国技の奥深さ!相撲の魅力を徹底解説

1. 相撲の歴史と伝統:神事からスポーツへ

1-1. 神事としての起源

日本の国技として知られる相撲は、長い歴史と深い伝統を持っています。その起源は古く、弥生時代の遺跡から土俵のようなものが出土していることから、すでに相撲の原型が存在していたと考えられています。飛鳥時代から奈良時代にかけては宮廷行事として相撲が行われるようになり、五穀豊穣や天下泰平を祈願する神事としての側面が強かったとされています。また、鎌倉時代から室町時代にかけては武士の鍛錬や戦の訓練としても相撲が盛んに行われていました。

1-2. 武家社会での発展

戦国時代になると、相撲は武術の一つとしてさらに発展していきます。戦国武将たちは家臣の士気を高めるためや、自らの武勇を示すためにも相撲を奨励しました。織田信長や豊臣秀吉も相撲好きで知られ、盛大な相撲大会を開催した記録が残されています。江戸時代に入ると、天下泰平の世となり、相撲は武士の鍛錬という側面よりも興行としての側面が強まっていきます。各地で相撲興行が行われ、人気力士が登場することで庶民の娯楽として定着していきました。

1-3. 近代スポーツへの転換

明治維新後、西洋文化が流入する中で、相撲も近代スポーツへと変化を遂げていきます。1909年には大日本相撲協会が設立され、相撲のルールや組織が整備されました。また、東京両国に国技館が建設され、相撲は名実ともに日本の国技として認められるようになりました。戦後、相撲の人気はさらに高まり、現在ではテレビ中継やインターネット配信などを通じて、世界中の人々に楽しまれています。

1-4. 伝統文化としての継承

相撲は単なるスポーツではなく、日本の伝統文化として多くの儀式や作法が残されています。力士のまわしなどの装束、土俵入りや横綱土俵入りなどの儀式、そして礼儀作法などは、古来からの伝統を継承しているものです。相撲界には、親方や兄弟子から弟子へと技術や精神が受け継がれていく徒弟制度があり、相撲の伝統文化を守り続けています。

2. 土俵とまわし:相撲の舞台と装束

2-1. 神聖な空間「土俵」

相撲の取組が行われる場所である土俵は、単なる競技場ではなく、神聖な空間として扱われています。土俵は、東西南北を司る四神(青龍・白虎・朱雀・玄武)にちなんだ4色の房が吊るされた屋根と、円形の土俵から構成されています。土俵の大きさは直径4.55メートルで、高さは34センチメートルから60センチメートルと決められています。土俵の周りには、勝負審判が座る勝負俵や、力士が控える東西の徳俵などが配置されています。土俵に上がることができるのは、力士と行司のみであり、土俵を割る(土俵の外に出る)と負けとなる重要な場所です。

2-2. 力士の象徴「まわし」

力士が締めているまわしは、相撲の象徴的な装束です。まわしは、長さ約9メートル、幅約60センチメートルの木綿の布で作られており、力士の腰に何重にも巻いて締めます。まわしの色は、稽古まわしは黒色が多く、本場所では関取は絹の繻子織りの色鮮やかなまわしを締めることができます。まわしは、力士同士の取っ組み合いの際に重要な役割を果たし、投げ技や寄り技などを繰り出すための重要な道具となります。また、まわしの結び方や色などには、力士の個性や番付などが反映されます。

2-3. 土俵とまわしに込められた精神

土俵とまわしには、相撲の伝統と精神が込められています。土俵は、神聖な場所であり、力士は土俵上で正々堂々と戦うことが求められます。まわしは、力士の魂を表すものであり、まわしを締めることで、力士としての自覚と責任を持つようになります。土俵とまわしは、相撲の文化と歴史を象徴するものであり、これからも大切に守られていくことでしょう。

3. 基本ルールと決まり手:勝敗を決める技の数々

3-1. 勝利条件と基本ルール

相撲の勝敗は、以下の条件によって決まります。最も重要なルールは、土俵の外に出るか、体の一部が地面に着くと負けになるというものです。足の裏以外の部分が土俵の外の地面に触れたり、土俵内の地面に手や膝などが付いたりすると負けとなります。 取り組みの制限時間はありませんが、両力士が長時間膠着状態に陥った場合は、水入りと呼ばれる休憩が入り、仕切り直しとなります。

3-2. 多彩な決まり手

相撲では、相手を倒す技を決まり手と呼び、その種類は全部で82種類あります。決まり手は大きく分けて、押し出し寄り切りなどの相手を土俵の外に出す技、上手投げ下手投げなど相手を倒す投げ技、寄り倒し押し倒しなど相手を土俵内に倒す技などがあります。 決まり手は、勝負審判によって判定され、勝敗が決まった後に場内アナウンスによって観客に伝えられます。

3-3. 禁じ手と反則

相撲には、禁じ手と呼ばれる反則行為がいくつかあります。禁じ手を犯した力士は、その時点で負けとなります。主な禁じ手としては、拳で殴る、蹴る、髪の毛を引っ張る、まわしの結び目の内側を掴む、両手で同時に張るなどがあります。 また、故意に勝負を放棄したり、相手力士を侮辱するような行為も反則とみなされます。

4. 番付と力士の階級:目指すは横綱!

4-1. 番付表の見方

相撲力士は、その実力に応じて番付と呼ばれるランキングに格付けされます。番付は、上から横綱・大関・関脇・小結・前頭の順に並んでおり、横綱が最も強く、前頭が最も下位の階級となります。番付は、本場所の成績によって変動し、勝ち越せば番付が上がり、負け越せば番付が下がります。番付は、西に分かれており、同じ階級でも東の方が格上とされています。

4-2. 関取と幕内・十両

番付の中で、十両以上の力士は関取と呼ばれ、特別な待遇を受けることができます。関取は、本場所の土俵入りの際に化粧まわしを締めることができ、付け人も付きます。番付は、幕内と十両に分かれており、幕内が上位、十両が下位となります。十両以上の力士は、場所ごとに給与が支給され、力士としての地位が保証されます。

4-3. 横綱への道

相撲力士の最高位である横綱は、その強さと品格が認められた力士だけが昇進することができます。横綱になるためには、大関の地位で2場所連続優勝するか、それに準ずる好成績を収める必要があります。横綱は、相撲界の最高位として、土俵の内外で模範となることが求められます。

5. 本場所と巡業:相撲観戦のススメ

5-1. 年に6回開催される本場所

相撲の公式戦である本場所は、1月・3月・5月・7月・9月・11月の年6回、それぞれ15日間の日程で開催されます。本場所は、東京・大阪・名古屋・福岡の4都市を巡回して開催され、それぞれの場所には伝統と特徴があります。本場所では、横綱から幕下までの力士が、それぞれ15日間、毎日1番ずつ取り組みを行います。本場所は、優勝力士を決定する場であり、力士にとっては番付を上げるための重要な場所となります。

5-2. 地方で開催される巡業

本場所の合間には、全国各地で巡業と呼ばれる相撲興行が行われます。巡業は、本場所とは異なり、勝敗にこだわらないエキシビションマッチ的な要素が強く、力士たちはリラックスした雰囲気の中で相撲を取ります。巡業では、取組の他にも、初切(しょっきり)と呼ばれる相撲の禁じ手を面白おかしく紹介するパフォーマンスや、力士との握手会など、観客が楽しめるイベントが盛りだくさんです。

5-3. 相撲観戦のススメ

相撲観戦は、日本の伝統文化に触れることができる貴重な体験です。本場所では、力士たちの真剣勝負を楽しむことができますし、巡業では、力士たちの普段見られない一面を見ることができます。相撲観戦の際は、番付表決まり手などを事前に調べておくと、より一層楽しむことができます。また、力士の応援グッズや相撲に関するお土産なども販売されていますので、観戦の記念に購入するのも良いでしょう。

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