1. 水産ねり製品製造工ってどんな仕事？
1-1. 身近な食品を作る職人
水産ねり製品製造工とは、かまぼこ、ちくわ、はんぺんなど、魚肉のすり身を加工して作る水産ねり製品の製造を行う職人です。練り製品は日本の食卓には欠かせない食品であり、水産ねり製品製造工は私たちの食生活を支える重要な役割を担っています。
1-2. 水産ねり製品製造の仕事内容
水産ねり製品製造の仕事内容は、大きく分けて原料処理、すり身製造、成形、加熱、包装の工程に分かれます。
1-1. 原料処理：スケトウダラなどの魚を三枚におろし、皮や骨を取り除きます。
1-2. すり身製造：魚の身を細かくすり潰し、食塩や調味料を加えて練り合わせます。
3. 成形：練り合わせたすり身を板状、棒状、 tube状など、製品の種類に合わせて成形します。
1-4. 加熱：成形したすり身を蒸したり、焼いたり、揚げたりして加熱します。
1-5. 包装：加熱した製品を包装し、出荷します。
水産ねり製品製造工は、これらの工程をすべて行う場合もあれば、一部の工程を担当する場合もあります。
1-3. 機械化と手作業の融合
近年では、水産ねり製品の製造工程の多くが機械化されています。しかし、魚の鮮度を見極めたり、すり身の粘度を調整したり、成形したりする工程など、熟練の技が必要な作業は今でも手作業で行われています。水産ねり製品製造工には、機械操作の技術だけでなく、長年の経験で培った勘や技術が求められます。
2. 水産ねり製品の種類と製造工程
2-1. 多彩な水産ねり製品の種類
水産ねり製品には、かまぼこ、ちくわ、はんぺん、さ묵など、さまざまな種類があります。それぞれ形状や食感、味付けが異なり、地域ごとの特色や伝統が反映された製品も数多く存在します。例えば、小田原のかまぼこや、山口の蒲鉾（外郎）などは、その地域の特産品として広く知られています。
2-2. 水産ねり製品の製造工程
1. 原料処理：水産ねり製品の原料となる魚は、スケトウダラ、グチ、エソなど様々です。これらの魚は、まず頭や内臓、鱗などを取り除き、三枚におろします。その後、皮や骨、血合いなどを取り除き、すり身にするための準備をします。
2. すり身製造：三枚におろした魚を肉挽き機や擂潰機にかけて細かくすり潰し、食塩や調味料を加えてよく練り合わせます。この工程では、魚の鮮度や種類、すり身の粘度や弾力などを細かくチェックしながら、職人の経験と技術を駆使して品質の高いすり身を作ります。
3. 成形：練り上がったすり身を、製品の種類に合わせて成形します。かまぼこは板状に、ちくわは棒状に、はんぺんは丸型に成形します。成形には、木枠や金属製の型枠、専用の成形機などが用いられます。
4. 加熱：成形したすり身を蒸したり、焼いたり、揚げたりして加熱し、製品に火を通します。加熱方法や時間、温度などは、製品の種類や特徴によって異なります。
5. 包装：加熱した製品を冷却し、包装します。包装には、真空パックやフィルム包装など、製品の鮮度や品質を保つための工夫がされています。
3. 水産ねり製品製造工に必要な技術と資格
3-1. 水産ねり製品製造に必要な技術
水産ねり製品製造工には、機械操作の技術だけでなく、魚の目利きやすり身の調整、成形の技術など、長年の経験で培った勘や技術が求められます。
1. 魚の目利き：魚の鮮度や品質を見極める能力が必要です。鮮度の良い魚を使用することで、美味しい水産ねり製品を作ることができます。
2. すり身の調整：魚のすり身は、温度や湿度、塩分濃度などによって粘度や弾力が変化します。職人は、これらの要素を考慮しながら、製品に適したすり身を調整する必要があります。
3. 成形の技術：かまぼこやちくわなど、水産ねり製品はそれぞれ形状が異なります。職人には、製品の形を整えるための技術や、美しい見た目に仕上げるための美的センスが求められます。
3-2. 水産ねり製品製造に関する資格
水産ねり製品製造に関連する資格には、以下のようなものがあります。
1. 水産練り製品製造技能士：国家資格であり、水産ねり製品製造に関する知識と技能を認定する資格です。1級と2級があり、実務経験や学科試験、実技試験を経て取得することができます。
2. 食品衛生責任者：食品を扱う事業者には、食品衛生責任者の設置が義務付けられています。この資格は、都道府県が実施する講習を受講することで取得できます。
4. 水産ねり製品製造工のやりがいや魅力
4-1. 食文化を支える仕事
水産ねり製品は、日本の食卓には欠かせない食品です。かまぼこ、ちくわ、はんぺんなど、様々な種類の水産ねり製品は、そのまま食べるだけでなく、おでんや煮物、炒め物など、様々な料理に利用されています。水産ねり製品製造工は、日本の食文化を支える重要な役割を担っており、多くの人々に美味しい食品を提供できることにやりがいを感じることができます。
4-2. 伝統技術を継承する
水産ねり製品の製造には、長年の経験で培われた伝統技術が欠かせません。魚の目利きや、すり身の調整、成形の技術など、職人の技によって水産ねり製品の品質が決まります。水産ねり製品製造工は、先人から受け継いだ伝統技術を継承し、さらに発展させていくことに誇りを持つことができます。
4-3. 創造性と工夫
水産ねり製品製造は、決められた手順に従って作業を行うだけでなく、創造性や工夫が求められる仕事でもあります。新しい製品の開発や、既存の製品の改良など、職人のアイデアや技術が製品に反映されます。自分のアイデアが形になり、多くの人々に喜ばれることは、水産ねり製品製造工にとって大きなやりがいとなります。
5. 水産ねり製品製造工になるには？
5-1. 水産ねり製品製造工になるための方法
水産ねり製品製造工になるためには、主に次の2つの方法があります。
1. 水産ねり製品メーカーへの就職：求人情報やハローワークなどを利用して、水産ねり製品メーカーの求人を探します。未経験者の場合、最初は製造補助などの仕事から始めることが一般的です。
2. 職業訓練校への入学：水産ねり製品製造に関する知識や技術を学ぶことができる職業訓練校があります。職業訓練校では、座学だけでなく、実習を通して実践的な技術を身につけることができます。
5-2. 水産ねり製品製造工に向いている人
水産ねり製品製造工に向いているのは、以下のような人です。
1. 食べることが好きな人：水産ねり製品は食品であり、食の安全や品質に気を配ることが求められます。食べることが好きで、食品に興味がある人は、仕事に対するモチベーションを維持しやすいでしょう。
2. ものづくりが好きな人：水産ねり製品製造は、原料となる魚から製品を作り上げるものづくりの仕事です。自分の手で製品を作り上げることに喜びを感じられる人は、仕事にやりがいを見出すことができるでしょう。
3. 体力に自信がある人：水産ねり製品製造の仕事は、立ち仕事が多く、重いものを運ぶこともあります。体力に自信があり、体を動かすことが好きな人は、仕事に適応しやすいでしょう。
