシクリッドが病気にかかると、体表に白い斑点が出たり、ヒレが腐ったり、食欲不振になったりします。
病気の症状が見られた場合は、すぐに隔離して治療を行う必要があります。
症状 | 説明 |
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白い斑点 | 体表に白い斑点が出現 |
ヒレ腐れ | ヒレが腐り始める |
食欲不振 | 餌を食べなくなる |
治療方法
アイスポットシクリッドの病気の治療には、薬浴や塩浴が有効です。
薬浴は、水槽に薬剤を投入して、熱帯魚を薬液に浸す方法です。
塩浴は、水槽に塩を入れて、熱帯魚を塩水に浸す方法です。
方法 | 説明 |
---|---|
薬浴 | 水槽に薬剤を投入して熱帯魚を浸す |
塩浴 | 水槽に塩を入れて熱帯魚を浸す |
まとめ
アイスポットシクリッドの病気の予防には、水質管理が重要です。
病気の症状が見られた場合は、すぐに隔離して治療を行う必要があります。
薬浴や塩浴など、適切な治療方法を選びましょう。
6. アイスポットシクリッドと共生させやすい魚種
ポリプテルス
ポリプテルスは、古代魚の一種で、アイスポットシクリッドと混泳させやすい魚種として知られています。
ポリプテルスは、底層を好み、アイスポットシクリッドとは遊泳層が異なるため、お互いに干渉することが少ないです。
また、ポリプテルスは、比較的おとなしい性格なので、アイスポットシクリッドと喧嘩になることも少ないです。
特徴 | 説明 |
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遊泳層 | 底層 |
性格 | 比較的おとなしい |
混泳 | アイスポットシクリッドと喧嘩になりにくい |
淡水エイ
淡水エイも、アイスポットシクリッドと混泳させやすい魚種です。
淡水エイは、底層を好み、アイスポットシクリッドとは遊泳層が異なるため、お互いに干渉することが少ないです。
また、淡水エイは、比較的おとなしい性格なので、アイスポットシクリッドと喧嘩になることも少ないです。
特徴 | 説明 |
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遊泳層 | 底層 |
性格 | 比較的おとなしい |
混泳 | アイスポットシクリッドと喧嘩になりにくい |
混泳の注意点
アイスポットシクリッドは、縄張り意識が強く、攻撃的な個体が多いため、混泳させる場合は、十分に注意が必要です。
特に、小型の魚や、同じような遊泳層を好む魚との混泳は、避けるべきです。
混泳させる場合は、水槽に十分な隠れ家となる流木や岩などを設置し、個体同士が干渉しないように工夫しましょう。
ポイント | 説明 |
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小型魚 | 避けるべき |
同じ遊泳層 | 避けるべき |
隠れ家 | 流木や岩などを設置する |
まとめ
アイスポットシクリッドと混泳させる場合は、ポリプテルスや淡水エイなどの、比較的おとなしい性格で、遊泳層が異なる魚種がおすすめです。
混泳させる場合は、水槽に十分な隠れ家となる流木や岩などを設置し、個体同士が干渉しないように工夫しましょう。
アイスポットシクリッドは、縄張り意識が強く、攻撃的な個体が多いため、混泳には注意が必要です。
参考文献
・アイスポットシクリッド(キクラ)の飼育方法:混泳はできる …
・シクリッドとは|種類・タイプごとの飼育方法や餌・混泳を …
・アイスポットシクリッド (キクラ)の飼い方と注意点|特徴 …
・アイスポッドシクリッド飼育について!寿命や混泳、餌につい …
・アイスポットシクリッド|飼育方法(飼い方・餌・水温・混泳 …
・シクリッドの飼育法や混泳の注意点!争いを緩和する方法って …
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