項目 | 内容 |
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歴史 | 9世紀に聖ヤコブの墓が発見され、聖地化。レコンキスタとヤコブ信仰が発展を促す。 |
巡礼路 | フランスの道、北の道、古代の道など、様々なルートが存在。 |
世界遺産登録 | 1993年にフランスの道が登録。2015年にスペイン北部の巡礼路群が追加登録。 |
世界遺産スポット | サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂、ビスカヤ橋、アルタミラの洞窟など。 |
体験談 | フランス人の道、北の道、古代の道など、それぞれのルートの魅力を紹介。 |
1. サンティアゴデコンポステーラの歴史と意義
1-1. サンティアゴ・デ・コンポステーラの聖地化
9世紀にサンティアゴ・デ・コンポステーラでイエスの十二使徒のひとりであるヤコブの墓が発見され、その墓を収める聖堂(世界遺産)を中心に市街は聖地化された。イベリア半島においてイスラム教勢力に対するレコンキスタ(国土回復運動)を進める中でヤコブ信仰と聖地巡礼はキリスト教の象徴となり、サンティアゴ・デ・コンポステーラと巡礼路が整備されるだけでなく、オビエド大聖堂のカマラ・サンタ・デ・オビエド(世界遺産)やブルゴス大聖堂(世界遺産)、レオン大聖堂(サンタ・マリア・デ・レグラ大聖堂)、サント・トリビオ・デ・リエバナ修道院のように聖遺物(イエスやマリア、使徒や聖人の関連品)を収める各地の巡礼地も聖地化され、巡礼そのものが聖なる行為とされた。
伝説によると、イエスが復活して天に昇った後、使徒らは集まって宣教する地域を決め、ヤコブ(ゼベダイの子のヤコブ/大ヤコブ)はイベリア半島を担当して海を渡ったという。宣教を終えて帰国するが、ユダヤ統治者アグリッパ1世に捕縛されて西暦43年頃にエルサレム(世界遺産)で処刑された。弟子たちはヤコブの棺をイベリア半島に送って埋葬したが、埋葬地は8世紀のイスラム王朝ウマイヤ朝によるイベリア半島征服を経て行方不明となった。
814年頃のある夜、ペラギウスという隠者が森の上に輝く星を見つけ、その光に導かれてローマ時代の墓を発見する。報告を受けた司教テオドミロが調べてみるとヤコブのものであることが判明した。アストゥリアス王アルフォンソ2世はその場所を覆うように聖堂を建設し、818年頃に完成すると最初の巡礼者になったという。これがサンティアゴ・デ・コンポステーラ聖堂だ。スペイン語の「サンティアゴ」は聖ヤコブを意味するラテン語\”Sanctus Iacobus\”が転化したもので、「コンポステーラ」は「よい場所」あるいは「墓地」を意味する。アルフォンソ2世は聖堂を築いて町を聖地として整備するだけでなく、オビエドからサンティアゴ・デ・コンポステーラに至る「原始の道」などの巡礼路や巡礼地の充実を図った。ヤコブが白い馬に乗って現れて敵を一掃したというムーア殺し伝説(ムーア人はイベリア半島のイスラム教徒)が各地で発生し、やがてヤコブ信仰はキリスト教の象徴となってレコンキスタを活気付かせた。なお、以上の伝説は異説が多く確証はない。
ヤコブ信仰の拡大に対し、イスラム王朝である後ウマイヤ朝のアルマンスールは997年にサンティアゴ・デ・コンポステーラを襲撃して破壊した。聖堂も傷付いたが、1075年に町は司教区となって大聖堂に昇格し、同年にカスティリャ=レオン王国のアルフォンソ6世によって再建が開始された。再建はゆうに1世紀以上に及び、1221年にロマネスク様式の壮大な大聖堂が献納された(大聖堂の詳細は世界遺産「サンティアゴ・デ・コンポステーラ[旧市街]」の項目を参照)。
時期 | 出来事 |
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9世紀 | 聖ヤコブの墓発見、聖堂建設 |
1075年 | 司教区に昇格、大聖堂再建開始 |
1221年 | ロマネスク様式の大聖堂完成 |
1-2. 巡礼路の整備と発展
サンティアゴ・デ・コンポステーラの名声は10世紀にはピレネー山脈を越え、リモージュやトゥール(世界遺産)、ル・ピュイ=アン=ヴレ(世界遺産)などフランス各地から巡礼者が訪れるようになった。11世紀には巡礼者の法的保護が進み、アルフォンソ6世をはじめカスティリャ、レオン、ガリシア、ナバラ、アラゴンといった国々の王はポンフェラダやアストルガ、ブルゴス、レオン、パンプローナ、ナバラといった山地の町々を巡礼地として整備し(すべて構成資産)、教会や修道院のネットワークを充実させ、道路や橋・病院を建設し、フランス人を配して巡礼路の拡充を進めた。これがフランス国境からイベリア半島北部の山地を横断する「フランスの道」で、正規のルートとなった。1139年には教皇カリクストゥス2世がヤコブの物語をカリクストゥス写本にまとめ、修道士エメリック・ピコーの巡礼体験をベースに初の巡礼路ガイドブックとなる写本第5書「巡礼案内記」を出版した。この写本はUNESCO(ユネスコ=国際連合教育科学文化機関)の「世界の記憶」に登録されている。12世紀中にフランスの道は毎年数千人の巡礼者を集めるまでになり、途中の町々を発展させ、文化交流を促した。この頃、フランス人の間ではすでにホタテの貝殻が漁師だったヤコブの象徴として認知され、「聖ヤコブの貝(コキーユ・サン=ジャック)」を身に付けて巡礼を行った。
イベリア半島の北に広がるビスケー湾沿岸部、バスク地方からもフランスの道へ通じる「内陸の道」が整備された。しかし、少数ながら海岸沿いのルート、いわゆる「海岸の道」を採る巡礼者もいた。このルート上には天使の十字架、勝利の十字架、イエスの頭を覆っていた聖骸布といった聖遺物を収めるオビエド大聖堂のカマラ・サンタ・デ・オビエドがあり、サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂に次ぐ聖地とされた。オビエドからサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路は「原始の道」と呼ばれる9世紀に成立した古いルートで、フランスの道が整備される以前は主に海岸の道が使われていた。また、海岸の道の中程には8世紀創建と伝わるサント・トリビオ・デ・リエバナ修道院があり、イエスが磔(はりつけ)にされた十字架の木材を使って制作されたといわれる至宝リグナム・クルシス(真木の十字架)を収めている。この修道院への巡礼路が「リエバナの道」だ。13世紀に入るとこうした「北の道」と呼ばれる巡礼路群も整備され、新たな教会堂や病院・橋などが建設された。
いつしかサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼はイタリアやドイツ、ハンザ同盟都市といったローマ・カトリック圏全域に広がり、エルサレム、ローマ&バチカン(世界遺産)と並ぶ3大聖地に数えられた。この過程でフランスの道、北の道以外にも、スペイン南部カタルーニャ地方からフランスの道に通じる「エブロの道」や「カタルーニャの道」、スペイン西部を縦断する「銀の道(ラ・プラタ街道)」、スペイン中部の「カスティリャの道」、バレンシアからの「レバンテの道」、グラナダからの「モサラベの道」、ポルトガルを縦断する「ポルトガルの道」、サンティアゴ・デ・コンポステーラから西へ伸びる「フィニステレの道」、イギリスや北ヨーロッパの玄関口であるア・コルーニャやフェロールといった港湾都市を結ぶ「イングレセスの道(イギリスの道)」などが整備された。また、フランスにはトゥールの道、リモージュの道、ル・ピュイの道、トゥールーズの道などがあり、こちらはフランスの「フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」として世界遺産リストに登録されている。
15世紀末にはじまる大航海時代、いずれかの領地に日が照るという「太陽が沈まぬ帝国」を築いたスペインはローマ・カトリックを南北アメリカ大陸やアジアに普及させ、サンティアゴ・デ・コンポステーラは世界的な巡礼地となった。16世紀にはじまる宗教改革においてもローマ・カトリックの盟主として新教(プロテスタント)の弾圧を行い、オランダ独立戦争(1568~1648年、ネーデルラント独立戦争/八十年戦争)などに介入した。しかし、スペイン継承戦争(1701~14年)など相次ぐ戦争や絶対王政や教会への不信、治安の悪化などから巡礼は下火になり、フランス革命(1789~99年)後のナポレオン戦争(1803~15年)やスペイン独立戦争(1808~14年、半島戦争)を経て衰退した。第2次世界大戦後、巡礼路は宗教的・歴史的・文化的・レジャー的観点から再興が進み、現在に至っている。
時期 | 出来事 |
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10世紀 | フランス各地から巡礼者が訪れる |
11世紀 | 巡礼者の法的保護、フランスの道整備 |
12世紀 | 巡礼者増加、文化交流促進 |
15世紀末 | 大航海時代、世界的な巡礼地に |
16世紀 | 宗教改革、ローマ・カトリックの盟主 |
18世紀 | 戦争や社会不安により衰退 |
20世紀 | 宗教的・歴史的・文化的・レジャー的観点から再興 |
1-3. サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路の世界遺産登録
本遺産は1993年にフランスの道(カミーノ・フランセス。カミーノは「道」の意味)が「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」の名称で世界遺産リストに登録され、2015年に北部の巡礼路群を加えて拡大され、現在の名称に変更された。主な巡礼路は以下で、総延長2
○フランスの道(738km)
○北の道(1498.91km)
なお、構成資産の中には他の世界遺産との重複があり、サンティアゴ・デ・コンポステーラの旧市街と大聖堂は世界遺産「サンティアゴ・デ・コンポステーラ[旧市街]」、オビエド大聖堂のカマラ・サンタ・デ・オビエドなどは「オビエド歴史地区とアストゥリアス王国の建造物群」、ルーゴのローマ城壁群は「ルーゴのローマの城壁群」、ブルゴス大聖堂は「ブルゴス大聖堂」と二重に登録されている。また、フランスの巡礼路については「フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」として別に登録されている。
登録年 | 名称 |
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1993年 | サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路 |
2015年 | サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路:カミーノ・フランセスとスペイン北部の巡礼路群 |
1-4. まとめ
サンティアゴ・デ・コンポステーラは、聖ヤコブの遺骸を祀る聖堂を中心に発展したキリスト教の三大聖地の一つであり、その歴史は9世紀にまで遡る。聖地としての発展は、イベリア半島におけるレコンキスタと密接に関係しており、ヤコブ信仰はキリスト教の象徴として人々の心を捉え、巡礼路の整備や発展を促した。
11世紀以降、ヨーロッパ各地から巡礼者が集まり、サンティアゴ・デ・コンポステーラは宗教的、文化的、経済的に重要な拠点となった。フランスの道、北の道など、様々な巡礼路が整備され、ヨーロッパとスペインの文化交流を促進した。
サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路は、1993年に世界遺産に登録され、2015年にはスペイン北部の巡礼路群が追加登録された。この世界遺産は、中世ヨーロッパにおけるキリスト教信仰の力と影響を示す重要な証であり、宗教建築、都市計画、文化交流など、様々な側面から歴史的価値を認められている。
現在も世界中から多くの巡礼者が訪れるサンティアゴ・デ・コンポステーラは、歴史と信仰、そして文化が融合した魅力的な場所であり、今後もその価値は継承されていくであろう。
2. カミーノフランセスのルートと特徴
2-1. フランス人の道
サンティアゴ巡礼の中で最も人気のあるフランス人の道は、フランスからピレネー山脈を越えてスペインに入った後、北スペインに位置する4つの自治州を通ります。
ルートが通る地方 中世、フランスのクリュニー修道院がサンティアゴ巡礼を奨励し、巡礼路沿い教会や修道院、橋や巡礼者病院を整備して保護に努めた昔からのメインルート。
800㎞以上の超長距離ルートで、 と、巡礼のためのインフラがしっかりしています。 もし、あなたがフランス人の道と他のルートを歩き比べたら… フランス人の道の環境の良さを実感することができるでしょう。
北スペインの田舎の村々の間に、 といった都市を訪問して観光を楽しめるのも魅力です。 フランス人の道は色んな面がそろっていて初心者におすすめしやすいです。
特徴 | 内容 |
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距離 | 800km以上 |
所要日数 | 約1か月 |
出発地 | サンジャンピエトポー(フランス) |
魅力 | インフラが充実、様々な都市を訪問可能 |
難易度 | 初心者向け |
2-2. ポルトガルの道
リスボンからサンティアゴまで北上するポルトガルの道。
コロナ禍からこのルートを選ぶ巡礼者が急増し、満足度も高いです。
ポルトガルの道が通る魅力的な町を紹介した記事 続きを見る 国際空港をもつポルト出発は、外国からアクセスする巡礼者には魅力的ですので日本人女性の体験談も合わせてお読みください。 続きを見る 参考: サンティアゴからポルトへのアクセス方法 続きを見る
ポルトガルの道は、ポルトガルの首都リスボンから始まり人気都市ポルトを通過してスペインのガリシア州に入ります。ポルトからサンティアゴ・デ・コンポステーラまでは巡礼者用の宿泊施設が充実していますが、リスボンからポルト間は宿泊施設の数は多くありません。ポルトガルの道を歩いた巡礼者の話によると、アルベルゲの数が少なくどこもいっぱいで、野宿したこともあったそうです。ポルトガルの道を歩く場合は、アルベルゲの位置や状況を把握しておくのがおすすめです。とはいえ、アルベルゲ以外の一般の宿泊施設も選択肢に入れることで、宿の確保は格段に簡単になりますよ。
特徴 | 内容 |
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距離 | 625km |
所要日数 | 約25日間 |
出発地 | リスボン(ポルトガル) |
魅力 | ポルトガルを縦断、リスボンやポルトといった都市を訪問可能 |
難易度 | 中級者向け |
2-3. 北の道
北スペイン沿岸部を歩く道で、海の景色を楽しみながら歩きたい方におすすめですが… フランス人の道のように各村でアルベルゲがあるわけではなく、宿泊施設の料金も高い傾向があります。
ガリシア州内の北の道の魅力紹介記事 続きを見る
北の道はスペインとフランスの国境沿いの町イルンを起点に、北スペインを4州にまたがって横断するルートです。フランス人の道が初心者向きの巡礼路であれば、北の道はしばしば中級者向きのルートと言われます。北の道の最初の州であるバスク州ではアップダウンが多く体力が必要な区間が続きます。実際に北の道を歩いた体験では、大きなアップダウンはありますが、カミーノの良さである普通の人の道であることは変わらず難所や技術が必要な箇所はありません。個人的には初心者やはじめてスペイン巡礼をする方でも楽しめる範囲内だと感じました。とはいえ、初日にハードなステージがあり、その後もアップダウンが続きます。カミーノに慣れるまでは事前にルート情報をチェックしたり、無理をしないで歩を進める、ほどよい距離で休むことが楽しむためのポイントです。バスク州以降の3つの州はほとんどアップダウンはなく平坦で歩きやすい道が続きます。
スペイン巡礼路の中で最も美しいルートと言われる北の道。フランスとスペインの国境から、バスク地方、カンタブリア地方、アストゥリアス地方、そしてガリシア地方と北スペインの4つの地方を横断します。巡礼路の多くの区間を海を望みながら歩き、主要な巡礼路の中でも海岸線に沿って歩くのは、北の道とポルトガル海岸の道だけ。目の前に広がるカンタブリア海はもちろん、ビーチや美しい港町、海辺の街も数多くあり、ゆるりとした開放的な雰囲気を楽しめる、海の道と呼びたくなるような巡礼路です。また北の道のある北スペインは、「緑のスペイン」の異名を持つほどスペインの中でも緑が美しい自然豊かな地域。美しいカンタブリア海と鮮やかな緑が美しい草木や山が目の前に広がる自然の美しさをこれでもかと感じられる巡礼路です。
特徴 | 内容 |
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距離 | 824km |
所要日数 | 約34日間 |
出発地 | イルン(スペイン) |
魅力 | 海岸線を歩き、美しい景色を楽しめる |
難易度 | 中級者向け |
2-4. まとめ
サンティアゴ巡礼路は、フランス人の道、ポルトガルの道、北の道など、様々なルートが存在し、それぞれに特徴があります。
フランス人の道は、最も人気があり、インフラが充実しているため初心者におすすめです。ポルトガルの道は、ポルトガルを縦断し、リスボンやポルトといった都市を訪れることができます。北の道は、海岸線を歩き、美しい景色を楽しむことができます。
どのルートも、歴史的な街並みや自然豊かな風景、そして巡礼者同士の交流など、魅力的な要素が満載です。
自分の体力や興味に合わせて、最適なルートを選び、サンティアゴ巡礼の旅を楽しんでください。
3. スペイン北部の巡礼路群の魅力
3-1. 古代の道
一番短いルートで、9世紀に聖ヤコブの墓が発見された際、国王アルフォンソ2世がそこを訪れるために使った道を辿るルートです。オビエド市を出発しアストゥリアスの森や谷を越えた後、パラス・デ・レイでフランスの道と合流します。
スタート地点のオビエドは、1度行ったことがありますが、非常に素敵な街で今度はゆっくり滞在したい場所。
プリミティボの道では、世界遺産に登録されているローマ時代の城壁があるルーゴから歩くと最短で巡礼証明書がもらえます。
関連 続きを見る ルーゴの魅力は、世界遺産の城壁の他に次から次へと出てくるタパス。 あそこまでタパスが出てくる町はスペイン中でもそうないと思います。 出発日の前に1泊すると良いでしょう。
特徴 | 内容 |
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距離 | 約300km |
出発地 | オビエド |
魅力 | 歴史的なルートをたどり、オビエドやルーゴといった歴史的な街を訪問可能 |
難易度 | 中級者向け |
3-2. イギリス人の道
中世の時代、イギリスやアイルランドから過酷な海の旅を乗り越え、 到着したガリシアのフェロールまたはコルーニャからの陸ルートがイギリス人の道。
他のルートと比べるとまだ巡礼者の数が少なく、ポルトガルの道ほどではないものの、近年巡礼者が増えています。
という場合、是非次に紹介する記事で詳しく説明していますので参考にして下さい。 続きを見る 初めてのカミーノでコルーニャからイギリス人の道をひとりで歩いた女性の体験談は参考になりますよ。 続きを見る
コルーニャには、世界遺産になっているローマ時代から現在も活躍する灯台があります。 大西洋の海の景色が綺麗な非常に素敵な街ですので、こちらの記事も合わせて参考にして下さい。 続きを見る
特徴 | 内容 |
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距離 | 約119km |
出発地 | フェロールまたはコルーニャ |
魅力 | 比較的短い距離で、大西洋の美しい景色を楽しめる |
難易度 | 初心者向け |
3-3. 銀の道
元はイベリア半島の南西と北西を結ぶローマ街道。イベリア半島内でレコンキスタが終わった後、聖ヤコブを信仰する者たちがこの道を通ってサンティアゴを目指しました。
など、イベリア半島を北上しながら観光名所やスペインの北と南の違いを楽しめる道です。
しかし、このルートを歩く時期に注意が必要です。
ベテラン巡礼者のリアルな巡礼体験や豊富な経験値からでる有益な情報をまとめましたので☟の記事を是非ご覧下さい。 続きを見る 体育系の銀の道を歩く場合、ガリシアのオレンセという街で温泉をして体を休めるのもアリです! 続きを見る
特徴 | 内容 |
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距離 | 970km |
出発地 | セビーリャ |
魅力 | スペインを縦断、様々な地域の魅力を味わえる |
難易度 | 上級者向け |
3-4. まとめ
スペイン北部の巡礼路群は、フランス人の道とは異なる魅力を持つルートです。
古代の道は、歴史的なルートをたどり、オビエドやルーゴといった歴史的な街を訪れることができます。イギリス人の道は、比較的短い距離で、大西洋の美しい景色を楽しむことができます。銀の道は、スペインを縦断する長距離ルートで、様々な地域の魅力を味わうことができます。
これらのルートは、フランス人の道とは異なる景色や文化を体験できるため、サンティアゴ巡礼の旅をより豊かにすることができます。
自分の興味や体力に合わせて、最適なルートを選んでみましょう。
4. サンティアゴデコンポステーラの巡礼路のルートマップ
4-1. フランス人の道
フランスから続く内陸ルートで、サンティアゴ巡礼路で最も人気のルート。スペイン国内ではパンプローナから、ブルゴス、レオン、を通るルートです。
ブルゴスの街には世界遺産「ブルゴスの大聖堂」、またその近郊には世界遺産「アタプエルカの考古遺跡群」があります。
フランス人の道は、フランスから始まりスペインを横断するルートです。カタルーニャ州から始まり、アラゴン州、カスティーリャ・イ・レオン州を通過しガリシア州へ。美しい草原やまっすぐに伸びる道、放牧された羊や羊飼いといった、まさにスペイン巡礼らしさたっぷりの景色が目の前に広がります。ブルゴスやルーゴ、パンプローナといったその地方を代表する大都市にも訪れることができます。世界遺産に登録されているブルゴスの大聖堂をはじめ、巡礼路上にも多くの歴史的な建築が残されており、見どころの多い巡礼路です。
フランス人の道は、巡礼者用の宿アルベルゲや巡礼路を示すサインが充実しているルート。バルや飲食店の数も多く、巡礼に関する環境が最も整備されています。フランス人の道は最も巡礼者の数が多いルートであり、「道が混雑する」巡礼路としても知られ、宿や巡礼路ではワイワイ賑やかな雰囲気が。フランス人の道を歩きたいけれどにぎやかすぎるのは好みではない方は、巡礼者の数が多い6〜9月を避けて巡礼するのがおすすめです。巡礼者の数がピークになる7月や8月は安い宿はすぐに満室になることが頻繁にあります。フランス人の道は宿が充実しているため、宿を選ばなければ毎晩宿を確保することができますが、安い宿に泊まりたい方は早朝に出発することが必須です。
4-2. 北の道
カンタブリア海に面する北スペインの主要な町を通る道です。
バスク州のイルンからスタートし、サン・セバスティアンやビルバオを通って、西へ向かい、カンタブリア州のサンタンデールやアストゥリアス州のヒホンを訪れます。ヒホンからガリシア州へ向かい、サンティアゴ・デ・コンポステーラを目指します。
ビルバオには世界遺産「ビスカヤ橋」、サンタンデール近郊には世界遺産「アルタミラの洞窟」、オビエドでは世界遺産「アストゥリアス王国とオビエドの宗教建築物群」、 そして20件の構成資産のうちの一つ”ルーゴの大聖堂”が含まれるルーゴの街には世界遺産「ルーゴのローマの城壁群」のように、同じルートで別々の世界遺産に触れることができる道です。
なおヒホンの町に到着した巡礼者は、 オビエドへ向かうか、引き続き北の道を歩くためにアビレス(Aviles)へ進むか巡礼ルートの選択をすることができます。
通過する都市 | 世界遺産 |
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イルン | なし |
サン・セバスティアン | なし |
ビルバオ | ビスカヤ橋 |
サンタンデール | アルタミラの洞窟 |
ヒホン | なし |
オビエド | アストゥリアス王国とオビエドの宗教建築物群 |
ルーゴ | ルーゴのローマの城壁群 |
4-3. 古代の道
一番短いルートで、9世紀に聖ヤコブの墓が発見された際、国王アルフォンソ2世がそこを訪れるために使った道を辿るルートです。オビエド市を出発しアストゥリアスの森や谷を越えた後、パラス・デ・レイでフランスの道と合流します。
プリミティボとは「最初の」という意味があり、原始の道として知られる道です。
プリミティボの道の大きな特徴は、山間部を歩くことと巡礼者の数が少ないこと。巡礼路のほとんどの区間で山間部を歩き、山越えや連日の激しいアップダウンがあるため中級者以上の方に向いているルートです。雨の多い地域でもあり、ぬかるみができやすいのも特徴です。プリミティボの道を歩いた巡礼者の話では、1日のうちに誰にも会わないことや、宿の宿泊客は自分だけといったこともあったそう。また食料を買える場所がない区間もあり、事前に水と食料の準備をしっかりすることが大切です。プリミティボの道の出発地であるオビエドへは北の道からも道が繋がっており、北の道からそのままプリミティボの道へ入ることも可能です。
プリミティボの道の見どころはなんといっても山間部の美しい風景。巡礼者が少ない点もプリミティボの魅力のひとつ。山岳地帯の中で思う存分自然の音や山岳地帯の豊かな風景をじっくりと心ゆくまで味わうことができます。多くの時間を山間部で過ごすプリミティボの道ですが、ガリシア州の主要都市ルーゴを訪れることができます。
通過する都市 | 世界遺産 |
---|---|
オビエド | アストゥリアス王国とオビエドの宗教建築物群 |
ルーゴ | ルーゴのローマの城壁群 |
パラス・デ・レイ | なし |
4-4. まとめ
サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路は、フランス人の道、北の道、古代の道など、様々なルートが存在し、それぞれに特徴があります。
フランス人の道は、最も人気があり、インフラが充実しているため初心者におすすめです。北の道は、海岸線を歩き、美しい景色を楽しむことができます。古代の道は、歴史的なルートをたどり、オビエドやルーゴといった歴史的な街を訪れることができます。
どのルートも、歴史的な街並みや自然豊かな風景、そして巡礼者同士の交流など、魅力的な要素が満載です。
自分の体力や興味に合わせて、最適なルートを選び、サンティアゴ巡礼の旅を楽しんでください。
5. 巡礼路で訪れるべき世界遺産スポット
5-1. サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂
サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路の最終目的地であり、世界遺産に登録されているサンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂は、聖ヤコブの遺骸を祀る重要な聖堂です。
ロマネスク様式の大聖堂は、1221年に完成し、その後も改修が続けられてきました。大聖堂内部には、聖ヤコブの墓や、美しいステンドグラス、彫刻などが数多くあり、巡礼者だけでなく、多くの観光客も訪れます。
大聖堂の正面には、有名な「栄光の門」があり、巡礼者はこの門をくぐり、聖ヤコブの墓にたどり着きます。
大聖堂周辺には、オブラドイロ広場やプラテリアス広場など、歴史的な建造物が多く、散策するのもおすすめです。
特徴 | 内容 |
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聖遺物 | 聖ヤコブの遺骸 |
建築様式 | ロマネスク様式 |
見どころ | 聖ヤコブの墓、ステンドグラス、彫刻 |
登録年 | 1985年 |
5-2. ビスカヤ橋
北の道にあるビルバオには、世界遺産に登録されているビスカヤ橋があります。
ビスカヤ橋は、世界で初めて建設された、船舶と鉄道を結ぶ橋です。
1893年に完成したこの橋は、現在も現役で運行しており、世界遺産として貴重な歴史的建造物となっています。
橋の上からは、ビルバオの街並みやビスケー湾を一望することができます。
特徴 | 内容 |
---|---|
種類 | 船舶と鉄道を結ぶ橋 |
完成年 | 1893年 |
見どころ | ビルバオの街並みやビスケー湾を一望 |
登録年 | 2006年 |
5-3. アルタミラの洞窟
北の道にあるサンタンデール近郊には、世界遺産に登録されているアルタミラの洞窟があります。
アルタミラの洞窟は、旧石器時代の洞窟壁画で知られています。
洞窟内には、バイソンや鹿などの動物の絵が描かれており、当時の狩猟の様子や信仰の様子が伺えます。
アルタミラの洞窟は、世界で最も重要な旧石器時代の洞窟壁画の一つとして、世界遺産に登録されています。
特徴 | 内容 |
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時代 | 旧石器時代 |
見どころ | バイソンや鹿などの動物の絵 |
登録年 | 1985年 |
5-4. まとめ
サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路では、サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂をはじめ、ビスカヤ橋、アルタミラの洞窟など、様々な世界遺産を訪れることができます。
これらの世界遺産は、歴史、文化、芸術など、様々な分野において重要な価値を持つ建造物であり、巡礼路の旅をより一層豊かにします。
巡礼路を歩く際には、これらの世界遺産を訪れて、歴史と文化に触れてみましょう。
世界遺産を訪れることで、サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路の歴史と意義をより深く理解することができます。
6. サンティアゴデコンポステーラの巡礼路体験談
6-1. フランス人の道体験談
フランス人の道は、最も人気のあるルートであり、多くの巡礼者が歩いているため、賑やかな雰囲気を楽しむことができます。
道中には、アルベルゲや飲食店が充実しており、安心して歩くことができます。
フランス人の道は、スペインの様々な地域を横断するため、美しい景色や文化に触れることができます。
フランス人の道は、サンティアゴ巡礼の定番ルートであり、多くの巡礼者の思い出に残る旅となるでしょう。
特徴 | 内容 |
---|---|
雰囲気 | 賑やか |
インフラ | 充実 |
景色 | 美しい草原、山、都市 |
難易度 | 初心者向け |
6-2. 北の道体験談
北の道は、海岸線を歩き、大西洋の美しい景色を楽しむことができます。
道中には、アップダウンが多く、体力が必要な区間もありますが、自然豊かな景色に囲まれ、心身ともにリフレッシュできます。
北の道は、フランス人の道とは異なる魅力を持つルートであり、新たな発見があるでしょう。
北の道は、自然を満喫したい方におすすめのルートです。
特徴 | 内容 |
---|---|
景色 | 大西洋の美しい景色 |
難易度 | 中級者向け |
見どころ | カンタブリア海、ビーチ、港町 |
その他 | アップダウンが多い |
6-3. 古代の道体験談
古代の道は、歴史的なルートをたどり、オビエドやルーゴといった歴史的な街を訪れることができます。
道中には、山間部が多く、自然と触れ合いながら歩くことができます。
古代の道は、歴史と自然を同時に楽しめるルートであり、歴史好きの方におすすめです。
古代の道は、他のルートとは異なる静寂と雄大な自然を感じることができます。
特徴 | 内容 |
---|---|
ルート | 歴史的なルート |
景色 | 山間部 |
見どころ | オビエド、ルーゴ |
難易度 | 中級者向け |
6-4. まとめ
サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路は、様々なルートがあり、それぞれに異なる魅力があります。
どのルートを選んでも、歴史、文化、自然に触れ、心に残る旅になるでしょう。
巡礼路を歩くことで、自分自身を見つめ直し、新たな発見をすることができるかもしれません。
サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路は、人生を変える旅となるでしょう。
参考文献
・【世界遺産】サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路の …
・世界遺産サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路を行く …
・サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路 – Wikipedia
・巡礼路の地図 | Camino | 日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会
・【スペイン巡礼の道】サンティアゴまでの主要8ルートを解説 …
・世界遺産サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路130kmを歩く …
・サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路 : カミーノ …
・サンティアゴ・デ・コンポステーラの観光。見どころ | spain.info
・サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路 – スペインの世界 …
・Routes of Santiago de Compostela: Camino Francés and …
・サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路 ―人はなぜ歩き …