魚：キジハタについて説明

キジハタのまとめ
項目	内容
生息域	青森県以南、朝鮮半島南部、中国、台湾
食性	雑食性（甲殻類、魚類）
成長	最大60cm、雌性先熟の性転換あり
呼び名	アコウ、アコ、アカミズ、アカカラなど
釣り方	探り釣り、ぶっ込み釣り、ルアー釣り、泳がせ釣り
栄養価	脂身が多く、旨味が凝縮されている
料理	刺身、煮付け、塩焼き、唐揚げなど
繁殖	産卵期は7～8月、水深100m以上の深海で産卵
似た魚種	ノミノクチ、アオハタ
見分け方	斑点の色や数、尾鰭の色、背ビレの斑点の位置など

1. キジハタの生態とは

キジハタの生息域

キジハタは、青森県以南から朝鮮半島南部、中国、台湾までの沿岸域に分布しています。岩場に砂場が混じったような環境を好み、内湾の人工護岸周辺にも生息しています。群れを作らず単独で生活し、昼は岩陰や洞窟の中にひそんでおり、夜に泳ぎだして獲物を探します。

主な餌は、小型の個体は甲殻類で、成長に伴い魚中心となります。

キジハタの生息域
地域	生息域
日本	青森県以南
朝鮮半島	南部
中国	沿岸
台湾	沿岸

キジハタの食性

キジハタは、多毛類、二枚貝類、節足動物などさまざまな生物を食べる雑食性ですが、主要なエサはカニやエビなどの甲殻類です。特にカニを好む傾向があり、早朝と夕方に活発に捕食します。

日中でもエサとなるカニやエビが流れてくれば捕食しますが、飽食すると丸２日ほど索餌せず、冬場の低水温時には週に１回程度しか捕食しないこともあります。

大型の個体は魚食性が強まります。

キジハタの食性
成長段階	主な餌
幼魚	甲殻類
成魚	魚類

キジハタの生態まとめ

キジハタは、温暖な海域の岩礁域に生息し、夜行性で昼間は岩陰に隠れています。

食性は雑食性で、小型の頃は甲殻類、成長すると魚を食べるようになります。

群れを作らず単独で生活し、縄張り意識が強いことから、同じ場所に頻繁に戻ってくる習性があります。

まとめ

キジハタは、青森県以南の日本各地、朝鮮半島南部から中国沿岸にかけて広く分布する、ハタ科の魚です。

岩礁域に生息し、夜行性で昼間は岩陰に隠れています。

食性は雑食性で、小型の頃は甲殻類、成長すると魚を食べるようになります。

群れを作らず単独で生活し、縄張り意識が強いことから、同じ場所に頻繁に戻ってくる習性があります。

2. キジハタの特徴について

キジハタの形態

キジハタは、最大で全長60㎝近くになる個体もいますが、比較的多く見られるのは30㎝ほどのもので、ハタ類としては小～中型の種です。

体はやや長く側扁し、眼は緑色、体色は紫褐色で、体全体に瞳孔大の橙黄色の斑紋が密に分布します。

この斑紋は、高齢魚になると不明瞭になります。各ヒレは黄色みが強く、背ビレ第11棘下の背側に、黒っぽい大きな斑紋がひとつあります。

幼魚には体側に３本の黄色い縦帯がありますが、成長とともに不明瞭となり、老成魚では消失します。

キジハタの形態
項目	特徴
全長	最大60cm
体色	オレンジ色に朱色の斑点
背ビレ	黒っぽい大きな斑紋がひとつ
眼	緑色
幼魚	体側に３本の黄色い縦帯

キジハタの性転換

キジハタは、ベラ科やブダイ科の魚と同じく、まずメスとして成熟し、成長するとオスに性転換して繁殖に参加する雌性先熟の性転換を行います。

性転換するのは、全長40㎝程度の個体です。

キジハタの呼び名

キジハタは、地域によって様々な呼び方があります。

瀬戸内ではアコウ・アコ、山陰ではアカミズ、九州ではアカカラと呼ばれています。

また、香港では紅斑、広東語ではホンパーンと呼ばれています。

関東ではアコウと呼ばれることが多いですが、アコウダイというメバル系の魚をアコウと呼ぶこともあります。

キジハタの呼び名
地域	呼び名
瀬戸内	アコウ、アコ
山陰	アカミズ
九州	アカカラ
香港	紅斑
広東語	ホンパーン
関東	アコウ（アコウダイと混同される場合あり）

まとめ

キジハタは、最大で全長60㎝近くになる個体もいますが、比較的多く見られるのは30㎝ほどのもので、ハタ類としては小～中型の種です。

体色は紫褐色で、体全体に橙黄色の斑紋が密に分布し、背ビレ第11棘下の背側に、黒っぽい大きな斑紋がひとつあります。

キジハタは、雌性先熟の性転換を行い、全長40㎝程度に成長するとメスからオスに変化します。

地域によって様々な呼び方があり、瀬戸内ではアコウ・アコ、山陰ではアカミズ、九州ではアカカラと呼ばれています。

3. キジハタの釣り方のコツ

キジハタの釣り場

キジハタは、沿岸の浅い岩礁域を好み、内湾の堤防やゴロタ場周辺にも棲息しています。

岸から釣る場合は、水深20m以上の深場に隣接したポイントが有望です。

釣れるサイズは30㎝未満が主体です。

キジハタの釣り場
場所	特徴
岩礁域	水深20m以上の深場に隣接した場所
堤防	足場が良く、安全に釣りやすい
ゴロタ場	水深が浅い場所
海釣り公園	初心者でも釣りやすい
船	大型を狙う場合におすすめ
夜釣り	活性が上がる時間帯
早朝・夕マズメ	活性が上がる時間帯

キジハタの釣り方

キジハタは、探り釣り、ぶっ込み釣り、ルアー釣り、泳がせ釣りといった様々な釣り方で釣ることができます。

時間帯は、夜明け前と日没前後や夜釣りがおすすめです。

40センチ以上の大型を釣りたい場合は船や夜釣りがおすすめです。

キジハタの釣り方
釣り方	特徴
探り釣り	根魚狙いの定番
ぶっ込み釣り	手軽に楽しめる
ルアー釣り	近年人気上昇中
泳がせ釣り	大型を狙う場合におすすめ

キジハタの釣り方の注意点

キジハタが釣れる場所は危険な場所でもあるので、しっかり準備をしていきましょう。

釣って調理する際には他の魚と同じように寄生虫がいる可能性がありますので、しっかり処理をしましょう。

まとめ

キジハタは、沿岸の浅い岩礁域を好み、内湾の堤防やゴロタ場周辺にも棲息しています。

岸から釣る場合は、水深20m以上の深場に隣接したポイントが有望です。

時間帯は、夜明け前と日没前後や夜釣りがおすすめです。

キジハタが釣れる場所は危険な場所でもあるので、しっかり準備をしていきましょう。

4. キジハタの栄養価と料理法

キジハタの栄養価

キジハタは、白身魚の中でも脂身が多い魚で、多くの旨味が凝縮されています。

また、噛めば噛むほど独特な甘味を感じることもできます。

骨は柔らかく少なめで魚が持つ癖も感じられないため、どんな料理方法でも食べやすい魚です。

キジハタの料理方法

キジハタは、刺身、煮付け、塩焼き、唐揚げなど、様々な料理方法で美味しく食べられます。

特に刺身は、モチモチした食感が特徴で、独特の歯ごたえが感じられます。

煮付けや塩焼きに調理しても、キジハタの旨味と甘味を感じることができます。

キジハタの料理方法
料理	特徴
刺身	モチモチとした食感
煮付け	旨味と甘味が凝縮
塩焼き	シンプルで美味しい
唐揚げ	外はカリカリ、中はジューシー
鍋	アラから出汁をとって作る
その他	ムニエル、ソテーなど

キジハタの選び方

キジハタの鮮度は、体の模様がはっきりしていることや、目が澄んでいること、エラの中がきれいな赤色をしているものを選びましょう。

キジハタの選び方
項目	特徴
体の模様	はっきりしている
目	澄んでいる
エラ	きれいな赤色

まとめ

キジハタは、白身魚の中でも脂身が多い魚で、多くの旨味が凝縮されています。

刺身、煮付け、塩焼き、唐揚げなど、様々な料理方法で美味しく食べられます。

キジハタの鮮度は、体の模様がはっきりしていることや、目が澄んでいること、エラの中がきれいな赤色をしているものを選びましょう。

5. キジハタの繁殖と生息地

キジハタの繁殖

キジハタの産卵期は７～８月で、水深100ｍ以上の深海にいるオスが浅海の岩礁域にいるメスのところまでやってきて産卵を行います。

水温25～27℃で受精後約24時間で孵化し、全長３㎜ほどになると浮遊生活から底棲生活へと移行します。

全長５㎜程度にまで成長すると、体側に多数の朱紅色斑紋が現れ、眼も濃緑色になり、成魚とほぼ等しい姿になります。

キジハタの繁殖
時期	場所	水温
7～8月	水深100m以上の深海	25～27℃

キジハタの成長

水温25℃でもっともよく成長し、通常は孵化後３年で25㎝、４年で30㎝程度に成長します。

性転換するのは、全長40㎝程度の個体です。

キジハタの成長
期間	サイズ	水温
孵化後3年	25cm	25℃
孵化後4年	30cm	25℃

キジハタの生息地

キジハタは、沿岸の浅い岩礁域を好み、内湾の堤防やゴロタ場周辺にも棲息しています。

主に単独で行動し、群れはつくらない。

昼間は岩陰や磯ぎわなどに潜んでいるが、早朝や夕方には中～表層に浮上して活発にエサをあさる。

まとめ

キジハタの産卵期は７～８月で、水深100ｍ以上の深海にいるオスが浅海の岩礁域にいるメスのところまでやってきて産卵を行います。

水温25～27℃で受精後約24時間で孵化し、全長３㎜ほどになると浮遊生活から底棲生活へと移行します。

キジハタは、沿岸の浅い岩礁域を好み、内湾の堤防やゴロタ場周辺にも棲息しています。

主に単独で行動し、群れはつくらない。

6. キジハタと似た魚種との違い

キジハタとノミノクチの違い

キジハタとノミノクチは、どちらもハタ科の魚で、見た目が似ているため、混同されやすいです。

キジハタは、体色がオレンジ色で、朱色の斑点が全身に見られます。

ノミノクチは、斑点が暗赤色であることや背ビレの付け根にはっきりとした黒い斑紋があることから識別できます。

キジハタとノミノクチの違い
項目	キジハタ	ノミノクチ
斑点	朱色	暗赤色
背ビレ	黒っぽい斑紋がひとつ	黒い斑紋が複数
尾鰭	黄色みが強い	黄色みが少ない

キジハタとアオハタの違い

キジハタとアオハタは、どちらもハタ科の魚で、見た目が似ているため、混同されやすいです。

キジハタは、体色がオレンジ色で、朱色の斑点が全身に見られます。

アオハタは、体色が緑がかった色で、斑点が少なく、尾鰭の後端が黄色いことから識別できます。

キジハタとアオハタの違い
項目	キジハタ	アオハタ
体色	オレンジ色	緑がかった色
斑点	多い	少ない
尾鰭	黄色みが強い	黄色みが強い
背ビレ	黒っぽい斑紋がひとつ	黒っぽい斑紋がひとつ