ペトラとは？世界遺産についての解説

ペトラ遺跡の構成要素
要素	説明
歴史	紀元前1200年頃からエドム人が定住、紀元前1世紀にナバテア人が支配、ローマ帝国に併合、地震や交易路の変化で衰退、1812年に再発見
発見と展開	1812年にスイスの探検家によって再発見、20世紀に入って本格的な発掘調査開始、1985年に世界遺産登録、2007年に新・世界七不思議に選出
見どころ	シーク、エル・ハズネ、エド・ディル、王家の墓、ローマ円形劇場、凱旋門など
建造物と役割	エル・ハズネ（宝物殿）、エド・ディル（修道院）、王家の墓、ローマ円形劇場、凱旋門など
イベントと祭り	ペトラ・バイ・ナイト、ペトラ国際映画祭、ナバテア人の文化を称える祭りなど
周辺の観光スポット	ワディ・ラム、死海、アンマンなど

1. ペトラの歴史とは？

ペトラの誕生とナバテア人の台頭

ペトラの歴史は、紀元前1200年頃にエドム人がこの地に定住したことから始まります。エドム人は、アラビア半島と地中海を結ぶ交易路の中継地として、ペトラ周辺に集落を形成していました。しかし、紀元前1世紀頃、アラビアの遊牧民であったナバテア人がエドム人を南へ追いやり、ペトラを支配下に置きます。ナバテア人は、キャラバン貿易で莫大な富を築き、ペトラを彼らの王国の首都として発展させました。

ナバテア人は、ペトラの厳しい自然環境を克服するために、高度な灌漑技術を駆使しました。彼らは、6キロメートル離れた水源から水を引くためのダムや水路を建設し、砂漠地帯でありながら水不足に悩まされることなく、農業や生活を営むことができました。この技術は、当時のナバテア人の高度な文明レベルを示す重要な証拠となっています。

ペトラは、ナバテア人の繁栄とともに、アラビア半島から中国、インドに至るまでの交易路の中継地として、重要な役割を果たしました。香料、絹、スパイスなど、様々な商品がペトラに集まり、交易を通じて、ナバテア人はさらに富と権力を得ていきました。ペトラは、まさに中東における国際的な交易都市として栄華を極めたのです。

しかし、ローマ帝国の台頭とともに、ペトラの運命は大きく変わります。紀元前63年、ローマのポンペイウス将軍がシリアとパレスチナを征服し、ナバテア王国はローマの支配下に置かれます。その後もナバテア人は自治権を与えられましたが、紀元106年には、ローマ皇帝トラヤヌスによって完全にローマ帝国に併合され、ペトラはローマの属州となりました。

ペトラの歴史における主な出来事
時期	出来事
紀元前1200年頃	エドム人がペトラに定住
紀元前1世紀頃	ナバテア人がエドム人を追いやりペトラを支配
紀元前63年	ローマ帝国に併合
363年、749年	地震が発生しペトラは大きな被害を受ける
1812年	スイスの探検家ヨハン・ルートヴィヒ・ブルクハルトによってペトラ遺跡が再発見
1985年	ユネスコの世界文化遺産に登録

ペトラの衰退と忘れられた都市

ローマ帝国の支配下に入ったペトラは、徐々にその勢いを失っていきます。ローマ帝国は、ペトラにローマ風の建築物を建設し、都市の様相を大きく変えました。しかし、ナバテア人の文化や伝統は、ローマ帝国の影響を受けながらも、ペトラに色濃く残っていました。

363年と749年には、ペトラを襲う大地震が発生し、多くの建物が崩壊しました。さらに、イスラム帝国の台頭によって、ペトラは交易路から外れてしまい、衰退の一途をたどります。そして、ナバテア人たちはペトラを放棄し、この地は長い間、忘れられた都市となってしまいました。

ペトラは、1000年以上もの間、砂漠の中に埋もれたまま、人々の記憶から消え去っていました。しかし、1812年、スイスの探検家ヨハン・ルートヴィヒ・ブルクハルトが、ペトラ遺跡を再発見したことで、この忘れられた都市は再び世界に知られることになりました。

ブルクハルトの発見によって、ペトラは世界中の考古学者や歴史家の注目を集め、本格的な発掘調査が始まりました。現在でも、ペトラ遺跡の発掘調査は続けられており、ナバテア人の高度な文明や文化、そして彼らの生活様式について、新たな発見が次々と明らかになっています。

ペトラの世界遺産登録

ペトラ遺跡は、その歴史的価値と文化的意義が認められ、1985年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。また、2007年には、「新・世界七不思議」にも選出され、世界中から多くの観光客が訪れる人気観光地となっています。

ペトラ遺跡は、ナバテア人の優れた建築技術と芸術性を示す貴重な遺産であり、古代文明の神秘とロマンを感じることができる場所です。砂漠の中に現れる壮大な遺跡は、訪れる人々に忘れられない感動を与えてくれます。

ペトラ遺跡は、ナバテア人の歴史と文化を学ぶことができるだけでなく、古代文明の技術や芸術、そして彼らの生活様式を垣間見ることができる貴重な場所です。ペトラ遺跡を訪れることで、歴史のロマンを感じ、古代文明への理解を深めることができるでしょう。

ペトラ遺跡は、世界遺産として保護され、後世に伝えられていくべき貴重な遺産です。私たち一人ひとりが、ペトラ遺跡の歴史と文化を理解し、その価値を尊重することで、この貴重な遺産を未来へと繋いでいくことができるでしょう。

まとめ

ペトラは、ナバテア人が築いた古代都市であり、その歴史は紀元前1200年頃にまで遡ります。ナバテア人は、キャラバン貿易で繁栄し、ペトラを彼らの王国の首都として発展させました。しかし、ローマ帝国の支配下に入った後、地震や交易路の変化によって衰退し、長い間忘れられた都市となりました。

1812年に再発見されたペトラは、その歴史的価値と文化的意義が認められ、世界遺産に登録されました。現在では、世界中から多くの観光客が訪れる人気観光地となっています。

ペトラは、ナバテア人の高度な文明と文化、そして彼らの生活様式を垣間見ることができる貴重な場所です。壮大な遺跡は、訪れる人々に忘れられない感動を与えてくれます。

ペトラは、歴史のロマンを感じ、古代文明への理解を深めることができる場所です。私たち一人ひとりが、ペトラの歴史と文化を理解し、その価値を尊重することで、この貴重な遺産を未来へと繋いでいくことができるでしょう。

2. ペトラの発見と展開

ペトラの再発見

ブルクハルトは、中東一帯を旅行中に、地元の人々から「失われた都市」の噂を耳にしました。彼は、その噂を確かめるため、危険な砂漠地帯を旅し、ついにペトラ遺跡にたどり着きました。ブルクハルトは、ペトラ遺跡の壮大さに驚き、その発見をヨーロッパに報告しました。

ブルクハルトの発見は、ヨーロッパ社会に大きな衝撃を与えました。人々は、砂漠の中に忘れられていた古代都市の存在に驚き、ペトラへの関心を高めました。ブルクハルトの報告によって、ペトラは再び世界に知られるようになり、多くの探検家や考古学者がペトラを訪れるようになりました。

ブルクハルトの発見は、ペトラの歴史研究の始まりであり、ペトラの再発見は、世界遺産としてのペトラの価値を高める重要な出来事でした。

ペトラの発掘調査

ブルクハルトの発見によって、ペトラは世界中の考古学者や歴史家の注目を集め、本格的な発掘調査が始まりました。しかし、ペトラ遺跡は広大で、発掘調査は容易ではありませんでした。砂漠の厳しい環境や、遺跡の保存状態の悪さなど、様々な困難がありました。

それでも、考古学者たちは、粘り強く発掘調査を続け、ペトラ遺跡の全容を明らかにしようと努力しました。発掘調査の結果、ナバテア人の高度な文明や文化、そして彼らの生活様式について、新たな発見が次々と明らかになっていきました。

発掘調査によって、ペトラ遺跡の壮大さと美しさ、そしてナバテア人の優れた建築技術と芸術性が明らかになりました。ペトラ遺跡は、古代文明の神秘とロマンを感じることができる場所として、世界中から多くの観光客が訪れるようになりました。

ペトラ遺跡の発掘調査は、現在でも続けられています。考古学者たちは、ペトラ遺跡の謎を解き明かし、ナバテア人の歴史と文化をより深く理解しようと努力しています。

ペトラの世界遺産登録

まとめ

ペトラは、1000年以上もの間、砂漠の中に埋もれたまま、人々の記憶から消え去っていました。しかし、1812年にスイスの探検家ヨハン・ルートヴィヒ・ブルクハルトによって再発見され、世界にその存在が知られるようになりました。

ブルクハルトの発見をきっかけに、ペトラは世界中の考古学者や歴史家の注目を集め、本格的な発掘調査が始まりました。発掘調査によって、ペトラ遺跡の壮大さと美しさ、そしてナバテア人の優れた建築技術と芸術性が明らかになりました。

ペトラは、ナバテア人の歴史と文化を学ぶことができるだけでなく、古代文明の技術や芸術、そして彼らの生活様式を垣間見ることができる貴重な場所です。ペトラ遺跡を訪れることで、歴史のロマンを感じ、古代文明への理解を深めることができるでしょう。

3. ペトラの見どころ

シーク

ペトラ遺跡の入り口から中心部へと続く峡谷（シーク）は、幅2m、長さ1.5kmあります。両側の絶壁は90～180mの高さで、地質断層が見られます。岩肌は日の当たる角度によって色が変わり、行きと帰りでは全く異なった雰囲気を見せてくれます。

現在は水が流れていませんが、両側の絶壁には運河の跡が見られ、シークが主要な交通路だったことが分かります。また、壁には祈祷用の碑や彫刻、霊石などが見られ、「シークには訪れる人を魂の内部に導く」という宗教的な意味もあったと考えられています。

シークの終わりは一段と狭くなり、切り立った絶壁の間からエル・ハズネ（宝物殿）を望むことができます。ここは絶好の撮影ポイントとなっています。

シークは、ペトラ遺跡への入り口であり、その壮大さと神秘的な雰囲気で訪れる人を魅了します。ペトラ遺跡を訪れる際には、このシークをゆっくりと散策し、古代の雰囲気に浸ってみてください。

シークの見どころ
場所	説明
シーク	ペトラ遺跡への入り口、幅2m、長さ1.5kmの峡谷
エル・ハズネ	シークの先に現れる宝物殿、高さ約40m、幅約25m
ダム	シークの途中にあり、かつてはワディ・ムーサへ水を供給していた
祈祷用の碑	シークの壁に刻まれている
彫刻	シークの壁に刻まれている
霊石	シークの壁に刻まれている

エル・ハズネ（宝物殿）

エル・ハズネとはアラビア語で「宝物殿」を意味します。ここは、映画「インディ・ジョーンズ最後の聖戦」の撮影が行われた場所です。エル・ハズネは高さ約40m、幅約25mあり、紀元前30年～9年の間に建設されたと考えられています。

住民の間では、エジプトのファラオの宝物が隠されていると信じられていたそうですが、実際は内部に何も残っていないため、神殿として使われたのか、王の墓だったのか分かっていません。現在は中に入れず、外から内部を覗くことができます。

この建物には、コリント様式やヘレニズム文化の影響など様々な建築様式が使われていて、当時、この地域はギリシャ、エジプト、アッシリアなど、様々な地域の文化の影響を受けていたことが分かります。

エル・ハズネは、ペトラ遺跡の象徴的な建造物であり、その壮大さと美しさは訪れる人を魅了します。ペトラ遺跡を訪れる際には、ぜひエル・ハズネをじっくりと見学し、その歴史と文化を感じてください。

その他の見どころ

エル・ハズネ（宝物殿）からさらに奥に伸びるファサードを進むと、ローマ円形劇場、墓地群、凱旋門などが現れます。凱旋門の周辺は、ローマ時代には街が形成されていて、王家の墓や神殿があったと考えられています。

ファザードの最終地点は山道へと続き、ここを登るとエド・ディル（修道院）に着きます。エド・ディルは標高1

エル・ハズネ（宝物殿）に似た建築様式ですが、エル・ハズネより一回り大きく、高さ約45ｍ、幅約50ｍあります。紀元前106年、ペトラがローマ帝国に併合された後、キリスト教の修道士が住んでいたことから修道院と呼ばれていますが、実際は神殿だったことが分かっています。

ペトラ遺跡には、エル・ハズネやエド・ディル以外にも、多くの見どころがあります。王家の墓、ローマ円形劇場、凱旋門など、様々な建造物を巡り、ペトラの歴史と文化を感じてください。

ペトラ遺跡の主な建造物
建造物	説明
エル・ハズネ	宝物殿、高さ約40m、幅約25m
エド・ディル	修道院、高さ約45m、幅約50m
ローマ円形劇場	ローマ時代の劇場
王家の墓	ナバテア人の王の墓
凱旋門	ローマ時代の凱旋門
柱廊通り	ローマ時代の街並みを残す通り
宮殿	ローマ時代の宮殿
公共浴場	ローマ時代の公共浴場

まとめ

ペトラ遺跡の見どころは、シーク、エル・ハズネ、エド・ディルなど、数多くの建造物があります。それぞれの建造物は、ナバテア人の高度な建築技術と芸術性を示しており、訪れる人を魅了します。

シークは、ペトラ遺跡への入り口であり、その壮大さと神秘的な雰囲気で訪れる人を魅了します。エル・ハズネは、ペトラ遺跡の象徴的な建造物であり、その壮大さと美しさは訪れる人を魅了します。エド・ディルは、ペトラ遺跡の中でも特に壮大な建造物で、その迫力に圧倒されることでしょう。

ペトラ遺跡には、これらの建造物以外にも、王家の墓、ローマ円形劇場、凱旋門など、様々な建造物が存在します。それぞれの建造物を巡り、ペトラの歴史と文化を感じてください。

ペトラ遺跡は、古代文明の神秘とロマンを感じることができる場所です。ぜひ、ペトラ遺跡を訪れて、その壮大さと美しさを体感してください。

4. ペトラの建造物と役割

エル・ハズネ（宝物殿）

エル・ハズネは、ペトラ遺跡の中でも最も有名な建造物です。高さ45メートル、幅30メートルの壮大なファサードは、訪れる人々を圧倒します。エル・ハズネは、紀元前1世紀頃にナバテア人によって建設されたとされています。

エル・ハズネの名前は「宝物殿」を意味し、その名の通り、かつては財宝が隠されていると信じられていました。実際には墓として使用されていたと考えられています。ファサードの上部には、ギリシャ神話の女神たちが彫刻されており、細部まで美しい装飾が施されています。

エル・ハズネは、ナバテア人の建築技術と芸術性を象徴する建造物です。岩山を削り出して造られたその精巧な造形は、当時のナバテア人の技術力の高さを物語っています。

エル・ハズネは、ペトラ遺跡を訪れる人にとって、絶対に外せない観光スポットです。その壮大さと美しさ、そして歴史的価値を感じてください。

エド・ディル（修道院）

エド・ディルは、ペトラ遺跡の中でも特に壮大な建造物で、高さ51メートル、幅47メートルの大きさを誇ります。エル・ハズネよりも大きく、その迫力に圧倒されることでしょう。修道院までの道のりは険しいですが、頂上にはカフェがあり、休憩やトイレの利用が可能です。

エド・ディルの先にはビューポイントがあり、絶景を楽しむことができます。特に夏場は暑さが厳しいため、水分補給を忘れずに行いましょう。エド・ディルまでの登りは体力を消耗しますが、その先に広がる景色は一見の価値があります。ペトラ遺跡を訪れた際には、ぜひエド・ディルまで足を延ばしてみませんか。

エド・ディルは、ナバテア人の宗教的な信仰と、彼らの建築技術の高さを示す建造物です。この建造物は、ナバテア人がいかに自然と調和して生活していたかを物語っています。

エド・ディルは、ペトラ遺跡の中でも特に人気のある観光スポットです。その壮大さと美しさ、そして歴史的価値を感じてください。

その他の建造物

王家の墓は、ナバテア人の社会構造や葬送儀礼を知る上で重要な場所です。ローマ円形劇場は、ナバテア人がローマ文化の影響を受けていたことを示す建造物です。凱旋門は、ローマ帝国の支配下にあったペトラの歴史を物語っています。

これらの建造物は、それぞれ異なる役割を果たしており、ペトラの歴史と文化を理解する上で重要な役割を果たしています。

ペトラ遺跡の建造物を巡ることで、ナバテア人の歴史と文化、そして彼らの生活様式をより深く理解することができます。

まとめ

ペトラ遺跡の建造物は、ナバテア人の高度な建築技術と芸術性を示す貴重な遺産です。エル・ハズネ、エド・ディル、王家の墓、ローマ円形劇場、凱旋門など、様々な建造物を巡り、ペトラの歴史と文化を感じてください。

これらの建造物は、ナバテア人の社会構造、宗教、文化、そして彼らの生活様式を物語っています。ペトラ遺跡の建造物を巡ることで、古代文明の神秘とロマンを感じることができます。

5. ペトラでのイベントと祭り

ペトラ・バイ・ナイト

ペトラ・バイ・ナイトは、ペトラ遺跡を夜間にライトアップして、ベドウィンの伝統音楽の演奏などを楽しめるイベントです。毎週月・水・木曜日の午後8時30分から午後10時に開催されます。

シークから宝物殿までの通路には、1800本のキャンドルが灯され、幻想的な雰囲気を作り出します。また、宝物殿では、ベドウィンの伝統音楽の演奏が行われ、古代のペトラ遺跡がさらに神秘的な空間に包まれます。

ペトラ・バイ・ナイトは、昼間とは全く異なるペトラ遺跡の魅力を感じることができるイベントです。昼間とは違うペトラ遺跡の美しさ、そしてベドウィンの伝統音楽を体験したい方は、ぜひ参加してみてください。

ペトラ・バイ・ナイトは、ペトラ遺跡を訪れる人にとって、忘れられない思い出となるイベントです。

ペトラ・バイ・ナイト
時間	内容
午後8時30分から午後10時	シークから宝物殿までの通路をキャンドルでライトアップ、ベドウィンの伝統音楽の演奏
毎週	月・水・木曜日