目の見えない人のスポーツ、ゴールボールの魅力を徹底解説!

1. ゴールボールとは?パラリンピック正式競技の歴史と概要

1-1. 第二次世界大戦で視覚障害を負った人のためのリハビリテーションとして考案

ゴールボールは、第二次世界大戦で視覚障害を負った退役軍人のリハビリテーションとして、1946年にオーストリアのハンズ・ローレンゼンとドイツのゼップ・ラインドルによって考案されました。その後、視覚障害者のためのスポーツとして発展し、1976年のトロントパラリンピックで正式競技となりました。

1-2. 目隠しをして鈴の音を頼りにゴールを奪い合う競技

ゴールボールは、3人対3人で行うチームスポーツです。選手はアイシェードを着用し、完全に視覚を遮断した状態でプレーします。ボールには鈴が入っており、その音を頼りにボールの位置や相手の動きを察知します。攻撃側は、鈴の入ったボールを転がして相手のゴールを狙い、守備側はコート上に横たわってボールを阻止します。

1-3. パラリンピックの人気競技の一つ

ゴールボールは、パラリンピックにおける人気競技の一つであり、世界選手権や地域大会なども開催されています。日本でもゴールボールは盛んに行われており、日本代表チームは国際大会でも好成績を収めています。ゴールボールの魅力は、視覚以外の感覚を駆使したダイナミックなプレーにあります。また、選手たちの集中力やチームワークも見どころの一つです。

2. 目隠しをして鈴の音を頼りに戦う!ゴールボールのルールを解説

2-1. ゴールボールのコートとボール

ゴールボールは、縦18メートル、横9メートルのコートで行われます。コートは3つのエリアに分かれており、両端に幅9メートルのゴールエリア、中央に幅6メートルのニュートラルエリアがあります。使用するボールは、重さ1.25キログラム、周囲76センチメートルのゴム製のボールで、内部に鈴が入っています。

2-2. アイシェードを着用し、鈴の音を頼りにプレー

ゴールボールの最大の特徴は、選手がアイシェードを着用してプレーすることです。これにより、全盲の選手も晴眼の選手も同じ条件で競技することができます。選手は、鈴の入ったボールの音や味方の声などを頼りに、ボールの位置や相手の動きを察知します。

2-3. 攻撃と守備を交互に行い、得点を競う

ゴールボールの試合は、前後半各12分で行われます。攻撃側は、ボールを転がして相手のゴールを狙います。守備側は、コート上に横たわってボールを阻止します。ボールがゴールラインを越えると得点となり、より多くの得点を挙げたチームが勝利します。

2-4. スローイングのルールと反則

攻撃側の選手は、ボールを転がす際に、以下のルールを守らなければなりません。

・ボールを投げる前に、静止していなければならない

・ボールを投げる際には、体の一部がニュートラルエリアに触れていなければならない

・ボールは、バウンドせずに相手ゴールエリアまで到達しなければならない

これらのルールに違反すると、反則となり、相手にペナルティスローが与えられます。ペナルティスローは、守備側の選手1人に対して、攻撃側の選手1人が1対1で行うスローイングです。

3. 攻撃と守備、両方のスキルが重要!ゴールボールの試合展開

3-1. ボールコントロールとスローイング技術が鍵となる攻撃

ゴールボールの攻撃では、ボールコントロールとスローイング技術が非常に重要です。攻撃側の選手は、鈴の音を頼りにボールを正確にコントロールし、相手の守備を突破するようなスローイングを繰り出す必要があります。スローイングの種類には、ボールを回転させて投げるスピンスローや、バウンドさせて投げるバウンシングスローなどがあります。

3-2. 素早い反応と広い守備範囲が求められる守備

ゴールボールの守備では、素早い反応と広い守備範囲が求められます。守備側の選手は、鈴の音を頼りにボールの軌道を予測し、体を投げ出してボールを阻止します。守備の隊形は、3人の選手が横一列に並ぶのが基本ですが、状況に応じてポジションを変えることもあります。

3-3. 頭脳戦と心理戦が勝敗を左右する

ゴールボールは、視覚情報がない中で行われるため、頭脳戦と心理戦が勝敗を大きく左右します。攻撃側は、相手の守備の弱点を探り、効果的なスローイングを仕掛ける必要があります。守備側は、相手の攻撃パターンを読み、ボールの軌道を予測することが重要です。また、選手同士の声かけやフェイントなども、試合展開に影響を与えます。

3-4. チームワークとコミュニケーションが不可欠

ゴールボールは、3人対3人で行うチームスポーツであるため、チームワークとコミュニケーションが不可欠です。選手同士が互いの動きを把握し、連携してプレーすることが勝利につながります。また、試合中は、選手同士の声かけや指示が非常に重要です。

4. 静寂の中で繰り広げられる頭脳戦!ゴールボールの醍醐味

4-1. 視覚以外の感覚を研ぎ澄まして戦うスポーツ

ゴールボールは、視覚情報が遮断された状態でプレーするスポーツです。そのため、選手たちは聴覚や触覚、空間認識能力など、視覚以外の感覚を研ぎ澄まして戦う必要があります。鈴の音や味方の声、床の感触などを頼りに、ボールの位置や相手の動きを察知する能力が求められます。

4-2. 集中力と精神力が試される競技

ゴールボールは、試合中の静寂が特徴的なスポーツです。選手たちは、わずかな音や気配を聞き逃さないように、高い集中力を維持しなければなりません。また、プレッシャーのかかる場面でも冷静さを保ち、正確なプレーをするための精神力も必要です。

4-3. 戦術と駆け引きが勝敗を左右する

ゴールボールは、単にボールを投げてゴールを狙うだけのスポーツではありません。攻撃側と守備側が、それぞれ戦術や駆け引きを駆使して戦う頭脳戦でもあります。攻撃側は、相手の守備の弱点を探り、効果的なスローイングを仕掛ける必要があります。守備側は、相手の攻撃パターンを読み、ボールの軌道を予測することが重要です。

4-4. ドラマチックな試合展開が魅力

ゴールボールの試合は、静寂の中で行われますが、その展開は非常にドラマチックです。一瞬の判断ミスや集中力の欠如が、勝敗を左右することがあります。また、最後まで諦めずに戦う選手たちの姿や、チームワークの素晴らしさも見どころの一つです。

5. 日本代表も活躍!ゴールボールの大会と注目選手

5-1. パラリンピックや世界選手権など国際大会が開催

ゴールボールの国際大会としては、4年に一度開催されるパラリンピックのほか、世界選手権や地域大会などがあります。パラリンピックのゴールボール競技は、男女それぞれ10カ国が出場し、トーナメント方式で優勝を争います。日本代表チームは、これまでパラリンピックで銀メダル1個、銅メダル2個を獲得しています。

5-2. 国内大会も盛んに開催

日本国内でもゴールボールの大会は盛んに開催されています。日本ゴールボール協会が主催する日本選手権や、各地域で開催される大会などがあります。これらの大会を通じて、競技力の向上や選手の発掘が行われています。

5-3. 世界で活躍する日本人選手

日本のゴールボール選手は、世界でも活躍しています。男子日本代表チームは、2012年のロンドンパラリンピックで銀メダルを獲得し、2020年の東京パラリンピックでも5位入賞を果たしました。女子日本代表チームは、2016年のリオデジャネイロパラリンピックで銅メダルを獲得しました。

5-4. 注目選手

ゴールボールの注目選手としては、男子では田口侑治選手、女子では欠端瑛子選手などが挙げられます。田口選手は、正確なスローイングと巧みなボールコントロールが持ち味のアタッカーです。欠端選手は、広い守備範囲と素早い反応が武器の守備の要です。

6. ゴールボールを体験しよう!競技の魅力を体感できる場所

6-1. スポーツセンターや体育館などで体験会が開催

ゴールボールは、視覚障害者だけでなく、晴眼者も楽しめるスポーツです。そのため、各地のスポーツセンターや体育館などで、ゴールボールの体験会が開催されています。体験会では、アイシェードを着用してゴールボールのルールや基本的なプレーを体験することができます。

6-2. ゴールボールチームやクラブに参加

ゴールボールに興味を持った方は、ゴールボールチームやクラブに参加してみるのもおすすめです。チームやクラブでは、経験豊富な選手から指導を受けることができ、競技力を向上させることができます。また、チームメイトとの交流を通じて、ゴールボールの楽しさをより深く味わうことができます。

6-3. パラリンピックやゴールボール大会を観戦

ゴールボールの魅力を体感する方法は、実際にプレーするだけでなく、観戦することでも可能です。パラリンピックや世界選手権などの国際大会、あるいは国内大会を観戦することで、トップレベルの選手たちのプレーを間近で見ることができます。ゴールボールのスピード感や迫力、選手たちの集中力やチームワークを肌で感じることができます。

6-4. 学校や地域でゴールボールを広める活動

ゴールボールは、パラリンピックの正式競技としてだけでなく、学校教育や地域スポーツとしても注目されています。各地の学校や地域団体では、ゴールボールの普及活動が行われています。ゴールボールを通じて、視覚障害者への理解を深めたり、インクルーシブな社会の実現を目指したりすることができます。

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