廬山国立公園とは？世界遺産についての解説

廬山国立公園の概要
項目	内容
位置	中国江西省九江市南部
標高	1,474m（漢陽峰）
面積	282平方キロメートル
登録年	1996年
登録基準	(ii)(iii)(iv)(vi)
登録区分	文化遺産

1. 廬山国立公園の概要

廬山国立公園とは？

廬山国立公園は、中国江西省九江市南部に位置する、標高1

廬山は、古来より名勝として知られており、東晋の田園詩人である陶淵明の『飲酒二十首』其の五に「菊を採る東籬の下、悠然として南山を見る」と歌われたのをはじめ、李白、白居易ら多くの詩人に歌われています。また、宗教的な聖山としても古くから名高く、後漢の安世高が住したことで知られ、中でも「虎渓三笑」の故事で知られる、東晋の慧遠が住した東林寺が有名です。

廬山は、中国文化史・宗教史・政治史の上でも独特の地位を占めてきました。多くの詩人・文学者・画家らが廬山を描いており、中国の山水文化の歴史を凝縮したような存在でもあります。東晋以来、廬山を詠んだ詩歌辞賦は4

廬山は、1996年にユネスコの世界遺産（文化遺産）に登録されました。また、「廬山第四紀氷河地形国家地質公園」としてジオパークにも指定されており、ユネスコ世界ジオパークネットワークにより認定されています。中華人民共和国国家級風景名勝区（1982年認定）、中国の5A級観光地（2007年認定）にもなっています。

廬山国立公園の概要
項目	内容
位置	中国江西省九江市南部
標高	1,474m（漢陽峰）
面積	282平方キロメートル
登録年	1996年
登録基準	(ii)(iii)(iv)(vi)
登録区分	文化遺産

廬山国立公園へのアクセス

廬山国立公園は、江西省北部の九江市内にあり、市街地の南に位置しています。鉄道の駅である九江火車駅からはおよそ35km、九江廬山空港からはおよそ40kmほど離れています。

廬山へは九江市街地からバスの利用がおすすめです。別荘群の建造物など、主要な見どころは徒歩で観光することができるため、観光者にとってはうれしいポイントです。

廬山国立公園は、中国文明の精神的中心地の一つであり、多くの碩学がその思想を育んだ仏教や道教、儒教の旧跡が廬山の美しい景観と見事に調和しています。

ここには自然との審美的な語らいを追求した無数の芸術家たちの息吹が満ちています。

アクセス
交通手段	所要時間
九江火車駅からバス	約35km
九江廬山空港からバス	約40km

廬山国立公園の登録基準

廬山国立公園は、1996年に文化遺産としてユネスコに登録されました。現在、危機遺産には登録されていません。

廬山国立公園は、登録基準(ii)(iii)(iv)(vi)に基づいて世界文化遺産に登録されました。

登録基準(ii)は、廬山の風景に溶け込むように佇む寺院や書院などは、紀元前3世紀の前漢王朝時代から20世紀初頭まで長い期間に発生した価値観の交流によって生み出された文化的景観であるという点です。

登録基準(iii)は、廬山の風景は、これをテーマにさまざまな分野の作品で取り入れられ、それらは文化と自然の美しさの調和が見られ、中国における哲学や芸術に影響を与えてきたということです。

登録基準
基準	内容
(ii)	文化的景観の価値観交流
(iii)	哲学と芸術への影響
(iv)	伝統的な建築モデルと西洋文化の浸透
(vi)	仏教と儒教の思想への影響

まとめ

廬山国立公園は、中国江西省九江市南部に位置する、標高1

廬山は、古来より詩歌や絵画の題材として多くの芸術家に愛され、中国文化に大きな影響を与えてきました。また、宗教的な聖地としても知られており、仏教や儒教の思想が育まれた場所でもあります。

近年では、避暑地としても有名になり、多くの政治家や著名人が別荘を構えています。

廬山国立公園は、自然と文化が融合した、魅力的な観光地です。

2. 廬山国立公園の歴史

古代からの歴史

廬山は、古くから中国の人々に愛されてきた山です。中国初の歴史書である『史記』を作成した司馬遷が紀元前2世紀頃にここを訪れたことで有名です。

特に唐（618〜907年）の時代の詩人たちによって山水詩を詠まれ、詩仙と言われる李白、詩聖・杜甫、白居易（白楽天）などによる4

李白はこの地がお気に入りで、ここでは14首もの詩歌を残しています。その景観は山水画の発祥でもあり、中国文化において多大な貢献をしてきました。

後漢（25〜220年）の時代には既に仏教寺院が存在していて、4世紀に高僧・慧遠によって東林寺が建造されました。彼は中国仏教の開創者でもあり、浄土教の祖です。奈良時代、日本に渡る前にかの鑑真もここを訪れたとされています。

歴史
時代	出来事
紀元前2世紀	司馬遷が廬山を訪れる
唐時代	山水詩が盛んに詠まれる
4世紀	東林寺が建造される
19世紀後半～20世紀	避暑地として開発される

宗教と学問の中心地

廬山には10世紀に建造された書院・白鹿洞窟学院があることでも有名で、南宋時代の大家である朱熹（朱子）が12世紀後半に再建しました。

ここは学問の中心地となり、19世紀まで700年近く朱子学（儒教の新しい学問体系）が研究され、中国四大書院の一つとなるほどに。

廬山は、仏教、道教、儒教の聖地として、中国の歴史と文化に深く関わってきました。

多くの宗教施設や学問施設が建設され、中国の思想や文化の発展に貢献してきました。

宗教施設
施設	概要
東林寺	4世紀に高僧・慧遠によって建造された寺院。浄土教の祖とされる。
白鹿洞書院	10世紀に建造された書院。南宋時代の朱熹が再建し、中国四大書院の一つとなった。

避暑地としての発展

近代になると避暑地としても有名になり、19世紀後半から20世紀にかけて600もの山荘が築かれ、1930〜40年代には南京国民政府の夏の首都となるほどでした。

特に毛沢東はこの地に3度も訪れ、1959年に廬山会議を開き、これは大躍進政策（農作物と鉄鋼製品の増産施策）の続投を決めた大事な会議でした。

廬山は、自然の美しさだけでなく、政治的な舞台としても重要な役割を果たしてきました。

中国の歴史と政治の重要な舞台として、廬山は重要な役割を果たしてきました。

政治
年	出来事
1959年	廬山会議が開催される。大躍進政策の失敗を巡り、彭徳懐が失脚。

まとめ

廬山は、古代から現代に至るまで、中国の歴史と文化に深く関わってきた山です。

詩歌や絵画の題材として、宗教の聖地として、そして避暑地として、人々に愛されてきました。

廬山は、中国の歴史と文化を語る上で欠かせない場所です。

廬山は、中国の歴史と文化を深く理解するために、訪れる価値のある場所です。

3. 廬山国立公園の自然環境

雄大な山岳景観

廬山は、標高1

雲がかかる森林や断崖絶壁といった景観は、李白・杜甫、白居易などの詩人が山水詩を詠んだり、浄土宗発祥の地である東林寺、中国四大書院の一つ白鹿洞書院なども置かれたりと、中国の文化に多大な影響を与えてきました。

廬山は、中国の山水文化を代表する景勝地の一つです。

雄大な山岳景観は、多くの芸術家にインスピレーションを与え、中国文化の発展に貢献してきました。

山岳景観
項目	内容
最高峰	漢陽峰（標高1,474m）
峰の数	171
特徴	断崖絶壁、深い森、雲がかかる森林

豊かな自然

廬山は、四季折々の美しい自然を楽しむことができます。春には桜が咲き乱れ、夏には涼しい気候で避暑地として賑わいます。秋には紅葉が美しく、冬には雪景色が楽しめます。

廬山には、様々な植物が生息しており、豊かな生態系を形成しています。

廬山は、自然の宝庫であり、多くの動植物が生息しています。

豊かな自然は、人々に癒しを与え、心を落ち着かせる効果があります。

植生
種類	特徴
常緑広葉樹林	山麓に多く見られる
落葉広葉樹林	山頂に多く見られる

気候

廬山は、温暖湿潤気候に属し、モンスーンに強く影響されているため雨量も多いです。また冷涼な山地気候の特徴も鮮明に具えています。

盛夏にも平均温度は16.9度で、最高温度は32度になったことがあります。長江中下流の暑苦しい亜熱帯気候の中では稀有な涼しい気候のため、避暑地としても有名になりました。

廬山は、夏でも涼しい気候で過ごしやすい場所です。

廬山は、四季を通じて快適な気候で、多くの観光客を魅了しています。

気候
特徴	内容
温暖湿潤気候	モンスーンの影響で雨量が多い
山地気候	夏でも涼しい

まとめ

廬山は、雄大な山岳景観と豊かな自然に恵まれた場所です。

四季折々の美しい景色を楽しむことができ、避暑地としても人気があります。

廬山は、自然の美しさを満喫できる、素晴らしい観光地です。

廬山は、自然と触れ合い、心をリフレッシュできる場所です。

4. 廬山国立公園の観光スポット

廬山会議旧跡

廬山会議旧跡は、1959年7月～8月にかけて開催された中国共産党中央政治局拡大会議の会場です。

この会議では、毛沢東指導による「大躍進」運動の失敗を批判した彭徳懐が、逆に「右翼日和見主義」と毛沢東に反論され、他の参加者も毛沢東を恐れ同調し、彭徳懐は国防部長の職を解任され、失脚しました。

廬山会議は、中国現代史における重要な出来事の一つであり、この旧跡は、当時の歴史を学ぶことができる貴重な場所です。

廬山会議旧跡は、中国の歴史に興味がある人にとって、必見の観光スポットです。

廬山会議旧跡
場所	概要
廬山会議旧跡	1959年に開催された中国共産党中央政治局拡大会議の会場。毛沢東と彭徳懐の対立が有名。

東林寺

東林寺は、4世紀に高僧・慧遠によって建造された寺院です。

慧遠は、中国仏教の開創者であり、浄土教の祖とされています。

東林寺は、中国仏教の歴史と文化を学ぶことができる重要な場所です。

東林寺は、静寂な空間で心を落ち着かせたい人におすすめの場所です。

東林寺
場所	概要
東林寺	4世紀に高僧・慧遠によって建造された寺院。浄土教の祖とされる。

白鹿洞書院

白鹿洞書院は、10世紀に建造された書院です。

南宋時代の大家である朱熹が12世紀後半に再建し、中国四大書院の一つとなりました。

白鹿洞書院は、中国の伝統的な学問を学ぶことができる貴重な場所です。

白鹿洞書院は、歴史と文化に触れたい人におすすめの場所です。

白鹿洞書院
場所	概要
白鹿洞書院	10世紀に建造された書院。南宋時代の朱熹が再建し、中国四大書院の一つとなった。

まとめ

廬山国立公園には、歴史的な建造物や自然景観など、多くの観光スポットがあります。

廬山会議旧跡、東林寺、白鹿洞書院など、歴史と文化に触れることができる場所もあれば、含鄱口や三畳泉など、雄大な自然を満喫できる場所もあります。

廬山国立公園は、様々な観光スポットがあり、一日では回りきれないほどです。

廬山国立公園は、歴史、文化、自然を満喫できる、魅力的な観光地です。

5. 廬山国立公園の文化遺産

詩歌と山水画

廬山は、古来より詩歌や絵画の題材として多くの芸術家に愛されてきました。

李白、白居易、蘇軾など、多くの詩人が廬山を題材にした詩歌を残しています。

廬山は、中国の山水詩や山水画の発展に大きな影響を与えてきました。

廬山は、中国の芸術文化を象徴する場所の一つです。

詩歌と山水画
人物	作品
李白	望廬山瀑布
白居易	廬山草堂記
蘇軾	題西林壁

宗教

廬山は、仏教、道教、儒教の聖地として知られています。

東林寺は、浄土宗の祖である慧遠が創建した寺院です。

白鹿洞書院は、儒教の大家である朱熹が再建した書院です。

廬山は、中国の宗教文化を象徴する場所の一つです。

宗教
宗教	施設
仏教	東林寺
儒教	白鹿洞書院

政治

廬山は、中国の政治史においても重要な役割を果たしてきました。

1959年に開催された廬山会議は、中国共産党の歴史における重要な転換点となりました。

廬山は、中国の政治史を学ぶことができる貴重な場所です。

廬山は、中国の政治と文化が深く結びついていることを示す場所です。

政治
出来事	概要
廬山会議	1959年に開催された中国共産党中央政治局拡大会議。毛沢東と彭徳懐の対立が有名。

まとめ

廬山は、中国の文化遺産の宝庫です。

詩歌、山水画、宗教、政治など、様々な分野において、中国文化に大きな影響を与えてきました。

廬山は、中国の歴史と文化を深く理解するために、訪れる価値のある場所です。

廬山は、中国の文化遺産を体感できる、素晴らしい観光地です。

6. 廬山国立公園の観光情報

観光スポット

廬山国立公園には、多くの観光スポットがあります。

含鄱口、三畳泉、仙人洞、牯嶺街、廬山会議旧跡など、様々な見どころがあります。

廬山は、自然と文化を満喫できる、魅力的な観光地です。

廬山国立公園は、一日では回りきれないほど、多くの観光スポットがあります。

観光スポット
場所	概要
含鄱口	廬山からの絶景を望むことができる場所
三畳泉	落差155mの滝
仙人洞	天然洞窟
牯嶺街	昔の別荘などが残る街
廬山会議旧跡	1959年に開催された廬山会議の会場