項目 | 内容 |
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分類 | チャセンシダ科チャセンシダ属 |
学名 | Asplenium |
英名 | Bird’s Nest Fern |
別名 | シマオオタニワタリ、オオタニワタリ、アビス、ニダス、ニドゥス |
原産地 | アジア・太平洋諸島 |
分布 | 熱帯~寒帯 |
花言葉 | あなたは私の喜び、真実の慰み、雄々しい |
特徴 | 常緑のシダ植物、葉は光沢があり、波打つような形 |
育て方 | 日陰を好み、湿気を好む。水やりは土の表面が乾いたらたっぷりと。冬は控えめに。 |
増やし方 | 株分け、胞子 |
病気 | 炭疽病 |
害虫 | ナメクジ、カイガラムシ |
選び方 | 幹がしっかりしていて、葉の色つやが良いものを選ぶ。病害虫が発生していないかチェックする。 |
1. アスプレニウムの特徴とは
アスプレニウムの分類と名前の由来
アスプレニウムは、チャセンシダ科チャセンシダ属に分類される植物です。シダ植物は、維管束を持つ植物のなかで、種子ではなく胞子で繁殖する種類です。学名は『Asplenium』で、英名は『Bird’s Nest Fern(鳥の巣のようなシダ植物)』と呼ばれています。一般的には、シマオオタニワタリ、オオタニワタリ、アビス、ニダス、ニドゥスなどの名前でも呼ばれています。アスプレニウムという名前は、この植物に薬効があったことからつけられました。ラテン語の『a』=否定と『splen』=ひ臓を合わせた言葉で、アスプレニウムには働きの悪いひ臓の機能を元に戻す効果があったとされています。また、別名の『Avis(アビス)』はラテン語で鳥を意味し、『Nidus(ニダス)』は巣のことを指しています。英名の『鳥の巣のようなシダ植物』と同じ意味を表しています。
日本では、谷や断崖に自生し、隣の谷へ胞子を飛ばして生長することから、『シマオオタニワタリ(大谷渡り)』、『オオタニワタリ(谷渡り)』、『タニワタリ(渡り)』と呼ばれています。
名前 | 由来 |
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Asplenium | ラテン語の『a』=否定と『splen』=ひ臓を合わせた言葉。ひ臓の機能を元に戻す効果があったとされている。 |
Avis(アビス) | ラテン語で鳥を意味する。 |
Nidus(ニダス) | ラテン語で巣を意味する。 |
シマオオタニワタリ | 谷や断崖に自生し、隣の谷へ胞子を飛ばして生長することから。 |
オオタニワタリ | 谷や断崖に自生し、隣の谷へ胞子を飛ばして生長することから。 |
タニワタリ | 谷や断崖に自生し、隣の谷へ胞子を飛ばして生長することから。 |
アスプレニウムの原産地と分布
アスプレニウムの原産地はアジア・太平洋諸島です。赤道に近く、一年を通して温暖な気候が続く場所で誕生しました。熱帯から寒帯まで、幅広く分布しています。アジア圏の沖縄や小笠原諸島、台湾、東南アジア、太平洋諸島ではオーストラリア、ニュージーランドなど地域に自生し、アフリカにも分布をしています。
地域 | 分布 |
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アジア | 沖縄、小笠原諸島、台湾、東南アジア |
太平洋諸島 | オーストラリア、ニュージーランド |
アフリカ | 一部地域 |
アスプレニウムの花言葉
アスプレニウムの花言葉は、『あなたは私の喜び』、『真実の慰(なぐさ)み』、『雄々しい』の3つです。断崖や谷などの険しい山に生えているため、その姿が『雄々しく』、アスプレニウムを見つけたときの喜びから『あなたは私の喜び』、見つけたときに歩き疲れた心情を晴らすことから『真実の慰(なぐさ)み』とつけられました。
花言葉 | 由来 |
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あなたは私の喜び | アスプレニウムを見つけたときの喜びから |
真実の慰み | 見つけたときに歩き疲れた心情を晴らすことから |
雄々しい | 断崖や谷などの険しい山に生えている姿から |
まとめ
アスプレニウムは、チャセンシダ科チャセンシダ属に属するシダ植物で、世界中に約700種が存在し、日本にも30種ほど自生しています。学名は『Asplenium』で、英名は『Bird’s Nest Fern』と呼ばれています。日本では、谷や断崖に自生し、隣の谷へ胞子を飛ばして生長することから、『シマオオタニワタリ』、『オオタニワタリ』、『タニワタリ』と呼ばれています。
アスプレニウムの花言葉は、『あなたは私の喜び』、『真実の慰(なぐさ)み』、『雄々しい』の3つです。
2. アスプレニウムの育て方
アスプレニウムの置き場所
アスプレニウムは、直射日光が苦手で葉焼けを起こしやすいです。そのため、屋外では一日を通して明るい日陰に置き、室内ではレースカーテン越しなど半日影に置くと良いでしょう。耐陰性はあるものの、明るさが足りないと間延びしたり、葉のツヤがなくなったりします。本来の鮮やかでツヤのある葉を楽しむには、ある程度の日差しも大切です。
季節 | 置き場所 |
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春~秋 | 屋外の日当たりの良い場所(直射日光は避ける) |
冬 | 室内の明るい日陰 |
室内 | エアコンの風が当たらない場所 |
アスプレニウムの水やり
アスプレニウムは湿った環境を好みますが、根腐れを起こしやすく、水の与えすぎには注意が必要です。春から秋の成長期は、土の表面が乾きはじめたら鉢底から流れ出るくらい、たっぷり水やりをします。夏場は乾燥しやすいので毎日与えても良いです。冬は成長が緩やかになるので、水やりの回数を減らし、土の表面が乾いてから2〜3日後に水やりをします。乾燥気味に育てた方が寒さに強くなります。
葉水は一年を通して行ってください。近くに霧吹きを置いて、気づいたら葉水するくらい頻繁に行っても大丈夫です。一般的な植物の水やりは、葉に水がかからないようにしますが、アスプレニウムの場合は、葉にも水をたくさんかけてあげた方がよく育ちます。特に株の中心にある成長点は、常に湿った状態にするとキレイな新芽を出してくれます。
季節 | 水やり |
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春~秋 | 土の表面が乾いたらたっぷりと |
夏 | 毎日 |
冬 | 土の表面が乾いてから2~3日後に |
葉水 | 一年を通して |
アスプレニウムの肥料
春から秋の成長期には、新芽をたくさん出して旺盛に成長するので、肥料を与えると良いでしょう。2ヶ月に1回ほど固形の緩効性肥料を与えるか、10日に1回ほど薄めた液体肥料を与えます。冬は休眠期で肥料は必要ありません。なお、コバエの発生を防ぐために、有機肥料ではなく化成肥料を使うのがおすすめです。
季節 | 肥料 |
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春~秋 | 緩効性肥料(2ヶ月に1回)または液体肥料(10日に1回) |
冬 | 不要 |
まとめ
アスプレニウムは、直射日光を避け、明るい日陰で育てるのが理想です。春から秋にかけては、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与え、冬は乾燥気味に管理します。生育期には、緩効性肥料を2ヶ月に1回程度与えましょう。
3. アスプレニウムの病気と害虫
アスプレニウムの害虫
アスプレニウムには、ナメクジ、カイガラムシなどが発生することがあります。ナメクジは新芽を食べて葉に穴をあけてしまう害虫で、見つけ次第取り除くか、ナメクジ専用の殺虫剤で退治します。4月〜6月と9月〜10月の湿気が多い時期に発生しやすいため、特に注意深く観察しましょう。また、ナメクジには寄生虫がいる可能性があるので、取り除く時は必ず割りばしを使ってください。
カイガラムシも葉の裏に張り付いています。白くへばりついているものが、カイガラムシです。葉から取り除くには、歯ブラシで擦り落としてください。幼虫のときに見つけた場合は、殺虫剤が有効です。大きくなったカイガラムシは殻が硬く、効き目がありませんので注意してください。
害虫 | 対策 |
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ナメクジ | 見つけ次第取り除く、ナメクジ専用の殺虫剤を使用 |
カイガラムシ | 歯ブラシで擦り落とす、幼虫の時は殺虫剤を使用 |
アスプレニウムの病気
アスプレニウムは『炭疽病』にかかることがあります。炭疽病はカビを原因とする伝染病で、葉に茶色や灰色の斑点が現れ、最終的には穴が空いてしまいます。高温多湿の時期に発生しやすく、感染力が強いため、発病した葉はすぐに取り除いてください。炭疽病に有効な殺菌剤を使用しても良いです。風通しと日当たりの良い環境に置くことでも予防できます。
病気 | 対策 |
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炭疽病 | 発病した葉を取り除く、殺菌剤を使用 |
アスプレニウムの葉が枯れる原因
アスプレニウムは高湿度を好むシダ植物です。空気があまりにも乾燥していると、葉先が茶色く枯れ込むことがあります。室内の空気が乾燥している場合は加湿器を使ったり、葉水を行うことで空中湿度を高められます。
原因 | 対策 |
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乾燥 | 加湿器を使用、葉水を行う |
まとめ
アスプレニウムは、ナメクジやカイガラムシなどの害虫が発生しやすいので、定期的に観察し、適切な対策を行うことが大切です。また、高温多湿の環境では炭疽病が発生しやすいため、風通しを良くし、適切な水やりを行うことで予防しましょう。
4. アスプレニウムの種類と選び方
アスプレニウムの種類
アスプレニウムは、世界中に約700種存在し、その中でも日本でよく見られるのは、シマオオタニワタリ、オオタニワタリ、アビス、ニダス、ニドゥスなどです。
種類 | 特徴 |
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シマオオタニワタリ | 葉の長さが1m以上になる大型種 |
オオタニワタリ | シマオオタニワタリに似ているが、葉の形がより丸みを帯びている |
アビス | シマオオタニワタリの園芸品種で、深い緑色の葉を持つ |
ニダス | シマオオタニワタリと同じ種類 |
ニドゥス | シマオオタニワタリと同じ種類 |
アスプレニウムの選び方
アスプレニウムを選ぶときは、幹がしっかりしていて、葉の色つやが良いものを選びましょう。また、病害虫が発生していないかもチェックします。
ポイント | 内容 |
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幹 | しっかりしている |
葉 | 色つやが良い |
病害虫 | 発生していないかチェックする |
アスプレニウムの品種
アスプレニウムには、様々な品種があります。代表的な品種としては、アスプレニウム・アビス、アスプレニウム・エメラルドウェーブ、アスプレニウム・ケンゾイなどがあります。
品種 | 特徴 |
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アスプレニウム・アビス | 深い緑色の葉を持つ |
アスプレニウム・エメラルドウェーブ | 鮮やかな緑色で、葉が波打つようにウェーブがかかっている |
アスプレニウム・ケンゾイ | 葉の先を伸ばして子株をつける |
まとめ
アスプレニウムは、種類が豊富で、葉の形や大きさ、色合いなどが様々です。自分の好みに合った品種を選ぶようにしましょう。
5. アスプレニウムの増やし方
アスプレニウムの増やし方:株分け
アスプレニウムは、株分けで増やすことができます。株分けは、5月~9月に行うのがおすすめです。アスプレニウムは、根に塊を作ります。植え替えるときは、塊を崩さないよう気をつけて作業をしてください。根詰まりが起きている場合は、根を傷つけないようにほぐします。長い根や茶色、黒いものは生長を妨げるため、切り落としてください。
手順 | 内容 |
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1 | 子株を外して、パーミキュライト・パーライト・ミズゴケを混ぜた鉢に植えつける |
2 | 鉢全体をビニール袋で覆う |
3 | 日の入る明るい日陰で、2~3カ月間育てる |
4 | 根が出て、しっかりとした葉(本葉)つけたら、用土へ植え替える |
アスプレニウムの増やし方:胞子
アスプレニウムは、胞子を使って増やすこともできます。胞子は、葉の裏側に付いている茶色の粉のようなものです。胞子からアスプレニウムを育てるには、湿らせたミズゴケなどに胞子をまいて、高湿度を保つようにします。発芽したての株は乾燥に弱いため、注意が必要です。
手順 | 内容 |
---|---|
1 | 葉の裏側にこびりつく茶色の胞子を、刷毛・ブラシで軽く擦る |
2 | 擦り落とした胞子を紙・新聞紙などに集める |
3 | 鉢に苗床を用意する |
4 | 集めた胞子を苗床に撒く |
5 | 鉢全体をビニール袋で包み、密封する |
6 | 明るく風通しのよい場所に置くと、2週間ほどで芽を出す |
7 | 芽を出したら、水と液体肥料(薄めたもの)与える |
8 | 葉が強く、しっかりと生長したら、ビニールを外す |
アスプレニウムの増やし方:その他
アスプレニウムは、種類によって増やし方が異なります。
まとめ
アスプレニウムは、株分けや胞子で増やすことができます。株分けは、比較的簡単に増やすことができます。胞子で増やす場合は、高湿度を保つことが重要です。
6. アスプレニウムの適した環境と気をつけるポイント
アスプレニウムの温度管理
アスプレニウムは、寒さに弱いため、5℃以下にならないように注意が必要です。冬は、室温を5℃以上に保ち、できれば10℃以上をキープできる暖かい部屋で管理することをおすすめします。
季節 | 温度 |
---|---|
冬 | 5℃以上 |
冬 | 10℃以上(理想) |
アスプレニウムの置き場所
アスプレニウムは、直射日光を避け、明るい日陰で育てるのが理想です。夏は、直射日光が当たらない場所に置き、冬は、室内の明るい場所に置きましょう。
季節 | 置き場所 |
---|---|
夏 | 直射日光を避けた明るい日陰 |
冬 | 室内の明るい日陰 |
アスプレニウムの管理
アスプレニウムは、葉が縮んだり、いびつな形になっていたりすると、乾燥しています。霧吹きで葉に水分を与えましょう。茶色い葉が現れたら、葉の根元から切ってください。アスプレニウムは秋になっても、葉を落としません。根詰まりを起こしている場合は、下葉が茶色に変色します。日焼けの場合は、葉の一部分だけが変色します。色が変わる場所によって、植物の状態を見極めましょう。
症状 | 原因 | 対策 |
---|---|---|
葉が縮む | 乾燥 | 霧吹きで葉水を与える |
葉が茶色くなる | 乾燥、日焼け | 霧吹きで葉水を与える、直射日光を避ける |
葉が変色する | 根詰まり | 植え替えを行う |
まとめ
アスプレニウムは、寒さに弱いため、冬は室温を5℃以上に保つようにしましょう。また、直射日光を避け、明るい日陰で管理することが大切です。葉が乾燥している場合は、霧吹きで葉水を与えましょう。
参考文献
・アスプレニウムの育て方!室内での管理のコツや剪定方法など …
・オオタニワタリ(アスプレニウム)の育て方|観葉植物として長く …
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・アスプレニウム(オオタニワタリ)の育て方|室内で育てるコツは …
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