ヴォルタ州、グレーター・アクラ州、セントラル州、ウェスタン州の城塞群とは?世界遺産についての解説

ガーナの世界遺産:ヴォルタ州、グレーター・アクラ州、セントラル州、ウェスタン州の城塞群
項目 内容
登録年 1979年
登録区分 文化遺産
登録基準 (vi) 顕著な普遍的価値を持つ建造物や技術の集積または景観の優れた例を提示している。
所在地 ガーナ(セントラル州、ウェスタン州)
アクセス アクラからツアー参加がおすすめ。セコンディ・タコラディ空港からアクセスも可能。
注意点 外務省海外安全ホームページでは十分注意地域です。(2024年6月現在)

1. ヴォルタ州の城塞群とは

要約

ヴォルタ州の城塞群の概要

ヴォルタ州、グレーター・アクラ州、セントラル州、ウェスタン州の城塞群は、ガーナにある近世の要塞群の世界遺産登録物件です。ガーナ(旧英領ゴールド・コースト)の沿岸部には、イギリスやオランダをはじめとする西洋諸国がかつて建造した、西洋式の要塞群が多く現存します。世界遺産登録に当たっては、それら要塞群のうち、ヴォルタ州、グレーター・アクラ州、セントラル州、ウェスタン州に残る15世紀末から18世紀初頭に建造された11件が対象となりました。ただし登録物件はセントラル州とウェスタン州にのみ点在しています。なお、この物件は、日本では「ガーナのベナン湾沿いの城塞群(要塞群)」と意訳されることがあります。

ガーナの沿岸部には、15世紀以降西洋人が貿易のための拠点を設置しました。ベナン湾一帯は、かつてゴールドコースト(黄金海岸)と呼ばれたことからも明らかなように、もとは金の輸出で栄え、のちには奴隷貿易で栄えました。

貿易が盛んになり、拠点となる要塞(多くは商館を兼ねる)が次々建てられると、沿岸部は要塞群が点在する独特の景観を呈しました。かつて60以上あった要塞群も現存するのは約3分の1であり、博物館や学校等の施設に転用されているものもあります。

ヴォルタ州の城塞群の概要
項目 内容
概要 ガーナにある近世の要塞群の世界遺産登録物件。
対象 ヴォルタ州、グレーター・アクラ州、セントラル州、ウェスタン州に残る15世紀末から18世紀初頭に建造された11件
登録物件 セントラル州とウェスタン州にのみ点在
別名 ガーナのベナン湾沿いの城塞群(要塞群)

ヴォルタ州の城塞群の登録基準

この世界遺産は世界遺産登録基準のうち、以下の条件を満たし、登録されました。(以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用である。)

(vi) 顕著な普遍的価値を持つ建造物や技術の集積または景観の優れた例を提示している。

ガーナ南部の城塞群は、ガーナの歴史だけでなく、金の交易、後には奴隷交易の拠点として4世紀に渡る世界の交易の歴史を示し、ヨーロッパとアフリカの交流も見られ、アフリカの黒人たちにとってはディアスポラ(民族離散)のシンボルでもあるという点。

ヴォルタ州の城塞群の登録基準
基準 内容
(vi) 顕著な普遍的価値を持つ建造物や技術の集積または景観の優れた例を提示している。

ヴォルタ州の城塞群の登録年

ヴォルタ州、グレーター・アクラ州、セントラル州、ウェスタン州の城塞群は、1979年に世界遺産に登録されました。

ヴォルタ州の城塞群の登録年
内容
1979年 世界遺産に登録

まとめ

ヴォルタ州の城塞群は、ガーナの沿岸部に点在する15世紀末から18世紀初頭に建造された11の要塞群です。

これらの要塞群は、ヨーロッパ人によるアフリカへの進出、特に奴隷貿易の歴史を物語る重要な遺産であり、世界遺産に登録されています。

ヴォルタ州の城塞群は、ガーナの歴史、文化、そしてヨーロッパとの複雑な関係を理解する上で重要な役割を果たしています。

2. グレーター・アクラ州の城塞群の特徴

要約

グレーター・アクラ州の城塞群の地理的特徴

グレーター・アクラ州の城塞群は、ガーナの首都アクラの西の広い範囲にわたって点在しています。

アクラに最も近い喜望要塞(喜望要塞)でも、コトカ国際空港から直線で30kmほど離れています。

タクシーで向かう方法もありますが、アクラからツアーに参加するのが無難です。

グレーター・アクラ州の城塞群の地理的特徴
項目 内容
位置 ガーナの首都アクラの西の広い範囲
距離 アクラから最も近い喜望要塞は30km
アクセス タクシーまたはツアー

グレーター・アクラ州の城塞群のアクセス方法

城塞群のある海岸線の中間付近の都市セコンディ・タコラディにはタコラディ空港があり、アクラのコトカ国際空港からの国内便が就航しています。

観光スポットとして人気のエルミナ城やケープ・コースト城にはこちらからの方が近いので、セコンディ・タコラディを観光拠点とする方法もあります。

コトカ国際空港への日本からの直行便はないので、ドバイやイスタンブールなどを経由する必要があります。

グレーター・アクラ州の城塞群のアクセス方法
項目 内容
空港 セコンディ・タコラディ空港
便 アクラのコトカ国際空港からの国内便
日本からのアクセス ドバイやイスタンブールなどを経由

グレーター・アクラ州の城塞群の注意点

外務省海外安全ホームページでは十分注意地域です。(2024年6月現在)

現地に行く時は、最新情報を確認してください。

グレーター・アクラ州の城塞群の注意点
項目 内容
治安 外務省海外安全ホームページでは十分注意地域

まとめ

グレーター・アクラ州の城塞群は、ガーナの首都アクラからアクセスしやすい場所にあります。

ただし、治安状況には注意が必要です。

観光客は、ツアーに参加したり、安全な交通手段を利用したりするなど、安全対策をしっかりと行う必要があります。

3. セントラル州の城塞群の歴史

要約

セントラル州の城塞群の建設

セントラル州にあるケープ・コーストは、1653年にスウェーデンによって木造の要塞が建造され、当時は「カロルスボル」と呼ばれ、後に石造りの城へと改築されました。

その後、オランダ人によって占領され、イギリス人が1664年に所有すると、18世紀に再建。

ここは木材と金の交易を目的としていましたが、奴隷貿易の場所としても利用されたもの。

セントラル州の城塞群の建設
城塞 建造年 建造者
ケープ・コースト城 1653年 スウェーデン
エルミナ城 1482年 ポルトガル

セントラル州の城塞群の役割

エルミナはセントラル州に位置する港町で、ここには1482年にポルトガル人の建造された城があります。

城はサハラ砂漠以南でヨーロッパ人による最も古い建造物として有名で、16世紀の最盛期は世界における金の10分の1がここから輸出されるというほどに発展。

その後、オランダやイギリスによって占領され、独立後、1990年代に改修されて現在に至ります。

セントラル州の城塞群の役割
城塞 役割
ケープ・コースト城 木材と金の交易、奴隷貿易
エルミナ城 金の交易、奴隷貿易

セントラル州の城塞群の評価

ベニン湾沿いの城塞群が評価されたのが、以下の点。

登録基準(vi)ガーナ南部の城塞群は、ガーナの歴史だけでなく、金の交易、後には奴隷交易の拠点として4世紀に渡る世界の交易の歴史を示し、ヨーロッパとアフリカの交流も見られ、アフリカの黒人たちにとってはディアスポラ(民族離散)のシンボルでもあるという点。

ガーナのベニン湾沿いの城塞群は、最初は金の交易を目的にしていましたが、後に奴隷交易の場となり、世界遺産としてはヨーロッパとアフリカの交流だけでなく、黒人奴隷たちの世界各地への拡散の象徴であるという点で評価されています。

セントラル州の城塞群の評価
基準 内容
(vi) ガーナの歴史、金の交易、奴隷貿易の拠点として4世紀に渡る世界の交易の歴史を示し、ヨーロッパとアフリカの交流、ディアスポラ(民族離散)の象徴

まとめ

セントラル州の城塞群は、ガーナの歴史において重要な役割を果たしてきました。

特に、エルミナ城は、サハラ以南アフリカで最も古いヨーロッパ建築物であり、大西洋奴隷貿易の拠点として重要な役割を果たしました。

セントラル州の城塞群は、ガーナの歴史、文化、そして奴隷貿易の暗い歴史を理解する上で重要な場所です。

4. ウェスタン州の城塞群と文化

要約

ウェスタン州の城塞群の建築様式

城塞は正方形もしくは長方形の形になっていて、外側の角地には4つの要塞または塔などが設置。

内側には中庭や2〜3階建ての建物が置かれ、象牙や真鍮(しんちゅう)、香辛料、奴隷などの交易所として利用されていました。

ここはヨーロッパ列強の商人がアフリカの商品を交換する場所で、敷地には奴隷の収容所や監獄なども存在。

ウェスタン州の城塞群の建築様式
項目 内容
形状 正方形または長方形
特徴 外側の角地には4つの要塞または塔、内側には中庭や2〜3階建ての建物
用途 象牙、真鍮、香辛料、奴隷などの交易所

ウェスタン州の城塞群の役割

4世紀に渡って交易が行われた、ヨーロッパとアフリカの交易地であったため、アフリカの黒人たちにとっては奴隷として新大陸などに連れて行かれたことから、ディアスポラ(民族離散)のシンボルとして「負の遺産」の側面もあります。

城塞群は現在は博物館や学校として転用されることも。

ウェスタン州の城塞群の役割
項目 内容
役割 ヨーロッパ列強の商人がアフリカの商品を交換する場所
施設 奴隷の収容所や監獄
象徴 ディアスポラ(民族離散)の象徴

ウェスタン州の城塞群の文化

ウェスタン州の城塞群は、ガーナの文化遺産として重要な役割を果たしています。

これらの城塞群は、ヨーロッパ人との交易や奴隷貿易の歴史を物語るだけでなく、ガーナの文化や伝統を伝える重要な場所でもあります。

まとめ

ウェスタン州の城塞群は、ヨーロッパとアフリカの交易の歴史を物語る重要な遺産です。

これらの城塞群は、ガーナの文化遺産として重要な役割を果たしており、歴史と文化を学ぶ上で貴重な場所です。

5. ヴォルタ州の城塞群の保護活動

要約

ヴォルタ州の城塞群の保護活動の現状

ヴォルタ州の城塞群は、ガーナの歴史と文化を伝える重要な遺産であり、その保護活動は重要な課題となっています。

これらの城塞群は、長年の風雨や人為的な影響によって損傷を受けており、適切な保護活動が必要です。

ヴォルタ州の城塞群の保護活動の現状
項目 内容
現状 長年の風雨や人為的な影響によって損傷
課題 適切な保護活動が必要

ヴォルタ州の城塞群の保護活動の取り組み

ガーナ政府は、ヴォルタ州の城塞群の保護活動に力を入れており、修復作業や保存活動を行っています。

また、国際的な機関やNGOも、これらの城塞群の保護活動に協力しています。

ヴォルタ州の城塞群の保護活動の取り組み
項目 内容
取り組み 修復作業や保存活動
協力 国際的な機関やNGO

ヴォルタ州の城塞群の保護活動の課題

ヴォルタ州の城塞群の保護活動には、資金不足や人材不足などの課題があります。

また、観光客の増加による環境への影響も懸念されています。

ヴォルタ州の城塞群の保護活動の課題
項目 内容
課題 資金不足、人材不足
懸念 観光客の増加による環境への影響

まとめ

ヴォルタ州の城塞群の保護活動は、ガーナ政府や国際的な機関の協力によって進められています。

しかし、資金不足や人材不足などの課題もあり、今後も継続的な取り組みが必要です。

観光客は、これらの城塞群を訪れる際に、環境への影響に配慮し、保護活動に協力することが重要です。

6. グレーター・アクラ州の城塞群と観光

要約

グレーター・アクラ州の城塞群の観光の魅力

グレーター・アクラ州の城塞群は、ガーナの歴史と文化を体験できる貴重な観光スポットです。

これらの城塞群は、ヨーロッパ人との交易や奴隷貿易の歴史を物語るだけでなく、ガーナの文化や伝統を伝える重要な場所でもあります。

グレーター・アクラ州の城塞群の観光の魅力
項目 内容
魅力 歴史と文化を体験できる貴重な観光スポット
特徴 ヨーロッパ人との交易や奴隷貿易の歴史、ガーナの文化や伝統を伝える

グレーター・アクラ州の城塞群の観光情報

グレーター・アクラ州の城塞群は、アクラから日帰りで訪れることができます。

観光客は、城塞群の歴史や文化について学ぶことができるだけでなく、美しい景色を楽しむこともできます。

グレーター・アクラ州の城塞群の観光情報
項目 内容
アクセス アクラから日帰り
体験 歴史や文化を学ぶ、美しい景色を楽しむ

グレーター・アクラ州の城塞群の観光の注意点

グレーター・アクラ州の城塞群を訪れる際には、服装に注意が必要です。

特に、宗教施設や歴史的な場所では、露出の多い服装は避けるべきです。

グレーター・アクラ州の城塞群の観光の注意点
項目 内容
服装 露出の多い服装は避ける
マナー 地元の人々に敬意を払う

まとめ

グレーター・アクラ州の城塞群は、ガーナの歴史と文化を体験できる貴重な観光スポットです。

観光客は、これらの城塞群を訪れる際に、歴史や文化について学び、美しい景色を楽しむことができます。

また、服装やマナーに注意し、地元の人々に敬意を払いましょう。

参考文献

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