哺乳類:デグーについて説明

1. デグーの生態とは

1-1. チリ原産のアンデス山脈に生息するデグー

デグーは、チリ原産のアンデス山脈西部に生息する、ネズミ目デグー科デグー属に属するげっ歯類です。学名はOctodon degus、英名はDegu、別名としてデグーネズミと呼ばれることもあります。生息地は標高1200mまでの亜熱帯気候の半乾燥地帯で、マトラルと呼ばれる地中海型の半乾燥性の低木が生えているような土地です。夏は日差しが強く乾燥しやすい一方で、夜は0度程度まで冷える過酷な環境です。デグーは、こうした厳しい環境に適応して独自の進化を遂げてきました。

デグーの体長は頭胴長が12~20cm、尾長が6.5~13cm、体重は0.17~0.3kgで、オスの方が約10%大きい傾向があります。寿命は飼育下で7〜9年とされています。毛色は背中と頭が黄褐色、足裏と足がクリーム色、目の周りに薄い帯が見られるのが特徴です。

1-2. 社会的な動物としてのデグーの暮らし

デグーは社会的な動物として知られており、群れで生活をしています。群れの構成は通常、2〜5頭のメスと1〜2頭のオスで構成され、互いに協力して子育てや食料の確保、天敵からの防衛を行っています。冬は特に寒さが厳しいため、群れで体を寄せ合って寒さをしのいでいます。

デグーは、自分の縄張りを示すために、巣穴の入り口に小枝や岩を積み重ねたり、ワラや牛糞で隠したりする行動が見られます。また、尿を用いたマーキングも行い、個体識別やオスによる求愛行動に使われます。デグーは自分の尿が新鮮なほど紫外線を強く反射することを知っており、この性質を利用して、縄張りを視覚的に把握しています。

1-3. 賢く、多様な鳴き声でコミュニケーションをとるデグー

デグーはげっ歯類の中でも知能が高いことで知られており、人間の2~3歳の幼児と同じ程度の知能を持つとも言われています。道具を使うことや学習能力も高く、飼育下では飼い主とのコミュニケーションを楽しむ姿が見られます。

デグーは、鳴き声によるコミュニケーションを頻繁に行います。鳴き声は15~20種類にも及び、状況や感情によって様々な種類の声を使い分けます。「キィキィ」「ピーッピーッ」は警戒や威嚇、「ピロピロ」は甘えや喜び、「ピッ」は要求、「クゥ〜クゥ〜」は甘えなど、様々な感情を表現します。鳴き声以外にも、身体言語やフェロモンなども使用してコミュニケーションを行っています。

1-4. まとめ

デグーは、チリ原産のアンデス山脈に生息する、社会的な動物です。群れで生活し、互いに協力して生活しています。知能が高く、多様な鳴き声でコミュニケーションをとることで、他の個体との関係を築いています。デグーは、近年ペットとしても人気が高まっており、その知能の高さや愛らしい姿から、多くの人々に愛されています。デグーの生態を理解することで、より深くデグーという動物を知ることができ、飼育の楽しみも増すでしょう。

参考文献

デグー – Wikipedia

【小動物図鑑】デグーの生態・特徴・飼い方について知ろう …

デグーってどんな動物?専門獣医師が解説する知らないといけ …

2. デグーの飼育環境のポイント

2-1. ケージ選びと広さ

デグーは活発で運動量の多い動物です。そのため、ケージ選びは飼育において非常に重要です。狭いケージではストレスが溜まりやすく、健康面にも悪影響を及ぼします。

適切なケージの広さは、デグー1匹あたり最低でも60cm×45cm×45cmの大きさが必要です。できれば、もっと広く、デグーが走り回れるスペースを確保してあげましょう。

ケージの素材は、デグーがかじっても安全な金属製やプラスチック製がおすすめです。木製や紙製のケージは、デグーにかじられてしまう可能性があるので注意が必要です。

また、ケージの中に、デグーが遊べる遊具や、隠れ家となるものを入れてあげましょう。回し車、ハンモック、シェルターなど、デグーが快適に過ごせるようなアイテムを揃えてあげることが大切です。

2-2. 温度と湿度の管理

デグーは寒さにも暑さにも弱い動物です。飼育環境の温度と湿度は、デグーの健康に大きく影響します。

適切な温度は20℃前後です。特に暑さに弱く、室温が35℃を超えると命に関わることもあります。夏場はエアコンの使用が必須となります。

冬場は、室温が10℃以下にならないように注意が必要です。ペット用ヒーターなどを活用して、ケージ内の温度を一定に保ちましょう。

湿度については、40~60%が適しています。乾燥しすぎると、デグーの皮膚や呼吸器に悪影響を及ぼす可能性があります。加湿器などを活用して、適切な湿度を保ちましょう。

2-3. 清潔な環境維持

デグーは清潔好きで、常にきれいな環境で生活したい動物です。ケージは、毎日掃除をするようにしましょう。特に、トイレやエサ入れはこまめに掃除をして、清潔な状態を保つことが大切です。

また、ケージ内の床材も定期的に交換しましょう。床材には、紙製のチップや木製のチップ、コーンなど、様々な種類があります。デグーの好みや安全性などを考慮して、適切な床材を選びましょう。

デグーは砂浴びをすることで、体を清潔に保ちます。ケージの中に砂浴び場を設置して、毎日1回を目安に砂浴びさせてあげましょう。砂は必ずペット用のものを用意し、定期的に交換するようにしましょう。

2-4. まとめ

デグーの飼育環境は、デグーの健康と寿命に大きく影響します。適切なケージを選び、温度や湿度を管理し、清潔な環境を維持することが大切です。

デグーは飼い主とのコミュニケーションを大切にする動物です。毎日、デグーと触れ合い、愛情をかけてあげましょう。デグーとの生活を豊かにするために、適切な飼育環境を整えてあげることが重要です。

参考文献

デグーを飼いたい方必見!デグーの飼い方ガイド!種類や …

デグーの特徴や寿命は?知能が高いの?人間に懐くって本当 …

デグーの種類は全9種!見た目や値段、種類による寿命の違いを …

3. デグーの性格と行動

3-1. デグーの性格:人懐っこくて寂しがり屋な仲間

デグーは、アンデス地方原産の小型のげっ歯類で、近年日本でも人気が高まってきています。性格は、非常に人懐っこく、飼い主との触れ合いを好みます。まるで小さな犬や猫のように、飼い主のそばに寄り添い、なでられることを喜びます。

しかし、デグーは寂しがり屋な一面も持ち合わせています。一匹で飼育する場合、飼い主との絆を深めることが重要です。毎日話しかけたり、触れ合ったりすることで、デグーは安心し、飼い主との信頼関係を築きやすくなります。

デグーは賢い動物としても知られており、名前を覚え、呼びかけに反応することもあります。また、簡単な芸を覚えさせることも可能です。デグーとのコミュニケーションを通して、知的な一面に触れることもできるでしょう。

3-2. デグーの行動:砂浴びと運動

デグーは、清潔好きで、定期的に砂浴びを行います。ケージの中に砂浴び用の容器を設置してあげると、自ら砂の中に潜り込み、体を綺麗にする様子を観察できます。砂浴びはデグーにとってストレス解消にも役立ち、健康維持に不可欠な行動です。

デグーは運動量が多く、活動的な動物です。ケージの中に回し車を設置してあげると、活発に動き回ります。十分な運動は、デグーのストレス軽減と健康維持に役立ちます。

また、デグーはジャンプ力も高く、ケージから飛び降りたりすることもあります。ケージの高さや周囲の環境に注意し、デグーが安全に過ごせるように配慮することが大切です。

3-3. デグーのコミュニケーション:多彩な鳴き声

デグーは、様々な鳴き声で感情を表現します。まるで歌を歌っているかのように聞こえることから、「アンデスの歌うネズミ」と呼ばれることもあります。鳴き声の種類は豊富で、嬉しい時、怒っている時、警戒している時、甘えている時など、様々な状況に応じて異なる鳴き声を発します。

飼い主は、デグーの鳴き声を理解することで、デグーの気持ちを理解し、より良いコミュニケーションを築くことができます。

例えば、デグーが「キー!キーッ!」と鳴く場合は、怒っているサインです。手を払ったり、歯を見せたりすることもありますので、注意が必要です。

一方、「キュィー!キュィー!」と鳴く場合は、甘えているサインです。飼い主のそばに寄ってきて、なでてもらったり、おやつをもらったりすることを求めています。

デグーの鳴き声を通して、彼らの豊かな感情世界に触れることができるでしょう。

3-4. まとめ

デグーは、人懐っこくて寂しがり屋な性格と、活発で知的な行動が特徴的な動物です。砂浴びや運動、そして多彩な鳴き声を通して、飼い主との絆を深めていくことができます。

デグーの性格や行動を理解し、適切な飼育環境を提供することで、デグーとの生活をより豊かなものにすることができます。

デグーとの生活を通して、彼らの魅力的な個性に触れ、新しい発見や喜びを得ることができるでしょう。

参考文献

デグーの性格や飼い方・知っておきたい基礎知識・生体図鑑 …

デグーってどんな動物?特徴や種類などを詳しく解説 …

デグーってどんな動物?性格、飼い方や餌、かかりやすい病気 …

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