ウォータートン・グレーシャー国際平和自然公園とは？世界遺産についての解説

ウォータートン・グレーシャー国際平和自然公園の概要
項目	内容
位置	アメリカ合衆国モンタナ州とカナダアルバータ州の境界
面積	約4577平方キロメートル
登録年	1995年
登録基準	(vii)(ix)
特徴	氷河地形、湖沼、多様な動植物、国際平和公園
アクセス	アメリカ側: カリスペル、グレートフォールズ、スポケーンなどの空港からレンタカー、カナダ側: カルガリーからレンタカー
ベストシーズン	5月下旬～8月下旬
宿泊	プリンス・オブ・ウェールズ・ホテル、メニーグレーシャー・ホテルなど
アクティビティ	ハイキング、ボートクルーズ、乗馬など

1. ウォータートングレーシャー国際平和自然公園とは

公園の概要

ウォータートン・グレーシャー国際平和自然公園は、アメリカ合衆国モンタナ州のグレイシャー国立公園とカナダアルバータ州のウォータートン・レイク国立公園の国境を跨いだ世界唯一の国際公園です。3000m級の山が並ぶロッキー山脈のほぼ中央に位置し、氷河に削られた地形が特徴的です。200を超える湖沼、広大な森林からなる公園の総面積はおよそ4577平方キロメートル（東京都の2倍強）にも及びます。

山脈を流れる川は、稜線を境に東西に分かれ、西は太平洋に、東は南下してメキシコ湾へと注いでいます。北米大陸水系の境界線、大陸分水嶺が公園内を随所に走っていることから、多様な生態系が育まれています。

1932年6月30日に世界ではじめて国際平和公園法で選ばれ、1995年には世界遺産（自然遺産）に登録されました。

公園の概要
項目	内容
位置	ロッキー山脈の中央
面積	約4577平方キロメートル
特徴	氷河地形、湖沼、森林
設立	1932年
登録	1995年（世界遺産）

公園の構成

ウォータートン・グレーシャー国際平和自然公園は、アメリカ側のグレイシャー国立公園とカナダ側のウォータートン・レイク国立公園の2つの国立公園から構成されています。

グレイシャー国立公園は、1910年に設立され、1000種類以上の植物と数百種に及ぶ動物が生息する、手つかずの自然が残る国立公園です。

ウォータートン・レイク国立公園は、1895年に設立され、ウォータートン湖を中心とした、美しい湖沼と山岳景観が魅力の国立公園です。

公園の構成
公園名	国	設立年	特徴
グレイシャー国立公園	アメリカ	1910年	手つかずの自然、多様な動植物
ウォータートン・レイク国立公園	カナダ	1895年	ウォータートン湖、山岳景観

アクセス

ウォータートン・グレーシャー国際平和自然公園へのアクセスは、アメリカ側とカナダ側から可能です。

アメリカ側からは、モンタナ州の北部に位置するため、最寄りのカリスペル、グレートフォールズ、スポケーンなどの空港からレンタカーを利用するのが一般的です。

カナダ側からは、カルガリーから約270kmの距離があり、空港からレンタカーを利用するのがおすすめです。

アクセス
国	アクセス方法
アメリカ	カリスペル、グレートフォールズ、スポケーンなどの空港からレンタカー
カナダ	カルガリーからレンタカー

まとめ

ウォータートン・グレーシャー国際平和自然公園は、アメリカとカナダの国境を跨いだ世界唯一の国際公園であり、ロッキー山脈の壮大な自然と多様な生態系を有する世界遺産です。

公園は、アメリカ側のグレイシャー国立公園とカナダ側のウォータートン・レイク国立公園の2つの国立公園から構成され、それぞれが独自の自然の魅力を持っています。

アクセスは、アメリカ側とカナダ側から可能で、レンタカーを利用するのが一般的です。

2. 世界遺産への登録経緯

登録基準

ウォータートン・グレーシャー国際平和自然公園は、1995年に世界遺産（自然遺産）に登録されました。

登録基準は、(vii)と(ix)の2つです。

(vii)は「ひときわすぐれた自然美及び美的な重要性をもつ最高の自然現象または地域を含むもの」であり、(ix)は「陸上、淡水、沿岸および海洋生態系と動植物群集の進化と発達において進行しつつある重要な生態学的、生物学的プロセスを示す顕著な見本であるもの」です。

登録基準
基準	内容
(vii)	ひときわすぐれた自然美
(ix)	重要な生態学的、生物学的プロセス

登録の理由

ウォータートン・グレーシャー国際平和自然公園は、山々の風景、地形の起伏、氷河の地形、野生動物と野生の花の豊富な多様性など類まれな自然であることから、(vii)の基準を満たしています。

また、北アメリカの極めて重要な位置を占めており、世界の他の場所では発生しない植物群落と生態学的複合体が発展したことから、(ix)の基準を満たしています。

さらに、アメリカとカナダの国境を跨いだ世界唯一の国際公園であること、そして、国際平和公園法で選ばれた世界初の国際平和公園であることも、登録の理由として挙げられます。

登録の理由
理由	説明
自然美	山々の風景、地形の起伏、氷河の地形、野生動物と野生の花の多様性
生態系の重要性	北アメリカの重要な位置、世界の他の場所では発生しない植物群落と生態学的複合体
国際平和公園	アメリカとカナダの国境を跨いだ世界唯一の国際公園、国際平和公園法で選ばれた世界初の国際平和公園

登録後の取り組み

登録後も、アメリカとカナダは協力して、公園の保護と管理を行っています。

観光客の増加による環境への影響を最小限に抑えるため、環境保護への意識啓発や、持続可能な観光の推進など、さまざまな取り組みが行われています。

また、先住民の文化や歴史を尊重し、保護する活動も積極的に行われています。

登録後の取り組み
取り組み	内容
環境保護	観光客の増加による環境への影響を最小限に抑える
持続可能な観光	持続可能な観光の推進
先住民の文化保護	先住民の文化や歴史を尊重し、保護する活動

まとめ

ウォータートン・グレーシャー国際平和自然公園は、その類まれな自然美と多様な生態系、そして国際平和公園としての意義が認められ、世界遺産に登録されました。

登録後も、アメリカとカナダは協力して、公園の保護と管理、そして持続可能な観光の推進に取り組んでいます。

世界遺産としての価値を維持し、未来の世代へ引き継いでいくための取り組みが続けられています。

3. 自然の魅力

氷河地形

ウォータートン・グレーシャー国際平和自然公園は、氷河によって削られた地形が特徴的です。

U字谷や氷河湖など、氷河の浸食によって形成された地形を見ることができます。

特に、ローガン峠は、公園内を東西に横断する「太陽への道」の最高地点であり、氷河地形を目の当たりにすることができる絶景ポイントです。

氷河地形
地形	説明
U字谷	氷河の浸食によって形成された谷
氷河湖	氷河が溶けてできた湖
ローガン峠	公園内を東西に横断する「太陽への道」の最高地点

湖沼

公園内には、650もの氷河湖をはじめ、200を超える湖沼が存在します。

ウォータートン湖は、カナダ側のウォータートン・レイク国立公園の中心となる湖で、その美しい青色の水と周囲の山々の景色が魅力です。

マクドナルド湖は、アメリカ側のグレイシャー国立公園にある湖で、エメラルドグリーンの湖面が印象的です。

湖沼
湖名	国	特徴
ウォータートン湖	カナダ	美しい青色の水、周囲の山々の景色
マクドナルド湖	アメリカ	エメラルドグリーンの湖面

動植物

ウォータートン・グレーシャー国際平和自然公園には、グリズリー、コヨーテ、マウンテン・ゴート、ビッグホーンなどの動物が生息しています。

また、鳥類も豊富で、渡り鳥の生息地としても知られています。

植物も多様で、高山植物や針葉樹など、さまざまな種類を見ることができます。

動植物
動物	説明
グリズリー	大型のクマ
コヨーテ	イヌ科の動物
マウンテン・ゴート	山羊の一種
ビッグホーン	ヒツジの一種
鳥類	渡り鳥など
植物	高山植物、針葉樹など

まとめ

ウォータートン・グレーシャー国際平和自然公園は、氷河地形、湖沼、動植物など、多様な自然の魅力に溢れています。

氷河によって削られた地形や、美しい湖沼は、訪れる人々に感動を与えてくれます。

また、多様な動植物が生息しており、自然の豊かさを実感することができます。

4. 平和の象徴としての意義

国際平和公園

ウォータートン・グレーシャー国際平和自然公園は、アメリカとカナダの国境を跨いだ世界唯一の国際公園です。

1932年に、国際平和公園法に基づいて、両国によって設立されました。

これは、国境を越えて自然を保護し、平和を維持するという、両国の強い意志を示すものです。

国際平和公園
項目	内容
設立	1932年
目的	国境を越えて自然を保護し、平和を維持する
特徴	アメリカとカナダの国境を跨いだ世界唯一の国際公園

平和の象徴

ウォータートン・グレーシャー国際平和自然公園は、国境を越えた協力と友好の象徴として、世界中から注目されています。

公園内には、国境線が明確に示されている場所もありますが、自然の中に国境を感じることはほとんどありません。

自然を共有し、平和を維持するという、国際的な協力の成功例として、世界に示されています。

平和の象徴
項目	内容
象徴	国境を越えた協力と友好の象徴
目的	自然を共有し、平和を維持する
成果	国際的な協力の成功例として世界に示されている

先住民の文化

ウォータートン・グレーシャー国際平和自然公園は、先住民の文化とも深く関わっています。

公園周辺には、かつてブラックフィート、サリッシュ、クーテナイという3つの先住民部族が住んでいました。

公園内には、先住民の文化遺産が数多く残されており、その歴史や伝統を学ぶことができます。

先住民の文化
部族	説明
ブラックフィート	先住民部族
サリッシュ	先住民部族
クーテナイ	先住民部族
文化遺産	公園内には先住民の文化遺産が数多く残されている

まとめ

ウォータートン・グレーシャー国際平和自然公園は、国際平和公園として、国境を越えた協力と友好の象徴となっています。

自然保護と平和維持という重要なメッセージを世界に発信し続けています。

また、先住民の文化や歴史を尊重し、保護する取り組みも重要な役割を果たしています。

5. アクティビティの紹介

ハイキング

ウォータートン・グレーシャー国際平和自然公園では、雄大な山々や氷河湖を眺めながらのハイキングを楽しむことができます。

ローガン峠からヒドゥン・レイク展望所までのハイキングコースは、高山植物が咲き乱れる美しいコースとして人気です。

グリンネル・グレーシャー遊歩道は、メニーグレーシャー・ホテルから始まり、氷河まで続く、本格的なハイキングコースです。

ハイキング
コース名	特徴
ローガン峠からヒドゥン・レイク展望所	高山植物が咲き乱れる美しいコース
グリンネル・グレーシャー遊歩道	氷河まで続く本格的なコース

ボートクルーズ

ウォータートン湖やマクドナルド湖では、ボートクルーズを楽しむことができます。

湖上から眺める山々の景色は、格別です。

氷河で削られてできた谷を巡るクルーズもあります。

ボートクルーズ
場所	特徴
ウォータートン湖	湖上から山々の景色を眺める
マクドナルド湖	湖上から山々の景色を眺める
氷河で削られた谷	氷河地形を間近で見ることができる

乗馬

公園内では、乗馬を楽しむこともできます。

広大な草原や森林の中を、ゆっくりと散策することができます。

野生動物と出会えるチャンスもあります。

乗馬
場所	特徴
草原	広大な草原を散策
森林	森林の中を散策
野生動物	野生動物と出会えるチャンスがある

まとめ

ウォータートン・グレーシャー国際平和自然公園では、ハイキング、ボートクルーズ、乗馬など、さまざまなアウトドアアクティビティを楽しむことができます。

雄大な自然を満喫しながら、忘れられない思い出を作りましょう。

6. 訪れる際のおすすめポイント

ベストシーズン

ウォータートン・グレーシャー国際平和自然公園は、5月下旬から8月下旬の夏季にのみオープンします。

7月～9月は、ハイキングやボートクルーズなど、さまざまなアクティビティを楽しむのに最適なシーズンです。

6月は、高山植物が咲き乱れる季節で、特に美しい景色を楽しむことができます。

ベストシーズン
時期	特徴
5月下旬～8月下旬	公園のオープン期間
7月～9月	ハイキングやボートクルーズなど、さまざまなアクティビティを楽しむのに最適
6月	高山植物が咲き乱れる季節

宿泊

公園内には、ホテルやロッジがいくつかあります。

プリンス・オブ・ウェールズ・ホテルは、ウォータートン・レイク国立公園にある歴史的なホテルで、湖の景色を一望できます。

メニーグレーシャー・ホテルは、グレイシャー国立公園にあるホテルで、グリンネル・グレーシャー遊歩道の起点となっています。

宿泊
ホテル名	場所	特徴
プリンス・オブ・ウェールズ・ホテル	ウォータートン・レイク国立公園	湖の景色を一望できる歴史的なホテル
メニーグレーシャー・ホテル	グレイシャー国立公園	グリンネル・グレーシャー遊歩道の起点

食事

公園内には、レストランやカフェがいくつかあります。

地元の食材を使った料理や、アメリカとカナダの両国の料理を楽しむことができます。

ピクニックもおすすめです。

食事
食事方法	特徴
レストラン	地元の食材を使った料理や、アメリカとカナダの両国の料理
カフェ	軽食や飲み物
ピクニック	自然の中で食事を楽しむ