郵貯預入限度額とは?経済用語について説明

郵貯預入限度額の変遷
時期	預入限度額	備考
1991年～2016年3月	1,000万円	通常貯金と定期性貯金の合計
2016年4月～2019年3月	1,300万円	通常貯金と定期性貯金の合計
2019年4月～現在	通常貯金1,300万円 + 定期性貯金1,300万円 = 合計2,600万円	通常貯金と定期性貯金が別枠制に

1. 郵貯預入限度額とは
2. 郵貯預入限度額の変更について
3. 郵貯預入限度額の計算方法
4. 郵貯預入限度額の意義
5. 郵貯預入限度額の歴史
6. 郵貯預入限度額の制度比較

1. 郵貯預入限度額とは

郵貯預入限度額とは何か？

郵貯預入限度額とは、ゆうちょ銀行に預け入れられる貯金の金額の上限のことです。ゆうちょ銀行は、かつては国の直営事業であり、国民にとって非常に信頼性の高い金融機関でした。そのため、多くの人がゆうちょ銀行に資金を預け、その結果、民間銀行の経営を圧迫する可能性がありました。この問題を避けるために、ゆうちょ銀行は自ら預入限度額を設定しています。

現在、ゆうちょ銀行の預入限度額は、通常貯金1

預入限度額は、ゆうちょ銀行が独自に設定しているものであり、法律で定められているものではありません。そのため、ゆうちょ銀行は将来、預入限度額を変更する可能性もあります。

預入限度額は、ゆうちょ銀行の利用者にとって、預金できる金額の上限を示す重要な情報です。預入限度額を超えて預金したい場合は、他の銀行口座を利用する必要があるため、事前に確認しておくことが大切です。

郵貯預入限度額の区分
区分	預入限度額
通常貯金	1,300万円
定期性貯金	1,300万円
合計	2,600万円

預入限度額を超えるとどうなるのか？

ゆうちょ銀行の預入限度額を超えて預金した場合、超過した金額は利子のつかない振替貯金に自動的に移動されます。つまり、超過した金額は、金利がゼロになるということです。

預入限度額を超えた場合、ゆうちょ銀行から「ご利用限度額超過のお知らせ」という書類が届きます。この書類には、超過した金額を払い戻すように案内されています。

超過した金額を払い戻さずに、ゆうちょ銀行に預け続けたい場合は、振替貯金として管理されます。振替貯金は、利子がつかない代わりに、銀行が倒産した場合でも全額保証されます。

預入限度額を超えた場合、ペナルティは金利がつかないということだけです。そのため、利子がつかないことを承知していれば、預入限度額を超えてもゆうちょ銀行に預け続けることができます。

預入限度額超過時の対応
超過した場合	対応
超過分	利子のつかない振替口座へ移動
超過分	ゆうちょ銀行から通知が届く
超過分	払い戻しを案内される

ペイオフ制度との関係

ペイオフ制度とは、銀行が破綻した場合に、預金保険機構が預金者に預金を払い戻してくれる制度です。ただし、ペイオフ制度には、一人あたり1

ゆうちょ銀行は、民営化されていますので、他の銀行と同様にペイオフ制度の対象となります。しかし、ゆうちょ銀行の預入限度額を超えた金額は、振替貯金として管理されます。

振替貯金は、預金保険法に定める決済性預金であり、預り金全額が保護されます。つまり、ゆうちょ銀行が破綻した場合でも、振替貯金は全額保証されるということです。

ゆうちょ銀行の預入限度額を超えた金額は、ペイオフ制度の対象外となりますが、振替貯金として管理されるため、全額保証されます。そのため、ゆうちょ銀行の預入限度額を超えて預金した場合でも、ペイオフ制度によって保護される金額は1

ペイオフ制度と振替貯金
区分	ペイオフ対象	保証額
通常貯金	○	1,000万円
定期貯金	○	1,000万円
振替貯金	×	全額保証

まとめ

ゆうちょ銀行の預入限度額は、通常貯金1

振替貯金は、利子がつかない代わりに、銀行が破綻した場合でも全額保証されます。そのため、ゆうちょ銀行の預入限度額を超えて預金した場合でも、ペイオフ制度によって保護される金額は1

ゆうちょ銀行の預入限度額は、ゆうちょ銀行が独自に設定しているものであり、法律で定められているものではありません。そのため、将来、預入限度額を変更する可能性もあります。

2. 郵貯預入限度額の変更について

預入限度額の変更の歴史

ゆうちょ銀行の預入限度額は、これまで何度か変更されてきました。1991年から長らく1人当たり1

そして、2019年4月1日からは、通常貯金1

預入限度額の変更は、ゆうちょ銀行の利用者にとって大きな影響を与えます。預入限度額が引き上げられることで、より多くの資金をゆうちょ銀行に預けられるようになり、利便性が高まります。

一方で、預入限度額が引き上げられることで、民間金融機関の経営が圧迫される可能性も懸念されています。そのため、預入限度額の変更は、慎重に検討される必要があります。

預入限度額の変更履歴
時期	預入限度額
1991年～2016年3月	1,000万円
2016年4月～2019年3月	1,300万円
2019年4月～現在	2,600万円

預入限度額の変更の理由

預入限度額の変更は、ゆうちょ銀行の民営化と密接に関係しています。ゆうちょ銀行は、かつては国の直営事業であり、政府の資金調達手段として重要な役割を果たしていました。

しかし、ゆうちょ銀行が民営化されたことで、政府の資金調達手段としての役割は低下し、民間金融機関との競争が激化しました。そのため、ゆうちょ銀行は、民間金融機関との競争力を高めるために、預入限度額を引き上げる必要がありました。

また、預入限度額を引き上げることで、ゆうちょ銀行の利用者にとって利便性が高まり、ゆうちょ銀行の利用者が増加することが期待されました。

預入限度額の変更は、ゆうちょ銀行の経営戦略と、政府の郵政民営化政策の両方の影響を受けています。

預入限度額変更の理由
理由	詳細
民営化	民間金融機関との競争力強化
政府の郵政民営化政策	ゆうちょ銀行の経営安定化
利用者増加	利便性向上による利用者増加

預入限度額の変更の影響

預入限度額の変更は、ゆうちょ銀行の利用者、民間金融機関、そして政府のそれぞれに影響を与えます。

ゆうちょ銀行の利用者にとっては、預入限度額が引き上げられたことで、より多くの資金をゆうちょ銀行に預けられるようになり、利便性が高まります。

民間金融機関にとっては、ゆうちょ銀行の預入限度額が引き上げられたことで、競争が激化し、経営が圧迫される可能性があります。

政府にとっては、ゆうちょ銀行の預入限度額が引き上げられたことで、ゆうちょ銀行の経営が安定し、郵政民営化政策が成功する可能性が高まります。

預入限度額変更の影響
対象	影響
ゆうちょ銀行利用者	利便性向上
民間金融機関	競争激化
政府	郵政民営化政策の成功

まとめ

ゆうちょ銀行の預入限度額は、これまで何度か変更されてきました。2019年4月1日からは、通常貯金1

預入限度額の変更は、ゆうちょ銀行の民営化と密接に関係しています。ゆうちょ銀行は、民間金融機関との競争力を高めるために、預入限度額を引き上げる必要がありました。

預入限度額の変更は、ゆうちょ銀行の利用者、民間金融機関、そして政府のそれぞれに影響を与えます。

預入限度額の変更は、ゆうちょ銀行の経営戦略と、政府の郵政民営化政策の両方の影響を受けています。

3. 郵貯預入限度額の計算方法

預入限度額の計算方法

ゆうちょ銀行の預入限度額は、通常貯金と定期性貯金を合わせて計算されます。通常貯金には、通常貯金と通常貯蓄貯金が含まれます。定期性貯金には、定額貯金各種、定期貯金各種（財形貯金各種を除く）が含まれます。

預入限度額は、元本と利子（税引き後）の合計金額で計算されます。つまり、利子が加算された場合は、元本と利子の合計金額が預入限度額を超えないように注意する必要があります。

財形貯金は、預入限度額の対象外です。ただし、定期性貯金の預入限度額に達していない場合は、その未使用分を財形貯金の預入限度額に加算することができます。

預入限度額は、一人あたりで計算されます。そのため、家族でゆうちょ銀行の口座を持っている場合は、それぞれの口座の預入限度額が合計で2

預入限度額の計算対象
区分	対象
通常貯金	通常貯金、通常貯蓄貯金
定期性貯金	定額貯金各種、定期貯金各種（財形貯金各種を除く）
財形貯金	別枠

預入限度額を超えた場合の計算方法

ゆうちょ銀行の預入限度額を超えた場合、超過した金額は利子のつかない振替貯金に自動的に移動されます。振替貯金は、預金保険法に定める決済性預金であり、預り金全額が保護されます。

振替貯金は、利子がつかないため、預入限度額を超えた金額は、実質的に金利がゼロになります。そのため、預入限度額を超えた金額は、他の銀行口座に移した方が良いでしょう。

ただし、利子がつかないことを承知していれば、預入限度額を超えてもゆうちょ銀行に預け続けることができます。

預入限度額超過時の計算
超過した場合	対応
超過分	利子のつかない振替口座へ移動
超過分	預金保険法に定める決済性預金扱い

預入限度額の変更方法

ゆうちょ銀行の預入限度額は、預金者側が範囲内であれば変更することができます。窓口で上限1

預入限度額を変更する場合、ゆうちょ銀行の窓口で手続きを行う必要があります。

預入限度額を変更する際には、事前にゆうちょ銀行の窓口で相談することをお勧めします。

預入限度額の変更は、預金者にとって有利な場合もあれば、不利な場合もあります。そのため、事前にしっかりと検討してから変更するようにしましょう。

預入限度額の変更方法
変更方法	詳細
窓口での手続き	上限金額を変更
変更前	1,300万円
変更後	1,000万円

まとめ

ゆうちょ銀行の預入限度額は、通常貯金と定期性貯金を合わせて計算されます。預入限度額は、元本と利子（税引き後）の合計金額で計算されます。

預入限度額を超えた場合、超過した金額は利子のつかない振替貯金に自動的に移動されます。振替貯金は、預金保険法に定める決済性預金であり、預り金全額が保護されます。

ゆうちょ銀行の預入限度額は、預金者側が範囲内であれば変更することができます。預入限度額を変更する際には、事前にゆうちょ銀行の窓口で相談することをお勧めします。

4. 郵貯預入限度額の意義

民業圧迫の防止

ゆうちょ銀行は、かつては国の直営事業であり、政府の資金調達手段として重要な役割を果たしていました。そのため、ゆうちょ銀行は、民間金融機関よりも有利な条件で資金を調達することができました。

預入限度額を引き上げることで、ゆうちょ銀行は、より多くの資金を調達することができるようになり、民間金融機関との競争力を高めることができます。

しかし、預入限度額を引き上げることで、民間金融機関の経営が圧迫される可能性も懸念されています。そのため、預入限度額の変更は、慎重に検討される必要があります。

民業圧迫防止
項目	詳細
ゆうちょ銀行	かつては国の直営事業
民営化後	民間金融機関との競争
預入限度額	民間金融機関の経営圧迫防止

預金保険制度の維持

ペイオフ制度とは、銀行が破綻した場合に、預金保険機構が預金者に預金を払い戻してくれる制度です。ただし、ペイオフ制度には、一人あたり1

預金保険制度維持
項目	詳細
ペイオフ制度	銀行破綻時の預金保護
預金保険	一人あたり1,000万円まで保証
振替貯金	全額保証

金融システムの安定化

ゆうちょ銀行は、日本最大の金融機関の一つであり、その預金残高は非常に大きいです。そのため、ゆうちょ銀行の経営が不安定になると、日本の金融システム全体に影響が及ぶ可能性があります。

預入限度額を設定することで、ゆうちょ銀行の経営が安定し、日本の金融システム全体が安定すると考えられています。

また、預入限度額を設定することで、ゆうちょ銀行が過度に資金を調達することを防ぎ、金融市場の安定に貢献すると考えられています。

預入限度額は、金融システムの安定化という観点からも重要な役割を果たしています。

金融システム安定化
項目	詳細
ゆうちょ銀行	日本最大の金融機関の一つ
預金残高	非常に大きい
預入限度額	経営安定化、過剰な資金調達防止

まとめ

ゆうちょ銀行の預入限度額は、民業圧迫の防止、預金保険制度の維持、金融システムの安定化といった重要な意義を持っています。

預入限度額は、ゆうちょ銀行の利用者、民間金融機関、そして政府のそれぞれに影響を与えます。

預入限度額は、ゆうちょ銀行の経営戦略と、政府の郵政民営化政策の両方の影響を受けています。

預入限度額は、今後も変更される可能性があります。そのため、預入限度額に関する最新の情報を入手しておくことが大切です。

5. 郵貯預入限度額の歴史

郵便貯金制度の創設

郵便貯金制度は、1861年にイギリスで創設されました。創設当初は、郵便局を通じて、国民に全国規模の安全・便利・経費不要な銀行を設立することを目的としていました。

その後、郵便貯金制度は、世界各国に広がっていきました。日本でも、1880年に郵政省が郵便・電気通信・郵便貯金の3事業を管轄下に置き、郵便貯金制度が導入されました。

日本の郵便貯金制度は、国民への貯蓄奨励や、民間銀行などのサービスが行き渡らない地域も含めた全国均一の金融サービスを提供するという目的に基づいていました。

郵便貯金制度は、当初は政府の信用があったことや、当時の金融機関が富裕層の貿易商人を本来の顧客としており国際都市にしか支店がなかったことなどから、徐々に貯金残高を伸ばしていきました。

郵便貯金制度の創設
国	創設年
イギリス	1861年
日本	1880年
アメリカ	1911年
フランス	1881年

郵便貯金制度の変遷

1969年に大蔵省の外局として国民貯蓄庁が新設され、それまで郵政省が行ってきた郵便貯金事業を引き継ぎ、国営の郵便貯蓄銀行となりました。その後、名称を国民貯蓄銀行へと変更しました。

1980年代以降、サッチャー政権による政府資金調達方法の多様化政策により、貯蓄証書の限度額緩和や年齢制限撤廃を始め、インカムボンド、預金債券、キャピタルボンド発行などによる商品の多様化が図られました。

1996年には国民貯蓄銀行は国から分離・独立し、独立行政法人「ナショナル・セービング・アンド・インベストメント(NS&I)」となりました。

日本の郵便貯金制度は、民営化され、ゆうちょ銀行となりました。ゆうちょ銀行は、民営化後も、預入限度額が設定されています。

郵便貯金制度の変遷
時期	内容
1969年	国民貯蓄庁設立
1996年	国民貯蓄銀行が独立行政法人化
2007年	ゆうちょ銀行設立
2016年	預入限度額が1,300万円に引き上げ
2019年	預入限度額が2,600万円に引き上げ

預入限度額の変遷

ゆうちょ銀行の預入限度額は、1991年から長らく1人当たり1

そして、2019年4月1日からは、通常貯金1

預入限度額の変更履歴
時期	預入限度額
1991年～2016年3月	1,000万円
2016年4月～2019年3月	1,300万円
2019年4月～現在	2,600万円

まとめ

ゆうちょ銀行の預入限度額は、郵便貯金制度の創設から現在に至るまで、何度か変更されてきました。

預入限度額の変更は、ゆうちょ銀行の民営化、政府の郵政民営化政策、そして金融市場の動向などの影響を受けています。

預入限度額は、今後も変更される可能性があります。そのため、預入限度額に関する最新の情報を入手しておくことが大切です。

預入限度額は、ゆうちょ銀行の利用者、民間金融機関、そして政府のそれぞれに影響を与えます。

6. 郵貯預入限度額の制度比較

イギリスの郵便貯金制度

イギリスでは、1861年に郵便貯金制度が創設されました。創設当初は、郵便局を通じて、国民に全国規模の安全・便利・経費不要な銀行を設立することを目的としていました。

イギリスの郵便貯金制度は、その後、政府の資金調達手段としての役割を果たすようになりました。1996年には、国民貯蓄銀行は国から分離・独立し、独立行政法人「ナショナル・セービング・アンド・インベストメント(NS&I)」となりました。

ナショナル・セービングは、必要な資金の調達状況に応じて、債券発行の停止や市場金利をかなり下回る金利の設定により、必要以上に資金を調達しないようにしています。

ナショナル・セービングは、あくまでも政府系の機関として、財政資金の調達という役割に徹しており、貸付業務は行っていないことから、民間の金融機関との対立は起きていません。

イギリスの郵便貯金制度
項目	内容
名称	ナショナル・セービング・アンド・インベストメント(NS&I)
運営	独立行政法人
役割	政府資金の調達
貸付業務	なし

アメリカの郵便貯金制度

アメリカでは、1911年に、郵便局が「スリフト（貯蓄金融機関）」や銀行などを利用しにくい地域に対して、貯金手段の提供を目的として貯金業務を開始しました。

アメリカの郵便貯金制度は、当初は1人当たりの預入限度額が500ドルとなっていましたが、その後段階的に引き上げられ、1919年には2

アメリカの郵便貯金制度は、1966年に廃止されました。廃止の主な理由は、郵便貯金に制約が多く、利用客にとって魅力的な商品を開発することができなかったためです。

アメリカの郵便貯金制度は、民間の金融機関の補てん的な役割に徹していたことから、衰退は致し方ないといった見方もできます。

アメリカの郵便貯金制度
項目	内容
創設年	1911年
廃止年	1966年
役割	民間の金融機関の補完
特徴	規制が多く利便性が乏しい

フランスの郵便貯金制度

フランスでは、1881年に「国民貯蓄金庫」が郵便電気通信省の管轄下に入り、郵便貯金制度が創設されました。

フランスの郵便貯金制度は、その後、保険や証券の取り扱い、公共料金の引き落とし、社会保険料の徴収、年金の支払いなど、民間の金融機関と競合を重ねながら、徐々にその業務を拡大させていきました。

2006年1月には、ラ・ポストから郵便貯金事業を分割し、金融サービス部門の収益基盤を強化する目的から、ラ・ポストの100%子会社として「郵便貯金銀行（La Banque Postale）」が設立されました。

フランスの郵便貯金制度は、民営化されていますが、経営に対する政府の関与は強い。

フランスの郵便貯金制度
項目	内容
名称	郵便貯金銀行（La Banque Postale）
運営	ラ・ポストの100%子会社
役割	住宅ローンを中心としたサービス拡大
特徴	政府の関与が強い