項目 | 内容 |
---|---|
位置 | ブラジル北東部の大西洋岸、バイーア州南部からエスピリト・サント州北部 |
面積 | 1,120平方キロメートル |
構成 | 8つの自然保護区 |
特徴 | パウ・ブラジルなど450種以上の樹木が生息、生物多様性に富む |
IUCNカテゴリー | 全てIUCNカテゴリーII(国立公園) |
1. ディスカヴァリーコースト大西洋岸森林保護区群の概要
位置と構成
ディスカヴァリー・コースト大西洋岸森林保護区群は、ブラジル北東部の大西洋岸、バイーア州南部からエスピリト・サント州北部にかけて広がる8つの自然保護区から成り立っています。この地域は、ポルトガル人が初めてブラジルに上陸した場所であり、その歴史的な重要性から「ディスカバリー・コースト」と呼ばれています。
保護区は、モンテ・パスコアル国立公園、ウナ生物保護区、CEPLACのパウブラジル試験拠点、ソーレタマ生物保護区、ヴェラクルス保護拠点の民間自然遺産保護区、リニャレシュ森林保護区、パウ・ブラジル国立公園、デスコブリメント国立公園の8つで構成されています。
総面積は1
保護区名 | 種類 |
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モンテ・パスコアル国立公園 | 国立公園 |
ウナ生物保護区 | 生物保護区 |
CEPLACのパウブラジル試験拠点 | 試験拠点 |
ソーレタマ生物保護区 | 生物保護区 |
ヴェラクルス保護拠点の民間自然遺産保護区 | 民間自然遺産保護区 |
リニャレシュ森林保護区 | 森林保護区 |
パウ・ブラジル国立公園 | 国立公園 |
デスコブリメント国立公園 | 国立公園 |
特徴
この地域は、ブラジルという国名の由来となったパウ・ブラジル(ブラジルボク)をはじめ、ブラジルゾウゲヤシ、マングローブなど、450種以上の樹木が生息しています。その樹木の密度は世界一とも言われ、まさに熱帯雨林の宝庫と言えるでしょう。
また、動物も多種多様で、タテガミナマケモノ、ホソオヤマアラシ、ジャガーなど、貴重な野生動物が生息しています。
この保護区群は、ブラジルの大西洋岸森林のわずか8%しか残っていない貴重な原生林であり、その生態系は世界的に見ても非常に重要です。
樹木名 | 特徴 |
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パウ・ブラジル | ブラジルの国名の由来、赤い木目は染料として珍重 |
ブラジルゾウゲヤシ | 繊維が丈夫で、ロープや網などに使われる |
マングローブ | 海岸線に生息、塩分濃度の高い環境に適応 |
IUCNカテゴリー
ディスカヴァリー・コースト大西洋岸森林保護区群に含まれる8つの保護区は、全てIUCNカテゴリーII(国立公園)に分類されています。
IUCNカテゴリーIIは、国立公園や自然保護区など、自然保護のために厳重に管理されている地域を指します。
この分類は、保護区の重要性を示すものであり、国際的な基準に基づいて管理されていることを意味します。
カテゴリー | 説明 |
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IUCNカテゴリーII | 国立公園や自然保護区など、自然保護のために厳重に管理されている地域 |
まとめ
ディスカヴァリー・コースト大西洋岸森林保護区群は、ブラジル北東部の大西洋岸に位置する8つの自然保護区から成り、総面積は1
この地域は、ブラジルという国名の由来となったパウ・ブラジルをはじめ、多様な動植物が生息する、世界的に重要な熱帯雨林の宝庫です。
IUCNカテゴリーIIに分類されており、国際的な基準に基づいて厳重に管理されています。
2. 世界遺産に登録された理由と価値
登録基準
ディスカヴァリー・コースト大西洋岸森林保護区群は、1999年に世界遺産に登録されました。
登録された基準は、(ix)と(x)の2つです。
(ix)は、生物学的・生態学的プロセスを示す顕著な例であり、絶滅危惧種を含む多様な生物が生息していることを示しています。
(x)は、生物多様性の観点から、世界で最も豊かな熱帯林地域の1つであることを示しています。
基準 | 説明 |
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(ix) | 生物学的・生態学的プロセスを示す顕著な例 |
(x) | 生物多様性の観点から、世界で最も豊かな熱帯林地域の1つ |
生物多様性
この保護区群は、世界で最も豊かな熱帯雨林地帯の一つとして知られており、450種以上の樹木、627種の絶滅危惧植物、261種の哺乳類、620種の鳥類など、多様な動植物が生息しています。
特に、パウ・ブラジルやブラジルゾウゲヤシなど、この地域固有の貴重な植物が多く見られます。
また、タテガミナマケモノ、ホソオヤマアラシ、ジャガーなど、絶滅危惧種を含む多くの野生動物が生息しており、その生態系の重要性を物語っています。
分類 | 種数 |
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樹木 | 450種以上 |
絶滅危惧植物 | 627種 |
哺乳類 | 261種 |
鳥類 | 620種 |
進化の過程
この地域は、かつてアマゾンの生態系とつながっていたと考えられており、その痕跡が現在でも見られます。
アマゾンと大西洋岸森林の両方の要素を持つことから、独自の進化を遂げてきたことがわかります。
そのため、この地域には、固有種や希少種が多く生息しており、生物学的に非常に重要な地域となっています。
特徴 | 説明 |
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アマゾンと大西洋岸森林の要素を持つ | 独自の進化を遂げたことを示す |
固有種や希少種が多い | 生物学的に重要な地域であることを示す |
まとめ
ディスカヴァリー・コースト大西洋岸森林保護区群は、生物多様性と進化の過程という2つの重要な価値を認められ、世界遺産に登録されました。
この地域は、世界で最も豊かな熱帯雨林地帯の一つであり、絶滅危惧種を含む多くの動植物が生息しています。
また、アマゾンと大西洋岸森林の両方の要素を持つことから、独自の進化を遂げてきたことがわかります。
これらの価値は、世界遺産登録の基準(ix)と(x)に合致し、国際的に認められています。
3. タイムトラベル体験!過去から現在までの変化
歴史
ディスカヴァリー・コースト大西洋岸森林保護区群は、ポルトガル人がブラジルに初めて上陸した場所であり、その歴史はブラジルそのものの歴史と深く関わっています。
16世紀以降、パウ・ブラジルなどの貴重な木材が伐採され、輸出されました。
その後、コーヒー栽培や都市開発が進み、森林は急速に減少していきました。
現在では、かつての森林のわずか8%しか残っていないと言われています。
時代 | 出来事 |
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16世紀以降 | パウ・ブラジルなどの貴重な木材の伐採と輸出 |
19世紀以降 | コーヒー栽培や都市開発が進み、森林が急速に減少 |
現在 | かつての森林のわずか8%しか残っていない |
保護の取り組み
1999年に世界遺産に登録されたことをきっかけに、保護活動が本格化しました。
保護区の拡大や、違法伐採の防止など、様々な取り組みが行われています。
しかし、森林伐採や開発による圧力は依然として強く、保護活動は継続していく必要があります。
取り組み | 内容 |
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世界遺産登録 | 1999年に世界遺産に登録 |
保護区の拡大 | 保護区の範囲を広げる |
違法伐採の防止 | 違法な伐採を阻止する |
変化
ディスカヴァリー・コースト大西洋岸森林保護区群は、かつては広大な熱帯雨林に覆われていましたが、人間の活動によって大きく変化してきました。
森林伐採や開発によって、森林は減少していき、多くの動植物が絶滅の危機に瀕しています。
しかし、世界遺産登録や保護活動によって、その貴重な生態系は守られつつあります。
変化 | 内容 |
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森林の減少 | 人間の活動によって森林が減少 |
絶滅危惧種の増加 | 多くの動植物が絶滅の危機に瀕している |
保護活動の強化 | 世界遺産登録や保護活動によって生態系が守られつつある |
まとめ
ディスカヴァリー・コースト大西洋岸森林保護区群は、長い歴史の中で、人間の活動によって大きく変化してきました。
かつては広大な熱帯雨林に覆われていましたが、森林伐採や開発によって、その面積は大幅に減少しました。
しかし、世界遺産登録や保護活動によって、その貴重な生態系は守られつつあり、未来に向けて、その保護と再生が期待されています。
4. 生息する動植物の多様性と特徴
植物
ディスカヴァリー・コースト大西洋岸森林保護区群には、パウ・ブラジルをはじめ、ブラジルゾウゲヤシ、マングローブなど、450種以上の樹木が生息しています。
パウ・ブラジルは、ブラジルという国名の由来となった木であり、その赤い木目は染料として珍重されてきました。
ブラジルゾウゲヤシは、その繊維が丈夫で、ロープや網などに使われています。
マングローブは、海岸線に生息する植物で、塩分濃度の高い環境に適応しています。
樹木名 | 特徴 |
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パウ・ブラジル | ブラジルの国名の由来、赤い木目は染料として珍重 |
ブラジルゾウゲヤシ | 繊維が丈夫で、ロープや網などに使われる |
マングローブ | 海岸線に生息、塩分濃度の高い環境に適応 |
動物
この地域には、タテガミナマケモノ、ホソオヤマアラシ、ジャガーなど、多くの野生動物が生息しています。
タテガミナマケモノは、樹上で生活する哺乳類で、ゆっくりとした動きが特徴です。
ホソオヤマアラシは、夜行性で、木の実などを食べます。
ジャガーは、大型のネコ科動物で、この地域の頂点捕食者です。
動物名 | 特徴 |
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タテガミナマケモノ | 樹上で生活する哺乳類、ゆっくりとした動きが特徴 |
ホソオヤマアラシ | 夜行性、木の実などを食べる |
ジャガー | 大型のネコ科動物、この地域の頂点捕食者 |
希少種
ディスカヴァリー・コースト大西洋岸森林保護区群には、絶滅危惧種を含む多くの希少な動植物が生息しています。
ゴールデンライオンタマリンは、この地域にしか生息していない希少なサルです。
ブラジルゾウゲヤシも、乱獲によって数が減少し、絶滅危惧種に指定されています。
これらの希少種を守るため、保護活動が続けられています。
種名 | 特徴 |
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ゴールデンライオンタマリン | この地域にしか生息していない希少なサル |
ブラジルゾウゲヤシ | 乱獲によって数が減少し、絶滅危惧種に指定されている |
まとめ
ディスカヴァリー・コースト大西洋岸森林保護区群は、パウ・ブラジルやブラジルゾウゲヤシなど、多様な植物が生息する熱帯雨林です。
また、タテガミナマケモノ、ホソオヤマアラシ、ジャガーなど、多くの野生動物が生息しており、その生態系は非常に豊かです。
この地域には、ゴールデンライオンタマリンやブラジルゾウゲヤシなど、絶滅危惧種を含む多くの希少な動植物が生息しており、保護活動が続けられています。
5. 保護区内の人々との共生の取り組み
伝統的な文化
ディスカヴァリー・コースト大西洋岸森林保護区群には、古くからこの地域に住む人々が暮らしています。
彼らは、森林と密接な関係を持ち、その恵みを受けながら生活してきました。
伝統的な文化や生活様式は、森林の保護に役立ってきました。
文化 | 説明 |
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森林との密接な関係 | 森林の恵みを受けながら生活してきた |
伝統的な文化や生活様式 | 森林の保護に役立ってきた |
持続可能な利用
保護区内では、森林資源の持続可能な利用が推進されています。
例えば、パウ・ブラジルの伐採は厳しく制限され、持続可能な方法で利用されています。
また、エコツーリズムなどの活動を通じて、地域住民の経済活動と保護活動を両立させる取り組みが行われています。
取り組み | 内容 |
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パウ・ブラジルの伐採制限 | 持続可能な方法で利用 |
エコツーリズム | 地域住民の経済活動と保護活動を両立 |
地域住民との協力
保護区の管理には、地域住民の協力が不可欠です。
保護区の職員は、地域住民に対して、環境教育や啓発活動を行っています。
また、地域住民が参加できる保護活動や、森林資源の利用に関する話し合いなども行われています。
取り組み | 内容 |
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環境教育や啓発活動 | 地域住民への意識啓蒙 |
保護活動への参加 | 地域住民が保護活動に参加 |
森林資源の利用に関する話し合い | 地域住民と保護区職員が話し合い |
まとめ
ディスカヴァリー・コースト大西洋岸森林保護区群では、保護区内の人々との共生が重視されています。
伝統的な文化や生活様式を尊重し、森林資源の持続可能な利用を推進することで、保護区と地域住民が共に発展していくことを目指しています。
地域住民との協力関係を築き、環境教育や啓発活動を行うことで、保護活動の成功に繋げています。
6. 楽しみ方ガイド!訪れる際のポイントと注意点
アクセス
ディスカヴァリー・コースト大西洋岸森林保護区群へは、ブラジルのバイーア州やエスピリト・サント州の主要都市からアクセスできます。
バイーア州のポルト・セグロや、エスピリト・サント州のビトリアなど、観光拠点となる都市から、バスやタクシーなどを利用してアクセスできます。
保護区内は、広大で、交通手段が限られているため、事前に計画を立てておくことが重要です。
交通手段 | 説明 |
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バス | バイーア州やエスピリト・サント州の主要都市からアクセス可能 |
タクシー | バスと同様に利用可能 |
ガイドツアー | 安全に、そして深く自然を楽しむことができる |
見どころ
ディスカヴァリー・コースト大西洋岸森林保護区群の見どころは、何と言っても、パウ・ブラジルなどの貴重な樹木や、タテガミナマケモノ、ホソオヤマアラシ、ジャガーなどの野生動物です。
また、保護区内には、トレッキングコースや、自然観察の施設なども整備されています。
保護区内では、ガイドツアーに参加することで、より安全に、そして深く、自然を楽しむことができます。
見どころ | 説明 |
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パウ・ブラジルなどの貴重な樹木 | ブラジルの国名の由来となった木など |
タテガミナマケモノ、ホソオヤマアラシ、ジャガーなどの野生動物 | 貴重な野生動物を観察できる |
トレッキングコース | 自然を満喫できる |
自然観察の施設 | 自然について学ぶことができる |
注意点
ディスカヴァリー・コースト大西洋岸森林保護区群は、熱帯雨林地帯のため、気温が高く、湿度も高いです。
服装は、通気性の良いものを選び、帽子や日焼け止めなど、熱中症対策も忘れずに行いましょう。
また、蚊や虫よけ対策も必要です。
野生動物との遭遇にも注意が必要です。
注意点 | 説明 |
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熱中症対策 | 気温が高く、湿度も高いので注意 |
虫よけ対策 | 蚊や虫が多いので注意 |
野生動物との遭遇 | 野生動物に注意 |
まとめ
ディスカヴァリー・コースト大西洋岸森林保護区群は、貴重な自然と野生動物が生息する、魅力的な場所です。
訪れる際には、事前に計画を立て、熱中症対策や虫よけ対策など、安全に配慮しましょう。
ガイドツアーに参加することで、より安全に、そして深く、自然を楽しむことができます。
参考文献
・コスタ・ド・デスコブリメントの大西洋岸森林保護区群 – Wikipedia
・コスタ・ド・デスコブリメントの大西洋岸森林保護区群 | 世界 …
・ディスカヴァリー・コースト大西洋沿岸森林保護区群 – 世界 …
・世界遺産の熱帯雨林地帯ディスカヴァリー・コースト大西洋岸 …
・ディスカヴァリー-コースト大西洋岸森林保護区群(ディスカヴァ …
・Atlantic Forest South-East Reserves
・コスタ・ド・デスコブリメントの大西洋岸森林保護区 – 海外 …
・大西洋岸森林南東部の保護区群 | ブラジル | 世界遺産 …
・地域別リスト(動的テンプレート) – 公益社団法人日本ユネスコ …
・ブラジル/ディスカヴァリー・コーストの大西洋沿岸森林保護区