項目 | 内容 |
---|---|
山脈 | ブルーマウンテン山脈とジョンクロウ山脈 |
位置 | ジャマイカ南東部 |
登録年 | 2015年 |
登録基準 | 複合遺産 (iii)(vi)(x) |
特徴 | コーヒー産地、マルーンの文化、生物多様性 |
アクセス | キングストンから車で約1時間 |
見どころ | スリーシスターズ、ナニー・タウン、ムーア・タウン、展望台、ハイキングコース |
1. ブルーマウンテン山脈の特徴と自然環境
ブルーマウンテン山脈の概要
ブルーマウンテン山脈は、ジャマイカにある同国最長の山脈です。ジャマイカの最高峰であるブルーマウンテン峰(2
ブルーマウンテン山脈はジャマイカの西三分の一ほどを占めており、西の境界をポートランド教区、セント・トーマス教区、セント・メアリー教区と、南の境界をセント・アンドリュー教区とそれぞれ接しています。山脈の一部は1992年に設立されたブルー・アンド・ジョン・クロウ・マウンテンズ国立公園に指定されています。
ブルーマウンテン山脈は、海岸平野から最高峰までおよそ16kmほどしかなく、その点では世界でもっとも急峻な山脈のひとつです。この地形は、麓に臨む首都キングストンの街の猛暑を緩和させています。峰は24マイル (39 km)にわたって続き、幅は広いところで14マイル (23 km)ほどになります。気温は海岸付近で26℃ほどであるが、山頂では5℃にまで低下します。
項目 | 内容 |
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最高峰 | ブルーマウンテン峰 (2,256m) |
面積 | ジャマイカの西三分の一 |
位置 | ポートランド教区、セント・トーマス教区、セント・メアリー教区、セント・アンドリュー教区 |
特徴 | 急峻な地形、海岸線が一望できる |
ブルーマウンテン山脈の気候
ケッペンの気候区分では、大部分が熱帯であるジャマイカの中でも、ブルーマウンテン山脈の標高が高い地域では高山性の西岸海洋性気候(Cfb)となります。
ブルーマウンテン山脈の気候的多様性は、500種を超える多様な花々やそびえたった木々の繁栄をもたらしています。
項目 | 内容 |
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区分 | 高山性の西岸海洋性気候 (Cfb) |
気温 | 海岸付近: 26℃、山頂: 5℃ |
影響 | 多様な動植物の繁栄 |
ブルーマウンテン山脈の生物
世界で二番目に大きく、アメリカ大陸では最大のチョウであるホメルスアゲハは、ブルーマウンテン山脈が原産です。フチア(げっ歯類の一種)のジャマイカフチアやボア(ヘビ)の一種ジャマイカボアもこの地域で見られます。
種 | 特徴 |
---|---|
ホメルスアゲハ | 世界で二番目に大きいチョウ |
ジャマイカフチア | げっ歯類の一種 |
ジャマイカボア | ヘビの一種 |
まとめ
ブルーマウンテン山脈は、ジャマイカの最高峰を擁する雄大な山脈であり、コーヒーの産地として有名です。
標高の高い地域では、熱帯気候とは異なる高山性の気候が見られ、多様な動植物が生息しています。
特に、世界最大のチョウであるホメルスアゲハや、ジャマイカフチア、ジャマイカボアなど、固有種が多く生息していることが特徴です。
2. ブルーマウンテン登山の魅力とおすすめコース
ブルーマウンテン登山の魅力
ブルーマウンテン山脈は、ジャマイカの最高峰であるブルーマウンテン峰を含む雄大な山脈であり、登山家にとって魅力的な場所です。
頂上からは、ジャマイカの美しい海岸線や、晴れた日には遠くキューバの影まで見渡すことができます。
また、山脈には、豊かな自然と歴史を感じられる様々な登山コースが整備されています。
ブルーマウンテン登山の注意点
ブルーマウンテン山脈は、標高が高く、気温が低くなるため、登山には防寒対策が必要です。
また、山岳地帯では天候が変わりやすいので、雨具や帽子、日焼け止めなども忘れずに持参しましょう。
登山道は整備されているものの、場所によっては険しい箇所もあります。体力に自信がない場合は、無理せず下山しましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
気温 | 標高が高く、気温が低い |
天候 | 変わりやすいので雨具や帽子、日焼け止めが必要 |
体力 | 険しい箇所があるので無理せず下山 |
ブルーマウンテン登山のおすすめコース
ブルーマウンテン山脈には、初心者から上級者まで楽しめる様々な登山コースがあります。
初心者向けのコースとしては、ブルー・マウンテン・ピーク・トレイルがおすすめです。
このコースは、標高1
体力に自信のある方は、ジョン・クロウ・ピーク・トレイルに挑戦してみましょう。
コース名 | 特徴 |
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ブルー・マウンテン・ピーク・トレイル | 初心者向け、ブルーマウンテン峰の頂上まで約6km |
ジョン・クロウ・ピーク・トレイル | 上級者向け、体力に自信のある人向け |
まとめ
ブルーマウンテン山脈は、ジャマイカの最高峰を含む雄大な山脈であり、登山家にとって魅力的な場所です。
登山には、防寒対策や天候の変化に注意する必要があります。
初心者向けのコースから上級者向けのコースまで、様々な登山コースが整備されています。
3. ジョンクロウ山地の歴史と文化遺産
ジョンクロウ山地の歴史
ジョンクロウ山地は、かつてジャマイカの経済がプランテーションにおける奴隷労働に支配されていた時代、自由を求めて逃亡した奴隷(マルーン)たちの隠れ家でした。
マルーンたちは、ヨーロッパ列強の植民地制度に抵抗し、独自の文化を築き上げてきました。
山中には、女性の指導者であったグラニー・ナニーの名を冠したナニー・タウンやムーア・タウンなどの集落、展望台、山道などが今でも残っています。
ジョンクロウ山地の文化遺産
ジョンクロウ山地では、マルーンたちが築き上げてきた独自の文化が今も息づいています。
宗教儀式、伝統医学、踊りなど、彼らの文化は、アフリカの伝統とジャマイカの環境が融合した独特なものです。
2008年には、ムーア・タウンのマルーン遺産として無形文化遺産に登録されました。
項目 | 内容 |
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宗教 | 山との霊的なつながりをもとにした独自の信仰 |
伝統 | 宗教儀式、伝統医学、踊り |
登録 | 2008年にムーア・タウンのマルーン遺産として無形文化遺産に登録 |
ジョンクロウ山地の歴史的意義
ジョンクロウ山地は、奴隷制からの解放を求めたマルーンたちの闘争の歴史を物語る重要な場所です。
彼らの抵抗は、ジャマイカの独立運動にも大きな影響を与えました。
ジョンクロウ山地は、ジャマイカの歴史と文化を理解する上で欠かせない場所です。
まとめ
ジョンクロウ山地は、かつて逃亡奴隷であるマルーンたちの隠れ家であり、独自の文化を育んできた場所です。
マルーンたちの文化は、宗教儀式、伝統医学、踊りなど、アフリカの伝統とジャマイカの環境が融合した独特なものです。
ジョンクロウ山地は、ジャマイカの歴史と文化を理解する上で重要な場所であり、2008年には無形文化遺産に登録されました。
4. ジョンクロウ山地の観光スポットと見どころ
ブルー・アンド・ジョン・クロウ・マウンテンズ国立公園
ジョンクロウ山地は、ブルー・アンド・ジョン・クロウ・マウンテンズ国立公園の一部として保護されています。
この国立公園は、ジャマイカの生物多様性のホットスポットであり、固有種が多く生息しています。
特に、花は固有種が294種も見られ、カエルや鳥類などを含む絶滅危惧種も多く生息しています。
マルーンの文化を体験できるスポット
ジョンクロウ山地には、マルーンの文化を体験できるスポットがあります。
ムーア・タウンやチャールズタウンなどの集落では、マルーンの人々が伝統的な生活を営んでいます。
これらの集落では、マルーンの伝統的な音楽やダンスを鑑賞したり、彼らの生活について学ぶことができます。
場所 | 特徴 |
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ムーア・タウン | マルーンの人々が伝統的な生活を営む集落 |
チャールズタウン | マルーンの伝統的な音楽やダンスを鑑賞できる |
自然を楽しむスポット
ジョンクロウ山地には、美しい自然を楽しむスポットもたくさんあります。
ナニー・タウンやムーア・タウンへの山道は、ハイキングやトレッキングに最適です。
また、展望台からは、ジャマイカの雄大な景色を一望できます。
場所 | 特徴 |
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ナニー・タウン | ハイキングやトレッキングに最適な山道 |
ムーア・タウン | ハイキングやトレッキングに最適な山道 |
展望台 | ジャマイカの雄大な景色を一望できる |
まとめ
ジョンクロウ山地は、生物多様性に富んだ国立公園であり、マルーンの文化を体験できる場所です。
ハイキングやトレッキング、展望台からの景色など、自然を楽しむことができます。
マルーンの文化を学ぶことで、ジャマイカの歴史と文化を深く理解することができます。
5. ブルーマウンテン山脈とジョンクロウ山地の世界遺産登録に至る経緯
世界遺産登録の基準
ブルー・アンド・ジョン・クロウ・マウンテンズ国立公園は、2015年に世界遺産に登録されました。
登録基準は、以下の3つです。
(iii) – 現存するか消滅しているかにかかわらず、ある文化的伝統又は文明の存在を伝承する物証として無二の存在(少なくとも希有な存在)である。
(vi) – 顕著な普遍的価値を有する出来事(行事)、生きた伝統、思想、信仰、芸術的作品、あるいは文学的作品と直接または実質的関連がある(この基準は他の基準とあわせて用いられることが望ましい)。
基準 | 内容 |
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(iii) | 文化的伝統や文明の存在を伝承する物証 |
(vi) | 顕著な普遍的価値を有する出来事や伝統との関連 |
(x) | 生物多様性の生息域内保全にとって重要な自然の生息地 |
世界遺産登録の理由
ブルー・アンド・ジョン・クロウ・マウンテンズ国立公園は、自然と文化の両方の価値が認められ、複合遺産として登録されました。
自然遺産としては、カリブ海の中でも生物多様性のホットスポットが見られる地であり、特に花は1357種も見られ、そのうち294種はジャマイカの固有種であり、他にも固有の地衣類や植物など、カリブ海独自の固有種が多く存在するという点で評価されました。
文化遺産としては、かつて逃亡奴隷だったマルーンがここに隠れ住むと、宗教や医学、踊りなど、彼ら独自の文化が築かれ、それは現在は無形文化にも登録されるほどです。
世界遺産登録の影響
世界遺産登録は、ブルー・アンド・ジョン・クロウ・マウンテンズ国立公園の保護と観光開発に大きな影響を与えました。
国立公園の保護活動が強化され、観光客の増加による経済効果も期待されています。
一方で、観光客の増加による環境への影響も懸念されています。
まとめ
ブルー・アンド・ジョン・クロウ・マウンテンズ国立公園は、自然と文化の両方の価値が認められ、2015年に世界遺産に登録されました。
世界遺産登録は、国立公園の保護と観光開発に大きな影響を与え、環境保護と観光のバランスが課題となっています。
6. ブルーマウンテン山脈とジョンクロウ山地の旅行での楽しみ方とオススメスポット
ブルー・アンド・ジョン・クロウ・マウンテンズ国立公園へのアクセス
ブルー・アンド・ジョン・クロウ・マウンテンズ国立公園へは、ジャマイカの首都キングストンから車で約1時間です。
キングストン発のツアーを利用するのも便利です。
ブルー・アンド・ジョン・クロウ・マウンテンズ国立公園の見どころ
ブルー・アンド・ジョン・クロウ・マウンテンズ国立公園の見どころは、豊かな自然とマルーンの文化です。
国立公園内には、ハイキングコースや展望台があり、ジャマイカの雄大な景色を楽しむことができます。
また、マルーンの集落を訪れ、彼らの伝統的な文化を体験することもできます。
ブルー・アンド・ジョン・クロウ・マウンテンズ国立公園の注意点
国立公園内は、野生動物が生息しているため、注意が必要です。
特に、ハイキングをする際は、事前に情報収集を行い、安全に配慮しましょう。
また、国立公園内は、ゴミ捨て場が限られています。ゴミは持ち帰りましょう。
項目 | 内容 |
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野生動物 | 生息しているので注意が必要 |
ハイキング | 事前に情報収集を行い、安全に配慮 |
ゴミ | 持ち帰りましょう |
まとめ
ブルー・アンド・ジョン・クロウ・マウンテンズ国立公園は、ジャマイカの豊かな自然とマルーンの文化を体験できる場所です。
ハイキングや展望台からの景色、マルーンの集落など、様々な楽しみ方ができます。
国立公園を訪れる際は、安全に配慮し、環境保護に協力しましょう。
参考文献
・ブルーマウンテン山脈 (ジャマイカ) – Wikipedia
・大自然の宝箱!世界遺産「ブルー・アンド・ジョン・クロウ …
・King of coffee “Blue Mountain” ジャマイカが誇るコーヒーの王様 …
・ブルーマウンテン山脈とジョン・クロウ山地 | トラベルタウンズ
・ブルーマウンテンコーヒーとは?産地の歴史や特徴、おいしい …
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