ソチカルコの古代遺跡地帯とは？世界遺産についての解説

ソチカルコ遺跡の概要
項目	内容
位置	メキシコ・モレロス州
時代	古典期後期（650年-900年）
文化	テオティワカン、サポテカ、マヤ文明の影響
主な建造物	羽毛の蛇の神殿、天文観測所、球戯場
世界遺産登録	1999年（文化遺産）
登録基準	(iii)保存状態の良い城塞都市、(iv)文化の融合

1. ソチカルコの歴史

ソチカルコの位置と名称

ソチカルコは、メキシコのモレロス州にある先コロンブス期の遺跡です。メキシコシティから南西約80kmの場所に位置し、クエルナバカの郊外に位置しています。ソチカルコとはナワトル語で「花(xōchitl)の家(calli)のある場所(-co)」を意味し、ソチカルコを代表する建造物である羽毛の蛇の神殿が華やかに装飾されていることにちなむとされています。

ソチカルコ遺跡は、モレロス州都クエルナバカの南西の丘の頂上と斜面に位置しています。丘は周辺から120メートルほど高くなっており、漆喰で造られた擁壁によって、遺跡全体が巨大なピラミッドのように見えるのが特徴です。

ソチカルコの名称と位置
名称	ソチカルコ
意味	花の家のある場所
場所	メキシコ・モレロス州
距離	メキシコシティから南西約80km

ソチカルコの繁栄と衰退

ソチカルコは、古典期後期（650年-900年ごろ）に中央メキシコの主要な都市のひとつとして栄えました。当時のメキシコは、テオティワカンが衰え、中央メキシコに権力の空白が生じた不安定な時代でした。ソチカルコは、この混乱期に台頭してきた都市の一つであり、外敵から自衛するために城壁や堀を築き、盛期には10000人から15000人の人口を擁していました。

しかし、900年ごろに外敵の侵入ないし反乱によってソチカルコの町は破壊され、放棄されました。その後、アステカ時代にすでに遺跡になっていましたが、アステカではここを墓地として使用した形跡があると言われています。

ソチカルコの繁栄と衰退
時期	内容
650年-900年	繁栄期
900年頃	外敵の侵入または反乱により滅亡
その後	アステカ時代に遺跡として利用

ソチカルコの発見と研究

ソチカルコについては、16世紀のベルナルディーノ・デ・サアグンがすでに記述していましたが、1791年にホセ・アントニオ・アルサテ・イ・ラミレスが詳細に記述してから広く知られるようになりました。1910年にはじめて羽毛の蛇の神殿の発掘が行われ、本格的な研究が始まりました。

1992年からメキシコ国立人類学歴史研究所による調査発掘と保存作業が行われ、現在も研究が進められています。

ソチカルコの発見と研究
時期	内容
16世紀	ベルナルディーノ・デ・サアグンが記述
1791年	ホセ・アントニオ・アルサテ・イ・ラミレスが詳細に記述
1910年	羽毛の蛇の神殿の発掘開始
1992年-	メキシコ国立人類学歴史研究所による調査発掘と保存作業

まとめ

ソチカルコは、メキシコの中央高原に位置する、古典期後期に栄えた都市です。テオティワカンの衰退後に台頭し、周辺の文化の影響を受けながら独自の文化を築き上げました。しかし、900年ごろに滅亡し、その後は遺跡として残りました。

ソチカルコは、16世紀から研究が始まり、現在も発掘調査や保存作業が進められています。

2. ソチカルコ遺跡の発見

ソチカルコ遺跡の発見

ソチカルコ遺跡は、メキシコシティから約80kmの場所に位置し、クエルナバカの郊外に位置しています。ソチカルコとはナワトル語で「花(xōchitl)の家(calli)のある場所(-co)」を意味し、ソチカルコを代表する建造物である羽毛の蛇の神殿が華やかに装飾されていることにちなむとされています。

ソチカルコ遺跡の発見と研究

1992年からメキシコ国立人類学歴史研究所による調査発掘と保存作業が行われ、現在も研究が進められています。

ソチカルコ遺跡の保存状態

ソチカルコ遺跡は、放棄されて以来、人がほとんど住まなかったこと、1922年に考古学地域として保護されたことによって、よく保存されています。

まとめ

ソチカルコ遺跡は、16世紀から研究が始まり、1910年に羽毛の蛇の神殿の発掘が行われて本格的な研究が始まりました。1992年からメキシコ国立人類学歴史研究所による調査発掘と保存作業が行われ、現在も研究が進められています。

ソチカルコ遺跡は、放棄されて以来、人がほとんど住まなかったこと、1922年に考古学地域として保護されたことによって、よく保存されています。

3. ソチカルコの文化遺産

ソチカルコの文化

ソチカルコは、古典期後期に栄えた都市であり、中央メキシコ以外にマヤなど他の文明の影響が見られます。ソチカルコの文化は、テオティワカン、サポテカ、マヤ文明が融合したものであり、当時のメキシコにおける一大文化センターとして栄えました。

ソチカルコは、当時のメキシコにおける一大文化センターとして栄え、宗教都市としても重要な役割を果たしていました。メキシコ湾岸、オアハカ、マヤなど、各都市との交流を持ち、それぞれの文化が融合した独特の文化を形成しました。

ソチカルコの文化の特徴
特徴	内容
文化	テオティワカン、サポテカ、マヤ文明の影響
宗教	ケツァルコアトル信仰
芸術	マヤ文明の影響を受けた精緻な装飾

ソチカルコの宗教

ソチカルコでは、ケツァルコアトルを信仰の中心としていました。ケツァルコアトルは、羽毛の蛇の姿をした神であり、創造、知恵、芸術、豊穣などを司る神として崇拝されていました。ソチカルコでは、ケツァルコアトルを祀る神殿が建設され、神殿の壁面にはケツァルコアトルの装飾が彫られています。

ソチカルコでは、ケツァルコアトルの他に、太陽神、月神、雨神なども信仰されていました。これらの神々は、ソチカルコの文化や生活に大きな影響を与えていました。

ソチカルコの宗教
神	役割
ケツァルコアトル	創造、知恵、芸術、豊穣
太陽神	太陽
月神	月
雨神	雨

ソチカルコの芸術

ソチカルコの芸術は、マヤ文明の影響を強く受けています。ソチカルコの建造物や彫刻には、マヤ文明の特徴である精緻な装飾や、複雑な模様が見られます。

ソチカルコでは、石碑や彫刻、陶器など、様々な芸術作品が制作されました。これらの作品は、ソチカルコの文化や宗教を伝える貴重な資料となっています。

まとめ

ソチカルコは、テオティワカン、サポテカ、マヤ文明が融合した独自の文化を形成しました。ケツァルコアトルを信仰の中心とし、マヤ文明の影響を受けた芸術が発展しました。

ソチカルコの文化は、後のアステカ文明にも大きな影響を与えたと考えられています。

4. ソチカルコの建造物

羽毛の蛇の神殿

ソチカルコで最も有名な建造物は、羽毛の蛇の神殿です。この神殿は、タルー・タブレロ様式で造られた基部の上に神殿（下部のみ残る）が建っています。神殿と基部は豪華なレリーフで覆われており、タルー・タブレロのタルーの部分に8匹の羽毛の蛇がうねる様子が描かれています。

神殿の壁面には、ケツァルコアトルの装飾が彫られており、マヤ文明の影響を受けた精緻な装飾が見られます。また、神殿には軍事的な主題の絵も描かれており、ソチカルコの軍事的な側面を表しています。

羽毛の蛇の神殿の特徴
特徴	内容
様式	タルー・タブレロ様式
装飾	羽毛の蛇のレリーフ
影響	マヤ文明の影響
主題	軍事的な主題の絵

天文観測所

ソチカルコには、天文観測所も存在します。天文観測所は採石場を利用して造られ、部屋の屋根部分に筒状の穴があいています。この穴から、4月30日から8月13日までの105日間のみ日が射し込み、残り260日は日が射しません。

ソチカルコの人々は、この天文観測所を使って、太陽や星の動きを観測し、農業や暦の作成に役立てていたと考えられています。

天文観測所の特徴
特徴	内容
構造	採石場を利用した筒状の穴
目的	太陽や星の動きを観測
期間	4月30日から8月13日までの105日間のみ日が射し込む

球戯場

ソチカルコからは3つの球戯場が発見されています。とくに南の球戯場は大きいのが特徴です。

球戯場は、古代メソアメリカ文明において重要な役割を果たしていました。宗教儀式や娯楽、軍事訓練など、様々な目的で使用されていたと考えられています。

球戯場の特徴
特徴	内容
数	3つ
規模	南の球戯場が大きい
目的	宗教儀式、娯楽、軍事訓練

まとめ

ソチカルコには、羽毛の蛇の神殿、天文観測所、球戯場など、様々な建造物が残されています。これらの建造物は、ソチカルコの文化や宗教、生活様式を伝える貴重な資料となっています。

ソチカルコの建造物は、マヤ文明の影響を強く受けており、精緻な装飾や複雑な模様が見られます。

5. ソチカルコの世界遺産登録

世界遺産登録基準

ソチカルコは、1999年に世界遺産に登録されました。登録基準は、(iii)と(iv)です。

(iii)は、ソチカルコが、中央アメリカの古典期における保存状態の良い城塞都市であるという点です。

(iv)は、ソチカルコの建築と技術が、テオティワカンという大帝国が滅んだ後の文化的再編が発生した時期に、中央アメリカのさまざまな文化が融合したものであるということです。

世界遺産登録基準
基準	内容
(iii)	保存状態の良い城塞都市
(iv)	文化の融合

世界遺産としての価値

ソチカルコは、中央アメリカの古典期における保存状態の良い城塞都市であり、テオティワカンが滅んだ後の文化的再編を象徴する遺跡です。

ソチカルコは、中央アメリカのさまざまな文化が融合した建築様式を持つ遺跡であり、古代メキシコの文化を知る上で重要な遺跡です。

世界遺産登録の影響

ソチカルコの世界遺産登録は、遺跡の保護と保存、観光の促進に大きく貢献しました。

世界遺産登録によって、ソチカルコは世界的に知られるようになり、多くの観光客が訪れるようになりました。

まとめ

ソチカルコは、1999年に世界遺産に登録されました。登録基準は、(iii)と(iv)であり、中央アメリカの古典期における保存状態の良い城塞都市であり、テオティワカンが滅んだ後の文化的再編を象徴する遺跡であることが評価されました。

世界遺産登録は、遺跡の保護と保存、観光の促進に大きく貢献しました。

6. ソチカルコ遺跡の観光ガイド

ソチカルコ遺跡の見どころ

ソチカルコ遺跡の見どころは、羽毛の蛇の神殿、天文観測所、球戯場などです。羽毛の蛇の神殿は、ソチカルコを代表する建造物であり、精緻な装飾が見られます。天文観測所は、古代の人々が天体観測を行っていた場所であり、太陽の動きを観測するための工夫が凝らされています。球戯場は、古代メソアメリカ文明において重要な役割を果たしていた場所であり、宗教儀式や娯楽、軍事訓練など、様々な目的で使用されていたと考えられています。

ソチカルコ遺跡は、丘陵地帯に位置しており、遺跡全体を散策するには、歩きやすい靴が必要です。また、遺跡内は日差しが強いので、帽子や日焼け止めクリームを持参することをお勧めします。