1. 鉄骨工ってどんな仕事?
1-1. 建物の骨組みを作る職人
鉄骨工とは、建物の骨組みとなる鉄骨を組み立てる職人さんのことです。マンションやビル、商業施設、橋など、様々な建築物の建設に欠かせない重要な役割を担っています。鉄骨の種類や形状は多岐にわたり、設計図に基づいて正確かつ安全に組み立てる高い技術力が求められます。また、高所での作業が多いため、体力やバランス感覚も必要不可欠です。
1-2. 鉄骨工事の仕事の流れ
鉄骨工事は大きく分けて、工場での加工と現場での組み立ての2つの工程に分かれます。 まず、工場では設計図に基づいて鉄骨を切断、穴あけ、溶接などの加工を行います。その後、加工された鉄骨を現場に運び、クレーンなどを用いて組み立てていきます。現場での作業は、高所作業車や足場の上で行われることが多く、安全対策を徹底することが重要です。鉄骨の組み立てが完了したら、屋根や外壁などの工事へと移っていきます。
1-3. 鉄骨の種類と特徴
鉄骨には、H形鋼、I形鋼、角形鋼管、鋼板など、様々な種類があります。H形鋼は断面がH型をしており、強度と軽量性を兼ね備えているため、柱や梁などによく使用されます。I形鋼は断面がI型をしており、H形鋼よりも軽量で、主に梁や桁に使用されます。角形鋼管は断面が四角形の鋼管で、柱やブレースなどによく使用されます。鋼板は薄い鉄の板で、床や壁などによく使用されます。それぞれの鉄骨は用途や強度に応じて使い分けられます。
2. 鉄骨工の具体的な仕事内容
2-1. 鉄骨の加工
鉄骨工事はまず工場で鉄骨を加工することから始まります。設計図をもとに鉄骨を切断したり、穴を開けたり、曲げたりする作業を行います。また、鉄骨同士を溶接して接合することも重要な作業です。これらの加工は、専用の機械や工具を用いて行われ、高い精度が求められます。工場での作業は、安全に配慮しながら効率的に進めることが重要です。
2-2. 鉄骨の建て方
加工された鉄骨を現場に運び、クレーンなどを用いて組み立てる作業を「建て方」といいます。鉄骨工の仕事の中でも特に重要な工程であり、高い技術力とチームワークが求められます。鉄骨同士をボルトや溶接で接合し、建物の骨組みを組み立てていきます。高所での作業が多いため、安全帯の着用や墜落防止措置など、安全対策を徹底することが不可欠です。
2-3. 鉄骨の仕上げ
鉄骨の建て方が完了したら、錆止め塗装や仕上げ塗装を行います。鉄骨は雨風にさらされると錆びてしまうため、塗装によって保護する必要があります。また、仕上げ塗装によって建物の美観を高めることもできます。塗装作業は、刷毛やローラー、スプレーガンなどを用いて行われ、均一に塗布することが求められます。
3. 鉄骨工になるには?必要な資格やスキル
3-1. 鉄骨工になるための方法は?
鉄骨工になるためには、主に2つの方法があります。1つ目は、建設会社や鉄骨工事会社に就職し、先輩職人から技術を学ぶ方法です。多くの場合、未経験からでも就職が可能であり、OJTを通じて徐々にスキルを身につけていきます。2つ目は、職業訓練校や専門学校で鉄骨工事に関する知識や技術を学ぶ方法です。専門的な教育を受けることで、より高度な技術を習得することができます。
3-2. 鉄骨工に必要な資格
鉄骨工として働く上で、必須となる資格はありません。しかし、以下の資格を取得することで、スキルアップやキャリアアップにつながります。
・玉掛け技能講習:クレーンで鉄骨を吊り上げる作業に必要な資格
・ガス溶接技能講習:鉄骨同士を溶接する作業に必要な資格
・高所作業車運転技能講習:高所作業車を使用して作業を行うために必要な資格
・建築施工管理技士:工事現場の管理や監督を行うために必要な資格
3-3. 鉄骨工に必要なスキル
鉄骨工には、以下のようなスキルが必要です。
・体力:鉄骨は重量があるため、持ち上げたり運んだりする際に体力が必要となります。
・バランス感覚:高所での作業が多いため、バランス感覚が求められます。
・空間認識能力:設計図を理解し、鉄骨を正確に組み立てるために必要な能力です。
・チームワーク:鉄骨工事はチームで行う作業が多いため、周囲と協力しながら作業を進めることが重要です。
4. 鉄骨工のやりがいや魅力
4-1. 自分の仕事が形に残る
鉄骨工は、建物の基礎となる骨組みを作る仕事です。そのため、自分の仕事が建物として形に残るという大きなやりがいがあります。街を歩いているときに、自分が関わった建物を見つけたときの喜びはひとしおです。また、建物が完成したときの達成感も大きく、自分の仕事に誇りを持つことができます。
4-2. 技術を磨くことができる
鉄骨工事は、高い技術力が必要とされる仕事です。そのため、日々技術を磨くことにやりがいを感じることができます。先輩職人から技術を学び、経験を積むことで、徐々にスキルアップしていくことができます。また、資格を取得したり、新しい技術を習得したりすることで、さらに仕事の幅を広げることができます。
4-3. チームワークで仕事ができる
鉄骨工事は、チームで行う作業が多いため、仲間と一緒に仕事をすることができます。お互いに協力し合いながら作業を進めることで、チームワークの大切さを実感できます。また、仲間と一緒に困難を乗り越えたときの達成感は、大きな喜びとなります。
5. 鉄骨工の給料や将来性
5-1. 鉄骨工の給料
鉄骨工の給料は、経験やスキル、地域などによって異なりますが、一般的に建設業界の中では比較的高い水準にあります。未経験者の場合、月収20万円程度からスタートすることが多く、経験を積むにつれて昇給していくことが期待できます。また、資格を取得したり、現場管理などの役割を担うことで、さらに収入アップが見込めます。
5-2. 鉄骨工の将来性
鉄骨造の建物は、耐震性や耐久性に優れているため、今後も需要が見込まれます。そのため、鉄骨工の将来性は比較的安定していると言えます。特に、都市部での再開発やインフラ整備に伴い、鉄骨工事の需要は高まることが予想されます。また、近年では、鉄骨造の住宅も増えてきており、活躍の場は広がっています。
6. 鉄骨工に向いている人とは?
6-1. 体力に自信がある人
鉄骨工は、重量のある鉄骨を持ち上げたり運んだりする作業が多いため、体力が必要です。また、高所での作業も多いため、バランス感覚や持久力も求められます。そのため、体を動かすことが好きで、体力に自信がある人は向いていると言えます。
6-2. チームワークを大切にできる人
鉄骨工事は、チームで行う作業が多いため、周囲と協力しながら作業を進めることが重要です。そのため、コミュニケーション能力が高く、チームワークを大切にできる人は向いていると言えます。また、先輩職人から指導を受けたり、後輩職人への指導を行ったりすることも多いため、協調性も求められます。
6-3. ものづくりに興味がある人
鉄骨工は、建物の骨組みを作る仕事です。そのため、ものづくりに興味があり、自分の仕事が形に残ることにやりがいを感じる人は向いていると言えます。また、常に新しい技術を学び、スキルアップを目指す向上心も必要です。