粉飾決算とは?経済用語について説明

粉飾決算の概要
項目	内容
定義	企業が不正な会計処理を行い、実際とは異なる決算書を作成すること
目的	資金調達、税金逃れ、株価維持など
手法	売上過大計上、架空計上、費用過小計上など
リスク	刑事責任、民事責任、社会的信用失墜
対策	内部監査体制強化、会計ソフト導入、税理士への相談など
監査	監査法人の監査は粉飾決算防止に重要

1. 粉飾決算とは何か

粉飾決算とは何か？

粉飾決算とは、企業が不正な会計処理を行い、実際とは異なる決算書を作成することです。企業の財務状況や経営状況を実際よりも良く見せかけるために、意図的に財務諸表を操作します。例えば、売上を水増し計上したり、翌期に計上すべき売上を前倒しで計上したり、費用や負債などを帳簿に計上しないなど、故意的に操作することは、すべて粉飾決算になります。

粉飾決算は、利益を実際よりも高く操作することを指します。一方、利益を低く操作することを「逆粉飾」と言います。逆粉飾の代表的な例としては、売上を少なく計上したり、費用を過大に計上したりすることが挙げられます。

粉飾決算は、企業の信用を失墜させ、存続の危機に陥る原因にもなります。粉飾決算は、決して許される行為ではありません。

粉飾決算の種類
種類	説明
粉飾決算	利益を実際より高く操作する
逆粉飾決算	利益を実際より低く操作する

粉飾決算の手法

粉飾決算は、主に「売上」と「経費」の2つを操作することで行われます。粉飾決算の場合は、「売上を増やす」「経費を減らす」といった2つの不正操作で行われます。

子会社などのグループ企業を利用して架空の売上を計上したり、架空の在庫を意図的に計上して利益を増やしたりする操作などが多いです。

一方で、逆粉飾決算の場合は、「売上を計上しない又は減らす」「経費を増やす」といった操作です。子会社から架空の売上ではなく架空の仕入れを計上する方法や、手持ちの在庫を意図的に隠して利益を減らす方法があります。

粉飾決算の手法
手法	説明
売上操作	売上を水増し計上、架空計上など
経費操作	費用を過小計上、架空計上など
資産操作	資産を過大計上、簿外計上など

粉飾決算の事例

粉飾決算は、大企業から中小企業まで、様々な企業で起こりうる問題です。ここでは、実際にニュースで報じられた2社の事例を紹介します。

かつて存在していた「はれのひ」は、着物の販売やレンタル業を行う着物店で、2018年の成人式を直前にして営業を取りやめました。そんな着物店である「はれのひ」ですが、架空の売上高を計上して、金融機関から約6億円の融資を受けていたことが判明しています。処分として、同社の元社長が逮捕され、懲役2年6ヶ月の実刑判決が出ました。

オリンパスは、日本の代表的な光学機器・電子機器メーカーであり、2011年に粉飾決算が発覚する「オリンパス事件」と呼ばれる事件がありました。オリンパスは、大きな損失があるにも関わらず、債務を決算書に記載せず、10年間もの間損失を隠してきました。上記の影響で、会長は辞任、関係した経営陣にも厳しい処罰が与えられています。会社としても、株価は2400円から424円と急落し、上場廃止の危機に陥りました。

粉飾決算の事例
企業名	内容
はれのひ	架空売上計上による融資受領
オリンパス	損失隠蔽による粉飾決算

まとめ

粉飾決算は、企業が不正な会計処理を行い、実際とは異なる決算書を作成する行為です。粉飾決算には、売上を水増ししたり、経費を少なく見せたりするなど、様々な手法があります。

粉飾決算は、企業の信用を失墜させ、経営破綻に追い込まれる原因にもなります。粉飾決算は、決して許される行為ではありません。

粉飾決算は、企業の規模に関わらず起こりうる問題です。企業は、粉飾決算を行わないよう、適切な内部管理体制を構築し、不正行為を防止する必要があります。

2. 粉飾決算の手法と事例

粉飾決算の手法

子会社などのグループ企業を利用して架空の売上を計上したり、架空の在庫を意図的に計上して利益を増やしたりする操作などが多いです。

粉飾決算の手法
手法	説明
売上操作	架空取引先との売上計上、売上計上時期の繰り上げなど
経費操作	私的な費用の計上、架空の人件費計上など
在庫操作	在庫の過大計上、架空計上など

粉飾決算の事例

粉飾決算は、大企業から中小企業まで、様々な企業で起こりうる問題です。ここでは、実際にニュースで報じられた2社の事例を紹介します。

粉飾決算の事例
企業名	内容
はれのひ	架空売上計上による融資受領
オリンパス	損失隠蔽による粉飾決算
東芝	インフラ事業、映像事業、半導体事業、パソコン事業での不正会計

粉飾決算の手口

粉飾決算の手口は多岐にわたりますが、代表的なものをいくつか紹介します。

架空の売上を計上したり、売上を隠蔽したりすることによって、売上を増減する。売上が増やす場合、架空の取引先を設定するのが一般的です。架空の取引先との契約書を作り、架空の売上を計上します。売上を下げる場合、取引先と共謀して表にしていない銀行口座を開設します。そこに売上を振り込んでもらう手口です。

費用を隠したり、水増ししたりすることも粉飾決算の手口です。よくあるのが、私的な費用の計上です。この場合、費用の内訳を調べて、聞き取らなければならない。ほかにも、架空の人件費を計上して費用を水増しする方法もあるでしょう。社員の出勤簿、社会保険料の支払いなどで、人件費の金額との矛盾を調べる。

在庫を水増しして売上原価を増やす方法も考えられるでしょう。棚卸しをする際に在庫の実在を確認して、過不足をチェックする。

まとめ

粉飾決算は、売上を過大計上したり、費用を過小計上したりするなど、様々な手法を用いて行われます。

粉飾決算は、企業の信用を失墜させ、経営破綻に追い込まれる原因にもなります。粉飾決算は、決して許される行為ではありません。

3. 粉飾決算の背景と目的

粉飾決算の背景

粉飾決算が行われる背景には、様々な理由があります。企業が粉飾決算に手を染める主な理由は、以下の3つです。

金融機関からの融資を受けやすくするため。金融機関は、企業に融資を行う際に、その企業の財務状況や経営状況を審査します。粉飾決算によって、経営状態をよく見せかけることで、金融機関から融資を引き出すことができるのです。

税金を減額するため。実際の利益より意図的に過小に操作する目的には、「納税額を減らしたい」という背景があります。法人税であれば、利益に必ず税金が課されます。経営者としては、生み出した利益に税金をかけられたくないと言うのが本音でしょう。粉飾決算によって、赤字決算にすることで、利益に課される法人税を支払う必要がなくなります。

株価や上場維持のため。上場会社の場合、業績の良し悪しが自社株価の上下動につながり、株式の価値に影響が出てしまいます。債務超過に陥った場合は上場廃止になる可能性もあり、自社株式が自由に売買できなくなることで株式の価値が大きく毀損します。粉飾決算によって、業績が良好であると見せかけることで、株価の上昇が期待できるでしょう。また、債務超過は、上場廃止になる危険性があり、上場を維持するために粉飾決算に手を染めてしまう企業もあります。

粉飾決算の背景
背景	説明
資金調達	銀行からの融資を受けやすくするため
税金逃れ	納税額を減らすため
株価維持	株価を維持、または上昇させるため

粉飾決算の目的

粉飾決算を行う目的は、企業の状況や経営者の意図によって異なります。

粉飾決算によって、資金調達がしやすくなり、配当や株価の維持を図ることができます。

経営者は、自らの保身を図るために粉飾決算を行うこともあります。

粉飾決算の目的
目的	説明
資金調達	融資を受けやすくする
税金逃れ	納税額を減らす
株価維持	株価を維持、または上昇させる
経営者の保身	経営者の責任を回避する

粉飾決算の具体的な手法

粉飾決算には様々な手法が用いられますが、典型的な手法は売上の過大計上や架空計上、収益計上時期の繰り上げ、借入金の過少計上、不良在庫の隠蔽などです。

粉飾決算の場合は資産が増加して経費が減少するように決算書が操作され、逆粉飾決算の場合は資産が減少して経費が増加するように決算書が操作されます。

まとめ

粉飾決算は、企業が資金調達を容易にする、税金を減らす、株価を維持するなど、様々な目的で行われます。

粉飾決算は、企業の信用を失墜させ、経営破綻に追い込まれる原因にもなります。粉飾決算は、決して許される行為ではありません。

4. 粉飾決算が与える影響とリスク

粉飾決算の影響

粉飾決算は、企業にとって一時的なメリットをもたらすかもしれませんが、同時に、はるかに深刻なデメリットをもたらすものです。

粉飾決算がバレると、企業は社会的信用を失い、取引先や銀行からの信用を失うことで事業の継続が困難になる可能性があります。

また、銀行から融資の一括返済を求められることや、上場企業であれば上場廃止になる可能性もあります。

粉飾決算の影響
影響	説明
社会的信用失墜	取引先や銀行からの信用を失う
事業継続困難	取引先や銀行からの信用を失うことで事業継続が困難になる
融資停止	銀行から融資を停止される
上場廃止	上場企業の場合、上場廃止になる可能性がある

粉飾決算のリスク

粉飾決算は、企業にとって大きなリスクを伴います。粉飾決算がバレると、刑事責任や民事責任を問われる可能性があります。

刑事責任としては、詐欺罪、違法配当罪、特別背任罪などが挙げられます。

民事責任としては、損害賠償責任などが挙げられます。

粉飾決算のリスク
リスク	説明
刑事責任	詐欺罪、違法配当罪、特別背任罪など
民事責任	損害賠償責任など
社会的制裁	取引停止、融資停止、上場廃止など

粉飾決算の具体的なリスク

粉飾決算は、企業の規模に関わらず起こりうる問題です。粉飾決算を行わないよう、適切な内部管理体制を構築し、不正行為を防止する必要があります。

粉飾決算は、企業の信用を失墜させ、経営破綻に追い込まれる原因にもなります。粉飾決算は、決して許される行為ではありません。

まとめ

粉飾決算は、企業にとって大きなリスクを伴います。粉飾決算がバレると、刑事責任や民事責任を問われる可能性があります。

粉飾決算は、企業の信用を失墜させ、経営破綻に追い込まれる原因にもなります。粉飾決算は、決して許される行為ではありません。

5. 粉飾決算の法的規制と罰則

粉飾決算の法的規制

粉飾決算は、会社法、金融商品取引法、刑法などの法律で規制されています。

会社法では、粉飾決算によって違法な配当を行った取締役等は、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金又は両方が科されます。

粉飾決算によって取締役等が、自己又は役員や株主の利益を図り、会社に損害を与えた場合は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金又は両方が科されます。

粉飾決算の法的規制
法律	内容
会社法	違法配当罪、特別背任罪など
金融商品取引法	有価証券報告書虚偽記載罪など
刑法	詐欺罪など

粉飾決算の罰則

粉飾決算によって虚偽の決算書を提出し、銀行から融資を受けた場合、詐欺罪に問われる可能性が生じます。

粉飾決算を行った場合、民事責任に問われて、損害賠償を被ることがあります。

粉飾決算を行っていた会社が倒産し、債券の回収が困難となった場合、銀行や債権者から取締役等に対して損害賠償請求をされることもあります。

粉飾決算の罰則
罰則	説明
刑事罰	懲役刑、罰金刑など
民事罰	損害賠償責任など
社会的制裁	取引停止、融資停止、上場廃止など

粉飾決算の社会的制裁

粉飾決算は、懲役刑や罰金刑、損害賠償などに加えて、加算税や上場廃止など影響は多岐にわたります。

粉飾決算は、企業の信用を失墜させ、経営破綻に追い込まれる原因にもなります。粉飾決算は、決して許される行為ではありません。

まとめ

粉飾決算は、会社法、金融商品取引法、刑法などの法律で規制されています。

粉飾決算は、刑事責任、民事責任、社会的制裁など、様々なリスクを伴います。

粉飾決算は、企業の信用を失墜させ、経営破綻に追い込まれる原因にもなります。粉飾決算は、決して許される行為ではありません。

6. 粉飾決算を防ぐための対策と監査の重要性

粉飾決算を防ぐための対策

粉飾決算を防ぐためには、企業は適切な内部管理体制を構築し、不正行為を防止する必要があります。

内部監査体制の強化、会計ソフトの導入、税理士への相談など、様々な対策を講じる必要があります。

粉飾決算は、企業の信用を失墜させ、経営破綻に追い込まれる原因にもなります。粉飾決算は、決して許される行為ではありません。

粉飾決算を防ぐための対策
対策	説明
内部監査体制強化	複数部署によるチェック体制構築
会計ソフト導入	資金繰りの可視化
税理士への相談	専門家によるアドバイス
コンプライアンス研修	粉飾決算の違法性を周知徹底

監査の重要性

監査は、粉飾決算を防止するために非常に重要な役割を果たします。

監査法人による監査は、企業の財務諸表の信頼性を高め、粉飾決算の発生を抑制する効果があります。

粉飾決算は、企業の信用を失墜させ、経営破綻に追い込まれる原因にもなります。粉飾決算は、決して許される行為ではありません。

監査の重要性
監査	説明
監査法人	企業の財務諸表の信頼性を高める
内部監査	社内における不正行為の発見
第三者監査	外部専門家による監査