ダンブッラの黄金寺院とは？世界遺産についての解説

ダンブッラの黄金寺院の概要
項目	内容
歴史	紀元前3世紀に僧院として始まり、紀元前1世紀に寺院へ。その後、増築や修復が繰り返され、現在に至る
名称	2019年に「ランギリ・ダンブッラの石窟寺院」に改称。以前は「ダンブッラの黄金寺院」と呼ばれていた
重要性	スリランカの仏教史において重要な役割を果たし、2000年以上もの間、人々の信仰の対象として崇拝されてきた
構造	高さ150メートルの岩山の中腹に建設された石窟寺院。5つの石窟からなり、それぞれに聖像や絵画が飾られている
聖像	153体の釈迦像、3体のスリランカ王の像、4体のヒンドゥー教の神像が祀られている。特に第1窟にある全長14メートルの涅槃仏が有名
壁画	石窟の天井や壁は壁画で埋め尽くされている。釈迦の生涯やスリランカの歴史、ヒンドゥー教の神々などが描かれている
世界遺産登録	1991年にUNESCOの世界遺産に登録。人類の創造的才能を表す傑作、文化的伝統の優れた例として評価された
参拝方法	靴を脱いで預け、肌の露出を控え、静かに参拝する。仏像に背を向けて写真を撮ることは避け、仏像の方を向いて手を合わせた写真にしましょう
アクセス	キャンディ、ポロンナルワからはバスで約2時間。コロンボからは約4時間半。シーギリヤからは約40分
周辺観光スポット	シーギリヤロック、キャンディ、ポロンナルワなど、多くの観光スポットがある

1. ダンブッラの黄金寺院の歴史
2. 建物や彫刻の特徴
3. 世界遺産への登録経緯
4. 参拝の方法と作法
5. ダンブッラの黄金寺院へのアクセス方法
6. 周辺の観光スポット

1. ダンブッラの黄金寺院の歴史

ダンブッラの黄金寺院の起源

ダンブッラの黄金寺院は、スリランカ最大の都市コロンボから北東に148km、中部州の州都キャンディから北に72kmのダンブッラに位置する石窟寺院です。その歴史は紀元前3世紀にまで遡り、スリランカにおいて最も保存状態の良い石窟寺院として知られています。当初は僧院として機能していましたが、紀元前1世紀にシンハラ王朝のワッタガーマニー・アバヤ王によって寺院へと転換されました。ワッタガーマニー・アバヤ王は、南インドのタミル人によってアヌラーダプラから追放された際に、ダンブッラの僧侶に保護されました。その後、王はアヌラーダプラに帰還し、その感謝の気持ちから僧院を寺院へと発展させたのです。

その後も、ダンブッラの寺院には多くの増築が施されました。ポロンナルワの王統で最後の王であるニッサンカ・マッラ（在位1187年-1196年）は、寺院を金箔で飾り、また、1190年には、70対の仏像を寺院に納めました。18世紀には、キャンディ王国の手によって、石窟寺院の修復作業が行われました。

これらの歴史的な出来事を通して、ダンブッラの黄金寺院は、スリランカを代表する仏教寺院へと発展を遂げました。現在も、多くの観光客が訪れる人気の観光スポットとなっています。

ダンブッラの黄金寺院の歴史年表
時代	出来事
紀元前3世紀	僧院として開かれる
紀元前1世紀	ワッタガーマニー・アバヤ王によって寺院に転換
1187年-1196年	ニッサンカ・マッラ王が寺院を金箔で飾り、仏像を寄進
18世紀	キャンディ王国によって修復作業が行われる
2019年	名称が「ランギリ・ダンブッラの石窟寺院」に改称

ダンブッラの黄金寺院の名称について

ダンブッラの黄金寺院は、かつては「ダンブッラの黄金寺院」という名称で呼ばれていましたが、2019年に「ランギリ・ダンブッラの石窟寺院」に改称されました。これは、寺院がある岩山が「ランギリ」と呼ばれ、その意味が「黄金に輝く」であることから、より正確な名称に変更されたためです。

しかし、現在でも「ダンブッラの黄金寺院」という名称で呼ばれることが多く、観光客の間では、どちらの名称でも通じるようです。

ダンブッラの黄金寺院の重要性

ダンブッラの黄金寺院は、スリランカの仏教史において重要な役割を果たしてきました。2000年以上もの間、人々の信仰の対象として崇拝され、巡礼地として多くの信者が訪れてきました。

寺院は、スリランカの仏教文化を象徴する場所であり、その歴史的・文化的価値は非常に高いです。

まとめ

ダンブッラの黄金寺院は、紀元前3世紀から続く歴史を持つ、スリランカを代表する仏教寺院です。シンハラ王朝のワッタガーマニー・アバヤ王によって寺院へと転換され、その後も多くの増築や修復が行われてきました。

寺院は、スリランカの仏教文化を象徴する場所であり、その歴史的・文化的価値は非常に高いです。現在も、多くの観光客が訪れる人気の観光スポットとなっています。

2. 建物や彫刻の特徴

ダンブッラの黄金寺院の構造

ダンブッラの黄金寺院は、高さ150メートルの岩山の中腹に建設された石窟寺院です。寺院の中核は、5つの石窟によって構成されています。これらの石窟は、アヌラーダプラ時代（紀元前1世紀-993年）、ポロンナルワ時代（1073年-1250年）に大部分が建設されました。

石窟は、それぞれ異なる特徴を持ち、それぞれの石窟に聖像や絵画が飾られています。

ダンブッラの黄金寺院の石窟
石窟	名称	特徴
第1窟	デーワ・ラージャ・ヴィハーラ	全長14メートルの涅槃仏が安置されている
第2窟	マハー・ラージャ・ヴィハーラ	56体の仏像と2,100平方メートルの壁画がある
第3窟	マハー・アルト・ヴィハーラ	多くの仏像と壁画がある
第4窟	パッツィーマ・ヴィハーラ	規模が小さく、仏像も少ない
第5窟	デワナ・アルト・ヴィハーラ	涅槃仏とヒンドゥー神が祀られている

ダンブッラの黄金寺院の聖像

ダンブッラの黄金寺院には、153体の釈迦像、3体のスリランカ王の像、4体のヒンドゥー教の神像が祀られています。これらの聖像は、釈迦とその生涯に関連したもので、それぞれに異なる表情やポーズをしています。

特に注目すべきは、第1窟にある全長14メートルの涅槃仏です。全身が金色に塗られていますが、足の裏だけが真っ赤です。これは、釈迦が赤土のスリランカに来たことを示していると言われています。

ダンブッラの黄金寺院の壁画

ダンブッラの黄金寺院の石窟の天井や壁は、壁画で埋め尽くされています。壁画の総面積は2

壁画は、紀元前から徐々に増えていき、各時代の王によって何度も修復されたり上書きされたりしたため、元の絵はほとんど残っていないと考えられています。しかし、それでも、当時の技術や文化を知る上で貴重な資料となっています。

まとめ

ダンブッラの黄金寺院は、5つの石窟からなり、それぞれに異なる特徴を持つ聖像や絵画が飾られています。

特に注目すべきは、第1窟にある全長14メートルの涅槃仏と、第2窟にある2

これらの聖像や絵画は、釈迦とその生涯、スリランカの歴史、ヒンドゥー教の神々などを表現しており、当時の技術や文化を知る上で貴重な資料となっています。

3. 世界遺産への登録経緯

ダンブッラの黄金寺院の世界遺産登録

ダンブッラの黄金寺院は、1991年にUNESCOの世界遺産に登録されました。世界遺産登録基準のうち、以下の条件を満たし、登録されたとされています。

(i) 人類の創造的才能を表す傑作であること。

(vi) 顕著な普遍的価値を持つ文化的伝統または生きている伝統、芸術的表現様式、建築様式、技術、または景観の、優れた例であること。

世界遺産登録基準
基準	内容
(i)	人類の創造的才能を表す傑作であること
(vi)	顕著な普遍的価値を持つ文化的伝統または生きている伝統、芸術的表現様式、建築様式、技術、または景観の、優れた例であること

ダンブッラの黄金寺院の世界遺産登録の理由

ダンブッラの黄金寺院は、スリランカの仏教文化を象徴する場所であり、その歴史的・文化的価値は非常に高いです。

寺院は、2000年以上もの間、人々の信仰の対象として崇拝され、巡礼地として多くの信者が訪れてきました。

また、寺院は、保存状態が非常に良く、当時の技術や文化を知る上で貴重な資料となっています。

ダンブッラの黄金寺院の世界遺産登録の影響

ダンブッラの黄金寺院の世界遺産登録は、寺院の保護と観光開発に大きな影響を与えました。

寺院は、世界遺産に登録されたことで、より多くの観光客が訪れるようになり、スリランカの観光産業の発展に貢献しました。

また、寺院は、世界遺産に登録されたことで、より厳格な保護管理が行われるようになり、その歴史的・文化的価値が守られています。

まとめ

ダンブッラの黄金寺院は、1991年にUNESCOの世界遺産に登録されました。

世界遺産登録基準のうち、人類の創造的才能を表す傑作であること、顕著な普遍的価値を持つ文化的伝統または生きている伝統、芸術的表現様式、建築様式、技術、または景観の、優れた例であることを満たしています。

世界遺産登録は、寺院の保護と観光開発に大きな影響を与え、スリランカの観光産業の発展と寺院の歴史的・文化的価値の保護に貢献しています。

4. 参拝の方法と作法

ダンブッラの黄金寺院への参拝方法

ダンブッラの黄金寺院は、スリランカの人々にとって神聖な場所です。そのため、参拝する際には、最低限のマナーを守ることが大切です。

まず、寺院に入る前に、靴を脱いで預ける必要があります。靴下を履いていても、かなり汚れるので、脱いでしまう方が良いでしょう。

また、寺院内では、肌の露出を控えるようにしましょう。特に、肩や膝を出した服装は避け、長袖や長ズボンを着用するのがおすすめです。

ダンブッラの黄金寺院での服装
服装	推奨	非推奨
肩	隠す	露出
膝	隠す	露出
その他	長袖・長ズボン	半袖・短パン

ダンブッラの黄金寺院での作法

寺院内では、静かに参拝しましょう。大声で話したり、騒いだりすることは避け、周りの人に配慮して行動しましょう。

また、仏像に背を向けて写真を撮ることは、失礼にあたります。仏像は単なる置き物ではなく、信仰の対象です。仏像の写真を撮る際は、仏像の方を向いて手を合わせた写真にしましょう。

寺院内では、飲食は禁止されています。

ダンブッラの黄金寺院での注意点

ダンブッラの黄金寺院は、岩山の上にあるため、階段を登ったり、坂道を歩いたりする必要があります。

特に、夏場は気温が高くなるので、水分補給をこまめに行い、体調管理に注意しましょう。

また、寺院内には猿がたくさんいます。猿は、食べ物などを持っていると、すぐに奪い取ってしまうので、注意が必要です。

まとめ

ダンブッラの黄金寺院は、スリランカの人々にとって神聖な場所です。そのため、参拝する際には、最低限のマナーを守ることが大切です。

靴を脱いで預け、肌の露出を控え、静かに参拝しましょう。仏像に背を向けて写真を撮ることは避け、仏像の方を向いて手を合わせた写真にしましょう。

寺院内では、飲食は禁止されています。また、猿に注意しましょう。

5. ダンブッラの黄金寺院へのアクセス方法

ダンブッラの黄金寺院へのアクセス方法

ダンブッラの黄金寺院は、スリランカの主要都市からバスでアクセスできます。キャンディ、ポロンナルワからは約2時間、コロンボからは約4時間半です。シーギリヤからは約40分です。

ダンブッラの黄金寺院は、ダンブッラのバスターミナルから約2km南にあります。バスターミナルから南下していくと、右手に大きな黄金のブッダが見えてきます。

この黄金のブッダは、ダンブッラの黄金寺院ではなく、博物館です。博物館の左側に階段があり、ここからダンブッラの黄金寺院への道が続きます。

ダンブッラの黄金寺院へのアクセス方法
交通手段	所要時間	料金
バス	キャンディから約2時間	Rs.100
バス	ポロンナルワから約2時間	Rs.100
バス	コロンボから約4時間半	Rs.150
バス	シーギリヤから約40分	Rs.100

ダンブッラの黄金寺院へのアクセス方法

ダンブッラの黄金寺院は、高さ150メートルの岩山の中腹にあるため、長い階段や坂道を登って行くことになります。

途中、チケット売り場がありますが、分かりづらいので注意が必要です。

ダンブッラの黄金寺院へのアクセス方法

ダンブッラの黄金寺院の入場料は、一人2000スリランカルピーです。

チケット売り場から石の階段を登っていくと、約10分ほどで石窟寺院の入口に着きます。

まとめ

ダンブッラの黄金寺院は、スリランカの主要都市からバスでアクセスできます。

ダンブッラのバスターミナルから約2km南に位置し、大きな黄金のブッダが目印です。

入場料は、一人2000スリランカルピーです。チケット売り場から石の階段を登っていくと、約10分ほどで石窟寺院の入口に着きます。

6. 周辺の観光スポット

シーギリヤロック

ダンブッラの黄金寺院から約40kmの場所に位置するシーギリヤロックは、スリランカを代表する世界遺産の一つです。

シーギリヤロックは、巨大な岩山の上に築かれた古代都市遺跡で、その頂上からは、周囲のジャングルや田園風景を一望できます。

シーギリヤロックには、古代の宮殿跡や庭園跡、壁画などが残されており、当時のスリランカの文化や技術水準の高さを物語っています。

周辺観光スポット
観光スポット	距離	特徴
シーギリヤロック	約40km	巨大な岩山の上に築かれた古代都市遺跡
キャンディ	約72km	スリランカの文化の中心地。仏歯寺や王宮跡などがある
ポロンナルワ	約60km	11世紀から13世紀にかけてスリランカの首都として栄えた古代都市遺跡